2018/05/14 のログ
エレイ > 「ふむふむ。しかし何故また冒険者を……アレか、空き時間の有効活用的な?
ほう……皮装備ながら結構しっかりしている感。ってゆーか、そういや冒険というか旅的な事自体は別に初めてではないんだよなエウロペは」

楽しげな彼女の話に笑みのまま耳を傾けながら、冒険者を始めた理由なども問うてみる。
彼女の人となりとかやっていることとかはある程度把握しているので、少なくとも金銭が理由でないのは確かだった。
ならば、残るは言ってしまえば暇潰しみたいなものなのかと。
思うよりしっかり作られた防具に感心するも、そういえば、と思いだしてまた頷いて。

「何、気にすることはない。でもまあ交換と言うならココは素直に応じるのが
大人の醍醐味。サンキューだぜ」

交換を申し出られれば、男としては遠慮するところではあるが彼女の気持ちも慮って
言葉通り素直に応じておく。袋を受け取って、彼女に改めて魚を差し出す。
魚はただの丸焼きだが、一応塩はきかせてある。

「んで……エウロペはこの後は予定とかはあんのかね?」

エウロペ > 「そうね、あんまり一つの場所に長く居座ることって無かったから…刺激が欲しくなっちゃってね。
依頼を受けて仕事をするって、旅をしているよりなんだかわくわくして楽しいわ。
ふふ、この防具は人からのプレゼントなの、だから破ったりしないでね」

エレイの言うとおり、冒険者を始めた理由としては暇つぶしも兼ねていたりするのだが、思ったよりも楽しんでいる様子。
薬草集めでわくわくしているのだから、ドラゴン退治とかだとどうなるのか。
もっとも、そういう依頼を受けるつもりはさらさら無いだろうが。
案の定、エウロペのサイズに合わせた防具は頂き物らしい。
破らないでねと冗談めかして言うが、エレイが乱暴なことはしないのはきちんとわかっている。

「こっちこそ、お魚ありがとう。
いただきます……ん、美味しいわ」

獲れたての焼き魚と保存食とでは釣り合いが取れないところではあるが、喜んで受け取ってもらえればエウロペも嬉しそうにはにかみ、魚を受け取る。
料理はするが、焚き火で作る魚の塩焼きというシンプルなものを食べるのは久しぶりなようで、まるで子供のように楽しみながら魚をかじり、おいしそうに食べていく。

「薬草は採ったから、もう帰るだけなんだけれど…
帰るにはもう遅いかしら」

魚を食べる手を止めればエレイの質問にくすっと笑って、ようは明日まで予定は無いと暗に伝えてみる。
こんなところではあるが、二人っきりでもあるので遠慮は無用だろう。

エレイ > 「ワハハ、なら実は結構性に合ってるのかもしれにいな。
ほほう、ではオーダーメイド的な奴か。……何、破って欲しいってフリかねそれは? いややんねぇーけど」

存外にエンジョイしている雰囲気の彼女にケタケタと笑い。
頂き物と聞けば、まあ長く生きて色々と人脈のある彼女ならそういうこともあるだろうと、普通に納得。
続く言葉には、笑いながら冗談めかした言葉を返して。

「──ン、お口に合ったようで重畳。
……ふむ、なら俺はココで野宿するつもりだったのだが、せっかくだから付き合っていくかね?
テントも用意するからよ」

美味そうに魚を食べてゆく彼女を満足気に眺めながら、自分も手にした残りを食べ終えると、
もう一匹の魚に取り掛かり。
予定がないと語る彼女の笑みを見れば、こちらも意味ありげに目を細めながらそんな提案をする。
テント、とは言っても、男の荷物にテントがあるようには見えないが。

エウロペ > 「ふふ、そうかもしれないわ。
もし破ったら…どうしようかしらね」

薬草採り名人として有名になったりするだろうか。
エウロペならそういう肩書きでも喜びそうではある。
エレイが冗談を言っていることは理解しているが、もしと前置きした上での『どうしようか』には、いろんな意味が含まれていそう。
普通のトーンで言っているが、それが逆にコワイかもしれない。

「ご馳走様でした、美味しかったわ。
ええ、お魚もいただいたし、最後までお付き合いするわよ。
テント持って来ているの?」

食事を済ませれば改めて、一晩共にすることを了承する。
それに魚を貰った以上、干し肉では足りない分をそれで補おうと考えてもいた。
エウロペは日帰りのつもりだったので、寝泊りの道具は持ち合わせていないが、エレイもテントを持っているようには見えず。

