2020/04/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川原」にスミデーさんが現れました。
スミデー > (川原で火を熾し、強くなりすぎないように調整をしながら頭を落として腹を開き、内臓を捨てて川の水で洗った魚を串に刺して焼いている。
強火では表面だけ焼けて中が生になって腹を壊してしまうのでじっくりじっくり中まで火が通るように焼いていく)

「……良く釣れるからって取り過ぎたな……流石に10匹も食べられないぞ。
んー、余ったら召喚魔に食べさせるほどの量でもないし、保存食みたいにしておくか」

(誰か通り掛かって食べる、と言えば分けるのも吝かではないと思いつつ、じっくりじっくり丁寧に火を通し。
火力が強くなりすぎないように、弱くなりすぎないようにと調整しながら魚を焼いているその表情は、真剣そのものであった)

スミデー > (どうにか頑張って五匹は食べて、残り五匹は冷めるのを待ち紐で繋いで。
道中でちょっとずつ食べることにし、取りあえずそろそろ出るかと火を消して川原から街道へと向かい歩いていった)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川原」からスミデーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」にエリシュさんが現れました。
エリシュ >  ぷかぁ………と漂うなにか。

「………」

 身じろぎもせず、呼吸している素振りもない。
 メグメール自然地帯に流れる清らかな小川に、それが浮かんでいた。
 十人が見れば十人が頷くであろう水死体が川の上流から流れてくると、岩にぶつかってようやくとまった。
 それは、うつ伏せでぷかぷかと川の動揺に合わせて上下動していた。

「……」

 ぴくりとも動かない。

エリシュ >  真実、その体は死んでいた。肺に水が詰まっていて、心臓は動きを止めていたのだ。皮膚の色は白を通り越して青白く、生気がない。
 そしてそれは、唐突に動き始めた。手が持ち上がり、岩にかかると、がばっと一気に顔を持ち上げた。

「げほっ、ごほっ! ごほっ、あ゛ッ、はぁっ、ひっ……」

 大量の水を口から吐きながら、必死に這い上がる。
 死んだはずの少女は、蘇生に成功していた。
 半日ほど前のことである。能力を聞きつけた連中に囲まれ、山奥に監禁されてしまったのだ。なんとか逃げ出したが激流の川に追い込まれた。ええいままよと飛び込んで見事に水死を遂げた。ということである。
 ひいひい言いながら這っていくと、ずぶぬれの体を乾いた地面に横たえた。

エリシュ > 「こんなことなら………お、おとなしく従っていればよかったかな……」

 とにかく寒かった。全身が凍るように冷たく、二度目の死を迎えてしまいそうであった。
 水を弾くはずの鴉の羽のコートも、いまはびしょびしょ。
 適当な木のもとにやってきて、コートを脱いでかける。シャツも脱いでしまう。最後の砦である下着も脱いで引っ掛ける。

「寒い寒い寒い………!」

 木の枝を拾う。焚き火を組む。火をつける。
 一連の動きは全て全裸で行われた。

「はぁぁぁぁぁぁ生き返るなぁぁぁぁぁ……」

 そして着火。焚き火の前で膝を抱えて座り、青白い顔を緩ませた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 喜びヶ原をゆく蹄の音は、並脚から速歩にかけてというところか。小気味よく、蹄鉄が砂利を飛ばしてゆく音は、遠くからでも風に乗り届けられてゆくことだろう。
急かし、逸らせずとも騎士の軍馬は勇んで走る。
今日もまた、騎士はギルドの依頼を果たし遂せて、王都へと向かうその途次にあった。
その軍馬の行き足が抑えられたのは、騎士が行く手に焚火の火明かりを眼に留めたからだった。

「どう…っ」

その一声で、手綱を絞るまでもなく悍馬はゆるりと歩調を緩めてゆく。が、ブルル、と不満げに鼻を鳴らすのは忘れなかった。なんだ、もう少し走らせてくれてもよかろうに、と。そんな随分と人臭い仕草で首を振る悍馬である。
やがて、緩歩へと落ち着いた蹄の音が、せせらぎの傍らにあるその小さな『宿営地』へと近づいて…。

