2019/07/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > ――…森の中

木々の葉が重なり合って生まれた月明かりも射し込まぬ闇の世界を歩くの一人の少女?久々に疼いてくる吸血と破壊の衝動を堪える為に王都から外に出たのは良いが、手頃な狩猟対象も見つからず延々と一人場違いな服装で歩いていた。

普段であれば輸血用の医療用の血液を飲んで飢えを満たし、同時に破壊衝動を抑えていただのが、今宵はどうも抑えきれずに医療用の血液すら吐いてしまい、さて困った困った。

ユニコーンやそのレベルの幻獣でもいれば満たせるのだろうけど、深い闇に包まれた森の中に眷属を飛ばし、眷属を駆けさせても見つからず。この際だから冒険者でもつまみ食いしてしまおうと思っていても、こんな森の中で出会える筈もなく、もっと落ち着いて行動をすべきだった……と今更思うくらいに選択ミスである。

湿度でぬかるむ大地とむせ返る程の緑の香りに、憂鬱どうな溜息と苦味の混じる淡い微笑を浮べて……ガクっと両肩を落として項垂れるのだった。

「……どうしよう?王都でやっちゃったら二度と王都に住めなくなるし、かと言って近隣の村を襲ったら、騎士団送り込まれて全滅なんて事になりそうですし……どうしましょう?どうしよう?うーん………。」

仕方なく、溜息を吐き出す事で体内にこもる熱気、衝動を吐き出した心算になろう、つもりなだけで一つも解決していないのは明白なので、地面から数ミリ程度浮いている足の裏であるが、比喩表現的にあれで足取りは重いのだ。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にファナさんが現れました。
ファナ > どうにも寝苦しい夜、もそりと寝床から起き出して森の中をフラフラと彷徨っていると、同じ用に森の中を歩いているひとを見かけた。
街のひとの格好……街のひとは怖いからすきじゃない。すきじゃないけど、なんだかつらそうなそのひとが気になって、ついその後を追ってしまった。
ばれないように木の幹に身を隠しながら、義手や義足が音を立てないように気をつけて後をつければため息を吐くその吐息の音にビクリと肩を震わせてしまった。
まずい、その拍子に義手がかしゃりと金属の音を立てた。聞かれていたら、気づかれてしまう。
街のひとはこわくて、乱暴だからきらい。逃げなきゃいけないと思うのに、そう思えば思うほど足が震えて動けない。
木の幹に背中を預けるようにへたり込み、どうか気づかれていませんようにと頭を抱え、義肢のぶつかる音をかしゃかしゃと鳴らしながら震えて縮こまるのはまるで幽霊のような少女だ。

レヴィア > ――流石に驚きもする。

周囲に眷族を飛ばし駆けさせ見回らせていたのに、自分は後をつけられていたようで、思わず人差し指を自分の眉間に添えて、しくじったなぁー……何てポソリと零す。

いや発想を逆転させて、獲物として齧ってしまえばいいかなーと思わなくもないし、かと言って冒険者のように命のやり取りを常としている、そんな雰囲気を感じもしないし、非常に悩むのだけども、一先ず振り向くことにした。

ああー……索敵対象を冒険者と幻獣にしたから、眷族が見逃した?と頭の上に比ゆ的にだけど豆電球一つピンッと灯して、自己納得、故に振り向く時に浮べているのは苦味を消して、普通にニコーッと緩やかな優雅な笑みなのであった。

「………とって食いもしないし、問答無用で血も吸わないし、今出版してる私の小説の新刊を買わないと手足圧し折るぞ、とも言わないんだけど、どうしたの?迷子?私の後姿に惹かれてこんなところまで?それともファン?もしくは………。」

早口で捲くし立てよう。
別に早口じゃなくてもいいのだけども、相手にとって自分が恐ろしく見えている感じがするので、一息でしゃべらないと途中で逃げられてしまうやも?悲鳴をあげられて、会話にならないかも?と思って、口元に笑みを浮かべ、両手は……自分の腰の辺りで後ろ手を組んで、かくっと小首を傾げて……でもジィーっととても怯えた様子にしか見えない少女を見つめる、幽霊?と思いもしたが足は有るように見えるし……。

