2019/05/12 のログ
エレオノール > 「……ええ、そう呼んでくれて、とても嬉しいですわ、アルブム」

彼への呼び掛けは単なる呼び捨てではなく、母親としての慈愛を込めたもの。彼がどういう人生を送ってきて、どういう経験をして、どんな気持ちで『母親』を求めているのか、それはわからない。けれど、愛らしい『子供』が、自分を求めてくれるなら、それだけで十分。その中に雄としての欲望が混じろうが、何の問題があるだろう。少し躊躇った彼は、しかし乳房に手を伸ばし、触れてくれた。そして、

「んっ……何の遠慮も、要りませんわ。子供はお母さんに甘えて当然……いいえ、甘えないといけないんですもの、ね?」

彼の唇が乳首を包み、温もりと湿りを伝えてくれば、慈愛の笑みは一層濃くなる。子に乳を吸わせることに、喜びを感じない母親などいないのだから。

アルブム > 自分の頭よりもひとまわりふたまわりも大きい爆乳を、まるで抱きかかえるように。
とっぷりと顔を埋め、下乳を手でやさしく揉みしだきながら、咥え込んだ乳首を吸い立てる。
生まれ落ちて一度も授乳を受けたことがないにもかかわらず、本能的に乳の吸い方はわかっているようで。
歯を立てることはなく、舌と上顎でふんわりと挟み込みながら優しく擦って乳腺を開こうとする。
息を吸うように負圧をかけ、幼子を育てるに足る滋養の素をその爆乳から引き出そうとする。
実際に母乳は出るだろうか? 出ようと出まいと、アルブムはさかんに貪るように吸い立てて来るが。

「……ん、くっ、ん、くっ……んちゅ、ん、ふううっ………お、かあさん………っ!」

呻くようにエレオノールを呼びながら、上目遣いに顔を伺う。
彼女の顔はより一層の慈愛に満ちている。とても素敵な女性だ。こんな爛れた世界には似つかわしくないほどに。
世の子供のほとんどはこうして母の愛と滋養を受けながら育つのか。
そう考えると、ちょっとした嫉妬心すら湧いてくる。
しかし、眼前の柔肉は、そんな些細で陳腐な嫉妬すら蕩けさせるほどに暖かく、甘く、柔らかい。

「おかあひゃん………おかあひゃん………っ!」

赤子がぐずるように、ひとつの言葉を連呼しながら、なおも搾乳。
意識してか無意識にか、腰をせつなく揺らし、エレオノールへと押し付けてくる。
精神退行して稚児と化していても、未だ股間の男性器はぴんとそそり立ち、硬さと熱さを保っている。

エレオノール > 「ん、ぅ、はぁ……っ、ぁ……」

元気な赤ん坊というのは、母親のことなど考えずに一心不乱に、痛いほど強く乳を吸ってくるものだが、アルブムの姿はまさにそれだった。元気に、欲望のまま乳を求めている。
そうした赤ん坊に対する母の態度と言えばたったひとつ。『困った子ね』と笑いながら、我が子の健康を喜び、望むまま乳を飲ませてやる。

「はぁ、あ、ん……ぁあっ……」

彼の欲望と元気に答えるように、ミルクも噴水のように、吸われれば吸われただけ溢れ出る。その甘ったるいにおいは、彼の体臭と合わせて周囲に漂い始めていた。

「……ふふっ、好きなだけ、好きなように、甘えなさいな……」

そして、胸だけでは満足できないかもしれないアルブムのために、脚の間に彼の体を招き入れる。
下着が邪魔なので、片手の力で破いて、秘所があらわにしてしまった。決して安物の生地ではないが、そんなことは構わない。いつでも、彼が望むなら、そこに好きなだけ『甘え』られるだろう。

アルブム > 牛の乳とは違う、ヒトの乳。味は薄いように感じるが、甘くまろやかな芳香はまるで理性を溶かすよう。
なによりもその暖かさは人の暖かさ、母の体温である。いくら飲んでも、まだまだ飲みたくなってしまう。