エレイ > 「どうするのか訊いてみたいような訊きたくないような……そういうのは背筋がちょっと僅かに寒くなるのでやめよう」

彼女の呟く意味深な『どうしようか』に苦笑を漏らす。
敵無しを自負するこの男でも、怒った女性は怖いのである。

「──ン、お粗末様だべ。
フヘヘ、さすがエウロペは言わなくても判っているようだな。
いやまあ濃厚な付き合いしてるし当然といえば当然ですかねぇ……
ンフフ、まあ見てな」

彼女とほぼ同時にこちらも食事を済ませ、軽く合掌。
了承の返事を貰えば笑みを深め、軽く口づけてからおもむろに立ち上がると
羽織っている銀色のジャケットを脱ぎ、それを片手に少し離れた広い場所へ。
ジャケットを持った左手を突き出しながら、右手でピアスをキィン、と音を立てて弾いて何事か呟くと、
どういうわけかジャケットがキュルキュルと音を立てて変形し、瞬く間に銀色の大きめの四角錐型のテントに変身してしまった。

「──ほらこんなもん。んじゃー早速中で休むとしまひょ」

ドヤ顔でそうのたまえば、ランタンに火を灯して。
焚き火を砂を掛けて消すと、彼女をテントの中へと誘ってゆくだろう。

エウロペ > 「あら、便利なもの持ってるのね」

目の前でエレイの着ていたジャケットが立派なテントに変化すれば、驚いたというよりも感心した様子のエウロペ。
エレイの期待した反応ではなかったかもしれないが、エライ長生きなエウロペを驚かせるのは至難の業かも。
魔法とはちょっと違ったものであるのは間違いないだろう。
そういった出所不明な不思議なものは、意外といろんなところにあったりするとか。
ともかく、エレイの持っている不思議なアイテムは便利なものであることは間違いない。

「はぁい、じゃあお邪魔します」

エレイに続いてそのテントの中へと入っていく。
アイテムにあんまり驚きはしなかったものの、わくわくはしていたり。
このテントの中で何が行われるかは、言う必要は無いだろう。

エレイ > 「ウム、まあもっと色々活用方法があるとは思うんだがそのへんは模索中でな……」

長命な彼女のことだから、同じではなくとも魔法具とかの似たようなものなら目にしたこともあるのだろう。
男も彼女の反応にさほど気にした風もなく、会話を続けながら彼女とともにテントの中へ。
しめやかに入り口が閉ざされれば、外は再び闇と静寂に包まれ。
その後の出来事は、テントの中に秘されるのみで──。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエウロペさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 「……はー……」

さらさらと流れる川に素足を浸して、旅路で疲れた足をゆったり冷やす。
金髪のシスターは珍しく修道服を脱いで、白いシャツと短めのタイツのみというラフな格好。
……下着ではないですよ?

「キャンプの準備は終わりましたけど、これ、乾きますかね……」

とほほ、と肩を落とす。
襲ってきた狼を撃退したはいいのだが、泥まみれ血まみれになった修道服を洗ったら、すっかり日が暮れてしまったという。

シスター・マルレーン > まだ街は遠い。
一泊キャンプをするのは吝かではないし、キャンプ経験は豊富だ。
危険な冒険をするタイプではないが、冒険者をしていてキャンプをしない、ということも少ないだろう。

軽い布製のテントをきっちり立てて、炎を焚いて。
後はしっかり休息を取った後、寝る前に結界を張れば一晩くらいは眠れる……かな。

「…それにしても、そろそろじっとり蒸し暑いですから、ほんと……冷たい水はいい気分ですね。」

ばちゃ、っと足で水を蹴りながら、鼻歌混じりに川を歩く。
金色の髪を揺らしながら………手に棍を持っているのは仕方ないだろうが。

シスター・マルレーン > 川のそばは、自然地帯……深い森の中でも比較的安全な場所だ。
森を突っ切るには迷う危険性があるが、川沿いに歩けば特定の場所にはつける。
……ことが多い。