ファナ > 「ひっ……!」
気づかれた。いや、べつに盗賊やスカウトのように気配を消すのが得意というわけではないけれど。生気がないだけで気配はある、はず。
それはさておき、「食う」とか「血を吸う」とか「手足を折る」だとか、ピンポイントに物騒ワードだけを切り抜いて頭に入れたおかげで目の前のお姉さんが怖くて怖くてしょうがない。
もしかしてわたしは手足を外されたあげく生き血を吸われて干し肉みたいになったあと食べられてしまうのかな。
「……ごめ、っ。ごめんなさい、うしろをついていってごめんなさい……おねえさ、つらそうだった、から……きになって、見に来た、だけ……っ」
優しげに笑みを浮かべて歩み寄る彼女も、恐怖補正の掛かった今は捕食者にしか見えない。いやいやと首を振って蹲り、食べないでと懇願する。
この辺りには力のある獣は居ないけれど、うっかり奥に踏み入った時は幻獣だか魔獣だかに追いかけ回されてひどい目にあったのだ。
どうやらわたしの身体は魔力を喰らう生き物にはとても美味しそうに見えるらしい。
「な、なにもしませっ、から……みたことも、いいませんっ……」

レヴィア > ああ、幽霊?少女の怯えで自分の選んだ言葉が不穏な言葉だった事に気がつく……。

普段、普段であれば血を吸うとか喰うとか手足を圧し折って壁に飾るとか、そんな言葉が自分の書いている小説のフレーズにしか使わないし、そういう遊びは卒業した筈で色々と懲りた筈なのに血に餓えている現状では昔の血が騒いだかするっとそんな言葉を紡いでしまったらしい。

「あっ大丈夫、此処らへんあんまり安全な場所じゃないから、長居するのはお勧めしないよ?なら、アレかな私が送ろうか?王都まで……徒歩になるけど、うん。」

と一区切り。

まずは現状を把握させるべく、言葉を選び物騒な単語を極力引き抜いて、かつ浮べる笑みは絶やさず、人に混じる時とのやり取りを思い出しながら、笑顔、笑顔。

そして、最後に今宵は黒革のパンツなので正式には出来ないけども、穿いていないスカートの裾を摘むような振りをして、軽く膝をまげて優雅に挨拶を。

「私(わたくし)はレヴィア・スルーク・ビネヴィア、私だって何もしないし、見たからって咎めるような事はしないわ?するとしたら、今お誘いしたように危険な森から一緒に帰らない?くらいかしら?ああ、もう不安で不安で1人で帰るというのなら眷族の一匹に道案内させますけど……。」

またも目一杯早口である。
パニックや恐慌に陥った相手に対して時間をあけて話すと愚作だなんて以前誰かに聞いた覚えがあったのだ。

なので、相手には挨拶をした時の距離からつめることなどせず、答えを待つようにして小首を傾げなおす、かくり、と。

まあ影を練り上げて生み出したウィッグが長い前髪がぱさっと自分の顔にかかって鬱陶しいことこの上ないが、ね。

ファナ > 「おっ……王都は、こわいからいやです……」

震えながらもお姉さんの振る舞いに敵意が無いことをゆっくりと理解して、怖い言葉を努めて抑えようとしてくれる様子に警戒を少しだけ解きながら蹲ったまま視線を上げて見上げる。

「わたし……は、ファナ、です。帰る……ところ、ないから……だいじょうぶ、です。王都は……こわい、です」

座り込んだまま、震える義手で細い身体を抱きしめる。
王都は恐ろしいところだ。森の魔獣のような人々がたくさんいる。
あんなところに行けば、わたしなんて一晩明ける前にバラバラにされてしまうだろう。
そんなところにはいきたくない、こわいと視線で訴える。
それならば仮の寝床であるこの森で、暑さ寒さと獣に悩まされる方がまだずっといいです、と。
口数も少し増え、次第にお姉さん――レヴィアさんへの警戒を和らげて、見上げる視線に縋るような色を交えながら言う。

