2017/06/09 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にブランシュカさんが現れました。
ブランシュカ > 傍らで浮遊する半透明の水妖精に導かれながら静かな森の中を進んで行く姿が一つ。
腰から下の無い女性の姿をした妖精が雫が弾けたような囁きを落とすのを聞けば、ム、とした表情へと変え。

「失礼だなっ!僕は方向音痴じゃないよ。」

君の案内がヘタクソなんでしょ、そんな風に拗ねて見せればフード越しに撫でられた。
ぷくりと頬を膨らませながらも歩みを進めていれば、漸く見つけた洞穴の入口にほっと胸を撫で下ろして。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にカインさんが現れました。
カイン > ふいに茂みをガサりと揺らして旅装の人影が一つ少女の前に現れた。
少女から見れば見上げる程の体躯と表現して差し支えのない大きさで、
ぬっと現れる様はまるで魔物か何かの様。何かを探すように周囲を見回した後、
一拍おいて視界の隅――下に引っかかった違和感を探して視線を落とす事で漸く少女の姿を認め。

「うお…っ!?驚いた、こんな所に人がいるとはな。しかも――まだ嬢ちゃんか。
 こんな所でどうしたんだ、迷いでもしたかね?」

何かを飲み込んだような間を開けながらも、少女の風体を見て声を上げる。
前半は何処かからかうような声音を混ぜながらも、後半は真面目な声音で向き直って見せる。

ブランシュカ > さて洞穴に潜り込むかと気を入れた所で現れた巨躯に虚を突かれて固まった。
ニンフが何処か警戒した様子でぐるりと自身の周りを浮遊した後、ぎゅ、と少女をその腕の中に抱く。
固まった心身の儘、じい、と相手を凝視し――相手が人だ、と頭が理解したのは声を掛けられてからで。

「だからッ!僕は迷子じゃないってば!」

そうして返したのは脊髄反射の台詞だ。
カッとなって半ば叫ぶように告げたものの、一拍置いて苦虫を噛み潰したような表情へと変えて。

「……僕はこの洞窟に用事があるの。オジサンこそなあに、迷子なの?」

悪態である。
 

カイン > 「ハッハッハ、そこまで叫べる元気があるならば迷子でもそうでなくても大丈夫だ。
 精霊使いか?ここいらでは随分と珍しいな。そもそも成り手が少ない職だが」

相手の連れているものを一瞥して感心したように告げる。何せ精霊は気紛れで悪戯物が多い、
そんなものと心を通わせられるのは余程の変人だけだという事は知っていた。最は勘違いのようだが。

「ほう?…なるほどな、という事はココか。いや、何。ちと危ない魔物が出るらしいんでその討伐の仕事でな。
 ここらの洞窟が根城だっていうんで探しに来たんだが…おそらくココだろうな」

少女の悪態もどこ吹く風。軽く受け流しながら笑って顎に手を当てながら告げる。
洞窟へと続く道を眺め、改めて洞窟の入り口へと視線を向ける。
その後に改めて少女の方を見ればニッと笑って問いかけ。

「行く道は同じようだがどうだ?何しに行く気か知らんが、傭兵を雇ってみる気は?」

ブランシュカ > 悪態を気にした様子も無い気が抜ける。が、表情は相変わらず不服そうなものを貼り付けておく。
実際は精霊使いではないが、勘違いしているのならそれはそれで良い。
否定も肯定もしないまま、相変わらず警戒しているニンフを宥めるように撫でて。

「危ない魔物…?」

如何やら行き先が同じらしい。
然し、男の口から出た言葉に思考を巡らせる。そんな話は聞いていない。
数秒の間口を閉ざし、

「――そう言われてもね。僕には今他人を雇うだけの持ち金はないもの。」

一見優男ではあるが、上背は当然己を優に超しているし、街道を外れた場所で見るからに無傷な所を見れば戦力になるのだろうとは推測も立つ。
が、如何せん、全て独力で為す予定だったのだ、最低限の所持品しかないのだ。
んんん、と悩む様に小さく唸った後、思いついたように口を開き。

「……オジサンが僕を雇う気はない? 補助と回復なら任せてくれていいんだけど。」

カイン > 「ここに居るかどうかは俺も知らんがな。とりあえず行くだけ行ってみなきゃ話にならん。
 ハズレならハズレで他をあたるだけさ。
 そうさな、金がないなら体で返し貰うとかでも構わんが」

不満そうではあるもののしっかりと損得勘定をしてのける様子を
何処か感心した様子で眺めながら、さらりと洒落にならない台詞を付け加える。
何気のない物言いが一層冗談ではない事を引き立てるかのようだ。
が、少し間を置きながら帰ってきた返答に思わず軽く吹き出して面白そうに少女を真っ直ぐ見据え。