その分、野生の獣などがやってくることも多いのではあるけれど、しっかり火を焚いておけばそうそう近づかれることも無い。

森林地帯の川沿い。 それが今日のキャンプ地とする。


「んー………こりゃ、乾く気配無いですね。」

木の枝にひっかけた修道服に少し触れて、がっくりと肩を落とす白いシャツの女。
キャンプ確定である。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリタさんが現れました。
リタ > 偵察の仕事を終えた店員は運悪く狼らしきモノを発見、立ち往生していた。
一対一ならなんとかなるが、狼って群れる。クロスボウじゃ太刀打ちできない。
手近な木に登って身を潜めていると、鳴き声が聞こえた。その鳴き声は「ガウー」ではなく「キャインキャイン」。
明らかに退散した鳴き声を聞けば、熊かなにかに遭遇したのだろうか、と考える店員。
――と、遠くに炎が見えた。常識的に考えて熊は火を焚かない。目を凝らしてその場所を見る。

「…キャンプ…してるのかな…冒険者?…一人しか見当たらないんだけど…」

狼達がどうなったのかは判らない。もしかしたら近くで虎視眈々…狼視眈々とチャンスを窺ってる可能性もある。
もしあの炎の主が冒険者だったのなら、少なくとも自分一人よりは安全が確保できるだろう。

「あの~すみません~、冒険者さんですか~?」

その炎の主へと声をかけつつ、彼女に向かってゆっくりと近づいていった。

シスター・マルレーン > 「………よいしょ、っと。」

流れる金色の髪を、くい、っと後ろでまとめてポニーテールにする。
普段はフードをすっぽりかぶっているのだから、動きやすく髪を弄るなんて久々だ。
さて、木の枝でも払って薪でも集めますか、なんて言われたところで。

「……っ。」

ばちゃり、っと水音をさせながら、「あ」の時点で振り向き、棍をするりと構える女。
薄手の白いシャツと、太腿に吸い付くようなタイツだけの姿の相手は、一瞬だけ警戒した素振りを見せて………。

「……あ、ええ。 そうです。
 冒険者兼シスター………あ、いや、今は見えないかもしれませんけど。」

慌てて、木の枝に干してある修道服の傍に歩み寄って、ほらほら、と。

リタ > 自分の声を聞き、瞬時に反応を見せ、しかも棍を構える彼女はきっと冒険者なのだろう。
軽装極まった今の彼女はそれっぽくないが、少なくとも熊ではない事は確かだ。
警戒に対しては両手を広げ、彼女に見せるように振って危害を加えない事を伝え。

「あ、やっぱり冒険者の方…ってシスター…?ああ、そっちのシスター…。」

どっちのシスターがあるのかはこの際無視しておいて、修道服に歩み寄る彼女を見れば納得する店員。

「さっき狼、見かけて…火が見えたんで誰か居るのかなって。
街までまだ遠いから途方に暮れてたんですよ。」

背中に背負っていたクロスボウを手に持ち、
いかにも狩人さんだよなアピールをしながら、
彼女の傍へと歩み寄って。

シスター・マルレーン > 「ええ、こっちのシスターです。」

どっちのシスターだろう、と思いながらも流れるように頷いて。

「ああ……狼がやってきて、なんとかしたんですけどね。
 返り血を浴びたり、泥だらけになっちゃいまして………。

 このまま帰ると、凄い格好で街につくことになっちゃいまして。」

苦笑しながらも、相手の言葉を聞いて、うん、と頷き。
狼相手だと、クロスボウ一本では危険だろう、とも思う。
まだ……歩き詰めに歩いて、夜のうちにつけるかどうか。

「……そうだったんですね。
 私も、こんな格好ですし、同性の同行者がいると嬉しいんですが………。」

えー、っと、と、少し言いづらそうにしながら、……首をちょい、とかしげて見つめてみる。

リタ > 彼女の言葉に「やっぱりこっちのシスターなんだ」と納得する店員。
続けられる彼女の言葉に耳を傾けていると、どうやら狼を退治したのは彼女のようで、
しかも返り血を浴びる程格闘した訳で、少なくとも今の彼女の見た目からは想像が全くつかない訳で…
あれ、普通のシスターさんじゃないよね、もしかしてあっちのシスターさん?と疑問符を浮かべる店員。
深夜、それに加えて歩き疲れている店員の思考は少々怪しい。

「…あ~…確かに凄い格好ですよね…うん。」

シャツにタイツの金髪ポニテの女性(シスター)が深夜で一人キャンプできるのは、
それなりの腕があるのだろう。狼相手に返り血を浴びる位なのだから。

「ん、私としても願ったり叶ったり。街までご一緒させて頂けると助かります。
―― 狼退治できる位の人と一緒なら心強いし。うん。」

彼女の視線を受けながら店員もベストを脱ぎ、皮鎧の留め金を外して体を休める準備。
ブーツも脱ぎ捨てシャツ一枚、レギンスのみの姿になると、店員は腰を下ろす。
もはや女子会のノリである。こんな場所なのに。

