2017/12/06 のログ
ノウブル > ――――………意味を見出すのは此方ではないからな。
だが、そうか、飢えているのか、御前は。

(――吸血するのは、眷属を増やすのは、己が理由を知る所では無い
土地を支配する為、手下を増やす為、力を強める為、色々な理由を実際に見てきた。
だが、もし相手の目的が唯純粋に「飢えを満たす事」だと言うのなら
なるほど、確かに仲間が増える事が、良い事ばかりとは限らないのだろう。

差し出した串焼肉、けれど、差し伸べられる相手の細い指先は、肉ではなく、腕へと触れる
手首を捉える其の力に、けれど、腕を振り払う事もなくただ、相手の瞳を見下ろしては。)

……俺は狩人だ、だが、御前が狩られる者かは、俺が決める。
食え、冷めない内に。 元々ヒトで在ったなら、人の礼儀を思い出せ。
そうしたら…、……少しだけ、飲ませてやる。

(手首に、指が構わず絡むなら。
きっと其の時は、そう告げるだろう。 血潮は後回しでも変わらない。
だが、焼いた肉は、今食わぬのは勿体無い、と)。

チルユキ > 増やす意味…は。……わたし、には。わからない。
……おなかはすいてる、だいたい。


(支配欲だとか、その類のものを示されていることは、実感が伴わない。
食欲だとか、睡眠欲だとか、本能じみたものばかり。

避けようと思われれば、振り払われれば、呆気なく引き剥がせそうな所作を。
遮られることなく、手首に指が掛かる。無意識に脈の在処を探して指が伝う。
ひとのいのちの流れに気を取られ、視線が注がれることに気付くのは少し後。)

……どうやって、決めるの。何か、判断されるのは、嫌だな。
何が契機か、得体が…知れない…。

―――………。

(ヒトであったなら。言葉に反応して、上の空のように言葉を紡いでいた面がふと持ち上がる。
此方を見下ろしてくる、底にある表情を。映し出そうとする鏡のように茫洋と見上げ。

暫くの沈黙の後、手首から滑った指が串を捉える。下ろしていた手を肉にかざし、湯気の温度を帯びる。)

これはお前の糧だろう、

(もう一度相手を見遣り、見た儘。肉にがじり、とかじりついた。)

ノウブル > ……なら、良い。 子供の様な物だな、御前は。

(魔に属する者が、根源的に悪であるのか、其れは否だ。
人を喰らうと言う事実が、人にとって都合が悪い、唯其れだけの事。
悪意を以って悪辣を為す、そんな様相は欠片も見えぬ相手に、納得したよう頷いては
其の指先が次に何を為すのかを、まるで見極めるように、静かに見守るだろう。
動脈に爪を突き立てる事も出来る筈だ、一方的に襲い掛かる事も出来る筈だ
けれど、其れを為さず、其の指先が退かれて――串を、持つなら。)

………自分の心を人に説くのは難しい。
だが、これだけは言える。 其れは、俺が御前にやった物だ。

だから、今は間違い無く、御前の物だ。

(食え、と、一言告げよう。
其の肉が相手の空腹を満たさぬと判っていても
其れが最早人間で在った頃の真似事に過ぎないとしても
其の胃袋を、ヒトの食べ物で満たす事で、僅かでも矜持を取り戻せればいい
かぶりつく様を隣で眺めていれば、相手の視界で捕らえられる辺りで
荷物の中に忍ばせていた、小刀を一本、片手に握って刃を構え

きっと、相手が粗方齧り終える辺りで、もう片方の手首辺りへ、刃を滑らせる、か)。

チルユキ > 何が、良いの。

…お前の言葉が、行為が穏やかだから。少し、話したいような気分だったから
おとなしくみえるだけだよ、今は

(己の思考回路が単純し過ぎて、男の心の襞は汲み取れない。

―――遮られずに触れた腕を、引き込んで喰らう等、割と頻繁に起こす行為だ。
殺めようとすることこそしようとはしなくても。
只今は、奥まった処にある懐かしい何かに、手向けられて。そうならなかっただけの。

