2017/07/30 のログ
ルーフェン > 「ルールー爺」という呼び名を止めさせようとすればどことなく渋々という風であったから、
気に入っておったのか…と、彼女の独特のセンスに少し驚いたりする
お嬢様育ちというか浮世離れしているというか…そんなふうに思ってしまう

「折半、とまでは言わんがな…
 父御や母御がお主に持たせたであろう金銭を敷布に使わずとも良いという話だ…もっと有益に使えば良い」

彼女が笑みを浮かべれば、うっ…と小さく声を漏らす
彼女の嬉しそうに笑う表情に弱い…普段、無表情な彼女があどけなく笑うと心が緩むような
そんな自覚が自分の中にある。そうするともう、小言だ何だと口喧しくするのも馬鹿馬鹿しい気がしてしまい…

「…ま、ともかくわしは中に入るぞ
 飛んで身体が少々冷えとるし、雨にも濡れた…」

対して濡れても無いのだが…誤魔化すように口にすればずいずい、と洞窟の奥へ進んでいく

火棘 > 「ん、持たせてくれたものは、ほとんど手をつけていない」

寝床は困っていないし、食べ物も森にいれば、なにかしら食べ物はある
節約してるつもりはないけど、浪費癖があるわけでもなく
今のとこ、うまく生きれているだけで

「まって、私もはいる、冷えたのか…?温めてやろうか」

中に入っていく後ろを追いかけるように、ついていき
自分には濡れてるようには見えてなかったけど、自分とは違い濡れて寒いのかもと思ったからのこと
いつものように、抱きついて眠ることを指してるつもりなのだけど

ルーフェン > 「人の街に降りて散財しなかったのは偉いのう…」

自分が田舎者だからなのかもしれないが、人の街には誘惑が多い
それは人も竜種もきっと同じはずである……と思う。自分ですら、数百年の眠りの後、王都にやってきて、
後先考えずに人間の作り出す料理を食えるだけ食った…そこをいくと彼女は理性的であると思えた

「う…しかし、お主が冷え……――ないか…炎の化身じゃものなあ…」

洞窟の中まで入ってしまえば、マントの留め具を外して、少しばかり雨に湿っていたから風通しの
良さそうな場所へ広げ、無造作に置かれた敷布を一枚、手に取ればそれでくるり、と身体を包んだ
遥か上空をそこそこ長く今夜は飛んでいたから冷え切った、とまではいかないが、身体は冷えており
敷布に身体を包めば、湿ったマントを羽織っているよりも幾分暖かく

火棘 > 「そう?偉い?」

いつもお小言の印象で爺と心の中で何度も呼んでいたけど
その爺から褒められるのなら嬉しいことで
にこにこしながら後ろを歩いてた

「私からしたら、ルーの体温くらいが気持ちいい」

人よりも少し人の姿では、体温が高いかもしれないけど
対のように嵐の龍は、自分の体温と比べても居心地いいくらいのもの
布にくるまる様子を見てて
寝床に座って…寝転がる

「ほれ、ルーの抱き枕、はやく」

体に包むほど冷えてるのか?と見ていれば
隣にとポンポンと叩いて

ルーフェン > 「うむ…何というかアレじゃな、簪やらなんやらとお主くらいの歳の娘なら買い漁りそうじゃが…」

意外と装飾品類を多く身に着けている彼女だから、自分と違い食べるものよりもそちらに興味があって、
買ってしまうのであればそういうものかな、と思いそんな風に口にするがそういうわけでもないらしい
何やら後ろで喜んでいる気配を背中越しに感じる

「わしからすれば、火棘はポカポカしてて羨ましいが…」

竜の姿でいる時よりも人の姿でいる時は、かなり寒さや冷気に対する耐性が落ちるようである
なぜだかはよく判らないが、そういうものであるらしい…これに気がついたのは数百年の眠りから覚め、
人の街へ初めて降りたときだったように思える
……―――決して、年齢のせいだとかではない

「う…そう急かすな…」

無邪気に彼女が呼ぶものだから、此方がかえって照れてしまう
布に包まったまま、彼女の隣にころり、と寝転がれば彼女に腕をそっと伸ばしていき
彼女を腕の中へ抱きしめてしまえばやっぱり、彼女はぽかぽかと暖かくて、はふ、と心地よさ気な息が漏れてしまう

火棘 > 「装飾など自分で買うものではない…これは、父から…こっちは…」

ただの自論だけど、ほかの簪は父からや母や…1つ1つは大事な者からの贈り物を気に入り
1つ1つ、誰からの贈り物かは覚えているし
身につけていて大事にしているつもりなことを説明しながら