シスター・マルレーン > 「今日に限って、替えの修道服を持ってきていなかったのよね……」

とほー、と肩を落とす姿は、割と緊張している様子も無い。
まるで街の中かのように、薄い衣服だけで微笑みかけて。
……よくよく見れば、タイツに包まれた下半身や、服を持ち上げる胸など、女性らしい身体のライン。
街の中でこの恰好でいるよりは、森の中の方が安全かもしれぬ。

「……私はシスター・マルレーン。 マリーとお呼び下さい。
 冒険者として兼任し、しばらく旅を続けております。
 …まあ、今宵の安全はお任せ下さい、………なんて、ちょっと恰好をつけましたか?

 お疲れでしょう、しばらく休憩していてくださいね。」

なんて、ふふふ、っと手を口に当てて、楽し気に笑い。

リタ > 「ま、そのお陰でこうして私は休める訳で…服、忘れてきてくれて有難う御座います。なんて。」

目の前の女性、今のその姿は凄く女らしく、この人が狼を倒したとは以下略。
丁寧な口調も合わさって、とても淑やかな雰囲気を醸し出していた。
年の頃は自分より若そうな顔立ちなのだが、振る舞いから年上にも感じてしまう。

「あ、ども。私はリタって言います。」

彼女の言葉は心強い。正直かっこいい。ちょっと張り合いたくなった店員は、名乗った後言葉を続ける。

「――普段は酒場で店員してるんで夜強いし、狩りもしてるから夜目も利くし
…しっかり見張っておきますよ。」

一応クロスボウを手に届く所に置き、辺りを見渡す店員。
今の所川のせせらぎと虫の声、そして梟の声しか聞こえない。
安全が確認できれば、笑顔を向けてくれた彼女に笑顔を返すだろう。
そして気を良くした店員は素足を川に突っ込み、
冷たさを感じながら河原の石を足の裏にぐりぐりしてマッサージ。うん、気持ちいい。

シスター・マルレーン > 「そういうことであれば、私の行為も全て神の思し召しということでしょう。
私のドジもきっと……うん、これ以上言うときっと怒られますね。」

なんて、ぺろ、と舌を出して笑う女。

「リタさん、ですね。
 ……そうなんですね、実は私、遠くからの攻撃にはさっぱりで。
 頼りにさせてくださいね?」

とほほ、と肩を落として笑う。
そんな状況でも全く怯えたり竦む様子が無いのは、彼女の肝の太さ、ともいえるだろうが。
微笑みながら、こっちも川に足を踏み入れて、ばちゃばちゃと。

「…あ、でもここでコケたらダメですよ。
 着替えなんて無いんですから、流石に夜、本当に凍えちゃいます。」

なんて言いながら、自分も足を進めて。
転ばないように注意しつつ、注意しつつ。 棍を手に持っているから、きっと大丈夫、なはず。

リタ > 「ん、でもホント助かりました。正直木の上で一晩明かす事になってたかも知れないし…ありがとう。」

貫禄というかなんというか、彼女からは大人の雰囲気が漂っていた。
この若さでありながら、きっと今まで色々苦労してきたんだろう、そう思える。
彼女が川へと足を踏み入れれば、小さな水飛沫が跳ね、波紋を作る。

「…あれ、何故かマリーさんがこける風景が浮かんだ…?
いや、石、苔とか付いてるから気をつけてね?」

華麗にフラグを立てる彼女にちょっと不安感。そういえば彼女はドジらしい。
店員は腰を曲げ、重心を下げて踏ん張った。もし彼女が倒れるようならば自分に被害が及ぶ可能性だってある。

シスター・マルレーン > 「そんな、大丈夫大丈夫。
 ちゃんと注意してますし、リタさんこそ注意してくださ」

振り向いたその回転のままに、足がつるりと滑って。
目の前でくるりと270度くらい回転して。

ばしゃーん。

スローモーションのように水しぶきをあげるシスター。
ぱたぱたとびしょ濡れになったまま、水を滴らせて。
川の中ほどに尻もちをついたまま、何かを悟ったかのように目を閉じる。


………

「……忘れてください。」

土下座のように頭を下げた。恥ずかしくて死にたい。

リタ > 何が起こったのか判らなかった。彼女の華麗なターンが終わった後、その姿が目の前から消えた。
正確には彼女の姿、その腰は水に沈んだ。もっと正確に言えば、コケた。

