2019/01/28 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に白露さんが現れました。
白露 > 鬱蒼とした森の中、しゃらん、と鈴のような音が響く。
草むらを分けるようにして、王都へと向けた方角を歩む人影。
白銀の髪を微風に靡かせ、真っ直ぐと先を見据える金色の瞳。
手にした錫杖、先ほどの鈴のような音はこれのせいか。
緩やかな白いローブに身を包む、それは一人の少女であった。

「思ったよりも足を取られますね。
遠回りになろうとも、森の外から向かうべきでしたか」

一度足を止め、深く息を吐く。
少し休憩の出来そうな場所を探そうかと、周囲に視線を巡らせて。

白露 > 長年生活をしていた国を離れ、次なる国を目指していた。
その目的地とは、王都マグメールと呼ばれる場所。
気に入れば暫くは腰を据えようと思いやって来たのだ。

なぜ、わざわざ歩いてやって来たのか。
それに関しては深い意味はない。
徒歩で向かう事で、飛んでは見られない景色も目に出来る。
それは生きて行く上での楽しみの一つと捉えていた。

少女は目を閉じて周囲へと意識を集中する。
微風によって揺れ、擦れる葉音。
動物達の足音、そして…微かなせせらぎの音。

「なるほど、こちらですか」

閉じていた目を開けば、少女は僅かに方向を変えて歩む。
もう暫く進めば森の中を流れる小川が見付かる事だろう。

白露 > 「……ありましたね」

そう呟いた少女、その視線の先には隠れるようにして流れる小川が見えていた。
地面の傾斜に大きな凹凸があるせいか、その姿が見えたり見えなかったりしているのが原因だろう。

「せっかくなので、少しだけ…」

少女は小川に近付けば川辺に座り込み、靴を脱いで素足を流れる水に浸す。
歩き詰めで少々熱を持った足には、この冷えた感触は良いもので。
そこまで疲れていた訳でもないのだけど、それが癒えるまでのんびりとしている事に決めた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にメンシスさんが現れました。
メンシス > 「やー、災難災難」

体についている土埃を払いながら、林の中を歩く
こちらの森で少し用事があり寄ったのがつい数時間前のこと。
やはり無計画に森の中に入るべきではなかったと後悔したのがその数分後。
つまりどういうことか。数時間もの間森の中で迷子となっていたのであった。

だが今は自分のいる場所と大体の方角が分かったのか。真っ直ぐと歩く。
林を抜ければ小川へと出て、ここを辿れば帰れると小川を眺めれば一人の少女が川辺に座って足だけ川に入れている
こんな所に女の子…と顔を顰めればそちらへと近づいて

「よっ、少女!川は気持ちいいかい?」

と片手を上げて挨拶しつつ、しゃがんで視線の高さを合わせる
出来るだけ威圧感や不信感、警戒心を与えないように距離はあけて、挨拶も気さくにしたつもり…ではあるが、その気遣いが相手によっては逆に怪しいと感じ取られるだろうか。

白露 > 近付く気配、それはすぐに感じられるものだった。
場所を考えれば魔物の可能性もあるのだが、そうではないと分かっている。
だからこそ、少女は小川に足を浸したままで居たのだ。

無造作に近付いてくる相手は人間の男性であるのが分かる。
特に敵意も害意も感じられない。
ならば、気に掛けずとも大丈夫との判断からで。

「疲れを癒すには程よい冷たさですからね、悪くはありません。
……それで、何か御用で?」

少女が一人で森林地帯の中に居る事自体が本来はおかしい。
それを理解していない為に、言葉を返しながら首を傾げた。
金色の瞳が真っ直ぐに男性へと向けられている。

メンシス > とりあえず敵意とかはないことは伝わったのだろう
普通にリラックスしてる様子の彼女を見れば内心ホッとする

「いや、特に用って訳じゃないけど、女の子がこんな所にいるのは珍しいと思ってさ」

相手に敵意がないことが伝われば距離を縮めてその隣に座る
特にやましい気持ちなどはないがこの方がお互いにとって喋りやすいだろう
しかし、どちらにしろ彼女にとっては襲われても大丈夫だろうが

「興味本位で声を掛けてみたってわけ」

彼女が川に足を入れてる様子を見れば、こちらも靴を脱いで真似るように川に足を入れる
ここ数時間歩きぱなしだったのか、足は少し悪臭を放っていたが川に入れれば汚れと共に浄化され、疲れも取れていく

白露 > 「なるほど、もしかしてとは思ってましたが…
出会いはせずとも、魔物の気配はしていましたしね」

腕を組み考える仕草を取りながら、少女は呟く。
珍しく感じたのは、この場所が危険な場所なんだとの考えだ。
もっとも、それらは少女の脅威にはなりえないのだが。

「そうですか…確かに、場所を考えれば、それも不思議でないとの事なんでしょう」

状況を考えれば、自分は珍しく映るのは確か。
興味を持って近付いてくるのも可能性としてはなくもない。
それを納得しつつも、そろそろ疲れも引いたかと小川から足を上げる。
どこからかタオルを取り出せば濡れた足を拭き、靴を履く。

メンシス > 「そうそう…あんまりこういうところは女の子一人で歩くべきじゃないよ」

彼女がそのように気づけば、ニヤリと笑ってそのように告げる
だが内心は彼女の言葉を分析し、その正体を探っていた
気配…と言った。魔物の気配なんて、ちょっとやそっとの修行では感じることも区別することも困難なはずだ
しかし、それをよりにもよって彼女が…興味深い

