2018/02/08 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にカーレルさんが現れました。
カーレル > 狩人組合の依頼で森林の調査に出向く
魔物や危険な野生生物の分布を調べて地図を作り出し、組合員に配布するらしい
広い自然地帯を狩人だけでカバーするのは難しくまず組合内の手練の狩人たちに声がかかり、次にギルド所属の
冒険者、それらで手の回らない部分を市井の何でも屋や無所属の冒険者が担当する事になる
自分に声が掛かったのは本当に最後。報酬とは別に作成した地図も貰える、というので頼まれる事にした
……と言っても、地図が何かの役には経つとは思えないのだが。まあ、働かなければ食っていけないのである

「…さて、あらかた済んだか」

担当区域の調査を終える頃には陽が落ち、野営をせざるを得なくない状況だった
とりあえずは、少し広い場所で火を熾し、焚き火の灯りを利用して地図に調べた情報を記載していく
後はこれを組合に提出すれば仕事は終わる。懐へ地図をしまえば、ごそごと、と入れ替わりに煙草を取り出し、
焚き火の炎に近づけて火を灯す
明け方近くまで焚き火をし、朝一番で王都に戻り家に帰ってから眠ろう、というつもりでいる
辺りには獣の気配も魔物の気配もなく、遠くから夜鳥のなく声だけが聞こえてくる

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエスタさんが現れました。
エスタ > 彼女の住む森(ジャハンナムの森アザーリスト94番)
から、カーレルの焚いた焚火は見えていた。
一応森番でもあるし、人恋しさもあってジャハンナㇺの森と隣接する森に転移する。場所はカーレルのいる場所から30mほど。

「よっ、と……うまく、渡れました、ね……」

敵意がないように手を振って近寄っていく3mの異形。

「こんばんわ。こちらには、戦う意志は、ありません。
わたしは、森番。火が見えたので、来ました。
お話をお伺いしても、よろしいですか?」

手にはバスケット。中には訪問者をもてなそうともってきた森の恵みやらパンとかワインとか。

カーレル > 焚き火を熾したとは言え夜の森は冷える
マフラーをぐるり、と耳を隠すように頭に巻いて、身体を縮こめる
時折、パチン、と弾ける火花でコートに穴が開きそうだが、コートを脱ぐ気にはなれなかった

「この仕事、失敗だったな…」

最後に残っていた区域は森の最も深い場所
朝、まだ陽も出ぬうちに王都を出立したが、結局、その日のうちに王都に戻ることはできなかった
そんな、今更な後悔をしていれば、遠くから近づいてくる気配に気がつく
得体の知れない気配に逃げるか、と僅かに腰を浮かせたが焚き火の灯りに異形の輪郭が浮かべば
それに見入ってしまった…というか、驚いてしまった

「…樹精か何かかと思った…」

森に現れる精霊だったり魔物だったりするアレ。木の化け物
手を上げて近づいてくるものだから、シルエットがそれに親しく見えた、と苦笑を浮かべ
浮いた腰をまたぺたり、と地面につけて座り直す

「良ければ近づいて火に当たってくれ…
 何のもてなしも出来ないがな…というか、デカいな…」

マジマジと彼女を見上げながら手招きしてみる
こちらも武器の類は携帯していないから、それ程、危険には見えないだろうことと思う…たぶん

エスタ > ぺこりと丁寧にゆっくりと頭を下げる。

「ありがとう、ございます。ふふ、よく言われます」

近くに寄って座る。逃げず、襲いもしないことに深く感謝しながら。

「ええ、生まれつき、そのような体質で……巨人の血を引いても、いるのです。この背丈ですので、魔物と思われることも、少なく、ありません……にもかかわらず、あなたは親切な言葉を、かけてくださりました。それだけで、十分です」

真実をオブラートに包んだ表現でぽつりぽつりと話し始める。バスケットから食べ物やワインを出して。

「そして、私はジャハンナムの森番です。もてなすのは、こちらの側、そうでしょう?もし、よろしければ、何か、お手伝い、できますか?」

暗に目的は何か聞きつつ、チーズを枝にさして焚火に当てる。
枝をとることもこの巨体ならばたやすい。じゅうじゅうと良い匂いがした。

「よろしければ、どうぞ」

自分も一口食べながら、別のチーズのかけらのついた枝をそっと地面に刺す。

カーレル > 大きな身形の彼女が丁寧に頭を下げる様子にどこか可愛げがあり、そのギャップに笑ってしまった
襲ってこない、と彼女は言ったけれども警戒はしていたから毒気をすっかり抜かれてしまった
彼女の身の上話を聞けば、なるほど、と頷く。自分の知己にも彼女と同じように巨人の血を引く
傭兵の男がいたが、やはり彼女と同じように巨躯であった。戦場で行き会いたくない類の人間であるが

