2019/02/28 のログ
ご案内:「自然地帯 貴族の猟場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 道も通っていないほどに深い森の中を、男が一人歩いている。
木々が落とす影で森は薄暗く、何処からか鳥や動物たちの鳴き声も聞こえる。
此処は、とある貴族の猟場――とはいえ、柵などもなく看板すら無いので、此処が誰かのものであるのを知っている者は少なかろうが。

「ふむ、此処は異常なし、と」

森を見渡して、男は持っている地図に印を付ける。
此処の持ち主――正確にはその家令から、この猟場の安全点検を依頼されていた。
何でも、近々この猟場で主人が狩りをするらしく、その時危険な魔物などが居ては一大事だそうで。

「まあ、一応魔物除けの結界も張ってあったけど、あれじゃあなあ……」

穴だらけの上出力も低く、下級のものでもうっかりすると入れてしまえそうだった。
とはいえ、天敵の魔物が少なくはあるこの森では、普通よりも多くの動物達を見ることができた。

「さて、それじゃあ頑張って見て回ろうか。
結構広いからなあ、この猟場」

そう言って、男は一人森を進んでいく

クレス・ローベルク > きょろきょろと見て回ると、木々の奥で人影の様な物が見えた。
人のものにしては小さいし、子供にしては肩幅が大きすぎる。その癖二本足で歩くとなると……
と、そこまで考えた時にはもう、男の身体が動いていた。

「てや」

剣投擲。ヘッドショット。ゴブリンは死んだ。
周囲に気配はないので、どうやら、このゴブリンは群れから逸れただけらしい。
結界内に入ったは良いが、出ることができず、また仲間たちも中には入れなかったのだろう。

「まあ、運が悪かったって思って貰うしか無いな……」

頭に刺さった剣を引き抜くと、血を拭って鞘に収める。
そしてまた、別の地点へと歩いていく

クレス・ローベルク > 「よし、調査終わり」

男は森から帰っていった

ご案内:「自然地帯 貴族の猟場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/月光射す森林」に魔晶蟲さんが現れました。
魔晶蟲 > 「月光射す森林」

メグメール自然地帯の一角にある森である。

名の由来は森林と呼ばれるほどに深い森であるが、木々のならびに隙間が多く、それにその立ち並ぶ木々に葉が生い茂る事無く、空より降り注ぐ月光を遮るものが無いが為、周囲の森よりも不思議と明るく迷う事も少なく、比較的危険性が少ないが為に相性として「月光射す森林」と呼ばれている。

明るければ光を好まぬ魔物は彷徨わず、照らされる事で隠れる事ができない者達もあまり姿を見せることがない、その森で今夜だけでは妙に張り詰めた空気を感じる事が出来るだろう。

その原因は無名遺跡のひとつより這い出た「蟲」である。

それは空より降り注ぐ月光を弾く光沢ある甲殻と闇夜でも不気味に輝き動くたびに残光を残す爛々と輝く赤い単眼が特徴的な蟲型の魔物「魔晶蟲(ましょうちゅう)」。

蟲の姿で知名度が高い、と言うよりも冒険者であれば無名遺跡を探索した人間であれば一度は出会うであろう、様々な蟲を模した兵装を身にまとう人型のモンスターの方で有名であり、今宵這いずりだした一匹の蟲はその装着者を犠牲者を求めて深い遺跡の闇より獲物を探し、この月光射す森林を彷徨っているのであった。

キチキチキチキチ

それが動くたび、何かにぶつかる度にそれが鳴いたか金属の如き硬い甲殻がぶつかり擦れ合う事で響く音か、若しかしたら蜂が大顎を鳴らす音か、それに近しい音が鳴り響く、その音を聞いても臆さず今宵の月光射す森林を歩くならばエンカウントするのは必然で。

魔晶蟲 > 先程まで鳴り響いていた不気味な音は次第に小さくなり、最後には他の生物が奏でる息遣い、仲間を求める涼しげな音に溶け込むように消えてしまう。

其処で今宵初めて月光射す森林は普段の柔らかくも冷たい輝きを受け止める森となり、森に住まうものを優しく抱くのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/月光射す森林」から魔晶蟲さんが去りました。