「ま、アンタがいくら強くとも、必要以上に力を振るう必要もないだろ?っともう行くのか?」

彼女が何者であるかはわからないがかなりの実力者であることはわかった
タオルを取り出して靴を履く様子を見て、自分も川から足を出してそれを乾かそうとする
あいにく、タオルはないので頑張って足を振って水を切り自然乾燥させるしかないのだが

白露 > 「やはり、森は避けるべきでしたね。
王都へ向かうのに距離的には近いと、ここを通っていたのですよ」

ここまで来た経由を語りながら、少し考える。
確かに街等でも、近いからと裏通りを通れば危険とも思えるもので。
少し安易に考え過ぎたと、自分の考えを振り返っていた。
男性がこちらになにやら興味を持ち始めているようだが、さすがにそこまでは読み切れない。

「強いから、力を揮う必要があるとは思っていません。
何事もなく終わるならば、それに限ります。
……どうぞ、換えはまだありますので」

困ったような表情を浮かべながら、男性の言葉に答える。
先ず言葉を使い、意味をなさなければ初めて力を揮う。
その力とて、必要最低限と心得ているつもりだ。
とんとん、と靴の先で地面を叩き、手にしていたタオルを差し出した。

メンシス > 「全くその通りだったな。ま、確かにここは方角さえわかれば王都からさほど離れてないしな。でもまぁ、近道が安全とは限らんし」

彼女の言葉を聞けばその通りだと頷き
自分の言いたいことはすでに彼女の頭の中にあるだろうから多くは語らない
それ以上は野暮というものだからである

「その通りだ…力ある者の言葉だな。お!ありがとうな」

タオルを受け取れば足を拭いて、自分も靴を履く
彼女がどのような修羅場を潜り抜けたかは知らないが、確かに強者であることは確認できた
困ったような顔は自分の揺さぶるような発言からだろうか
とりあえずは「すいませんね」と付け加えておこう

「っとこれから王都に向かうのなら、俺も付いて行っていいか?ちょうど用事も終わったことだしな……あぁ、そうだ。俺はメンシス。タオルは洗濯して返すぜ」

足を拭いたタオルを丁寧に畳んで彼女に自分の名を告げる
そのまま王都に向かうなら同行していいかと彼女に問いかける
同行しても良いなら、そのまま二人で王都へと向かうだろうか

白露 > 「代わりに、王都に着くまで人に会う事もないと思っていましたが、会えましたね。
その点に関してだけは、悪くはなかったと思える事でしょう」

男性の言う通り、少女どころか、普通の人間でさえ居るのは珍しい環境だろう。
そこでの出会いは、喜ぶべき事である、それを伝えて。

「そんな事はありませんよ。
力が無くとも、出来る事は多く存在しますから。
それこそ、私が出来ない事だってあるでしょうね」

礼と謝罪に、どういたしまして、と首を振る。
ぱんぱん、と立ち上がってお尻を叩き、そこの汚れを確認して。

「どうなのでしょう、方角はこちらで合っている、と思っているだけで正確とは限りません。
知っておられるなら、逆に案内をお願いしたいところですよ。
あぁ、私は白露…白き露と書いて【はくろ】と申します。
差し上げても宜しかったのですが、厚意は受け取るべきでしょうね…分かりました」

タオルを畳む男性に、名乗りを返し、緩やかに頭を下げる。
共に行くのか、案内を受けるのか。
それは男性の答え次第となるだろう。

メンシス > 「ま、確かにね。その上山賊とか野蛮な奴じゃなく、少なくとも常識人である俺だってのが一番の幸運だ」

ここで人に会えることは珍しく
また会えたとしても山賊とか、明らかによろしくないような輩ばかりだ
可憐な少女を見つければすぐに攫い、慰み物にしようとするような者が現れやすいここで自分が現れたのはかなりの幸運だと彼女に説く
まぁ、彼女がそんなことになるなどあり得ないだろうが

「その見た目でかなり達観した事を言うなぁ…そうだな。力が全てじゃないからな。この世の中は」

自分も彼女と同じように尻を叩いて埃を払う
少ししんみりとした様子でそう呟けば、彼女の言葉を聞いてハッと表情を直し

「白露か。珍しい名前だな…ま、よろしくな?そうだな…それじゃ俺が案内しようか。見たところ、ここら辺は初めてな様子だし、何より女の子をエスコートするのが出来る男のムーブだろ?」

彼女の名前を聞けば握手を求めるように右手を出す
その握手に応じるならば力強くゴツゴツした手を上下に揺らすだろうか
そして、彼女を案内する方を選べば、こっちだと指を指して歩き始める

その後、少しだけ迷いつつも無事に王都へと到着する
接触した時間は少なかったものの、また彼女に会える気がして、別れ際に
「またな」と声を出す。そうして彼は自身の帰路へと着いていった。

白露 > 「なるほど、野盗の類の方々ですか。
それは確かに出会えば困るものでしょうね」

経緯はどうあれ、人を襲う立場であるには変わらない。
そのような存在が現れれば、実に困った事になるだろうか。
考える仕草を取りながら、そう同意をする。

「目に映るすべてが真実とは限らない。
多くを学べば、誰しもがそれを理解出来るものですからね。

…はい、ここは初めての場所です。
ですので、そうですね…分かりました、お願い致します」

男性だから、女性だから、今だに理解し得ない事。
その話に感慨深そうに頷きながら、差し出される右手を握る。
握手を交わせば、言葉の通りに案内を任せるのだろう。
指差しながら歩く男性の後ろを、付いて行くように。

無事に王都へと着けば、改めて御辞儀を。
別れ際には、礼の言葉と笑顔を向け、別れるのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から白露さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からメンシスさんが去りました。