その簪を1本1本抜いて、髪を解く
頭につけてたものを頭上の床にまとめて置いておけば、寝返りなどで潰すこともないだろう

龍種からの元々の体温の違いなのだろうと
腕が伸びてくるのも拒まず大人しく抱きしめられる
…少し照れてるから、体温もあがってるのかもしれないけど
こちらからも腕を回して、自分よりも低い体温のせいか、心地いいのは毎回感じてて

「やっぱり、ルーの体温はこのくらいだと、ちょうどいい」

ルーフェン > そう言えば、以前もそんな事を言っていたと苦笑を浮かべる
それで、自分も彼女に簪を一本、買わされたのだ。それも大事にしてくれているようだから、
プレゼント…と言うよりは、買わされた甲斐があるというものだけど

簪が外されていき、まとめられていた彼女の髪が流れれば彼女に伸ばした腕で少し触れる
さらりと指先を通る感触を心地よい、と思っているのは秘密である

「…わしには火棘の体温が丁度よい、暖かじゃ…」

彼女の腕が伸びてきて自分の背部へ周り、身体が密着すれば彼女の体温が伝わり身体が温まっていく
何となく彼女の顔を覗き込むようにすれば、思っていた事を口にする

「…今更じゃし温めてもらっておいて何なんじゃが…
 お主、わしにくっついていても平気なのか…?
 あれじゃろ?わしとしてはありがたいが、嫁入り前の娘がこんな風にしておって怒られたりせんか?」

本当に今更であった
彼女は一族の長の娘…自分とは比べるべくもなく高貴な生まれである
その娘が自分のような野良ドラゴンを抱き合っていたら今後に差し障りがあるのではなかろうか?という
危惧であった…自分が、彼女の父御に焼かれるのは……まあ、仕方ないとして彼女が怒られるのは
本意ではない

火棘 > 髪が解けると長くまっすぐで柔らかい髪が空気を含んで、少し広がる
結んでいると締め付けられるし、髪は解くほうが楽なのだけど
相手のてが髪に触れる、撫でられてるような
髪が好きなのかと思ってるくらいだけど

「そうか、それならよかった」

熱いと相性もわるい者もいるだろう
幸いにも嵐の龍ならばこその対照的な属性にも近いからか
ぶつかりあうこともなく、居心地は悪くない

「……ん?
 怒るものなどここにはおらぬ…し、なにを気にしているのだ?」

顔をあげると、少し照れくさいので視線は外したまま目は、見てない
聴いてると相手がなにやら心配してくれてるようで

「それなら―…ルーが継ぐとでも言っておくか」

おそらく驚きはするだろうけど、むやみに怒るような親ではないと信じているし
実際、娘としての話は聞いてくれるし理解もあるはずなので

ルーフェン > さわさわ、と彼女が気がついていないと勝手に思い込んで背中へ流れ広がる彼女の髪に触れている
とっくに気が付かれているとは知らず、そっとバレないように偶然を装っているつもり

「…そりゃ、そうじゃろうが…
 主が飛んで数日で戻れる場所に火棘の生まれた里があるんじゃろ?
 誰ぞ、主の顔を知る者が偶然、見かけるかもしれんじゃろ…」

そんな具合に自分が危惧している事の内容を彼女に説明する
そこまで危惧しているのであれば、自分の方から離れれば良いのだろうけれども、この火龍の娘は
ちょっと目を離してしまうと、ずっと静かな場所で過ごしたり勝手気ままをしそうで放っておけない
危ないことはしないであろうし、早々、死んでしまう事もドラゴンであるから無いのだろうが…
何かと心配なのは確かである

「…本気で言っておるのか?
 だとしたらお主の眼は節穴じゃぞ?
 わしを見よ、わしが一族を率いていけるような竜にみえるか?」

口にはしなかったがかつて、同じ場所に居合わせた同族、兄弟姉妹を塩の塊に変えてしまった竜である
とてもではないが、一族を導くなど出来ようはずもないと思い苦笑を浮かべる
……―――そして、それはひょっとして彼女と自分がつがいになるという事か?とでも考えたか、
考えすぎたか、脳裏に過ぎれば途端に頭の上からプスプスと湯気を出して黙り込んでしまった

火棘 > 「……見かけても悪いことは何もしていない」

自分を知るものに見られても、自分を知らぬ者でも
気を許してる相手でとのことに悪気もなくサラッと言い返して
何が問題なのかと、わからず

「…ふん、爺は知識もあるし世も知ってるから
 いいと思ったのだけどルーが継ぐの嫌なら、私が継ぐ…」

視線を合わさずいたけど、なにやら妙なことを言い出してるし
なんか頭に熱でもあがってるような様子の相手をみあげては不思議そうに見えてしまう
自分の返答になにか、おかしいとこでもあるのかと

