2018/09/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にノールさんが現れました。
ノール > 月下の丘。
青々とした草に覆われた丘が連なる。
古くは旅路とされたが街道が整備されてからは通る者は少ない。
だが、あちこちへ伸びた蜘蛛の巣のような道は識っている者には便利ではある。

だから時折、獲物がいることがあるのを期待してその獣人は待っている。
大きな、歪になった故に捨てられたのだろう大剣を抱え、丘の上でじっと睥睨する。
時折、風に鼻を掲げて、青草の匂いに混ざる獲物の匂いを探る。

ノール > 月が随分と沈んだ頃合い。
丘の上の影は退屈そうに伸びを一つ。
匂いも無く、気配も無い。
獲物の気配どころか、餌になる動物も居ない。

抱えた大剣を肩に担ぐ。
最後に、もう一度、と鼻先を掲げ、夜風を探るもがっくりと肩を落とし。
そのまま、丘向こうへと姿を消した。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からノールさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」にガラッゾさんが現れました。
ガラッゾ > ガラッゾ、それは個体の名称ではなく種族の総称である。
彼らは元妖精の一族と言われているが実際のところ誰も知らないし、本人達も語ろうとはしない、文献に載っているだけで真偽は不明と言うところである。

彼らは人と対話し、自らが生み出した作品を売買することもあるし、気に入った人間には対価を必要とするが相応に力を貸す事だってある、特に作品を作る際に必要な素材を冒険者に頼む事すらあると言う、稀ではあるが。

今宵はそんな亜人が堕ちたる妖精だったモノが創作をする為の素材を集めに来ていた。

その手には青白い輝きで周囲を照らすランタン、体には魔物の皮をなめして作り出した特殊なローブ、無論フードを被り顔を隠した誰が見ても怪しげな姿だが、当の本人はそんな細かい事は気にする事なく、足元に落ちた石ころを拾い上げては草原を冷たい輝きで照らす月に向けてかかげ、片目を閉じてその石をつき明かりに透かし眺め、目当てのもので無ければあたりに放り投げている。

目当てのものは鉱石ではなく宝石に近しいモノ。
山をほり岩を砕いて取ることが出来ない希少な石であり、月明かりを通して眺めると青白く輝いて見える月の光を溜め込む特別な石なのだ。

拾っては投げ、拾っては投げ、時々背負い鞄に目当てのものでなくても使えそうな石を拾えばしまってと、今宵は目当ての石が必要数揃うまで夜更かし覚悟であった。

笑顔なんて到着してから数分で消えている。
それほど見つけるのが難しい希少な石で……。

ガラッゾ > 今宵拾い集めたい石の名前は「月食の石(ツキバミノイシ)」、月明かりを集めて魔力に変換して溜め込む事が出来る希少な石の一つで、今作り上げている首輪を作るのにどうしても必要なのである。

使い捨ての魔石ではダメなのだ。
昼夜問わず力を発揮し、魔力を溜め込むのは夜で無ければならない。

その首は嵌めた者に精神的な効果を及ぼすモノとは違い、着用させたモノの意思で相手の魔力を吸い上げて、電撃に変換し、着用者を痛みで躾ける為の調教道具ともいえる逸品。

それもだ着用者の魔力が高ければ高いほどに威力は増し、月食の石はその電撃に対しての着用者が傷を負わぬ様に保護する為に必要なのだ。

痛みを与えるのは良い、だが奴隷や商品に傷を負わせるのは悪手、故に……と考えて創った首輪でこの石さえあれば一先ず完成するのだ……試す相手はまだ捕まえていないけど。

試作品、であれば幾つか造ったし創ったが矢張り電撃の威力に問題があり、首輪だけに首から下がる鎖に電撃が流れて火傷を負わせてしまった経緯があって、更には鎖であると重さがあるが故に負担が……と考えながら拾い上げた石はハズレ。

こぶし大の翡翠の原石であるが今は必要ないと遠くに恨みをこめて投げ捨てる、ついでに先程拾った石と思ったが実は琥珀だったそれも思いっきり遠くに投げ捨てた。

「普通ノ石ナゾいラン、アレとコレとソレ以外ハ要らン、以上。」

眉間に皺をクッキリ浮べ、生臭い溜息を大げさに吐き捨てると、しゃがみこみ四つん這いになって、地面を直接不思議なランタンで照らしながら、草の根分けて目的の石を探すのを再開するのだった。

ガラッゾ > 必要数集まるまで延々と探し回る事になると思ったが、こぶし大以上のスイカサイズ程の大きな原石を見つけたようで、両手でそれをかかげ上げると、一度地面に下ろして、背負い鞄をひっくり返して集めたもの全てを捨て、その代わりに地面に置いた石を拾い上げて鞄に仕舞うと、それはもう機嫌良さそうに工房に向けて歩いていくのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」からガラッゾさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエズラさんが現れました。
エズラ > 夜。
王国にほど近い自然地帯――その草原の真ん真ん中。
ポツンと生えた一本の大樹のそばに、小さなテントが張られている。
枝に吊されたカンテラと焚き火の明かりで、その場所だけがぼうっと浮き上がっているようである。
簡易組み立て椅子に掛けた男が、その炎の揺らめきを眺めるでもなく眺めていた。

「……――」

言葉を発することはない。
戦場から離れた日常を送るときは、街で用心棒を任されたり、港湾労働者に混じって荷運びを手伝ったりしているが――
そういった仕事もないときは、こうして野の中で過ごすことを好んでいた。
食事も狩猟や釣りでまかない、ただこうして自然と一体となる時間を楽しむのである――