それが、男の判断材料になったとは知らずに、血と違う柔らかな味に、間もなく気を散らす。)

わたしの、もの。
―――……。

(遠くこの味を知っているような。
その頃も、腹を空かせていて、もっとずっと固くて不味かったような。
鈍い瞬きと共に咀嚼する。しあわせだ、と。奥の奥の方で何かが鈍く動いた、気がした。
ぐ、と。かつての幸福の欠片を飲み込んだ。
なのに腹が満ち無くて、少しだけ夢から醒めたような視線が揺れ)


――――ァ、

(鈍い色のひかりが掠める。眠たげにしていた双眸が見開かれ、双眸がざあっと朱に染まる。
手指から、殆ど肉が消えて軽くなった串が、滑り落ちる。

地面に当たって跳ねるより早く、刃と交わる手首に両手が伸びる。

触れる寸前にほんの一瞬、躊躇するよう引き攣る)

ノウブル > ならば、話が出来ると言う事だ。
話が出来るのなら、其れで済むのなら、平和で良い。

御前でなくとも、敵意と嫌悪を向けられれば同じ物を返す、だろう?

(単純だと言うのなら、己もそうだ。
こうして、話が出来る。 其れが全てだと…相手に伝わるかは判らないが。
今は食するモノではない筈の、何時かに、食しただろう筈の物を
頬張り、齧り、咀嚼して、飲み込む、其の様子を眺めながら。
手首へと滑らせた刃の其のあと、肌を伝う血潮を相手へ向けようとして。)

―-―急くな、逃げはしない、約束は護る。
此方に来い、どの位まで飲めばくちるのか知らないが…、まぁ、落ち着いて、腹を満たせ。

(手首へと、延びる細い指先。 待ちきれぬとばかりに縋る其の姿を制しては
其の体躯を片腕で、ひょい、と己が膝上に抱え招き――手首を、預けようか
一瞬の戸惑いを、そうしてから漸く、己から促して、零さぬうちに味わえ、と)。

チルユキ > ……お前、
たぶん、喰えない質のヒトだと思うのに。
わたしが猫を被ってるとか、そんなに疑わないで、大丈夫なのか……?

(何故己が心配してるんだろう、珍事だった。

無意識に咽喉がまた、鳴る。
其れでも一瞬躊躇ったのは、穏やかな夜、だったからだ。
躊躇を抑止されて、眉を寄せるが。まるで猫の仔のようにからだを攫われ、気付けば先刻串を差し出されたどころじゃない近さ。軽い背が後ろに凭れかかる)

餌付け、を。されてる気分だ……。
―――……そんなこと、言って、…お前は、
喰らわれることを、煽りたい訳じゃないでしょう、に、―――……。

(傷口を、己の血を差し出している男の台詞じゃない。味わえ、なんて。
預けられた手首を傾け、創口から流れる血の縁からざらついた舌で掬い取る。
固い腕に薄い唾液の痕を刻み、刃に裂かれた線状の傷に 唇がやわらかく触れる。
唇の合間から染み込むいのちの味。大人しく、吸い付いていたのも、僅かな間。
細く尖った牙を、組成の隙間を縫うよう、深く突き立てようとする。)

ノウブル > 嘘を吐いている目でもない、嘘を吐く理由もない。
猫を被って近づくより、気配を殺して襲い掛かる方が楽だからな。

(理屈が必要なら説明しよう、だが、己は理屈よりも感覚で生きる類だ
何故か心配げな視線を向けられれば、此方は此方で不思議そうな視線を返し
其れから、浚い上げた相手の体躯を膝上に招けば、後はきっと、堪能させるだけ。)

……分け与えて、其れで御前の腹がくちるのなら、其れに越した事はない。
勿論、吸われずに済むなら其れが良い、だが、どうせ飲ませるなら、存分に味わえ。

其の方が、喰らわれている側としても清清しい。

(飲みたいと言ったのは、相手の方だと言うのに。
相手から、どこか困惑したような台詞ばかりが毀れるのを、律儀に応えながら
傷口に触れる唇、其処から吸い上げられて行く己が熱に、双眸を細めた
――傷口を抉る、牙の先端。 其れが、もっと、もっとと強請る様に
己が身体から血潮を溢れさせ、其の咽頭を潤す事となるだろうか。
けれど、其れを留めはしない、咎めもしない、相手の好きにさせたなら

