2020/01/06 のログ
■シュティレ > わたしは彼と……蝙蝠と共に、森の中を進んでいきます、少しずつ、少しずつ、道が出来始めてきました、獣道に近いのですが、それでも『何か』が通るには問題がないくらいの道が。
その道は、あまり大きく無い存在が進む程度のモノであり、私のスカートに小枝が引っかかったりするのが判ります、その小枝で私の服が破けるという事は無いのですけれども。
其のまま、私は、小枝を払いながら、進んでいくことにします、しばらく進んでいると―――急に道が開けました。
其処に有ったのは―――簡素な砦……?と言って良いのでしょうか、家と言うには物々しく、しかし、砦、と言うには貧弱な其れ。
そして、その周囲には、沢山のゴブリンが居るのが見えました、彼らは此処を巣としているのが見て取れます。
村人のいう事は正しく、これは放っておくと、村がきっと大変なことになるのでしょうことが判ります。
私は、鞭を手にしました。鎖で編まれている、血族殺しの鞭。
ヒトに見えても私はヒトではなくて、彼らゴブリンは、妖魔でも格下の存在、人のような智慧がなく、そして、誇りもなく、卑怯を是とする存在。
諭す必要はないでしょう、優雅を遊惰を理解しえぬ貴方達。
逃がしは しません。
私は、領域を展開します、私の世界へと彼らを案内します、夜空には、美しく紅く染まる月。
砦の周囲が、私の世界に取り込まれ、地獄へと変わりましょう、彼らでは、此処から逃げる事が出来ません。
もし、私の領域から逃げたゴブリンが居るのなら、それを称賛し、私は逃がしましょう。
本当に、逃げられた個体が居たのなら、ですけれども。
鏖を、開始します。
■シュティレ > 鞭を振るうたびに、空気を切り裂く音、肉を撃つ音、そして、骨が砕けて倒れる音が聞こえてきます。
手作りの武器で襲い掛かってくるもの、石を投げるもの、不意を打とうとするもの、様々な存在が居ますが、私には一切効果がありません。
彼らの武器で傷つくことは無く、軽く身を翻し避けてしまいましょう。返す手で鞭を振るえば、音を置き去りにした鉄の塊が彼らの頭を砕きます。
逃げようとしても、私の世界から逃げる事が敵わぬ彼らは、只々半狂乱になり、向かってくるのです。それを私は『処理』していくだけなのです。
彼らを見やればそれだけで、弱い物は命を止めて倒れ伏し、彼らの中でも強い物はそれでも、私の視線で動けなくなります。
何とも、何とも退屈な―――鏖なのでしょう。判ってはいましたが。
飛んでくる矢弾は、私の鞭の結界に阻まれ砕かれて落ちていきます。
彼らの術師の繰る魔法は、私の世界では発動が出来なくなりましょう、何故なら、領域の中は私の世界。私が許可をしないことを如何して行えましょう。
彼らは、圧倒的に弱者であり、私は、圧倒的に強者なのですから。
駆逐を終えて、砦を潰し、そして―――眷属の狼を呼びましょう。
隠れている彼らを捜索し、隠し部屋を暴き。
依頼されたゴブリンを退治したと、私は、ギルドに報告をして、臨時の冒険者と言う不思議な役割を、今宵は終えたのです。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」からシュティレさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に獣魔目録さんが現れました。
■獣魔目録 > 自然地帯の草原を本を加えた1頭の狼が駆け抜ける。
狼に本を大事にする程の知性はなく、本は厚みがあり魔獣革で装丁されているのでエサを勘違いしている可能性はあるが、それでも食べるようには見えない、まるで大事そうに抱えるように大きな口で咥えており、草原を駆ける速度は風の如しであるが本が落ちそうになることは一度たりともない。
灰色の体毛をした極々普通の狼。
その眼もまた毛並みと同じ灰色であるが何処か輝き無く、まるで何者かに操られているように見えようか。
そう見えたのであれば正解である。
1頭の狼を操っているのは1冊の本、狼に咥えられ少々唾液にまみれているが魔導書である獣魔目録である。
何処からか、もっと一目のつく場所を求めてか偶然近くに近づいてきた狼を魔力をもって洗脳し、運ばせるために自らを咥えさせて現在移動中、それも真っ直ぐに自然地帯の草原を街道に向けて王都に向けて進んでいた。
仮に人に出会えたなら駆ける足を止めるように狼に命じている。
そして狼を利用し人に本を持たせてより本を読む人間が居る場所へと運ばせようと考えているのではなく、そうせよと獣魔目録を作り上げた何がしが命じているのである。