「――プッ…ホントにコケるんだ?も~、信じられないッ…アハハハ!」

忘れる、忘れると笑いながら彼女を起こそうと手を伸ばす店員。
本来ならば彼女の手を引いた時に自分も足を滑らせてしまうかも、と注意をするのであろうが、
見事なまでのお約束に笑い過ぎていて、そんな考えは浮かんでいなかった。
――なので彼女が強く手を引けば、店員も川の中で尻餅を付くだろう。

シスター・マルレーン > 「……ストップ。 ストップ。」

彼女は、聡い。ドジだけど聡い。
聡いはずなのだ。教会ではそういう評価でした。
聡い彼女は、現状の最悪を想定して、手のひらを前に差し出す。

「……ちょっと、川から上がりましょう。
 私、ほんと、しばらくテントから出られなくなってしまいましたから。
 何かあったら出ますけど、その、しばらく見張りをお願いしてもよろしいでしょうか。

 ……ああ、お任せくださいなんて言わなければよかった。
 恥ずかしくて、その、ダメです。」

顔を掌で覆って、川からやっとあがるシスター。
びしょ濡れのまま、すっかり肌に張り付いたシャツとタイツ。

リタ > たった今彼女の評価が変わった。頭の中にあった大人で淑やかなかっこいい彼女に大きく×印。
そして大きく二文字のドジ。

「アハハハ、ほんと…可笑しい…ごめん、笑い止まんない…」

ひぃひぃと引くような笑い声を出しながら笑う店員。失礼甚だしい。

「はいはい、見張りね、お任せ下さい。大丈夫?キュートだなぁマリーさん…アハハ」

笑いながらも「お任せ下さい」に抑揚を付け、彼女の声真似をする始末。失礼極まりない。
その失礼な笑い声を止めたのは、彼女の姿。
張り付いた衣服が体の線を露にしていて、特に胸が強調されていた。
思わず自分の胸と見比べる店員。――貧相である。しょぼん。

「ほらほら、早く着替えて。今狼とか熊とか来たら大変だよ?」

ちょっとだけ機嫌を悪くした店員は彼女の背を押し、少し乱暴に彼女をテントへ突っ込むだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリタさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 【お約束待機中です】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に紅月さんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 「ふぅ、ふぅ……年は取りたくはないな。これだけの運動でへとへとになるとは……」

そうぼやくのは見た目は青年貴族……な、実際は老貴族のワルセイ・イダーヤ。どうやら、
今日は薬になる木の実を探して森の中に来たようだ。
少し、キョロキョロすれば、樹に実っている黄白色の木の実を見付けて……

「おお、あったあった……っシ!」

そう気合を入れ、手に持ってきた鞭を振るえば、木の実は落ちて、ワルセイの手に。

「ふふふ、この木の実があれば、色々な薬の元ができる……さて、ちゃんと熟しているかな?」

そう呟いいて、齧ろうとすれば……シュッと横から、モフモフの生き物が掠め取って……

「む、貴様は……モフルムか」

最近、ここらへんに出現すると言う、モフモフの生き物……どうやら、この生き物も餌として狙っていたようで……『もふもふ~』

「ぬ、待て!」

モフルムは にげだした
ワルセイは追いかけ、森の奥へと……

紅月 > すやぁ、すぴー…もふっ。

現在進行形で熟睡中の…塊。
何故塊等と称したか、それは本来語られるべき紅がすっかり毛皮に埋まってしまっているからである。

もふーもふふー!もっふふー!

何とも気の抜ける鳴き声、それが彼女に群がっている者達で、おそらく彼女が起きていれば花が咲くような笑顔をしただろうその光景…
けれど、残念ながらモフルムが集まりだしたのは彼女の眠った後。
1匹2匹と増えてゆき…いつのまにやら、こんもりと。