其の流れる黒の髪糸を、自由な片掌で梳き、口元へ触れぬように背へと流して)。

チルユキ > …………―――…。

(元々余り口が立つ方でもなく、もうそれ以上の反駁の糸口を見つける事が叶わずに、唇を閉じる。
一寸、釈然としないような複雑そうな視線が戻る。)

―――ん、………。
吸わさないで捻じ伏せることも出来るんだろう、に。
お前は………やっぱり少し不用意……だよ

(長い指先に掬われた黒髪が、指の表面を撫でてさらさらと掴み処無く零れる。赤に固まることなく、柔らかい儘。

貰っている癖、受け取っている癖に。
まるで文句のような言葉がぽろぽろと唇から零れる。塗り潰される予兆、が。

乾ききった咽喉が潤う程、抑え込んでいた飢餓が反動で膨張する。

ずぐりと鈍い感触と共、細い牙が男の手首の筋と、肉の間に穿たれる。
針を打ち込むに似た鋭い強い痛みが、一瞬。
舌先が傷口を押し潰して僅かに体内に潜る、と。指先までも感覚が薄れる程の痺れが取って代わる。
溢れ出る血を啜り、鈍れば舌が裂けた傍の皮膚を押して誘い出す。頭のてっぺんから指先まで熱が巡る感覚に夢中になり―――。満たされるに従い徐々に和らいでいき、
奪う血と引き換えに、強い酒を摂取するに似た酩酊が相手の意識を揺さぶる―――それも体質次第、で。

は、と。息が零れ。手首から唇が、浮く、)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からチルユキさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からノウブルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にノウブルさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にチルユキさんが現れました。
ノウブル > ―――……自ら判断は出来る心算だ。
其れに、本当に如何しようも無い奴の臭いは、直ぐに判る。

(もっと、もっと、血の香りを纏っている物だ。
彼女よりももっと、遥かに濃厚な、必要以上の悪意に満ちた臭いが。
他者から、其れが不用意だと見られるなら、そうか、としか答えられぬ。

気に留める事も無く、痛みに呻く気配も無く、差し出した手首から吸われ行く紅
血を吸う鬼の、血を吸う最中の恍惚感を己に理解する事は出来ないが
其処から副作用染みて此方にまで伝播する)、酔った時の様な感覚は理解出来た
――だが、其れも。 酔いにも強く、人でありながら魔に近しいこの身体は
直ぐに、慣れてしまうのだろうけれど。)

……美味いか?

(短く、問う。 堪能している其の最中に、必要以上は無粋だろう
先刻肉を齧らせた時よりも、余程夢中に貪る其の様相を見れば
嗚呼、確かにこの鬼は、血を飲む事でしか生きられないのだと納得できる
人間よりも高い身体能力、魔であるが故に内包する魔力
それらを効率的に維持する為の栄養源として、だけではなく
ただ、血に惹かれる、それは殆ど呪い染みて。)

……満ちるまで、飲んでおけ。
どの位保つのかは知らないが、易々と人を襲わずに済む程度に、な。

(唇が、手首から離れる頃に。
もういいのか、と、そう一言だけ告げて)。

チルユキ > 猟犬よりも鼻が効き…そうだ、
ふだん、穏やかな人の方が、苛烈な気がする

―――とても。

(細胞の隅々にまで行き渡る感覚に、何時になく滑らかに答えて息を吐く。
泥濘を歩くような意識の朧さが、明瞭になる数少ない感覚、でも。

意識を沈ませているのと、明瞭になるのとで
どちらがより良いか等は、分からないけれど。

手首から唇を離す、と。
己にとっては上等な酒精に似た、血の錆びた、生々しい匂い。
唇よりも鮮烈な赤を舌先で舐め取り、上げた面は鬼よりも矢張り、獣じみる。

相当に、含んだと思えるのに。未だ、と促す男を不思議そうに見遣る)