「はふっ! ん、ちゅ、んーーっ……じゅるっ……んふ、ふうっ………おいしい、おいしいれすっ……!」

年端行かぬ女児のような甘く甲高い声で鳴きながら、金色のポニーテールを振り乱すアルブム。
爆乳に食らいつき呼吸も忘れて母乳を啜るその姿は知性のかけらも伺えないが、幼児退行していれば致し方ないか。
身を寄せ合う熱と興奮があいまって発汗が促される。全身から香り立つ白檀の香気は徐々に新鮮さを増していく。
幼児特有の体臭にも似た甘さを帯びてきて、まるで上質の伽羅のよう。

「……………っ!? ふ、ううんっ………」

女性の下半身の方で、何やら布が破れる音。ついで、無意識に押し付けてしまう股間の突端に、生暖かい湿り気を感じた。
理性が蕩けているアルブムでも分かる。エレオノールが己の股間を曝け出しているのだ。

……アルブムは知識として(のみ)知っている。愛し合う男女は性器を触れさせ合い、子を成すのだ。
そして、十月十日の妊娠を経て、女性はその『孔』から新たな生命を産み落とすのだ。
すなわち、エレオノールがアルブムの眼下で曝け出したそこは……命の源。

「………おかぁ………さ………」

男女の秘密を知っているからこそ、股間を不用意にそこに押し付けてしまうのは遠慮してしまう。
腰を引くかわりに、空色のタイツで覆われた左手がそっとエレオノールの股間へと伸びる。
なおも乳首を貪欲に吸いたてつつも、アルブムはその小さな手で、エレオノールの秘部をくちゅくちゅと弄り始めた。
それは卑しい気持ちも、気持ちよくしたいという意図でもない。
ただ、母親の母親たる根源の部位に触れてみたい。暖かさと柔らかさを知りたい。
そしてもし叶うなら、その中へまでも……。

エレオノール > 「んんっ、ん、ぁ……ぁ、はぁっ、あ……」

吸われても吸われても、母乳は溢れて止まらない。体が……というより乳房が、久々に子に授乳ができると喜び勇んでいるかのようで、その喜びは彼が喉を鳴らしてミルクを飲み干す度に増していく。

「ん……あっ、はぁ、ぁ……っ!?」

そうして乳を吸われるだけでも興奮は少しずつ高まっていたのだが、秘所に彼の愛撫(と呼ぶにはやや稚拙な刺激)が来たのは意外だった。てっきり、我慢できずに挿入されるか、気づかずに素通りされるのかのどちらかかと思っていたのだが、

「あんっ、ぁ、あっ……!アル、ブム……上手、ですわよ、ふふっ……ん、ぁ……」

愛撫を拒絶せず、ゆっくり頭を撫でた。母親は子にすべてを捧げるもの。好奇心にせよ本能にせよ、好きなだけ触ればよい。思慕にせよ欲望にせよ、犯したければ犯せばいい。何にしても最後まで受け入れようと決めていた。

アルブム > 「ぷはっ………! はふっ、はふっ………けぷっ」

長い長い搾乳の果てに、アルブムは軽いげっぷ1つを伴いながら乳首から口を離した。
いくら美味しくてよい香りでも、無限に飲み続けられるわけはない。
未だ乳首のあちこちからシャワーめいて噴出する乳液を火照った顔に浴び、ローブやタイツを濡らしつつも。
アルブムは蕩けきった表情でエレオノールを見上げ、乳に濡れた唇をぺろりと色っぽく舐める。

「………ああ、おかあさん……ぼく、おなかいっぱい………。
 ありがとう、ございます……えへへ……とってもおいしかったです。すくすく育ちそうな甘さと、におい……」

搾乳で舌が疲れたのか、それとも知能まで幼児にもどったのか、たどたどしい口調で礼を述べるアルブム。
そのまま、再び爆乳の谷間にむんずと顔を埋める。谷間の香りを嗅ぎながら、ぐりぐりと頬ずり。

「おかあさん、もうひとつお願いいいですか。
 ……もう触っちゃってるんですけど、その……お………おま………おまんこ………。
 …赤ちゃんが出てくるところ。近くで見て……いいですか?」