ルーフェン > 「お主からすればそうなんじゃろうが…」

ううむ、と唸ってしまった
彼女からすればそうなのだろうが人…でなく、他の龍の眼にどう映るかはその当人にしかわからない
自分からすれば今の状況は障りがあるような気がするが…その辺りを自分が気にしてもしょうが無いのだろうか?
考えても答えが出るということでもなく悩みは尽きない

「…過大評価じゃな…どんなに知識があって、世の理を知っていても血筋には叶わぬものじゃ」

何か不思議そうな視線を彼女はこちらに向けている
たぶん、自分の言葉の意味を深く考えていないのだと思う…或いは、彼女の言葉に過剰に反応してしまって
いるかのどちらかである。それにしたって、彼女の言い分は自分からすれば迂闊なものに思えるのだけど

「…なあ火棘よ、よう考えてみよ?
 一族の長の娘が根無し草の男に一族を率いよ、というのがどういう意味か…
 これは考えようによっては、婿になれとも取れぬか?」

口にするのは大分、恥ずかしかったのだがぽつりぽつり、と彼女にそんな説明をするのは、
この先、彼女が迂闊なことを口にしないよう戒めるためで…自分の思い違いが彼女のせいだと咎めるためではない

火棘 > 「ルーといるのは、誰かを傷つけておるのか?
 もしや、ルーには好いたのがいたか?」

自分からして問題はない、でも相手の言葉を聞けば
相手には都合が悪い状況を知らずにしていたのかと
ちょっとだけ遠慮気味に体を離し

「……婿?父は婿ぞ?もとから里の者ではなく、別の場所にいたらしい」

相手の言葉を聞きながら
いろいろと浮かぶ不思議そうな疑問符、相手が一族云々のことに悩ませてしまったのだろうと考えついて
ただ、訂正するべきなとことポツリこぼして

ルーフェン > 「いやそんなことはないと思うが…
 好いたのも…かつてはおったが、はてさて…」

す、と彼女がその身を離してしまうとやっぱり少し寒い
思ってもいなかったが彼女の父御が婿だ、と聞けば彼女の一族は女系の一族なのかと少し驚いたりした
その辺を色々と聞いてみたいのだが、まあ、それはいずれ機会もあるだろう

「…お主の父が一族の外から来たというのも驚きじゃが…
 と言うよりだ、火棘はわしが番う相手でもよいのか?一族のため、とはいえ流石に
 お主にも相手を選ぶ権利くらいあるじゃろ…?」

所在なさ気な指先がぽりぽり、と頬の辺りを掻く
自分からすれば彼女の事は同族という事を抜きにしても、好意的に思っていたし、
普段の変化に乏しい彼女も会話などの交流をしていく内に気がつく喜怒哀楽のギャップが可愛らしく思えるのだが、
彼女のほうが自分を気に入っているというのはまた別の話であるからそんな事をついつい聞いてしまう

この嵐の竜のこれまでの人生…もとい、竜生の半分は人との戦いに彩られ、もう半分くらいは
魔力欠乏によって眠っていたから、色恋沙汰に関してはてんで経験不足であった

火棘 > 「んぁ―…う―……よくわらかん」

そんなことはない、というのは
おそらく外に傷つけてるものはいないのだろうと判断し
もとに戻るようにして

「………番う相手?」

まだ具体的に里から話をもらってもなければ、自覚してのこともなかった
気に入るか、嫌うかの違いくらいしか…わからないのだけど
目の前の相手は嫌う相手ではなくて
居心地もよく、龍同士ということで気も楽で、いろいろ思い出しては
今まで相手と交わした時間と繋げて

聞いてきたことの意味はわかってるものの
考えてるつもりだけど、恋愛の経験も感情も抱いたことはなかったけど
その言葉が相手からでると、先ほどまで、けろっと話してたのから一変して
今までにないくらい顔を赤くして、俯く顔を隠すように

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 雨の森」から火棘さんが去りました。
ルーフェン > ようやく事態を理解したのか途端に白い肌が朱に染まる彼女
彼女に伝わるように説明するうちに自分は幾らか照れも収まったものだから、その顔を観察する程度には余裕があった

「(突然、火が付くのではあるまいな…?あ、俯いた…)」

一瞬、真っ赤になったかと思えば顔を俯かせてしまう彼女
それでも、彼女を抱き直した腕を離すようなことはせず、彼女の思案が落ち着くまで待つつもりでいるのだけど

いや、こういう場合は雄のほうがフォローすべきなのか?それとも、やはり彼女の言葉を待つべきか?
互いの体温が伝わるほどの距離、外では降っていた雨の気配が次第に遠ざかっていく

……――夜はまだまだ長そうであった

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 雨の森」からルーフェンさんが去りました。