「……んむぅ…あつ、い…もふ………」
…何だか魘されている様子。

そこへ現れたのは、先程木の実を見事掠め取ったモフルム…一目散に塊へ突っ込んでゆく。

「……う、んぅー……………ぶふっ!
…んぁ?……ほ?………ふぇ?」

1匹の突撃により吹っ飛んだモフルムが散らばる中…顔面に一撃喰らった着物の女は頭の上に元凶を乗せたまま、キョロキョロ辺りを見回して困惑していた。

「…え、何、どういう状況?」

偶然視界に入った黒い男に問いかける。

ワルセイ・イダーヤ > 「ま……まて……」

ぜー、はー。と息も絶え絶えに野生モンスターと追いかけっこの末に、木の実を持ったモフルムがぶつかったのは、東方の着物を着た女性で……

「はぁ……はぁ……す、少し待っててくれ」

そう息を吐きながら、魔法瓶からミルク(母乳にあらず)をコップに注ぎ、あおって……
そして息を二三回吸って吐いて、やっといつもの調子に。

「ふぅ……すまぬな、令嬢よ。見苦し所を見せた……
俺は、ワルセイと言う……まあ、医者だ。少し、そなたの頭の上のモフルムに用があるのだが……」
『もふー』

そう、ワルセイが指を指すと、モフルムはぴょんと女性の肩に下り、シャクシャクと木の実を齧り始めて……

「あ……あー!カナッサの……実が……」

そう言って、足元から崩れ落ちるワルセイ。モフルムはそんなワルセイを意にも介さず、女性に頬擦りしながら、『もふ、もふぅ~』と甘えて……

「ぬぅ……モフルムの分際で……」

そう睨みつけながらも、憎い奴を肩に乗せた女性まで睨みそうなので、複雑な表情……

「……すまぬな、着物からして東方の出かな?東方の令嬢よ。見苦しいところを見せた……」

そう言いながら、立ち上がろうか……

紅月 > 「あっ、ハイ…」
どうしよう、寝て起きたらもふもふパラダイス…と、なんかちょっと死にそうな感じのお兄さん。
…駄目だ、状況がさっぱりわからない。

「…ええと、どうぞごゆっくり?」

水筒を取り出す青年をしげしげと眺める。
真っ黒黒、黒の長髪に黒い服…あ、瞳は蛇苺みたいに真っ赤だ。

「あぁいえ、どうぞお気に為さらず…え、モフルム?」

首を傾げれば肩に軽い重み。
あっ可愛い…成程、この子達モフルムっていうのか。

「ふふっ…どうしたのキミ、オヤツ持ってきたの?」

何やら木の実を美味しそうに食べるモフルム…癒される。

「って、だ、大丈夫ですかっ!?
ちょっ…まさかキミさっきの大事なヤツだったんじゃあ……」

落ち込み方が大変激しい様子のワルセイ氏、とりあえずモフルムを肩に乗せたまま…問いかけながら撫でつつ、側まで近寄ってみる。

「あぁ、いえ…私はコウゲツと、ってそうじゃなく!
あの、さっきの木の実って…?」

とりあえず話を聞いてみよう。

ワルセイ・イダーヤ > 相手から名を聞けば、少ない東方の知識から……

「ふむ、コウゲツか……東方の言葉に治せば、紅い月とでも言うのかな?
紅の髪が麗しいそなたに似合った名ではないか」

そう苦笑しながら、近くにあった、倒れた木の幹に座ろうか……そして、隣を指して。

「まあ、そなたも座りたまえ……さて、そこの忌々しいモフルムが齧った木の実だが…」

そう、ぎろりとモフルムを睨みつつ、女性が隣に来るのを待って……

「あの木の実は、カナッサの実と言ってな……強力な解毒剤、傷薬、酔い冷まし……
あと、母乳生成薬の元になる木の実なのだが……」

そう言いながら、指でモフルムをぐりぐり……

「一つのカナッサの木に、1年に3個しか使える木の実がならない、とても貴重な木の実なのだ…」

そして、苦笑し……

「薬を商うギルドでなら、大金貨5枚はするな……ま、金などに興味はないが、
その貴重な母乳生成薬を作るための木の実を……貴様はッ!」

そして、鞭を振るって……

それは、頭上のリンゴの木へと向かい……たくさんのリンゴを振らせよう。もちろん、コウゲツには当たらないように。

「はぁ……まあ、貴様を怒っても仕方がない。貴様は腹を満たすために食っただけだものな……」

そう言って、落ちたリンゴのうち二ををとれば、モフルムとコウゲツに手渡そうか…

「ほら、食べたまえ。ここの森のリンゴは甘く美味しいからな……」

そう言いながら、自分のリンゴを齧って……足元には、先ほどコウゲツをモフモフしたモフルムも集まってくるか……?