再び顔を離すと、アルブムは今までで一番顔を真赤にしながら、恥ずかしい単語とともにお願いをする。
その間も左手はエレオノールの大陰唇に2本の指を差し込みながら、優しく練るように粘膜を擦っている。

アルブムは未だ童貞である。初対面の女性を己のペニスで犯すという思考そのものがない。
普段から貞操観念が強いのもあるが、幼児退行気味の思考であれば一層、男性器を女性に擦り付けるという考えには至らない。
代わりにあるのは、母体、女性器というものへの憧れ。一種の知識欲。あるいは胎内回帰か。
うずうずとした視線で許可を待ちつつ、時折視線がエレオノールの下半身へと流れる。

エレオノール > 「ん、あ、ぅ……ふふっ、たくさん……飲みましたわね……」

子供がたくさん乳を飲めば、誉めて頭を撫でるのは親として当たり前のこと。それで子供が満足そうに笑っているならなお嬉しい。大きすぎる乳房を晒したまま、慈愛に満ちた笑みを浮かべて、

「……ええ、構いませんわよ。だって、あなたが生まれてきたところですもの。好きなだけ見て、触っても、何の問題もないでしょう?」

その表情は彼の関心が秘所…女性器に移っても変わらない。無論、そこが本当にアルブムが『出てきた』ところではないし、もし彼が胎内回帰願望を持っていたところで中に入ってしまえるはずもないが、それでも彼の気が済むまで観察し、触り、遊べばいいと、心の底から思っていた。
そして、それを証明するように、ドレスのスカートをつまみ上げて見せる。

アルブム > 「……ありがとうございますっ!」

ぱあっ、と晴れ渡るように笑顔を見せるアルブム。その表情や仕草に下心は(あまり)ない。
そしてエレオノールの目の前で屈み込み、スカートをたくし上げていよいよ露わになった乙女の秘部を間近に捉える。

「……………………わぁ……」

一応、アルブムは女性のアソコを見るのはこれが初めてではない。しかしここまでまじまじと見るのは初めて。
もっちりとした恥丘に穿たれた裂け目、そこに改めて指を差し込んで割り開けば、粘膜の花が開くよう。
愛液で湿り、独特の匂いが鼻をくすぐる。月明かりに照らされ、大小2つの孔が穿たれているのもよく見える。

「………ここから……ぼくが………ううん、違う。赤ちゃんが。エレオノールさんの、お子さんが……」

理性を蕩けさせられていても、さすがにエレオノールを実の母と錯覚するようなことはない。
アルブムはこの美しい女性から産まれ落ちたのではない。かといって実の母の記憶は一切ないのだが。
そして当然、10歳相当の彼の身体をふたたび女性の胎内に回帰させることもできっこない。
……だが、それでも。

「おかあさん……。ぼく、知りたいです。おかあさんの、どんなところから出てきたのか………」

胎内という揺り籠の、温もり、湿度、香り、味。そういった物を知って、自らの起源の雰囲気を掴んでみたい。
そんな欲求が抑えきれなくなり、アルブムはひとつ呟くと、躊躇なくエレオノールの女性器に口をつけた。
恥丘に唇をまるごと差し込み、頬さえも愛液で濡れるほどに。
そして小さな舌を精一杯伸ばし、小陰唇を、膣口を、クリトリスを、そして膣壁さえも懸命に舐め始める。
鼻もひくひくとせわしなく蠢き、雌の香りを貪欲に嗅ごうとする。

「ん、ふっ! れるっ、る、ん、んくっ………はぷっ!」

エレオノール > 「ええ、あなたのしたいように、したいだけ……ね……」

じっくりとそこを観察されることが、全く恥ずかしくないと言えば嘘になる。しかしそれは我慢できないほどのものでもないし、それに今は興奮と、なによりアルブムのためになんでもしてあげたいという気持ちの方がずっと強い。だから、

「あんっ…!あ、あ、あっ……ふあっ、ん、んんっ……!」

指を挿入されれば、当然くすぐったさと快感に声がこぼれてしまう敏感な粘膜に、

「ふあっ!?あっ、ぁ、ぁ、あぅ、アル、ブムっ……んん、あっ、あ、ああっ!」

思い切り顔を埋め、唇と舌で蹂躙されれば、全身が快楽にビクビク痙攣してしまう。
すっかりこぼれ出た乳房はぷるぷる震えながらその質量を揺らし、溢れる声は甘くなり、彼がまさに舐めしゃぶっている膣口からは甘酸っぱい液が溢れた。

