2019/07/20 のログ
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ご案内:「森の中に在るログキャビン」にベルモットさんが現れました。
ベルモット > 人生は山や谷があり、その禍福は寄り合う縄のようなもの。
片方に偏る事は余程の事が無い限り、有り得ないらしい。
そんな事をふと思い出す。

「悪天候に見舞われて、けれども避難先が見つかる。成程ねえ……」

薬に使う草木を集めに森に入り、順調に採取を終えたまでは良かったものの、帰りがけに雷雨に見舞われる災難に遭う。
けれども日頃の行いの御蔭か、森の木々の合間に小屋を見つける事が出来て駆け込んだのがつい先程の事。
ログキャビン風の小屋は中々どうして確りした造りで、所々朽ちてはいるものの風雨に負ける気配は無く、暖炉まで備えられている。
先程が過ぎた今、あたしは壁掛けの燭台や暖炉に火を熾して濡れた衣服を脱ぎ、靴を踵の無い室内履きに履き替えて人心地ついたように嘆息した。

「古人の知恵は置いといて早速と防水装備が役にも立ったわね。うん、いい買い物をしたわ。流石あたし、でも次は替えの着替えを持ちましょう」

脳内考課表に△を付け、半分濡れた下着姿のままで肩を竦める。そのままじゃあ風邪だって召しそうだけれど、幸いに暖炉の炎は暖かく、頼もしい。
木製の長椅子に座り、防水ザックから取り出した浴布でリボンを解いた濡れ髪を拭くあたしの顔色は嘆き半分、喜び半分と行った所かしら。

ご案内:「森の中に在るログキャビン」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 鳴り響く雷と豪雨。
元より体調はそこまでよろしくなかった彼女ではあるが、一日療養をして、すぐにお仕事があてがわれる。
まあ、いつものことです。遠い目をしながらシスターは歩く。

今日の仕事は鉱山傍にある建物の安全確認。
本来であればそこにもう人がいて、一泊させてもらってから帰る予定ではあったのだが。
そこにいたのは小鬼やらの類。

こういう、安全だと言われていた場所でピンチにおいやられること、最近多いんですけど。
何とか倒しても、その場で一晩を過ごすわけにもいかず………夜通し歩く覚悟で街へと引き返し。

「……それでこれですもんねー。」

はっはっは、と笑う。笑い声すら掻き消える豪雨の中、修道服の女性はそろそろ命の危険まで感じていた。
………だからこそ、明かりの漏れている小屋を見つけた時には心底ほっとして。

何が出てきてもどうにかする、という覚悟を持って、こんこん、とドアをノックする。

「すみません。 すみません。
 旅のシスターをしているものですが、どうにも雨に降られてしまい。

 少し、休ませて頂けないでしょうか。」

できるだけ清楚に、それでも雨に負けないように大きな声で。

ベルモット > 「それにしても妙に設備が整っているというか……廃屋然としていないけれど、此処って狩人が使う小屋とかなのかな?」

入口に鍵は掛かっておらず、床は掃き清められている。燭台の蝋燭も十分にあり、暖炉の横には焚き木が丁寧に積まれていて何時でも使えるようになっていた。
いくらあたしの日頃の行いが良いとしても、人心地つくとそういった様子が気にもなる訳で、あたしは杖を手に取り立ち上がり、小屋の内部を調べてみようと思ったの。
何と言っても錬金術師や魔術師は好奇心が原動力なんですもの。

「はひっ!?……え、何?人の声?人の声よね、今の。こんな雷雨の森の中で二人目なんてある?
……いや、あるかもしれないわ。一人目があったんだし。大丈夫よね、返事をしたら駄目な邪霊とかじゃないといいんだけど」

立ち上がるや否やに雷鳴が鳴り、その中に誰かの声が聴こえた。
思わず飛び上がってしまうのは前者の所為。大丈夫、あたしは天才だから雷雨の夜に誰かの声を聞いても怯まない。
雨夜に子供を攫う妖精は、霧の夜だけだ。それも迷信だと解かっている。だから深呼吸をしましょう。すってー、はいてー。

「ど、どうぞ?鍵なら開いているし、御自由に入ってくれて大丈夫だから!」

それでも柱の後ろに隠れながら、扉向こうの誰かに声をかけるのは不意打ちを警戒しての事。
用心はしてもしすぎるものじゃあないわ。

シスター・マルレーン > よかった、小さくて聞こえづらいけど、少なくとも声に拒絶は感じられない。
戸に手を当てて、ぎい、っと中へ。

「………すみません、お邪魔しますね。」

ぐっしょりと濡れた修道服は、普通の服装より何割も増して重そうに見える。
金色の髪をした女は、とりあえずフードを外して一息ついて。

金色の髪も艶やかな、見た目は普通のシスター。

「……ぁ、……ええと、ここの持ち主かしら?
 私はシスター・マルレーン。 シスターと冒険者をどちらもしているの。」

小さな女の子が柱の陰から覗いているから、膝を折って目線を合わせて、微笑みかけてみる。
本当なら一秒でも早く服を脱ぎたいところだけれど、人がいる以上、その人の家という可能性も十分にある。

礼儀を欠かぬよう、まずはちゃんとご挨拶。

ベルモット > 扉を開けて訪うのは邪霊でも無ければ妖精でも無かった。
来た時のあたしのように全身ずぶ濡れの恰好をした人間。それも宗教に携わる者が身に着ける衣装に身を包んだ女性だったの。

「どうぞどうぞ……って別にあたしの家でも無いんだけど。というか貴方シスターさんよね?
シスターさんがなんだってこんな所に──はぁ、ほぉ、冒険者と兼ねて……」

柔らかい雰囲気の人だ。
あたしと目線を合わせるようにしてくれて、雷雨に見舞われているにも関わらずその言葉は陽だまりのように暖かい。
誰何する言葉とぶつかっても些かも慌てた様子も無く、名前と訪れた理由を詳らかにしてくれている。

「あたしも冒険者よ。ベルモット・ベルガモット。旅する天才錬金術師、何れこの国の誰しもが知ることになる名前。
……なんだけど、この格好じゃあ説得力無いわね。ほら、雨で濡れたから乾かしている最中というか──ってそうよ
乾かさないと!風邪でも引いたら大変だわ。体調を咎めても神様は助けてくれないのだから!」

きちんとした人なんだな。と何となく理解をしたならあたしの行動は素早い。
柱から出ながらに名乗り、ちょっとそれっぽいポーズとかキメちゃったりもするけれど、足は素早く防水ザックへと向き、
中から乾いた浴布を取り出して差し出すようにするわ。

シスター・マルレーン > 「そうなの、冒険者と兼ねて………ああ、ありがとう。」

ありがとう、と微笑めば、そのまま暖炉の傍で服を脱ぐ。もう、中も何もかもびしょびしょだ。
とはいえ、下着まで脱ぐのはためらわれて。上から水気を拭きとることにする。
白い……とは言わない。普通の健康的な素肌。
そこそこに鍛えられた身体が、訓練されていることを如実に伝え。
同時に女性らしい体のラインもはっきりと見せることになる。

「ベルモットさんね。 ………錬金術師、ということは何かしらの採集かしら。
 とんでもない雨に降られちゃって、ツイてないわね。お互いに。」

真面目ではあるが、硬くはない。
こういう自然現象を運不運で片付けない方がいいのは分かっているが、それでもあえてその言葉を使って、ぺろ、と舌を出して笑う。