「わた、し……奴隷、だから。王都のひとにみつかったら、きっと捕まって売られ、ます。そしたら、きっところされる、の。だからこわいです……」

レヴィア > さて、困った、ゾ………と、可愛く悩んでも解決はしないか、視線の先の少女は美味しそう……もとい、儚げで小動物のように怯えているのが解るのだが、どうもそれは自分と言う存在以外にも王都という場所も駄目なようだ。

それもだ。
彼女は奴隷、奴隷は確かに王都に戻ってもスラム堕ちか、奴隷商人が拾い上げて商品に並べるだろう、かと言って自分のお屋敷は……王都にあるし、さて……。

「王都は怖いけど、うーん、ファナ、の言う事も良くわかるけど、此処も相当だよ?私が暴れに来たくらいだし、幻獣くらい居るかな?って感じるくらいだし……。」

かしげた首の角度がぐぐっと深くなり、再び顔をする自分の前髪を払うために掌をすべらせて、前髪を耳の後ろにすらっと流しながら、片手は自分の膝にのせて少しだけ前かがみになって、相手の瞳をじぃーっと覗き込もうと。

「ほんとだぞー?此処は危ないぞー?近くの村に逃げるなりしないと一晩で骨になっちゃうぞー?」

口調は子供に言い聞かすように、されど柔らかさと安心させようとする気持ちを込めて、口元に浮べた笑みを緩めて言葉を紡ぐ、少女の返答次第では此処らへんだとゾス村か、其処であれば流石に誰かしらかくまってくれるような人が居るだろうし、廃屋に住まわせてもいいだろうし……まあ1週間くらいの宿代は払ってもいいかなと。

ファナ > 「うぁ……!」

ここも相当怖い、というのは身にしみて分かっている。
王都から宛もなく逃げ出してきて、この森に住み着いて数日。正直もう逃げ出したいくらい怖い。虫とかいっぱい出るし、獣だって居る。
魔獣幻獣の類はこちらまではこないようだけれど、うっかり出くわせばたぶん食べられてしまうだろう。
あらためてそれを自覚させられれば、夜の森が恐ろしくて恐ろしくて泣きそうになる。

「やだ……危ないの、やです……! たすけ、ください……」

髪をかき上げながらじっと目を合わせてくるお姉さんに、助けてほしいという真摯な願いを込めて見つめ返す。
伸ばし放題の髪の隙間からじっと目をあわせて、骨はいやだと小刻みに震えて。

「な、なんでも、しますっ。お皿洗いでも、お掃除でも、お洗濯、でも……魔力が要るときは、わたしの、つかってもいいです。だから、助けて、ください……!」

出した結論は逃走の幇助よりも保護。
このヒトに助けてもらって何処かの集落に逃げられたとしても、そこだって身寄りのない女一人……それも元の飼い主曰く、高く売れる魔導触媒だとかなんとかのわたしが生きていける気がしない。
もし馴染めたとしても、わたしの身体のことを知るひとが来てしまえばお終いだ。後ろ盾の無いよそ者などあっという間に引き渡されてしまうに違いない。
だから庇護してほしい。弱い頭を生きるために一生懸命回転させて、きっと身なりの良いこのお姉さんは奴隷一人くらい飼う余裕のある人だと信じてお願いする。

「いらない、なら、お姉さんの信じられるひとに安く売り飛ばしても、いいです……お姉さんの信じるひとなら、わたしも信じる、から……だから、ひとりで置いてかないで、ください。おねがいしますっ」

レヴィア > ああ、もう、もう、困ったぞ本当に……。

鬼でも悪魔でもなく吸血鬼、人に近しい存在として王都でくらし、人間と接している年月の分だけ情はわかる心算である、が自分は確かに王都にお屋敷はあるし、1人くらい匿っても平気な筈だけど、薄給、自分は食事しないからお金に無頓着で稼ぎなんて薄くてぺらぺらで趣味の領域しか稼いでないし……困った。

だけどそれは全部表にださない、だしたら表情を困った顔にしたら少女はきっと自分以上に困るし、彼女の言葉を聞く限り自分に庇護を求めているのだからそれを蹴るのは夜の貴族たる吸血鬼のプライドがね?