アルブム > 「ふうっ♥ んふ、ふっ、ちゅるっ、れるるるっ……あむっ、ん、じゅるるるるっ!!」

エレオノールの胎の中に通じる道、その入口に甘いキス。
溢れ出てくる汁は独特の味わいで、しかし決して嫌な味ではない。注がれるままに嚥下していく。

「……はぷっ……おいひっ、おいひいれすっ……! おかあさんの、おなかのなかの味……っ!」

エレオノールのお尻に両手を回し、全力で抱きしめながらのクンニリングス。
陰部に鼻から口、顎までも埋めてしまわんばかりに強く強く押し付けながら、膣口を舐る。
やはり胎内回帰は叶わないものの、ここまで粘膜に密着してしまえばもはや母体に入ったも同然の心地である。
頭上で甘く喘ぐ『おかあさん』の声に愛らしさと多幸感を感じれば、もっと気持ちよくしようと舌がさらに力強く蠢く。
上下左右、くまなく舌先を伸ばし、膣襞をめくって粘膜の奥の奥の味を確かめる。
頭をより深くねじ込もうとしてか、カクカクと頭を上下に振り、鼻先で陰核や尿道口を刺激してきたりも。
母体回帰欲に煽られたとはいえ、かなり情熱的な愛撫といえようか。

「んっ、ふ、ふううっ、ふううっ! あむっ、れるっ、ちゅ、ちゅ、ちゅっ……ん、ううううっ!」

雌の色香にアルブムの本能が責め落とされたのか、それともタイツの中で擦れ過ぎたのか。
しゃがみこんだままの体勢で、ぴゅ、ぴゅ、と小刻みに射精する。
クンニされているエレオノールからは直接その光景は見られないだろうが、じきに精臭が漂い始めるだろう。
しかしそれでもなお、激しいクンニリングスは止まらない。なおも強く、深く。

エレオノール > 「はあっ、ぁ、あっ、ぁ……!ん、んっ……」

彼の愛撫は決してテクニックに富んだものでもなければ、『ツボ』を押さえたものでもない。ただ、願望と欲望のまま秘所を蹂躙して、貪り、それでも足りないというように衝動をぶつけるようなものだ。
ただ、小手先の技術よりも激しい情熱が良い結果を招くことは往々にしてある。そして、それはまさに今のことで、

「あっ!あ、アルブ、ムっ……はぁっ、ぁ、ぁあぅ、あっ……!」

情熱と衝動に押し潰されて、エレオノールは狂ってしまいそうな快楽の只中にいた。表情は情けなく歪み、乳房は下品に弾ませながら、しかしあくまで母性に満ちたまま、快楽に喘ぐ。

「あっ!あ、ぁぁっ、あっ、あ……!!」

そうして愛しい我が子のくれた絶頂なら、もはや拒む理由もない。一際大きい痙攣で、胸をたぷんと弾ませると、間もなく漂ってくる独特の青臭いにおいで、『子供』の彼もまた『オス』として快楽を享受したことを知ることになる。

アルブム > 女体の股間に貪りついてもなお、頭上に覆いかぶさるような爆乳の重みと熱気はすさまじい。
降り注ぐ母乳の残滓も温く甘く、もはやすでにエレオノールの子宮に収まってしまったようにすら錯覚する。

……たぷんっ。
頭上の柔らかな大質量が、ひときわ大きく揺れ動くと。甘ったるい声で『おかあさん』が鳴くのを感じると。
次いで口腔に流れ込んできた絶頂の本気汁をアルブムは音を立てて啜り、のみならず顔にすら塗りたくり始める。
知識はないが、アルブムは本能で感じている。愛液と違い、この白濁した液はまさしく子宮から分泌されているのだと。
絶頂に伴い垂れ流された、子宮内壁の剥離物を伴う分泌液、それこそが『おかあさん』の味なのだ。

