2017/07/02 のログ
カナン > 「えー……でもなんかヤダ。」

身持ちが固いというのは特定の相手だけダメ絶対と言う場合じゃなかろうか。さておき、
落ちた肩にそっとポンと手をのせた。どんまい。

「……うーん。お腹がすいたらご飯が出てくるようなのとか。
便利系とか。罠系とか。いざとなったら逃げられる身代り的なものとか…?

だって目が。私が美味しい物見つけた時とか、お金拾った時みたいな顔してる…!
それ雇いたくなる要素なの?」

マジックアイテム。値が張りそうなものに見向きもしてこなかった所為で具体的に思い浮かぶものが無く、あれこれ欲望を述べてみる。さいごは弱いツッコミだった。

「えええっ、重たそうな財布をぽんと出せるのになんでそんなお腹をすかせてたの」

目を丸く見開いて、あっさりと取り出された財布を見上げる。
身体を渡してお給料じゃなくて、血を渡して財布を。悪くない、気はした。取り敢えず今は。
だからこくりと頷いた。

「……痺れるんだから、ある意味毒のようなものかもよ。
あなたは効きが良いみたいだけど、回復はすごく早かったね。

……私が貧血で倒れないくらいに自制してくれるなら。帰って眠るくらいの体力を残してくれるなら。
あなた酔狂だ。それとも本能に振り回されているのかな、」

片目を歪めて笑う。何に対してかは自分でも分からないけれど。多少の畏れかもしれない。

「…………ありがね全部ちょうだい。」

とん、と自分の膝元指さした。置いて、と。
逆の手でシャツのボタンを上から2、3外す。ぐい、と左首の方に襟を引いて、肌を開く。
布地が血で汚れないように曝け出し。

カナン > 「………」

ずいぶん喋った気がして咽喉を摩った。

ウィルバー > ヤダ。 若い娘がよく使う単語。
これを言われると僕はもう何も言い返せない。
なので、肩の上に手が載ってもその手を優しく摩ることしかしなかった。

「要望多いなあ。 飯なら、転送できる箱でも作ろうか?
気が付いた時に適当にうちの食材を入れておくよ。
まあ、君が苦手な食材が送られてきても我慢して食べてね。

おおう、これは失礼。 僕は正直すぎる生き物でね。
そりゃ、優秀なスタッフは独占したくならないか?」
要望には応えることも出来るが、全てを一度に作るのは無理だ。
あと、どこに持っていけば引き渡しになるのだろう。
弱いツッコミを受けると、今更ながら瞳から欲望の色を抜く。
もはや意味などないが。

「だって、こんな所に店ないじゃない。」
さらに言うと、血を出してくれるような奇特な人も居なかった。

「毒食らっても割とすぐに耐性ついちゃうんだよね。
だから最悪何時間か寝たら回復しちゃうね。

そりゃあ、それ位は気を付けるよ。 なんなら、行きたい所に送ってもいいよ。
…多分、両方じゃないかな。 それを知ってて血を提供する君も結構なものだと思うけど。」
自覚している自分の性分だが、はっきりと人に言われたのは珍しい。
これから飲む首筋に再度視線を向け、思わず笑みを浮かべる。

「はいよ。」
膝元に閉じたままの財布を置いた。 今日は意外と中身が入っていた気がする。
まあ、これから貰う物に比べると安いものだが。

首筋と、白い肌が目に入るとチラチラと肌を見つめていた。
抱けないのが非常に残念だ。

「では、頂きます。」
スプーンを皿の上に戻してから、両手で彼女の肩を掴む。
そして、首筋をペロっと舌で濡らしてからゆっくりと牙を突き立てる。

「おおーう、早くも痺れてきた~~。」
次第に、呂律も回らなくなってきた。
両手はほぼ、握力だけで掴んでいた。
指先は痺れて感覚が掴めない。
足も先の方はよくわからなくなってきた。
だが、人ならざる者の血が混じっていると思われる少女の血液は、そういったリスクを棚上げできる程に美味だった。

カナン > 労われる気持ちになったものだった。

「どれが出来るか分からないから、この中で出来そうなものを…?ご飯が一番うれしい。一番助かる。
苦手な食材はたぶん無いよ!」

やったー、と万歳する。何処に、と聞けば、転送できる箱の中、と答えただろうが。沢山貰えるに見合う働きが出来るかは多分お互いに全く未知なところ。少しだけ口元を緩めて笑った。

「吸血鬼なら身体能力優れていそうだから、色々狩れるんじゃないの。肉とか、肉とか、生肉とか。
私も店ないから渋々木の実掻き集め………… おなかすいた…。

ん、麻痺に耐性ついたら血の味もふつうに感じるようになったりしないのかな。
適当な宿に放り込んでくれたら嬉しいかも。
あなたが動けなくなったら野宿でも良いよ。

…………うん。私も、成り行き任せで遊ぶのが、すきなの。」

財布に思わず 重!て言ってから。密やかに目を細め。
牙が掛かるのと逆側に頭を傾ける。見れない、多分。見たら痛い気がする。
肌が薄く湿り、やはり小さく、手の内で震えた。

「………ぅ、」

肉に牙が沈むのが、痛いのか熱いのか分からない。
眉根を寄せて何とも言い難い感覚をやり過ごす。目の前がくらくらと眩み、薄皮一枚隔てたような感覚で相手の声を聞く。舌も、痺れていそうだ。

「………あー……野宿かな。」

痺れを訴える相手が倒れて変な所を打ったりしないように、背に軽く手を添える。完全に力が抜け落ちてしまったりしたら、支えきれずに諸共倒れるだろうけれど。少しだけ笑って目を閉じる