「それは面白い提案だ。それで、一体お前さんは俺に何を雇い賃として要求するのかな?」

それ次第と言わんばかり、少女の目的地であるらしい洞窟に一瞥を向けて問いかける。
それは遠回しに目的を問いかけているかのようでもあるのだが。

ブランシュカ > 「まあ、居なかったら居なかったでいいもんね―――は?」

確かに、と納得した様子で頷いていたものの、続けられた台詞には思わず耳を疑った。
あまりにもさらりと宣うものだから、訝し気な表情だったのが、きょとん、とそれこそ年相応に崩れて。
それも束の間、男の問い掛けに己も視線を返し、

「戦力になってよ。僕は前線にはあまり向いてないから、戦力が増えるのは助かる。」

男の意図する所には気付いていないと言わんばかり、矢張りあくまでも目的は伏せた儘。
ゆるりと小首を傾げては、無言の儘、どうする?と言外に問いかけて。

カイン > 「そういう事だ。この当たりは広いし、手当たり次第に行くしかない。
 …ン?何だ可愛らしい顔も出来るじゃないか。まあ本気なんだが」

一瞬年相応に惚けた少女の顔を見て笑いながら言い放つ言葉は、
普通は冗談というべき所に別の単語が入ってるあたりに男の言葉が本気っぽい所が伺える。
完全にでる所に出れば手が後ろに回るタイプのセクハラであるが、飄々とした様子。とはいえそれに拘泥した風もない。
が、頑なに目的を明かすつもりのないらしい少女の言葉に興味がわいたらしくパンと目の前で手を打ち頷いてニヤッと笑い。

「良いだろう、では交渉成立だ。それで、探し物なら俺が前で良いのかね?
何が目的でも襲い掛かってこられたらあまり加減は出来ないが。
何と出くわしても生け捕れというならそうするけどな」

上機嫌に方針を問いかけ洞窟の入り口に視線を向ける。
打ち合わせの声は流石に真面目な物で、依頼主の様子を伺い。

ブランシュカ > 男の言葉に己が反応するよりも早く、水妖精が髪を逆立てニンフらしからぬ形相で相手を威嚇しているのが、彼女を見ずとも己を抱く腕から伝わる冷え冷えとした怒気で分かる。
本気なのか冗談なのか、判断が付かぬまま――傍らのニンフが怖い。

コホン、とわざとらしく咳払いをして。

「うん。僕の目的は生き物――少なくとも、自分の意思で動いて攻撃してくるようなのじゃないからね。
補助と回復は僕に任せて、オジサンは好きに動き回ったらいいよ。」

生物でなく、洞窟内に用事がある。ここまで言ってしまえば用事があるのは中で自生している鉱物や草等である事は遅からず推測されてしまうだろうが、それには気付かぬ儘。
方針を告げれば手始めとばかり、薄青色に輝く杖を揺らしては己と男に魔法をかけていく。
身体能力の上昇、攻撃力の上昇、防御力の上昇、耐毒の上昇、エトセトラ。
凡そ必要と思われる魔法を掛け終え。

「こんなもんかな…? 違和感はある?」

カイン > ニンフの威嚇に大げさに肩を竦めて見せる物の、それだけで
済ませているのは危機感がないのかそれとも何とかできる自信があるからか。
手を振るだけでニンフに応じて見せながらも咳払いをする依頼主になるほど、と頷き。

「とりあえず相方を宥めてくれた方が俺としては嬉しいかね。
 口説いただけでその様子では後ろから殴られかねん。
 ま、そういう話なら何かが出てきたら好きにやらせてもらおう――ほう?」

頷いて請け負いながら、少女の動きを見ていれば目の前で展開される、
見事な手際に感心しながら体を軽く動かして様子を確かめ。

「なるほど、若いのに大したもんだ。これなら問題はない。
 こんな所まで一人で来るだけはあるなあ」

素直に感心して頷いて褒めながら、改めて洞窟の方を示して先頭に立って洞窟へ向かい。

「それじゃエスコートさせてもらおうかお嬢さん、怖いようなら手でも握ろうか?」

冗談交えに探索をするべく洞窟へ足を踏み入れる。薄暗い中を周囲を警戒しながら剣の柄に手を当て。

ブランシュカ > 「殴られたくなかったらヘンタイ発言を控えるんだね。」

怒るニンフを宥めると言う事は、男を庇っているとすら取られかねない。
そんな恐ろしい事が出来る筈もなく、無論、庇うつもりも皆無だ。
魔法のかかり具合を確かめる相手の様子を眺めつつ、自身へのかかり具合も認識と差異がないかを確認して。