飢えた事、でも、…あるのか、

お前だって、痛くない訳じゃ…無いだろうに。

ノウブル > ―――……犬は犬で、些細な事を察知する、怖がりなのは特に。

…そうか、なら良かった。

(血の味の評価を、聞く機会と言う物は余り無い。
美味いと言うのは、どうやら世辞では無いようで、頷いた。
舌先で触れるだろう傷口、其処に滲む紅を舐め上げてから
此方を見上げる瞳に、己が瞳を重ねては、ゆるりと首を横に振り。)

……無い訳ではない、だが些細な程度だ。
それでも、腹が満ちぬと言うだけで人を襲う羽目になるのは、御前も面倒だろう。

(本能にも似た衝動、腹が減り、そして美味いから血を飲む。
けれど、其れは逆に言えば相手が生きる為に必要な行為だ
血が好物でさえなければ、他の食べ物で腹が満ちるなら、しなくて済む事
ならば、己が出来ることは、せめてこの一時でも分け与える事。)

……痛みには慣れている、それに、直ぐに治る。

チルユキ > いのちのもとだ。あたたかい。

(語彙が余り豊富でないのは会話の通り。店先で語り合う誰かのような美辞麗句は持ち合わせず。
乗せられた膝の上で緩々と脚を伸ばす。
背に当たる体躯はごつごつとして、己を縊ろうとするなら容易いことのように思えた。
血の管は、柔らかく脆いのに。機嫌良さそうに足先が揺れる。ぱたぱたと)

―――怖いものなどない何もようなことをして、怖がりなのか。
何が、こわい。なにを、うしなうのが?

命を落とすこと、には見えない。
慎重なひとは、わたしに血なんて与えない


――……ウン。襲う気分でも、無かったから。

(些細、と聞くと、表情が動くところを見たくなる。傷口に、ガリ、と。歯を引っ掛ける。
視線ばかりは爛と輝き相手を見遣った儘。平然としているなら顎の力を強めて、貌を顰めるか制止が掛かるまで際限と加減が無い行動。)

なおる、?

ノウブル > ……恐れるものは無い。
ただ、俺が俺でなくなる事だけは、怖いかも知れない。

(それは、きっと相手には判らないだろう。
――いや、誰かを眷属にするという力を持つ相手なら、察せるだろうか
己が膝の上で、寛いだかに足を伸ばす様は、何処か猫のようにも見え
髪を梳いていた指先を、そっと頭の上に乗せた、撫でる様に。)

……案外悪戯好きだな、其れが本来か。
慣れているし耐えられるが、痛みが無い訳じゃない。

(だから唯噛むなと、別に咎めもしないし、余り変わらない声音で告げた。
噛んだ瞬間、ほんの僅かに眉が動いただろうけれど、さて、判るだろうか
其れでも噛み続けるなら、恐らく其のうち、指先が、てし、と頭上をつつく筈で。)

……体質だ、傷の治りが早い。
放っておけば、血も直ぐに止まる。

チルユキ > なぜ。
お前は飢餓で理性を飛ばすことは、無いでしょう?
お前がお前でなくなるようなこと……って、

(理性が塗り潰され、只本能の赴くままに襲い、喰らう。
意識が消失する訳でも無いが、其の感覚かと類推する。
眷属に変える力を振るったことは無い―――興味が無い―――が。一度だけ、ふるわれた、ことなら。

痛いも怖いも忘れかけて朧になった身が、厚みのある掌が被せられて視線を上げる。
長閑だった、相手の手首と、己の口元、空気に混ざる色濃い匂いを除いたなら。)

案外、なの。気になれば遊ぶし、齧るし、時々は話を、する。

……―――……血、も。

(無いわけじゃ、の処を。都合次第で綺麗に聞き流して。ほんのわずかに動いた表情を目敏く見つけた処―――増長した。
皮膚がギリギリ言い始めた処で、嗜める指先が頭を揺らす。

然し、―――犬と違い猫には。やんわりとした制止は余り効果なく。逆効果とばかりぎゅうと咬んだ。一寸血が噴きかねない強さ)