2017/05/20 のログ
フォーク > メグメールは男に食べきれないほどの恵みを与えてくれた。
釣りをすれば魚がたくさん釣れ、狩りをすれば野兎や鳥の巣がよく見つかる。
食べられる野草もそこかしこに生えているので、野菜も摂取できる。
男は飢えることなく森でのスローライフを楽しむことができた。



「……焼きたてパン食いてぇなあ」

森で暮らし始めてから、一度も穀物を口にしていない。さすがにメグメールも男に穀物を与えてくれなかった。
小麦でできた食べ物を摂らないと、どうにも満腹感がでない。

「ベロの焼けるような熱々のグラタンとかいいな」

この穀物我慢ももうしばらくだ。
魚と獣肉の干物ができれば、それを街で売って酒場でパンもグラタンも食える。
満腹になれば、戦にでる気力も漲る。
戦に出れば、また大金を手に入れることができるはずだ。

「絶対、一番手柄を挙げてやっかんな、もう!」

メラメラと野心を燃やす男だった。
釣り竿に反応があった。きっと今日も大漁だろう。
一日は、それで終わる。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からフォークさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にレタチテさんが現れました。
レタチテ > 春も過ぎ豊かな地なれば色濃い緑の匂いが風に乗るだろう時期の事。
雨上がりの平原にはしかし緑だけではなく血の臭いがあった。

「──ふぅむ、こんな所だろうか……多分。」

血の臭いの中心には一人の姿があり、その足元には倒れ臥す一匹の巨大な猪。
眉間に矢が深々と突き刺さり一射で絶命したと誰の目にも鮮やかだ。

「なに、構わんか。獣の肉が欲しいとの依頼だけで指定まではされなんだ故な。
しかし猪にしては文様がまるで瓜坊のようでもあり、土地が変われば物も変わるのだな。」

何故このような場所にと言えば私の言の通りであり、少々補足をするならば、
この地に着いて冒険者として登録をした早々に舞い込んだ依頼の為である。
内容の割に礼金は良く、野趣溢るる肉を好む金持ちの依頼と思われた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にダリルさんが現れました。
ダリル > ある討伐依頼を終えた帰りの道、運悪く遭遇した雨も上がり早めに戻ろうと歩みを早くしていれば微かに血の臭いを感じ足を止める。
雨上がりの平原で緑の臭いに混じる血の臭いに何かあったのかと考え臭いの元へと進路を変える。

臭いの元が野生動物の狩りであるのならばよいが、運のない旅人が野党や獣に襲われている可能性も考え僅かに姿勢を低くして。

草原の中を臭いを頼りに進めば、その血の臭いがより強くする方向に人影を見つける。
この辺りではあまり見ない服装に異国の者かと考え、臭いのする方向にいるという事は怪我をしているか何かを倒した後か。
どちらなのかを確かめるために僅かに草や金属のなる音を立て相手の顔や様子が視認できる距離まで近づいていく。

レタチテ > 「しかしどの辺りを持ち帰るか……余り時をかけるのは不味かろうな。」

巨体ゆえ全てを持ち帰る事は出来ず、部位を選定しなければならないが時間は余り無い。
日が落ちるのもそうだが、血の臭いは容易く他の獣を誘うものだし、魔物や与太郎の類となれば更なりだ。
弓を置き、脇差を抜いた格好のまま暫し思案をしていた私だが、思案は纏まらずとも解体作業を始め──

「……何方かは知らぬが、此方には弓があるぞ。まあ肉もあるゆえ、空腹ならば分けて差し上げるが。」

──かけて、金属音を聞き付けて弓を取り矢筒より矢を番える。
近付くものの素性が知れない以上、誰何するよりも警戒が勝るのは当然で、
とは言え気の毒な御仁であるなら追い払うのも可哀相だと威嚇の後に少々緩んだ言葉が続く。

ダリル > 距離を詰めて様子を伺い続け、見えた人影の足元に倒れ伏す猪の姿が視界に入る。
そしてもう一度人影に視線を向ければ弓が目に入り獲物の眉間を打ち抜いている腕前に内心で突然に撃たれないかと警戒を持ち。

解体作業を始める様子に心配した事ではなく何らかの狩りの結果でした臭いと判れば静かに去ろうとしたおだが。

「打つな。争うつもりはない。血の臭いがしたから何かあったのかと確認に来ただけだ」

矢が番えられるのを目にすれば逃げるような不審な動きをするよりも大人しく姿を現す方が安全と考え。
両手を軽く上げ武器を持っていないと示すようにして屈めていた背を伸ばし。
争うつもりはないと出来るだけ示し相手の様子を伺う。

レタチテ > 姿を現した人物は誠実そうな青年で、凡そ野盗の類には見えず手を挙げている事もあり構えを解く事とする。

「それは手数をかけさせて済まない。私は依頼を受けて野獣を狩っていた者で名をレタチテと云う。
此方に怪我は無く、しいて言うなら肉の処理に困っていたくらいだ。どうだろう、確認ついでに持って行かないか?」

放っておいても野に返るだけの肉である。青年の好みや性根はとんと知らぬが、旅は道連れ(旅をしていないが)と云う言葉もあるゆえ手招こう。
弓を置き、片手に血染めの脇差を持った女に手招きされたら多分きっと、不気味やもしれぬが私は善良ゆえ問題無し。緩やかに笑みもお送りして進ぜよう。