ウィルバー > 「分かったよ。 それなら、出来次第送るね。
まあ、出来るだけ偏らないようにはするけど、どうしても特売品とかに流れちゃうのは勘弁してね。」
後日、彼女が生活しているエリアをどうにか探して、転送箱が送られてくることだろう。
今後はお互い次第だが、とりあえず飢える危険は回避できるかもしれない。

「一応、僕もルール決めててさ。 何らかの形で合意を得てからにしてるんだ。
でないと、再現なく襲ってるとそのうち当局の手が入りそうだし。
あとで食べ物用意するよ、動けるようになってからだけど。

味は多分、旨いままだと思うよ。
何度飲んでも旨いのはやっぱり旨いからね。

やっぱり? 君と僕って少し似てるね。」

彼女の心配は、杞憂に終わるかもしれない。
あまり痛いと飲ませるどころではないので、彼女の表情に気付いた段階で
痛みをごまかす魔法をかけた。 効き目が悪くなければ、噛まれることに限り気持ちよくなるかもしれない。

「…。」
そろそろ、視界もぼやけてきた。
だが、喉と口の中に広がる味だけは焼き付いていた。
次に会う時はこの血の毒性については免疫が出来ることだろう。
火の能力については恐らく今後も耐性が出来ることはないだろうが。

耳元で呟く声は、何を言っているかまでは聞き取れず。
背に手が触れる感触だけはなんとくだが感じ取れた。
しかし、それに謝意を示すことは今は出来ない。

その後は彼女次第だが、少なくとも今から数時間は僕は身動き一つ取れなくなっていることだろう。

カナン > 「あなたの気が向いたときで良いからね。何かたべられるだけでしあわせ。
あとでご飯までくれるなんて…。」

食状況大幅改善の予感。元々が木の実収集レベルだから、特売品でも半年同じ食材とかでも幸せな顔になってるのは間違いない。

「共存のこつなんだね。
…ああ、あなたが何かのはずみで飢えて賞金首になったら一番に狩りに行くね?」

仕事したくないー、って言って冒険者稼業も賞金首狩りもさぼりまくっているのに。
揶揄うつもりが、少しだけ血が騒いで、感覚を抑えるように声の温度が下がった。
墜ちることを望んでいるのでは決してないけれど。

「毒だけ耐性が出来て、味覚が変わらないって…生命力の強さだね。一回で慣れられたら何か寂しいかも。
………似ているかな?

…………って、ちょっ……」

なにこれ。痛みが和らぐことに強張りが抜け、安堵するのも束の間。
眉根を寄せて、其れを抑えるように相手の肩に額をなすりつける。
もし効果が持続するようなら麻痺が回る相手の後ろ頭を一度ひっぱたくのだろう、涙目で。

相手が弛緩するなら諸共に地面に落ち。

本当は、麻痺に対する解毒剤を数日前手に入れたばかりで。辛そうなら使おうかと思っていたが。
不貞寝したい心地になっていたので、相手の傍らでそのまま目を閉じる。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からカナンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にルーフェンさんが現れました。
ルーフェン > 街道から外れて近くを流れる小川までくれば、腰に下げた皮の水筒に水を補給する
ぐびり、と補給したそばから飲み、飲んだ分だけまた水筒を川に沈めて飲み口から水を補給した

「ふう…やっておれんな…」

日差しが強く、暑さに額に滲む汗をぐいと拭えば、川のそばの木陰に身を隠した
ブーツを脱ぎ、両足を流れる水に浸せばその冷たさにふるり、と肩を揺らす
そのまま、ぱたん、と上半身を倒せば青々と茂る葉の間からさす木漏れ日が眩しく手をかざす
眼を閉じてかざした手をパタリと下ろせば、日がもう少し傾くまで日陰で大人しくしていることにした

ルーフェン > 日はまだ高くただ動かずぼんやりとしているのも退屈であった
むくり、と身体を起こせば、マントの結び目を解き、上着をひょいと脱いでしまえばざぶざぶ、と川の中へ
膝丈くらいまでの深さまで入ってくれば、じっ、と水面に目を凝らしジッと動かぬままでいたかと思えば、
ばしゃん、と流れる水ごと、泳いでいた魚を川岸へとはたき飛ばす

「ジッ、としているだけでは腹が減るからな…」

ばしゃん、ばしゃん、と熊か何かのように食べるのに手頃なサイズの魚を同じ要領で岸へとあげていく

ルーフェン > 腹八分目に収まる程度の魚を捕獲すれば川から上がり、飛ばした魚を拾い集める
そうして、木陰まで戻ってくれば、あんぐり、と口を開けて未だにピチピチと生きている魚を食べようとしたが、
思う所があって手が止まった

「ひょっとして……焼いたほうが美味いのでは?」

以前に焼いた魚を酒場で食ったことがあるが、あれはたいそう、美味であった
どのような調理をしているか、そんなことはドラゴンには皆目検討もつかないのだが、
確かに焼いてあったと記憶している

となれば、近場に転がっている流木を拾い集め火を灯す
焚き火の火が大きくなってくれば、さて、どう焼いたものか…と首を傾げたが、
考えた所で判るはずもなく手に取った魚をひょい、と炎に熱せられたかまどの石の上に置いてみたりする

―――そうして、紆余曲折を経て焼けたらしい魚をひょい、と取り上げ口に運ぶ
さくり、と皮は黒く炭化して、身はホロリと口の中で解けるような感触はなく…

「消し炭じゃな…いや、人間はやっぱりすごいのぅ…」

加減を間違えたか、と次の魚を石の上に置いていく
こうして…ドラゴンが試行錯誤を繰り返していくうちに、日は暮れていったのである……

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルーフェンさんが去りました。