さて、後ろ手に回して組んでいた指を解いて、両手を腰にあてて、ふんすっと鼻から息を抜いて、全く無いのでパットを入れている胸を軽くそらして、此処はひとつ貴族としての器を見せてやろうと言葉を紡ぐ。

「……仕方ない。本来なら是は特殊ケースと言う奴です。絶対普通ならしない処置です。私の家においでなさい?代わりにちゃんと身形を整える、礼儀作法を覚える、屋敷の清掃などの仕事を覚えたり、諸々頑張りなさい。それが出来なければさっくりと捨てるから、出来る?やれる?覚悟は出来た?」

メイドさん、確か応募無かったし、良い広いものをした、と考えればいいし、ある者が無い者に与えるのも貴族の役目だし、まっけせらせら、何とかなるでしょ?と、少女に向けて自分の腰に当てていた左手をそっと差し出して……。

「ほら、早く手を取りなさい、私は気紛れな吸血鬼、何時気が変わると限らない。ああ、そうそう、夜は抱き枕にしたい夜もあるし、もう少し肉付きも欲しいわ……。」

と冗談半分。

相手のプロポーションは現在確かめるとかそんな段階にもないので、一応言葉として健康であれと肉付き良くしろと、奴隷なんてやせっぽちが多いと思い込んでもいた。

で、どうする?どうする?と少女の瞳から一部の隙も見せずに見つめ続けよう、見下ろし続けよう。

ファナ > 「う、う…………」

困っている。ものすごく困っている。
それはそうだ。逃亡奴隷なんかに頼られて困らないひとがいれば、そのほうが胡散臭い。
逆に困っているこのひとは、困らないひとより信用できるひとで間違いはないのだけれど、それはそれで罪悪感を感じてしまう。
わたしみたいなしょうもない、どこかでのたれ死ぬ奴隷のためにいい人が悩んでいるというのは、すこし悲しい。

判断を間違えたかもしれない。たぶん、このひとの背中を見つけても追いかけないのが正解だったに違いないのだ。
でも、なのに、偉そうに胸を張るお姉さんは、同じ偉そうでも前の飼い主なんかよりずっと格好良くて。
頼っちゃいけない、いまからでもごめんなさいして森の奥に引き返すべきだと思うのに、なのに。

「ふつうなら、ぜったい……」

その優しさに甘えそうになる。
身形を整える、だとか。礼儀作法だとか。お仕事だとか……前ふたつはやったことは無いけれど、お掃除やお洗濯はやったことがある。大丈夫。
だから、拾ってくださいとお願いしてしまった。

「……お願い、します。拾ってください。覚悟、します。できます。おしごと、なんでもします。要らなくなったら、捨てる前に、えっと、怖くないように、寝てるときとかに殺してから、捨ててください」

差し出された手に両手で恐る恐る触れ、ふわりとその手を掴む。
じっと合わされた視線を逸らさず、生気のない死体のような目に少しだけ希望の光を灯して。
そうしてへたり込んだ身体を義足の力だけで立ち上がらせて、改めて新しい飼い主様、ご主人さまに跪く。

「なんでもします。だきまくらもします。がんばってお肉も付けます………………んぇ?」

新しい仕事への意気込みを告げると同時に、なんだか恐ろしいワードを聞き逃した感じがする。
ご主人さまは、えっと……なに?

