2019/05/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にカインさんが現れました。
カイン > ゆらゆらとランタンの明かりを照らし、男が一人森の中を歩く。
サクサクと瑞々しい草を踏み分ける音を響かせながら、
注意深く周囲を見回しながらに歩く様子はただ迷い込んだ人間ではないということを示していた。

「出現するって話はこの辺りのはずなんけどなあ…」

引き受けた仕事は街道を荒らす怪物の退治である。
中々手応えの有りそうな相手と聞いて飛びついては見たものの、
残念なことに文字通り尻尾すら掴めていない有様である。
軽くランタンを掲げて周囲を照らしながらげんなりとした表情を浮かべ。

カイン > 「……明かりに反応するかと思ったがそうでもない、と」

暫く手を上にあげていたものの動くのは逃げていく気配ばかり。
人に襲い掛かってくる手合いの気配が此方に動いては来ない様子に、
残念そうに手を下ろす。見た目は間抜けだがちゃんと考えはあったらしい。

「かといってこのまま帰るのも癪だし、もう少しは見て回るか。
 今度はそういうのを得意な奴でも雇うかねえ…。
 戦うのは見てるだけでいいならだれか捕まる、と思いたいが」

生憎と傭兵に知り合いは多くとも冒険者に対して顔が広いわけではない。
馴染みの宿でもあたってみるかと考えながら手を下ろして歩き始め。

カイン > 「…よし、諦める。今日は切り上げるか。
 単独で動く宿命とはいえ、もう少し真面目にやったほうがいいのが身に染みる。
 回復とかは何とかなるだけ、他の事に気を配るかね」

何せ余程の事がない限り死なない体はしている。
センスがないなら時間で補うしかないなと渋面で漏らして、
踵を返してその場を後にしていくのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からカインさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 地平線まで続く緑の下生え。その中を横断する整備されていない砂利道を歩く遊牧民のマントは埃に薄汚れていたが、足元は軽く弾んでいた。

「はぐれオークロードの首、討ち取ったりー……、っと!
あとはギルドに戻って報酬を受け取るだけだね」

背中には旅荷物の入った背嚢のほか、おおきなずだ袋をぶら下げていた。
その中に入っている討伐依頼のあった文字通りの賞金首を思えば、王都への長い道のりも気楽なものだ。
しかし――。

急に空は曇り、間もなく雨粒。
手を差し出し、雨の勢いに瞬きをする。

「降ってきたなあ……。急ぐ旅じゃないし、どこかで雨宿りしていこっか。
――あっ、ちょうど小屋がある!」

フードを被れば、雨ぐらい気にするものではないけれど。
のんびり戻ろうと思えば、雨をしのぐ場所を探してしばらくの間小走り。
やがて、もともとは狩人が使っていたのだろう小屋を見つけると中に入った。

おじゃまします、と中に入るが無人のようだ。
使われなくなって久しそうだが、内装はそれほど傷んでは居ない。
とりあえず服でも乾かそうかと、荷物を下ろしてマントを脱ぎ、短衣に手をかけて。

タピオカ > 小さなその室内は丸太の壁に囲まれ、中央にテーブル。隅にはハンモックが吊られている。水瓶と炊事場もあり、簡単ながら暖炉まであった。
運の良い事に暖炉の横に未使用の薪を見つけると、しけっていないかを手にとって確かめる。

「埃は積もってるけど、なかなか良い場所だね。
ギルドに報告して、休憩小屋として整備してもらおうかなー」

旅荷物から火口箱を取り出しながらそんな事を言って。
このあたりはゾス村のような集落が点在する広い場所。時折魔物も現れるために、冒険者への討伐依頼も少なくはない。
小さなギルドの拠点として流用できれば良いと天井を見上げる。
幸いながら雨漏りはしてないようだ。

その後には薄着姿で暖炉の火に当たりながら、鼻歌まじりに曲刀を手入れしている遊牧民の姿があった。
やがて外の雨音が静まれば、小屋の前に出てきてぺこりとお辞儀をする。
この小屋の持ち主が生きているか死んでいるのかわからないが、自分なりの所有者への敬意である――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタピオカさんが去りました。