「卒爾ながら…どなたかおいでだろうか?」

と、そんな尋ねる声が続くのだった。

エリシュ > 「はー死ぬかと思ったよ……」

 実際に死んでいたのだが、そこはご愛嬌である。
 とにかく暖を取らねば二度目の死に突入してしまいそうなので、全裸で火にあたる。
 こんなところに誰もくるまいという油断がそうさせたのだが。
 聞けば、馬の歩調が近づいてくるではないか。

「!? は、はひ! いますけど!!」

 いるかいないか。いるのでいると返答をしたはいいが、体を隠すものがない。服は乾かしている最中だし―――。
 少女は時間がないので、手で隠すことにした。ぺたんと地面に座り込み、胸と股座を隠しただけの格好である。

「じ、事情があって………」

 顔を真っ赤にして俯くしかなかった。

アルヴィン > のんびりとした歩調を刻んで馬はその小さな野営地へと至る。そして、その鞍上にあった騎士は、己が尋ねた相手の姿に、それはそれは眼を丸くしたのだった。
つい、まじまじと見つめてしまったことに、ほんの瞬きいくつかの後に騎士は気づき、咳払いと共に視線を反らすと、鎧を鳴らして馬を降りた。

「…さもあろう。さ、お召あれ」

事情がない筈がない。騎士は、己の身に着けていた魔獣皮革を加工した青いマントを外すや、そのまま焚火の傍ら、なんとも不自由そうに小さくなる姿へとふぅわりと着せ掛けんとする。
そのマントを娘が受け入れてくれたなら、そこから届けられるのは鉄と革の幽かな匂い。それはいかにも実際に軍務に用いられたのだろうという物、だった…。

エリシュ >  見られただろうか。見られてはいないはずだ。
 相手の視界に入ってしまったので、見られたかもしれない。
 ぐるぐると思考が回り始めたところ、相手が馬から降りてきた。

「あ、ありがとうございます………。
 あの、ボク、エリシュっていいます。お兄さんは……?」

 青い優美なマントをかけられて、ようやく人心地を得た。抱きしめてみると、使い込まれた香りがする。鉄、革、砂っぽい香りもすることだろう。
 こんな上等なマントを被っていてもいいのだろうかと、多少の困惑を浮かべつつも、まずは名乗りをあげよう。話はそれからなのだ。
 少女はマントの前を閉じて、ちょうど巾着から顔を覗かせるような格好になった。

アルヴィン > 騎士は、少女がマントを受け入れて、身支度を整えている間、さりげなく周囲へと視線巡らせその様子を見ぬままでいることと、宿営地の周囲の索敵とを終えていた。
野営の炎というものは、直視してはならない。
眼が灯に慣れ、暗闇へと視線を転じた際に、視界が利かなくなるためだった。暗視が利くドワーフや魔物ではないのだと、それは常の騎士の自戒でもあった。

「アルヴィン。…遍歴の…旅の騎士だ。
 なに、困った時はお互いという。ご遠慮めさるな」

随分と時代がかった口調は、この騎士がどうやら別の大陸から来て、まだ言葉になじんでいないことを示してもいるらしい。
やがて騎士は、背後の気配に視線を転じ、その巾着のような姿を微笑ましそうに見つめる。そして…傍らの軍馬の鞍袋から、水袋をひとつ、取り出した。

「さ、これを」

差し出された水袋の口を開ければ、そこからは強い酒精の薫りが立ち上ろう。ブランデーだ。気付けにも用いられるそれを飲めば、少しは暖まろう、というのだろう。

エリシュ >  野営地というには、焚き火くらいしか設備らしいものはないことであろう。ほんのつい先ほど拵えたからだ。
 木に引っかかっているコートは、この地方では見られぬ様式のそれで。
 シャツも古ぼけてはいるが、刺繍が施された上等なものだった。
 少女もまた騎士と同じように異邦人であり、しかし言葉遣いはこの地方の癖も含めて違和感はないことであろう。
 マント巾着でぬくぬくとしながら騎士の行動を観察する。
 辺りを見回っているようだった。そして、立派な馬の荷からなにやら取り出してきたではないか。