「いや何、疲れていて逃げ出せなかっただけだ…
 親切にすれば命ばかりは助けてもらえるかもしれない、と思ったからな…」

冗談交じりに言葉をかわしながら、森番と聞けばほう、と頷く
差し出されたチーズの刺さった枝を、こりゃあありがたい、と一本頂き、ごそごそ、と懐を漁る

「んにゃ…丁度いい、騒がしくしたつもりはなかったが申しそうであったら謝る
 ついでと言えばなんだかちょっと協力してくれ」

美味いなこれ、と蕩けかけたチーズを齧りながら、自分の注釈や情報の入った地図を彼女に差し出し
狩人組合の依頼でこの辺りの森を調べていた事やこの結果で狩人たちは収穫量を定めたりするのではないだろうか、
というような自分の推測も交えて自分の受けた仕事について彼女に話し、ついでに森番から見て、
自分の地図に間違えや見落としがあれば、添削や書き足しをお願いする

エスタ > 「まあ、私は歌う事くらいしかできぬ、端女です。戦いなど、とても、とても……」

コロコロと口に細長い手を当てて笑いながらうなずく。

「いいえ、森を預かる身としては、山火事は、恐れるべきこと、ですから……灯が見えたので、来たのです。さわがしくは、ありませんよ。ええ、私にできること、でしたら……地図、ですか?なるほど……」

渡された地図はとても詳細で正確に思える。いくつか森を訪れる人に危険な個所を添削していく。

「まあ、狩人様、とお呼びすれば?それとも、冒険者様、でしょうか?
……そうですね、このあたりには、ちかよらない方がいいでしょう。それから、この辺も……ジャハンナㇺの森は、入り口は問題ありません。ですが、奥地は、人を狂わせるのです。私の思い出せる限りを、書きますので、奥地には入らない方が、良いでしょう」

そして地図を描くために魔法を使うがよいか、と尋ねたうえで。

「拙い魔法ですが、お許しくださいね「錬金」」

青白い神秘の光とともに、大雑把な地図が魔力で作られていく。

「これがジャハンナㇺの地図、です‥‥…どうぞ、お収めください」

そっと差し出す。

カーレル > 「それは迂闊だった…すまない、寒かったからつい…
 後始末はしっかりしておくから、目溢ししてくれると助かる」

なるほど、焚き火の明かりを見てやってきたのかと納得する
山火事についても、彼女が「森番」というのであれば当然のことと思う
彼女に地図を手渡してしまえば、腹が減っていたのもあったからチーズやら何やらを腹に入れていく
森に関しては自分が口出しするよりも彼女に任せてしまったほうが確実だろう

「いや俺が狩人なわけではないよ
 俺は何でも屋。冒険者や狩人連中だけでは森をカバーできないから雇われた
 …構わない、任せる。俺が口出しするより任せたほうが確実だろう」

わざわざ断りを入れる彼女の様子に笑いながら、好きにやってくれ、と返す
身体の大きさの割に意外と気配りするのだな、と感心してしまうというか何というか
彼女が魔法を行使し出来上がった地図を差し出されれば、それを受取り目も通さず懐へしまう
恐らく、自分が見てもよく判らないだろうから彼女と同じ森の専門家たる狩人たちに見せたほうが
話が早いはずである

「何から何まで悪い…助かる
 森の最深部の情報が判れば狩人や冒険者も喜ぶだろう」

エスタ > 「はい、後始末さえ、していただければ、何も問題は、ありません。焚火をするのを、咎めるつもりは、ありませんよ」

申し訳なさそうに首をかしげる。この寒さで暖を取ろうとするのは当たり前だ。咎めるつもりはなったと少し慌てて釈明する。

「そうなのですか。では、何とお呼びすればよろしいでしょう?
ああ、私はエスタ、と申します。よろしければ、どうぞ…森の恵みです」

果実やパン、比較的まともな動物の肉のベーコンを取り出してあぶっていく。

「そうですか……森がにぎやかになれば、それもまた、楽しいことでしょう。お疲れでしょう、もしよろしければ、森番小屋のはなれに、泊って行っては、いかがですか?」

訪れる人が増えるのは歓迎だが、しかし彼らにとってジャハンナㇺの森は危険だろうと心配しつつ。