紅月 > 「わっ凄い、そうそう紅い…
…、まさかいきなり口説き文句を言われるとは」

何だか少し照れてしまい、誘われるままに男の横へ腰掛けて。

「母乳生成…あぁ、お乳の出ない母御に飲ますやつか。
ね、年3、こ…うわぁ……あっ美味しい」

あんさん、何やらかしちゃってんの…
さすがの紅月も事の重大さに口許が引きつる。
軽くつねってやろうかとも思ったが、それより何より興味があるのはカナッサの味…男が語るその横でコッソリ、モフルムの口許の毛皮についた汁を指で取って舐めてみる。
甘い、これは他のものに食われて見つからないやな…理解できるからこそ困り顔。

けれどもリンゴの雨が降れば、ぱぁあっと表情が明るくなり。

「おおっ、お見事!!
…いいの?わぁっ、ありがとう!」

リンゴを嬉々として受け取り、胸元からハンカチを引き出すと軽く拭いて…シャクリ。

「ん、甘い…野生でこれだけ見事とは、水や土がいいのかなー?
…ふふっ、ワルセイさんって優しいのね?
若い人ってこういう時に動物に八つ当りしたりしちゃうから、内心ドキドキしてたんだけど…ムダな心配でよかったよ」

男に嬉しげに微笑みかける。
けれど、いつの間にか絨毯のようにもふもふになっていく足元にうっとりと溜め息をついて。

「あぁん可愛い…ここが天国か!
まさかこんな幸せスポットがあったとは…!!」

にぱーっと実に幸せそうである。

ワルセイ・イダーヤ > 「はは、俺は嘘やおだてた言葉が苦手なのでな、思ったことを言っただけなのだが……変だったか?」

そう、口説き文句との言葉には首をかしげようか。
そして、相手がリンゴの雨に表情を明るくさせれば、此方も嬉しそうな表情に。
いい女の明るい笑顔は、とてもいいいものだと思い……

「ふ、ここらへん一体は、数十年前はとある貴族の私有地でな。リンゴの木が植えられていたんだ。
で、貴族が没落して、管理するものがいなくなり……森となったのだよ」

そう、歴史を言いながら、自分もシャクシャクと林檎を齧ろう。
そして、若い人との言葉には……苦笑し。

「はは、若い人か……コウゲツよ。人は、見た目では判断できぬものだぞ?
例えば、目の前の青年貴族は、実は80年以上生きた老人かもしれぬぞ?」

そう言いながらも、優しいという言葉には。

「……ふ、こういう小動物を見るとな、娘のようでとても微笑ましいのだよ……」

そんなことを呟き、ニパリととても幸せそうな相手。そんな相手には、自慢の娘の写真を見せてやろかと…
ポケットから、ロケットを取り出し、その中には、写真が……
猫耳のついた、フワフワの髪の毛の可愛らしい娘が写っていて。

「ほら、これが俺の娘だ。写真器とかいう魔導機械を使って撮ったのだよ……可愛いだろう?
親ばかと言いたければ言え。だが……可愛いものは、可愛いのだ。義理、なのだがね」

義理、という言葉は、少し悲しそうに。

「80年も生きて、血筋など残そうとも思っていなかったが…ゴホ…こうして、ゴホ。
義理でも娘を持つと……ゲホ、結婚しなかったことが……ごほ、ごほ……」

そう、段々とせき込み始め……懐から、クリスタルガラスの小瓶に入った、乳白色の液体を飲んで……

「はぁ……はぁ……っふ、80年も生きた肉体を、若々しく保つには。母乳が欠かせなくなってな…
生き汚い老人だよ。まったく。」

そう、苦笑しようか……

紅月 > 「い、いやその…変じゃあないけど」
やっぱり照れて頬を掻く紅月であった。

「へぇ…知恵の木の森、か。
植物達の逞しさにはいつも驚かされてばかりだ」
リンゴの木に視線をやり、しみじみ呟き。

…きょとーん。
はちじゅ…え、今80とか言った?
人間だよ、な…たぶん。
思わず男性を見詰めるが…うぅむ。
…タメくらいに見えるぞ、一体どんなアンチエイジングを。

迷走する思考は、幸運にも男の掌のロケットにより終止符がうたれる。

「うわぁああ、可愛い!
ミレー?ミレーだよね?…あぁん、ぽわぽわ猫耳天使っ!」

紅月のもふもふ好きなハートを、写真は実に的確に撃ち抜いた…メロメロである。
しかし男が噎せ始めれば疑問を、小瓶を取り出せば本格的に心配し始めて。

「母乳、母乳…か」

話を聞けば、少し思案して…木洩れ日のさす木葉の群れと空を見上げる。

「人間は、魂から産まれて赤子、大人になって…其処から赤子に戻るものなの。
目が、手足が、元々のように動かなくなって、ベッドで眠り…魂に戻る。
…ね?
そう考えれば何も可笑しくない」