「アルヴィンさん。ありがとうございます。温かくて、助かりました」

 マント巾着状態では失礼だろうかと、前をわずかに開けて手を出してみた。
 なにやら騎士が水袋を差し出してくる。強い香りがする。

「お酒かな? いただきますね」

 お酒なんて久しぶりである。何しろ酒は弱いので滅多に飲まないのだが―――。

「げほっ、ごほっ!」

 度数が強すぎたか、一口飲んで咳き込み始めたのだった。
 白かった顔がすさまじい勢いで赤らんでいく。

アルヴィン > 「あ…」

水袋に入れて、気付けを兼ねて持ち歩いていたものだ。とうにぬるくなっているし、味も落ちていよう。その分、酒精も飛んでいるはずでは、あったけれど。

「…そのように飲むのではなく、舐めるように、少しずつ…」

そう言いつつ、騎士は苦笑というには柔らかい笑みを口許過らせ、少女の側へと膝をついた。そして、マント越しに「失礼を」と一声かけてから、その背をゆっくりしっかり、撫でさすった。

「水は…ご入用か?」

チェイサー、などという洒落たものではないけれど。もし酒に弱いのであれば、追いかけて水を飲むことで、酔いを弱めることもできようと、騎士はそう、背をさすりながらに問いかけて…。

エリシュ > 「えほっ、こほっ、そうなんですね、うっかり、んんっ」

 なるほど強い酒だ。いわゆる飲める人間ではない少女にはキツ過ぎたらしい。
 咳き込んでいると、背中を撫でてくれる。
 呼吸が整ってきたので、再び酒に挑みかからんとする。袋を持ち、神妙な顔つきで一口を。

「んー………いい味ですねぇ……水はいらないはら~」

 舌がびりびりとして気持ちがよい。
 早速呂律がおかしくなっている。
 少女は酒に弱かった。二口目で既に出来上がっていた。とろんとした目つきで、騎士のことを見つめていて。

「はえー」

 などと、意味不明なことを言い始めた。

アルヴィン > これは、もしやするとまずい相手に酒を勧めてしまったのではあるまいか。騎士の頬をそんな冷や汗が一筋伝う。
すっかり呂律の回らない様子。
色づいて血色を増した頬は、悪いことではない。この早春の夜の風に、肌身を晒していたのだから。
とはいえ、それも加減というものがあるわけで。

「…エリシュ殿?」

背を撫でる必要はもうなかろうと、騎士は立ち上がろうとしたのだが。己を見つめるその瞳の、明らかに酔いを兆した様子にこれはやはり、水を支度した方が、などと慌てつつ。

「え、エリシュ殿。今、水を持って参るゆえ…」

飲まれるとよい、と騎士は告げ、その場を改めて立ち上がろうと…。

エリシュ > 「んーおいひいおいひー」

 水袋の中身をパカパカと飲みまくる少女。
 酒は飲んでもなんとやら。見事に飲まれてしまっている。
 ぷはーっと親父くさいしぐさで口元を拭った頃には、顔は限界まで赤くなっており、時折しゃっくりをする始末である。
 立ち上がった騎士の、その鎧をむんずと捕まえて立ち上がらせぬようにする。が、相手の方が力が強かろう。当然押し負けてこちらも立ち上がることになり。

「ひっく。どこにいくのー? だめだよボクのことひとりぼっちにしたらまた死んじゃうんだよー?
 ねー聞いてるのー?」

 はらりとマントが落ちて、赤らんだなまめかしい肢体が夜風にさらされる事になる。

アルヴィン > 「いや、だからそのような飲み方をするものではなくてだな、エリシュ殿…っ」

とはいえ、何事につけ酔っ払いを押しとどめるというのは、これは至極困難なことなのだ。あれよあれよというその間に。少女は騎士が水袋に詰めておいたブランデーを空けてしまったものらしい。「…五日は保つはずだったろうに…」と、騎士が胸中独り言ちてももう、遅い。
やれやれと、騎士が何気なく立ち上がったその時だった。