レヴィア > 吸血鬼ならばその首筋に熱い口付けを落として、牙を突き立て血を啜り、其処に己の血を注いで交える事で契約と成すのだけど、その辺は分別の解る吸血鬼なので、簡略化。

柔らかに包んでくる少女の両手に自分のもう片方の手を添えて包み込み返すと、もう一度優雅に笑んで唇に微笑をのせて。

「そう、普通なら絶対にあと私の事は敬愛を込めてマスターと呼びなさい?で、今まで一度も人の眷属なんて作ってもないし、お屋敷維持のためのメイドさんを募集しても男装の似合う執事を募集しても来なかったからアナタを拾うのよ?……ファナ、アナタ本当に幸運よ?応募あったらアナタを拾う余裕なんて無かったし?ああ、別に有り難がらなくてもいいのよ、大事なのは幸運を引寄せて掴んだことだし。」

言葉を一つ区切って、笑みを浮べた表情ながら首を左右にヤレヤレと言わんばかりにフリフリし、高めの位置で結った髪を揺らしながら、殺してからとかやけに物騒な単語はすっとばし、少女の顔を改めて見つめ、唇を眺めて、視線を下らせて、その肉付きを……と思いはするが。

「……んぇ?ああ、ごめんなさい、ほら、抱き枕にするのにお胸はある方が柔らかくて好きだし、それくらい栄養があるモノはちゃんと食べさせるから……。」

少女の彼女の「んぇ?」と言う返答に慌てて、取り繕うようで取り繕えきれてない言葉を返す、だって大は小を兼ねるしお胸は大きい方が楽しめるでしょ?ってそれも薬などではなく、天然の乳が一番……ん、若しかして、何か返答を間違えただろうか?かく、と本日何度目か不明な小首を傾げて見せる。

深い闇の中、お互いが見えているのが不思議なくらいの夜の森で行っている二人のやり取りは珍妙不可思議な光景にしか見えない、幸運な事に人が通りかかるような場所ではないのが救いである。

ファナ > 「ますたー……」

マスター。ご主人さまじゃなくてマスター。
何度も繰り返して、しっかり覚える。頭に刻みつける。
拾わない理由のほうがずっと多いのに、それでもわたしの願いに応えて拾ってくれた、新しい飼い主様。
あったかくてやさしい手の、大事なマスター。

「はい、マスター……マスターのやさしさ、に、応えられるようにがんばり、ます」

マスターの言う通り、わたしは幸運だ。
実験動物以下の、道具のような人生から逃げ出せたことも。
この森の中で、獣の餌になることも木々の肥やしとなることもなく今日まで生き残れたことも。
何より、今日マスターにであって、こんな得体のしれない奴隷を拾ってもらえたことも。
全部、とんでもない幸運だ。もしかすると明日あたりこの揺り返しで死んでしまうかもしれないけど、それまでは心の底からマスターにお仕えしないと。

「……おむね、です、か?」

こくん、と首をかしげてマスターの視線を辿れば、ブカブカのローブに包まれた胸元を見ている。
おっぱいの大きいほうが役に立てるのだろうか。わたしは……くらべたことは無いけれど、多分小さくない……どちらかと言えば大きい方のような気がする。
でも、マスターの基準がいちばんだいじ。だから、

「やわらかい、ですか?」

握りあったマスターの手を、ローブの裾から突っ込んで胸に当てる。
ローブ以外何も着ていないから、ダイレクトに触感がわかる、はず。
細い体のなかで、そこだけふくよかな胸……大きい胸だと魔力とかが溜まりやすい、らしい。よくわかんないけど。
とにかくマスターが気に入ってくれますようにと、ふにふにぐにぐにと胸を押し当てる。