言いきると、男の方へ微笑んで。

「あんさん80越えてんのよね?
私、もっと上だから」

クスクス、と笑ってみせる。

ワルセイ・イダーヤ > 相手が知恵の木の森と言えば、少し不思議そうに。

「ほう、リンゴが知恵の木か……どこかで、そう言った文献を読んだこともあるが。
確か……『別の世界からの旅路』とか言う題名だったな」

どうやら、この世界では、林檎を知恵の木と呼ぶことは無いようで……不思議そうにするも。
自分が80代と知った相手の慌てふためく顔には、ふっと笑い……

「ははは、言っておくが。れっきとした人間だぞ?まあ、たまに自分でもわからなくなるが……
人間でいるつもりのうちは、人間だ」

そういつつ、相手が娘にメロメロになれば、此方も熱が入って……

「そうだろう?まさに、天使だ……ごほ、げほ……」

そして、肉体崩壊の発作が急に襲って……母乳を飲んだ後、相手が笑うことなく、
紡いでいく言葉を受けて……

「……赤子から、赤子になる……か」

そう呟けば、ふっと笑い。

「そう考えると、俺は……いや、そう難しい話はやめておこう。せっかくのリンゴが不味くなる」

そう言って。目元を伏せて、林檎を齧って…その眼は、もしかしたら、少し救われたような表情かも……

「ほう、そなた……俺より年上とな?」

それにはびっくり。だが、納得もして……

「ふぅむ、確かに。そなたからは人とは違う。何か……妖艶さと言うか。そういうのが感じられるな」

なんて、また口説き文句なことを言いつつも……
ふと、周りから、モフルムの姿が無くなっていることに気が付いて。
そしてコウゲツの肩のモフルムも、必死で何かを伝えていて……「まふ!まふ!」
ゾクリ。そう背筋が冷えた。慌て、コウゲツの細腕を握り、立ち上がりつつ引き寄せ……

今までいた場所を、巨大なクマが、叩きつぶして。

「っく。アップルベア!」

どうやら、この森に住まう魔獣のようだ。すべすべの赤い肌が、リンゴのよう。
ワルセイは、背にコウゲツを守りつつ…
このコウゲツの戦闘力は分からぬが、万一の事がある。

「……コウゲツよ、走れ。叩き潰されるのは……先短い老人で十分だ」

なんて、格好つけるが、もちろん死ぬ気はない……が。女を守るのは、
遺伝子レベルで漢に植え付けられた本能で……

アップルベアが、腕を、降りあげた……

紅月 > 「『人だと思えば人』…か、好きだよそういうの。
私も人とは『在り方』だと思う…異世界でもその辺変わんないんだね!」

紫の目を細めて嬉しげに笑って。

男が紅月の歳に驚けばこちらも悪戯が成功した子供のように笑んで、しかし続いた言葉にはモジモジと。

「よ…またそういう。
まぁ、妖の字まではある意味合ってるんだけど…ん?
モフちゃんどうし…」

手を、引っ張られた。
抜かった、完っ全っっに油断してた!

真っ赤な熊、か…?
全然もふもふしてない、可愛くない。
私のマッタリもふもふパラダイスを盛大にブッ壊しやがってからに…っ!!

「ちょっと、ワルセ…もうワルさんでいいや。
なぁに今から死にますみたいな事言っちゃってる訳…?」

ガシッと男の肋骨辺りに後ろから手を回せば、トン、ト、とバックステップでキラークローを回避…充分に距離をとって小脇に抱えた男を地面に下ろし。
笑顔を貼り付けたまま口を開く。

「潰されんのはぁ、アチラさん。
さすがに炎は使えんから、焼きリンゴには出来ないけどねーっ?」

から、ころ…唸るアップルベアの視界から男を隠すように歩みつつ、帯から扇を抜くと魔力を通す。
途端に大きく、形にも変化の表れる、その黒漆塗りの鉄扇。

歩みを止めると、一瞬陽炎のように揺らぐ紅月の後ろ姿…
ハッキリと視認したその頃には尖った耳と、頭上に深紅…ガーネットで出来た角が見えるだろう。

「…異界の鬼を怒らせた罪は、重いぞ」

手に馴染む武器を敵に向け構え、ジリジリと静かに怒る黄金の瞳で睨み付ける。