「え、えええ、エリシュ殿っ!?!?」

見た目も小柄で微笑ましい雰囲気。そして、先刻騎士は慎ましく視線を反らせ、その肌身を見るには至らなかった。
だからこそ、晒された肌身をまじまじと見てしまい、今度は騎士が頬に桜を散らす番だ。

「ま、まま、待たれよ、今、こうしてっっ」

マントは少女の足許だ。鎧を鳴らして膝を折らねばマントは取れぬし、そうすればしたで、艶めいた肌身が眼の前に迫ることとなる。
ええいままよ、と。騎士は眼を瞑って手を伸ばし、マントをまさぐることにしたのだが、その手はどこへ伸びたやら…。

エリシュ > 「もーないのこれー? ねーないのー? ないのー? これー? ねーねーねーねー」

 水袋の中身は当の昔に無くなっていた。まあ飲む途中で口から零した分もあるので、全て飲んだというわけではないだろうが。
 はらりと落ちたマント。下は全裸。桜色の頂点から、無駄のない滑らかな腹部、横にせり出した腰の構造まではっきり見えるだろう。
 見られているのに、まったく気にしていない。酒が入ると人が変わるあるいは潜在的に抑圧している部分が出ているのか。

「あんっ♥ んー? なにー? ボクとえっちなことしたいのー?
 アルヴィンってびょーきなの~? 吸い出してほしいの~?
 触りたいなら触っていいよー ひっく」

 艶っぽい声があがった。
 騎士の手は女性的なふくらみをまさぐっていた。
 少女はその手に手を重ねて、悦楽に口元を緩めていた。

アルヴィン > 「いやいやいやっ!
 そ、そそ、そのようなつもりはっっ」
 マントを探って伸ばした手は、少しばかり見当を違えていたらしい。もう少し左を探ればきちんと指に触れたろうに、見当を誤った手指が触れたのは、思いのほかにまろやかで艶やかな少女の太ももから媚尻にかけてというところ。
ぼぼ、と一気に頬に血を登らせつつ、騎士は今度は眼を開ける。目の前には、少女の胸の桜色の蕾が熟れているではないか。
騎士の金色の前髪が、どうにもそれをくすぐってしまうなか…なんとかマントに手指が触れて、騎士は慌ててそれをむんずと握る。

「お、おお、お召あれエリシュ殿っっ」

と。マントを着せ掛けたのはよいのだけれど。
酔っ払い相手にきちんと着せ掛けようとしたものだから。
結局それは、マント越しのそれはそれはしっかりとした抱擁になってしまったのだった。

エリシュ > 「奥手ってやつかなーボクあんまりそういうタイプのひとみないんだよねー」

 完全に酒が回っており、初心な反応を見せる相手を前にうれしくてしかたがないのか口元をだらしなくするのであった。
 腿から尻にかけてを撫でるわ、顔を接近させてくるわで、ますます少女を喜ばせるばかりである。
 騎士がかがみこむと、自然と頭が正面に来る。頭を抱えるようにして、よしよしと撫でようとしたりして。

「あ、わかった。最初は抱きしめから入るってゆーやつだー?
 いいよー、お礼もしたいしー、ボク一文無しだからえっちなことで払ってあげてもー」

 抱きしめられた。マントをかぶせるつもりだったのはわかっていた。
 騎士のことをこちらも抱きしめながら、甘ったるい発音で劣情を誘う。
 酔いが冷めたら自殺しそうな行動であった。

アルヴィン > 「…おくてかどうかは、ともかく。酔って前後も不覚になっておられる女性を、手籠めになどできるものか」

マントからのそのそと出てきた少女の腕が、鎧越しの騎士を抱擁してくれた時、だろうか。こほん、という咳払いの後に騎士は思いのほかしっかりとした声でそう告げた。
随分と年上のように振舞いつつ、金色の髪をわしわしと撫でてくれる少女を、困ったように見つめるけれど。
騎士の瞳にはそんな少女をどこか愛らしいものでも見るような色がある。

