2019/08/25 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に幻鏡の迷宮さんが現れました。
■幻鏡の迷宮 > 薄い霧に包まれた夜の森は静寂に包まれている。
夜風に多少涼しいものが混じり始めた時期だというのに虫の声もなく、夜に生きる鳥や獣の声もまったく聞こえてこない。
その代わりに視界を遮るほどではないが薄い霧が周囲に広がっていて、確りと己のいる場所と進むべき方角を意識しないと直ぐに森を彷徨うことになるだろう、が今宵はそれでも一度でも霧の中に足を踏み入れてしまえば、森より出ることは叶わないだろう、霧こそが森を迷宮化させた元凶、それこそが幻鏡の迷宮である。
そして迷宮化した森の中を彷徨うのは半透明な傘と触手を持った巨大な水母(くらげ)である。
その名も宵闇水母(よいやみくらげ)
水の中ではなく魔力でも浮力でもない謎の力で空中をふよふよと浮かんで進む、珍しいモンスターである。
それが霧を押し退け、木々をに触れる事無く合間を縫うように空中を漂い、何かを求めて森の中に浮いて漂い、時々木や背丈の高い草にぶつかると、触手を伸ばしてそれが何か確かめるようにさわり、目的のものではないとわかると、また何処かへとふわりと漂い彷徨う
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトモエさんが現れました。
■トモエ > 歩いても歩いても森から抜けられない。
ランタンを持った女は木に手をついてため息をこぼした。
「どうなってるのかしら……」
そろそろ森を抜けてもおかしくない頃合いなのに、一向に村が見えてこない。
方角を誤ったかと思って辺りを見渡すと、いつのまにか深い霧が発生している。
動いても迷ってしまうと思い、一度ランタンを置いて木の根元に座り込む。
このまま夜明けを待つつもりで。
■幻鏡の迷宮 > その者が望んだか否かは幻鏡の迷宮には無関係である。
誰かしらが今宵作り上げた迷宮に足を踏み入れれば、迷宮は直ぐにも迷宮としての役目を始めるだろう。
それはトレジャーの排出であったり、モンスターの再配置であったり、様々ではあるが今宵作り上げた森林迷宮は広くもない為、その作業はなく、代わりに迷宮に踏み込んだ挑戦者の位置を徘徊する魔物に伝えるだけである。
それはテレパスか本能への問い掛けか、手法はともかく、迷宮より何かしらの反応を受けた宵闇水母は唐突に彷徨うという行動を止めて、目的を持って迷宮の挑戦者の方に向けてふよふよと空中に浮かんだまま揺れて風に流されたように移動を始める。
――そして、数分も立たぬうちに宵闇水母は獲物を見つける。
数ヶ月ぶりとも生まれて始めてとも言える異種との遭遇である、半透明で肉厚なカサを無数に垂れ下がる触手をぶるりと震わせ、獲物を獲られる悦びに徐々に徐々に獲物の上空から降下していく。
獲物が気付かぬように、恐れ逃げないように、綿毛が空から地面に落ちるような速度で落下し、木の根元に座り込んだ獲物の頭部に覆いかぶさってすぐにカサの内側の肉をしめつけてその頭部を半透明なカサの中に捕らえてしまおうと、何時もの捕獲手段を行う心算のようだ。
■トモエ > 「……なんだかきみ悪いわ」
少しの寒気を感じて腕をこする。
獣の気配が一切ないことが、余計に不気味さを際立たせていた。
周囲へと警戒の目を配るものの、まさか頭上から何かが来るとは予期していない。
迷宮だと知っていれば、きっと通り抜けようなどとは思わなかっただろう。だが知っても後の祭りだ。
「え」