「ふっ、ぅん……ど、ですか、マスター? んっ、ふぅっ、ふーっ……」

なぜだろうか、自分で触ってもなんとも無い胸なのに、マスターの手が触れるとくすぐったくて妙な声が出てしまった。

レヴィア > 自分の為に頑張ると言われて嬉しくない筈などないのだ。

頬が鼻の下が弛みそうになるのを抑え、さて互いのぬくもりと自分への呼び方も決めたことだし、こんな暗い森にいる意味など既になく、血液に対しての飢えも何だかほんわりと緩和した気がするし、早速屋敷に帰ってお風呂を沸かして、ああ仕立て屋も呼ばないとー?と思いを馳せるところにむにゅりだ。

「ファナー?ちょっと、アナタ、行き成り……ねぇ、ちょっと止めなさいってば……。」

思案している間に引きずりこまれる手、ぶかぶかのローブに確かに視線は送っていたが、いやこの場で何て不埒なことを考えてないです。

確りと屋敷で身体を洗ってやって、その際にプロポーションをチェックして、似合う服装を妄想し、考え抜いて……そうお風呂で弄ってやろうと決めた筈なのに、何ともふにふにと柔らかめの弾力とぬくもりが手に……なので。

ビシッ

ともう片方の手でファナの脳天を軽く叩く、全力で加減して叱るべき時は叱る吸血鬼だと言う事を彼女に教えよう。

触るのが嫌いなわけじゃない、決して決してだ。
その証拠、彼女のおっぱいに触れる掌は言葉とは逆にサイズを調べる為に大きく鷲掴みにし、そこから掌の力を弛めて乳房を下から上に弾ませるように添えて揺らそうと、揺れればであるが。

「淑女たるもの、マスターである私の指示と許可なしに柔肌を触らせるのはNGです。それに大きさに形に貴賎はありません、けど、好みはもうちょっとたっぷりとある感じなので、頑張りましょう……挟めるくらい。」

何を言ってるかパニックになってるわけじゃないのだが、現状を取り繕う為に発する言葉はてんやわんやでごちゃごちゃで、それでも言葉を紡ぎながらもファナのおっぱいを揉むのを止めず、もう片方の手はピシピシとファナの脳天をゆるゆると叩いて怒りつつ。

口元は何だか仕方ないなって笑みで固定されてしまっていて、この空気、この距離感はそんなに悪くないと思うのでした。

ファナ >  「?」

いつも愚図だとか遅いだとか言われているから。だから、やさしいマスターには迷惑をかけないように早く動こう、とおもってやったことだったけど、マスターはあまりうれしく無かったようだ。
向けられる視線は残念そうで、たぶん胸のサイズが足りなかったのだろうと少し落ち込む。
がんばってお肉を付けな、いたい。

「……いたいです、マスター。ごめんなさい、もうしません、許してください……!」

前のご主人さまのような、気絶してしまうような思い切りの暴力ではないけれど、叩かれたことは間違いなくて。
失敗してしまった。怒らせてしまった。そう思うと怖くて泣きそうになる。昔のように死んでしまうほど叩かれる恐怖ではなくて、せっかく拾ってくれたマスターに捨てられるかもしれない恐怖で歯の根がガチガチと鳴って、縋り付くように引き込んだ手首を握って懇願する。
許してください、もうしません、怒らないで。
義手越しにも震えの伝わるような有様で、乳房を掴みたゆたゆと揺らす手に擽ったさを感じる余裕もないくらいで。

「う、は、はいっ。マスターにめいれいされるまで、触ってもらいません。がんばってもっとおっぱい大きくします。挟めるくらいおっきくします。えっと、何を挟んだらいいですか?」

叩かれながら命令を復唱して、でも恐る恐る覗き込んだマスターの顔は笑顔で、だけど奴隷をいじめて楽しむ昏い笑顔じゃない、優しい笑顔だった。
捨てられる恐怖がそれですぅっと引いて、命令を下されるということはまだマスターのものでいいということだとわかって、こくこく頷いて従順に振る舞う。

「と、ところで、マスター。い、今は許可、ある、とき?」
 もにもにたぷたぷとおっぱいを弄ぶマスターの手から手を離し、自由にしてもらいながら確認する。
 だめって言われたらどうしよう。離れたらいいのかな。