「ふふん。とーぜんでしょ。」

一族の人間なのだ、これ位は出来て当然である。然し、褒められれば素直に嬉しいのも事実だ。
居丈高に宣ってはいるものの、表情は喜びを隠しきれぬ儘で。
男の進む背後に連れ立って洞窟へと入り込めば先ずは周囲へと視線を巡らせ。

「オジサンこそ怖いなら早めに言ってよね。」

冗談だと分かっているからこそ、ムキもならずに潜めた声で応酬を返してはいつでも攻勢に打って出られるよう、静かに構えながら進み行き。

カイン > 「覚えておきな、男ってのはたとえ殴られようが蹴られようが言わなきゃいけない言葉ってのがあるのさ」

フっと無駄に格好つけて言って見せるが、その結果出てきた発言が、
ただのセクハラじみた口説き文句では色々な意味で型無しである。
ニンフに白い目を向けられそうな気配から逃げるように少女から視線を逸らしながらも、
得意げな少女の様子に微笑ましげに笑って喉を鳴らす。


「さて、暗かったら言えよ。照らす場所は調整できる。
 後はあまり離れない事、何かあったらとりあえず俺の背中にくっつけ。
 目当ての物が見つかったらそこで警戒するから言ってくれよ?」

淡々と注意事項を述べながらも暗い洞窟内を照らすべく、
指を鳴らす事で鬼火のようなものを己の周囲に呼び出し照らし出す。
少女の目当てがすぐに見つかるかは判らないが、
周辺をできるだけ照らしながらじっとりとした空気の満ちた洞窟内を探索していく。
時折少女の方を気遣いつつも、油断なく周辺を見回し岩壁を見。

ブランシュカ > 言ってる事は恰好良いのに実際の言動はセクハラである事は忘れていない少女。
傍らのニンフ共々不審者を見る様な白い眼差しになったのは言うまでもない。

「了解。」

そうして男の動きを阻害しない程度の距離を保ち、付かず離れずでついていく。
現れた光源に一度瞳を瞬かせるも、同意を示す様に頷いて。
己の探している鉱物や草やらは流石に入口付近にはない。筈。

「所でオジサンはどこら辺まで潜るつもりなの。」

自分の目的が第一ではあるが、男が依頼を受けて訪れたのも忘れてはいない。
ちら、と男の背中へと視線を向けて問い掛け。

カイン > 少女の視線に加え、そのお供の視線が若干痛い。
ダブルで感じるその視線を振り払うように首を横に軽く振り。

「あー、とりあえずこけない様にしておけよ。
 …うん?どこまで、ってそりゃ一番奥まで行けるなら行くつもりだけどな。
 この洞窟はどうも人の手が入ってるようだし、底に何かあるだろ」

整ってる壁面を軽く小突いて返答しながら、苔生し具合を確認して久しく人は通ってなさそうな事を確認する。
同時に動物か何か背の低い物が動き回った痕跡もついでに見つけて少し嫌そうな顔になるのだが。

「お前さん――あー、名前聞いてなかったな。俺はカイン、そっちは?
とりあえずお前さんの用事が住んだら一旦上まで送る分には問題ないけどな」

そして返答に追加して言葉を更に告げようとした所、今更な事を思い至って問いかける。
雇い主だというのに傭兵としか名乗ってないのでは聊か仁義に欠ける話ではあった。改めて、名乗りながらに予定を告げ。

ブランシュカ > 「こけないしっ! ――ブランシュカだよ。好きなように呼んで。」

声量は抑えめに憤ってみせつつ、次ぐ言葉にはああ、と小さく声を上げてから名乗り返した。
それから再び周囲へと視線を巡らせ、注意深く物を探しながら言葉を続けて。

「別に底まで付き合うよ。危ないのがいるんだったら僕達だって困るもの。」

自分達が潜るのは何もこの洞窟だけではない。
ここに居なければ居ないで一族に報告を上げなければいけないし、居るなら居るで顛末は報告しなければいけない。
詰まる所、己の都合だ。

カイン > 「ではブランと呼ぶ事にしようか。ほう…?
 このあたりは色々と良く化け物が湧くからな、
 確かに出くわしたなら倒しておくに越したことはないな」

それこそひっきりなしに何かの討伐の依頼が来るくらいには危険地帯である。
大半が自然の産物である当たり、人災である野党などより余程たちが悪い。

「では、このまま底まで行くか。…それはそれとしても目当ての物があったら先に言えよ?」

そう一言気遣いはしながらも、奥へと目指す道を歩き始める。
何となく嫌な予感を感じながら剣の柄を軽く叩いた。
段々道幅が狭くなっていく事に若干の嫌な予感を覚えながらも岩場を魔法で照らし。