「はふっ……………はふっ……………はふっ……………」

呼吸も忘れて女陰に食らいつき、貪っていたアルブム。
やがて双方の絶頂の熱りが覚めるころ、静かに身を捩り、エレオノールの脚の間からいそいそと抜け出してくる。
夜の草原に膝をついてしゃがみこんだまま、股間にはじっとりと白濁のシミをつけたまま。
呼吸を整えるように十秒ほど肩を揺らしたのち。

「…………ご……ごめんなさい、エレオノールさん。
 ぼく………すごく、はずかしいこと、してた…………」

我に帰ったように、ぽつり、弱々しい言葉を漏らす。
それは乙女に謝っているというより、己の痴態を顧みて恥じ入っているかのよう。

エレオノール > 「ふぅ、ぁ、あっ、ぁ、あ……」

息を整えるのに時間がかかったのはこちらも同じだった。子供の、経験もなにもない、愛撫とも言えないようなそれで、ここまで感じさせられるとは思ってもみなかった。しかし、胎内回帰願望のままにむさぼられるというそれは、予想外の事態ではあっても不快、不都合なものでは決してなく、

「……うふふ、何を謝ることがありますの?私は好きにしなさいと言って、あなたは好きにした。それだけでしょう?それに、私も、とっても気持ち良かったですわ……」

表情はすっかり慈愛に満ちた母親に戻り、しかし服装の乱れや乳首から溢れる乳汁、水浴びでもしていたかのごとくびしょ濡れになった秘所はそのままに、彼の頭をゆっくりと撫でる。

アルブム > 「はい……それはそう、ですけれど……」

先程の痴態は互いに同意した上である。だがそれでも、恥ずかしいコトは恥ずかしい。
しかしながら、『気持ちよかった』というエレオノールの言葉には、ぐちゃぐちゃに濡れた顔に笑みを浮かべる。

「……えへへ。でも、エレオノールさんが不快じゃなかったなら、それでよかったですっ!」

母乳をまぶされてしっとり濡れた髪を撫でられると、乳香とサンダルウッドの混ざったさわやかな香りが霧散する。
ひとしきり撫でられたのち、愛おしげな瞳で乙女を見上げると、恭しく頭を垂れる。

「……ありがとうございました、エレオノールさん。
 ちょっと変な形になっちゃいましたが、ぼく……『母親』がどういうものか、知ることができました。
 ……いえ、これが全部ではないでしょうし、エレオノールさんはぼくの本当の母親でないことも承知の上ですけど。
 『母親』というものがどんな暖かさで、柔らかさで、匂いがするものなのか……知れた気がします」

もじ、少しもどかしげに腰をよじる。股間に付きまとう精液の冷たさが鬱陶しいのだ。
しかし、我に返ってからはすでに勃起は収まりつつある。ぎゅっとローブの裾を握りしめながら、言葉を続ける。

「おかあさんって、すごいです。身体のなかで命を芽生えさせて、産んでからも……おっぱい……で命を育むんですから。
 エレオノールさんはすごいおかあさんです。その………いろいろ大きくて、柔らかくて、おいしくて。
 ぼく、尊敬します。ですから、今いるお子さんも、大事にしてください。
 ぼくも、世の中のお母さんと子供を大事にして、そういった人の為になるように働きますから。
 ……もしまた、『おかあさん』の事が分からなくなったら、その時は……また……」

未だちょっぴり夢心地のままでありながら、一種の賢者モードで色々と思ったことをつらつら語るアルブム。
しかし、『また』という言葉の後、再び顔を真赤にしてしばし詰まり。

「………………なんでもありませんっ! お、おやすみなさいっ!」

バツが悪くなってしまったのか、踵を返し、雑嚢と杖を装備し直すと、足早でこの丘を去ろうとする。
とてもじゃないが、このままここに居座っていたら、どんどん幼児退行しそうな気がして。
母親像への憧憬も程々にしないと成長できなくなる、と《かみさま》のお叱りもあったかなかったか。

エレオノール > 「……ふふ、私が、あなたの知りたいこと、したいこと助けになれたなら、とっても嬉しいですわ。もちろん、私はあなたを産んではいないけれど、それでも、本当に『お母さん』のつもりですのよ」