レヴィア > 挟むのはいろいろだと色々なんて口にするのも雰囲気ぶち壊しになってしまうので、此処はあえて大人の対応をして見せよう、スルーと言う奴で何度かしつけの為に彼女の頭を叩いたその手でくしゃくしゃくしゃっと淑女らしからぬ撫で方で彼女の頭を撫でまわすのだった。

「今は帰るタイミング、ファナのおっぱいは是から存分に堪能させてもらうので、今は帰ってお風呂にしましょう?まずは身体を綺麗にして、ああ、夜食も作るからそれでおなか一杯にして、よーく寝て睡眠不足を解消して、おさわり?おさわらせの許可はそれからね?お互いの事ももっと良く知らないとダメだと思いますし……。」

名残惜しいぬくもりと弾力、ファナのおっぱいを触っていたその手が自由にされるが多少触り続けた後にそっと手を指を一本一本外して離そうと、最後はその柔らかい丸みの先端部分を人差し指を重ねて、余韻を愉しむように乳首に触れてから掌は彼女が拒まなければ手を繋ぎ直して、歩き出すことにする。

本当なら1人なら蝙蝠になって夜空の散歩するのだけど……、折角なので手のぬくもりを感じながら帰りたい、折角なので、別に久々の人のぬくもりが恋しくなってるわけじゃない、筈であるのだ。

――しかし、彼女の怯え方が酷く気になる。

多少叱っただけでも震えて奥歯を打ち鳴らす。
これは前の主人がろくでもない奴だった、と想像も容易いし、さて、叱り方も考えないとなーっと小難しい顔をしているが、まあ、それも拾った主の責任だし、それもまた楽しいものだろうという事で、言葉通り彼女を知ってから色々と画策する事にするのであった。

ファナ > 「あうっ」

くしゃくしゃと長い髪を絡ませるような乱暴な手付き。
だけど、これは知らない。ううん、知っているけれどされたことのないこれは、きっとなでてもらえたんだ。
そう思うと心がぽかぽかする。怖くて悲しくて痛くて、いらないと思っていた心だけれど、こんなにあったかいなら捨てないでよかった。

「おふろ……はい、マスターをいっぱいあらいます。ごはんも、おいしい料理はつくり方わからないけど、野菜のスープくらいならつくれます。それから……えっとねるなら抱っこ、されたらいいんですか? おっぱい足りてないけど……」

マスターの話す今夜のこれから。きっと初仕事になるのだ、と気合を入れる。
まさかマスターのお世話をするのではなく、マスターにお世話される羽目になろうなんて露ほどもおもっていない。
がんばるぞ、と口をへの字に結んで精一杯きりりとしていると、名残を惜しむようにマスターの手指がおっぱいから離れていった。
あの温かみが少しずついなくなっていくのが寂しい。もう少し触っててほしかったな、と思ったのもつかの間、くにと乳首を擦られて反射的に身体を丸めてしまう。

「?! い、いまの……あ、あっ、手、手……はい……」

いまの何、と聞く前に手を繋がれて、マスターの優しさに疑問が言葉になる前に溶けて無くなってしまった。
このどこから持ってこられたのかわからない魔導機械の義手は本物の手のように触ったものの柔らかさやぬくもりが伝わるし、金属の硬さだけはどうにもならないけれど、付け根から受け取ったわたしの体温を伝えてくれる。
温かい手をつなぎ合わせて、そういう状態であるから横に並んで、一緒にマスターのお家に帰る。
その途中でちょっとだけ、マスターの腕に身を寄せたりするのだ。
優しくて、あったかくて、きっと大事に使ってくれるマスター。
きっとわたしは、マスターのことが好きになれる。
きっとマスターの手で壊されることは無いだろうけれど、壊れるまで捨てられないといいな、とお月さまに願いながら、怖い世界から救い出してくれた偉大なマスターに寄り添い歩くのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からレヴィアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からファナさんが去りました。