2020/03/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にルナティアさんが現れました。
■ルナティア > 暗い森を、破れた衣服を掴みながら走る少女が一人。
はっ、はぁっ、はっ、はぁっ、荒い吐息だけが響き、小さな足音が草をかき分ける。
偶然そこにいた、くらいの気まぐれで連れてこられた深い森。
まだ日は高いのであろうが、その光すらところどころでしか見えないそこ。
今行われているのは、"狩り"だ。
殺しても構わない動物の狩りではなく。
対象は人間。
殺してしまえばほとんど何の価値も無く、殺さずに、出来るだけ傷つけずに捕獲しなければならない難易度の高い遊戯。
捕獲した後の処遇は、その人間の人間性に任される。
趣味の悪いゲームではあるが、そこそこに人気が高いのか、様々な人間が参加していた。
そんなことを理解する間も無く、少女は必死に走って、隠れて。
■ルナティア > ところどころで響き渡る悲鳴や嬌声は、同じように連れてこられた少女らの末路であることは、よく分かる。
夢だと自分に言い聞かせるも、訓練用の矢で撃たれた足は痛みに腫れて。
現実であると身体に強く訴えてくる。
「………も、森から、抜け、なきゃ………。」
怯えながらも小さく一言。
前にもいた、後ろにもいた。
つまり、周りを囲んで追い込んでいるような形なのだろう。
どうにかして目を掻い潜らなければ、追いつめられるばかりだ、
茂みの中に身体を隠せば、出来るだけ呼吸を殺しながら周囲の様子をうかがう。
……とはいえ、不思議な力は持っていても、基本は単なる町娘だ。
何を感知できるわけでもなく、恐怖に震えながら周囲をこっそり見まわすばかり。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にグライドさんが現れました。
■グライド > (――がさり、と、静かに森を進む。
魔獣討伐の依頼を受けて辿り着いた森で、運悪く出くわした人間狩り
目的の魔獣が、人の気配を察して逃げてしまった為に
不服ながら討伐失敗の憂き目に逢い、酷く不機嫌
かと言って、連中全員に文句を言った所で止まる物でも無く
致し方なし、精々これ以上巻き込まれぬ内に、森を抜け様として居た
全身金属鎧と言う重武装ながら、立てる音は酷く静か
息をひそめている娘の、其の傍へと近づいて来るまでは
気配を気取る事も難しいやも知れぬ。)
「――――――………うん…?」
(そして――此方は
気配ではなく、何者かが移動した痕に気付く
茂みが倒れた後、足跡、草木の傾き
「狩人」の其れにしては、少々残り過ぎている痕跡
と為れば、考えうるのは一つだろう。
少しばかり足を止め、痕跡の痕を追いかける様にして目を凝らせば
――一つの茂みに、歩みを向けて。
其の茂みを、がさりと覗き込み。)
「――――……よう、やっぱり此処かい。」
(――響かせる声、そして、同時に。
口元へ、音を立てるなと言わんばかりに、人差し指を立てて見せ)
■ルナティア > 「………ひっ!?」
悲鳴をあげながら、びくりと身体を震わせて。
人差し指を立てる相手に顔色を青くしながら、何度も首を縦に振る。
流れる金の髪のサイドテールは、すっかりぼろぼろ。
ウェイトレスかメイドの衣装かよく分からないそれも、同じくボロボロ。
ところどころ破れたそれを抱きしめるようにしながら、見上げて。
「…………………」
ぁ、ぁ、と、悲鳴すら上げられない。
完全に恐怖に押しつぶされた顔を見せながら、地面に頭をこすり付けるように頭を下げて、恭順の意思を示そうとする。
抵抗して、見るも無残に暴行された女性を、つい先ほど見たばかりだ。
余りの恐怖に、身体の震えは止まっていない。
■グライド > (己は参加者ではない、が、そんな事は娘に関係無い事か
誰であろうと、この場において見つかって仕舞った事は
最悪の結果でしかない、と、追われる側なら誰しも思うだろう
声を出さぬのではなく、出せぬていで只管に頭を下げるなら
一度、周囲を見回して、其れから再び娘を見下ろし。)
「―――――……説明は後だな。
よう、俺と一緒に来るんなら連れ出してやるぜ、嬢ちゃん。
代わりに、一晩付き合って貰うがな。」
(――放って置けば、直ぐに他の連中が訪れるだろう
そうなれば、もうこの娘は「誰か一人の獲物」では無くなる。
故に――娘の頭を、金属のごつごつした、けれど優しく置いた掌で
柔く撫ぜては、一言声を響かせる。 ――もし、従うなら
娘の其の身を、茂みの中から抱え上げようとする、が)
■ルナティア > 「ひ、とばん………?」
何を言っているのか、理解できないといった顔で見上げる。
おそらく、何も知らない初心な小娘。
相手の言葉に安心することも出来ぬまま、身を固めて、少しずつ後ろに下がる。
頭を撫でられても、その金属の感触はまるで脅されているかのように感じるのか。
「……ぁ、ああ、どう……」
どうしよう、と迷って周囲を見る。駆け出して逃げられるかどうか、はっきりと逡巡している様子を見せて。
彼の出した選択肢が、信用できるわけもない。
悪意に晒され続けて、もう正常な判断力すら。
■グライド > 「―――――よし、ならこうするか。
ほれ、とりあえず話は此処を出てからだ。
攫ってくぜ、アンマリ騒ぐと、他の連中が寄って来るから気をつけな。」
(――娘からの答えが、返らなければ。
今此処で、娘に選択と決断を迫る事は出来ないと判断して――強引に。
茂みの中から、娘の身をひょいと抱き上げ、己が肩へと担ぎ上げては
この場へと近づいて来た、本物の「狩人」の気配から離れる様に
気配を出来るだけ消しつつ、森を抜けに掛かろう。
もし娘が暴れるならば、其れでも構わない
多少の事で、其の腕も体躯も、きっとびくともしないだろう
娘がこの瞬間、己を信用なぞしなくとも、何れにしたって己はこの森を抜けるのだ
そのついでに、拾い物をしたと言う程度の事なのだから)。
■ルナティア > それであれば、ひっ、と僅かに声を漏らすも、抵抗はしない。
恐怖に震えながらも、ぎゅ、っと目を閉じて祈るばかり……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からグライドさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルナティアさんが去りました。