ふわりと柔らかなものが髪に触れて顔を上げてみると、そこには巨大なクラゲの姿。
「うそっ、……きゃああっ!!」
首を絞められ、てっきり殺されると思った女は悲鳴を上げて暴れる。
クラゲに消化されて死ぬような最期を回避しようとクラゲを頭から引き剥がそうとするが、うまくいかず、焦る一方。
■幻鏡の迷宮 > ゼリーかコンニャクかと思うほどに軟らかく同時に硬くもある肉厚なカサは表面もツルツルで、引き剥がそうとする女の指先を滑らせて、掴ませまいとするが爪をたてるなら或いは、とまるで逃げて離れる事が出来るかもしれない、と言う錯覚を獲物に与える。
しかし、久方ぶりの獲物を逃がす心算など獲物の頭部を包み込んだ宵闇水母は欠片ほども思っていない、だから更に確りと組み付いていく。
半透明な肉厚なカサ、その内側にある捕獲用の大きな襞で、艶やかな黒髪と目元までをすっぽりと包み込み、締め付けることで傍目から見れば犠牲者はクラゲをかぶっているような、コミカルな姿に見えるだろう、が是が宵闇水母の捕獲方法で、その状態まで追いついた後に捕食行動に入る。
今宵は「捕食」ではなく――繁殖である。
だらりと伸びた無数の触手を利用して捕まえた獲物をそれに相応しいまでに蕩けさせてから、苗床にするつもりで薄手の服を押し上げる胸元にまずは触手を二本ほど伸ばして、衣服の上から曲線を大きさを熟し具合を確かめるように、ヌルリと下から上に撫で、捕まえた獲物が苗床になるだけ十分に身体が出来ているか、確認をしようと。
■トモエ > 「くっ、なにこれ……!」
どうにもできず暴れるばかりで、爪がたたないか試すものの傷一つつけられないまま。
息ができるのは自分を生かしておく意思があるからだろうかと考えながら、真相は分からぬまま。
どうしてこんなことになったのか、半ばパニックのまま。
そのうち不意に、胸に柔らかな刺激が与えられる。
あまりに場違いで、しかし官能的な触れ方に「んっ!?」と甘みを含んだ声がこぼれた。
たわわに膨らんだ胸を幾度も触手に弄ばれるうち、倒錯的な感情が芽生えて。
「うそ、……」
気持ちいい、と感じてしまったことに得体の知れない恐怖を覚えて。
■幻鏡の迷宮 > 甘さのある声色を聴覚のない宵闇水母は聞くことは出来ないが、声が発する震動を半透明な肉カサで捉える事が出来る。
今宵感じたその音色は中々に心地良く宵闇水母には感じれたようで、柔らかな曲線と重さを感じさせる女の膨らみに再び触手を伸ばすと、今度は薄手の服の上から乳房の先端を探るようなさわり方を初め、それも多くの感覚器で味わいたいと思ったか、触手の数をまた二本程度追加して、女の着ている薄手の服の襟元にするりと滑り込ませ、其処から外側にその服を菓子の包みでも広げるように引っ張っていく。
触るのと剥くのと片方が片方の行動を邪魔するのに、構わず同時に行うくらいに興奮しているのだろう。
カサは半透明から徐々に薄い桃色かかり始め、また一度ギュっと捕まえた女の頭部を締め付けて見せた。
■トモエ > 「ぁ……ぅ、……たすけ、て……」
胸を弄ぶ触手を引っ張り剥がそうとするが、うまくできず。
ぬるりとしたその柔らかさは、不思議と乱暴さを感じさせぬまま自分を蝕んでゆく。
それどころか、胸の先を転がすそぶりは女の身体を探りながら十分じれったい心地よさを与えていた。
「は……ぁ……ぅ、」
もともと淫靡な女だ。
服がはだけられ外気に素肌が触れたことで、倒錯は一層ましてゆく。
(これじゃ、青姦みたい……)
太ももの間がじわじわと濡れていくのを、自分でも抑えられずに。
「は……ァ……ん、……」
カサのなか、濡れっぽいため息が響いた。