「礼など…。そのようなものは要らぬ。困った時はお互いだと、先刻申し上げたろう?」

その言葉と共に。ぽん、ぽん、と騎士の掌が少女の背中で緩く弾む。この抱擁を解いてもらわねば、それこそ騎士も頭に血が上ってしまうというものだが、そんな己のことはともかく…。

「…酔いが醒められて…後悔をなさってはなるまい?そんな後悔と共に貴女に思い出されるような相手におれは…なりたくはないなあ」

と、そう柔らかく微笑んだのだった。

エリシュ > 「んっ、もうしかたないなあアルヴィンくんは」

 まるで先生かなにかのような口調にて、背中を撫でられる。
 あいも変わらずの態度を崩さぬ相手にむしろ好感度があがっているが、添え膳を即座に食らうような騎士様が相手では、誘惑などしても無駄であろう。
 マントの首筋を止め具でくくると、悪戯っぽく笑って一歩離れる。

「後悔はね、しないんだよ。
 ふああ、なんか眠いかもしれないなぁ……」

 酒を飲むと性格が変わるのと同時に眠くもなる人種らしかった。子供っぽい仕草で目元を拭い、大あくびをしている。

アルヴィン > その呼びかけに、騎士は今度こそそれはそれは柔い苦笑を口許に刷いた。
この少女は、実は随分とその身に労苦を背負っているのではないかと、そう思ったのだ。そしてまた、その見かけによらず、過酷なもの、汚いものを見て生きてきたのではないか、と…。

「お許しいただき、恐悦至極」

だから騎士は、そんな言葉でおどけてみせた。
後悔は、しない。
それは騎士にもとても大事なことなのだ。
我、ことにおいて後悔せず。
老いた師はよくそう言って笑っていたものだ。
後悔をせぬ生き方とはどういう生き方だろう。それがまだ、騎士にはわからない。ただここで、安易に少女を手籠めにしてしまっては、間違いなく後悔するに違いないと、そんなところの自覚はあった。

「…お眠りになるのならば、温かくせねばならぬ。さ、火の近くへ…」

空けられた、一歩の距離。それを今度詰めていったのは騎士の方。
もう一度、躊躇いがちではあるけれど抱擁の腕が伸ばされる。
それが叶えば、そのまま少女を抱いて焚火の炎の熱の届くところに…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」からエリシュさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエズラさんが現れました。
エズラ > 昼下がり、森の中。
シカが一頭あてどもなく歩いている。
時折立ち止まって草を食み、首をもたげて周囲を確認。
その、遙か後方――

「スゥーッ……フゥーッ……――」

細く長く息を吐く男。
弦を引き絞る緊張感ある空気――瞬間。
空を裂いて矢が奔り、獣の頚を正確に射貫いた。
転がり、倒れ、暴れた後――程なくして動かなくなり――

「……よし」

獲物の最期を見届けに、接近――

エズラ > 瀕死の獲物の急所にナイフで止めを刺し、手近な木にロープで吊り上げる。
慣れた手つきで血抜き、解体と進行し――気が付けば陽が落ちかけている。

「ふぅっ、こんなもんか――」

皮と解体した肉をしっかりとロープで結わえると、気合いを入れて背負い。

「おおっ……流石に重いな」

そのままのっしのっしとキャンプへと戻る――

エズラ > 夕刻――キャンプからは香ばしい芳香を伴った煙が立ち上る。

「おっ……そろそろ良いか……?」

串を打った肉から食欲をそそる油がしみ出し、目にも鼻にも心地良い。
解体した肉のいくつかは後日薫製にでもして保存食にするつもりである。
一人で食べきるには多いので、少しは市場で売れるだろう。

「はふっ、むぐっ、はむっ……――」

新鮮な肉は焼いて食うに限る――そんなことを考えながらの食事――幸福を感じる。

エズラ > 静かに夜は更けていく――時折、調子外れな鼻歌を響かせながら。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエズラさんが去りました。