血のつながりだけが親子ではない、と言ってしまえば簡単だが、それを誰もが受け入れられるかと言えばそれは難しいだろう。それでも、自分は彼にとっての『お母さん』になりたいし、なろうと思った。そして、彼の助けになれた……と、思いたい。だから、

「……ふふっ、いつでも、『帰って』らっしゃい、アルブム……」

ようやく乱れた着衣を直しながら、去っていく彼に小さく手を振った。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 丘陵地帯」からアルブムさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 丘陵地帯」からエレオノールさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」にゼルベッダさんが現れました。
ゼルベッダ > 深い森なのか実は狭く一つ有るけば街道に出るのか、森を闊歩する白い狼?犬?には良く判らないけど、木々が生い茂っているのだからきっと森、自然地帯に存在するそんな森をゆるやかな速度で駆ける獣が一匹。

特徴的なのは大地を踏みしめているのに汚れぬ白い体毛と、眼から陽炎の如く湧き上がり粉となり闇に溶けるように消える輝き、一目でそれは普通ではない魔物に属するケモノとわかるだろう、但し雰囲気だけ見るなら、それはただ森を散歩する動物の1匹に過ぎない。

特に空腹でもなく、敵対する魔物が周囲に存在するわけでもなく、もっと言えば守るべきモノが存在しない今自由なのである、自由を満喫中なのである。

狭い迷宮の中と違い、夜であっても星の輝きや月明かりが降り注ぐ外は過ごしやすく眩しくて、目標とする人里の空気……匂い……というものも近く、気分も晴れやかであった。

足音たてずに大地を踏み蹴り、空気を揺らさず風をきり進む、ああでも……もし嗅覚が鋭敏な者が居ればその嗅覚には硫黄か火薬かあまり良い香りと言えないモノ、それと共にかすかに鉄錆の香りも感じるだろう、その魔獣が来た道を戻れば哀れなる犠牲者が存在した形跡が見受けられるかもしれない、ただ、それもどれも冒険者や人に有らず、それの何もかもは森に存在する魔物であろう。

ゼルベッダ > 空腹でないのは食事を終えたばかりだからである。

冒険者の肉?魔物の肉?否、彼が今夜喰らったのは魔力。

森に住まう魔物や動物、その他天然の魔力を放つ鉱石など等、それらから魔力を空気を吸うようにして広範囲にわたり一気に吸い上げた、結果……死屍累々、実際に魔物であっても魔力を吸われた程度では死んでは居ないだろうし、周辺に人の気配はなかったので至って平和な食事である。

なお、瀕死だった魔物はどうだかまでは責任は負えない。

敵であれば牙を突きたてるし、爪で引き裂く、それが弱者でアレなんであれ、敵対をしてきたのだそれを喰らって何が悪いのか、思考、思想は魔物であるが故に敵である存在には容赦などない、のんびりも森をかける姿からは想像できないかもしれないが、彼の存在はそういう魔性に属する獣であるのだ。

喉を鳴らし唸り声をあげ、足を止めて鼻先を空の方へと持ち上げて匂いを嗅ぎ、夜の空気の中より人の匂いを探し辿る、いや人を喰うつもりではなくて、人を知る為にである、絶対に食べる心算ではない、いやおいしそうだったら検討くらいはするかもしれない。

と、そんな事を考えつつ、駆ける速度を少しだけ速めて森の中を彷徨い巡る、小石は踏み砕き、道を阻む倒木は飛び越え、身軽に軽快に……獣は歩き続けるのだ。

ゼルベッダ > 暫くは彷徨うに近い感じで好き放題に道を進んでは戻りとうろうろしていたが、人気がない事に思いっきり溜息を吐き出すと無名遺跡の方角に鼻先を向け、迷宮の方へと走り出す。

また時間を見て人を探し、人をからかって遊んだり、それから色々と学ぼうと、冒険者を待つのもいい、でもどちらにせよ、それは今ではなく今日ではないと……。

目的地があれば駆ける速度は何よりも速く、大地に足跡を足音を残して魔獣はあっという間に森から去るのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」からゼルベッダさんが去りました。