ダリル > 「この辺りは獣や野盗の被害があるんだ。来なくてもよかったんだが何かあっては目覚めが悪いと思っただけだ。
レタチテさんか、俺はダリルだ。
怪我がないのなら安心したよ。…いいのか?貰える物はありがたくもらうが」

王都に戻れば報酬で飯にも行けるが肉を貰えるならそれはそれで助かると笑みを見せ。
冒険者をやっているので血止めの武器を持っていたとしても害を与えようとするのでなければさほどに気にせず。
一応の警戒はしているは初見で分けてくれるという人の好さにあまり警戒せずに近づいていく。

レタチテ > 「ダイ……いやダリル殿か。血の臭いを嗅ぎ付けて来るのは好奇心の現われと思ったが、成程。しかしこれで相手が屈強な……そうさな、野盗で、大男であったら如何した?」

街道沿いにはダリル殿の言葉通りに、その様な目に遭ったと思しき痕跡を視止める事もあり、また私自身も野盗に追われた事もある。
であればこの誠実そうな青年もきっと同じ様なものを視たり遭ったりしたやもしれぬと思い、猪を乱雑に解体しながら問いかけよう。

「ちなみに私はその様な大男がいたら一目散に逃げる。なんといっても怖いからな、故に血の臭いがしても近寄らぬ。」

近付いてきたダリル殿に解体された肉の詰まった皮袋を差し出し

「所でこの辺に明るいのならば何処かに水場はないだろうか?手や刀を洗いたいのだが……」

周辺事情に詳しいのならば、と期待を込めて青い瞳も差し向けよう。

ダリル > 「好奇心ももちろんあるんだが…それ以上に物騒な場所だからな。確認だけでもしておく事にはしているんだ。ここにいたのがレタチテさんでなくそれだったらか…」

この辺りをよく依頼で行き来する身としては小規模な野盗ならば討伐してしまえば報奨金は多少はでる。
そう言う現場もそれなりに見ているだけにその問いかけ少しだけ悩む姿を見せて。

「俺は状況よりけりだな。油断しているならその大男から始末をして他も。無理そうならレタチテさんと同じだ、さすがに逃げるな。
討伐できれば金にはなるが割には合わなさそうだ」

差し出された肉の詰まった袋を受け取れば軽く頭を下げて。

「この辺りは確かに詳しいな。水場なら近いのはあそこだな。案内できる、こっちだ」

理由を聞けば納得でき、近場の水場を思い出せば相手の準備が整うのを待って先導し、近場の水場、小さな池へと案内していく。

レタチテ > 「……いや詰まらぬ例え話をしてしまったな。なに私が実は変化の達者で見上げるようなむくつけき大男だったのだ!……等と言う事も無いので安心めされよ。
自分で言うのも何だが善良な者故な、もし用心棒を探している知り合い等がいたら私を推して頂きたい。」

眉根を顰めて悩む姿や肉を受け取り礼儀正しく頭を下げる姿を視て、詰まらない問いをしてしまったなと苦笑を返し、
冗句の才が無いのは承知の上で誤魔化すような言葉を送り、最後は宣伝文句で締め括る。
ついでに依頼の分の肉も別の皮袋に入れて締め括り、準備が出来た所でダリル殿の後に続こう。

……その折、背後から如何にも我こそは獰猛な獣である。と言わんばかりの唸り声があり、
振り向くと私が仕留めた猪よりも遥かに巨大な、矢など幾ら受けても倒れなさうな魔猪とも呼ぶべき猪の姿が視得た。

「……ちなみにダリル殿、ああいう場合は?」

ああそういえば仕留めた猪には瓜坊のような模様があったなあ、なんて他人事のように思いながら後ろを指差し問おう。
血匂の御蔭か気付かれる恐れは無くとも、ちょっと足早に。

ダリル > 「実際にあり得る話だから少し考えたよ。もしそうなら今からでも俺は逃げさせてもらうよ。流石にそこまでの男相手に戦える自身はないな。
それは俺やレタチテさんが言う事じゃなく依頼人がどう見るかなんだが…もしそんな話を聞いたら名前は出しておくよ」

あり得るだけに考えたと苦笑交じりに返すがどう見ても真剣に考えていたという様子で。
宣伝文句に自分で告げる善良に一言だけ突っ込み勧めておくと。

そして準備ができ向かおうとした折、唸り声が聞こえ冗談をと振り返れば…。
視線の先には振り返っている女性とその背後に巨大な魔猪の姿が見える。

「そんなのは答えは一つしかない。……全速力で走れ、逃げるぞ
あの図体だ、森に入れば小回りが利かなくて諦めるだろ」

指されたモノから視線を逸らせぬままに早足になっていき、女性を見て小さく告げれば最短で森へ迎えるルートを頭に浮かべて走り出す。

レタチテ > 「こら、そこで有り得る話などと言ってくれるな、もう。ダリル殿は女心に疎いと見える。」

苦笑交じりに返すダリル殿に此方も苦笑交じりにツッコミを返し、かくして相互にツッコミの飛び交う不毛の地。
だからか、私達の足も突っ込みに至るもので池は諦め地を駆ける事となる。

「いやはやあのような巨大な猪は見た事が無い。この地は恵み豊かな事を指す地名がついているそうだが、
魔物ならず獣までもああなるのだろうか。」

雨上がりの草原は彼処に泥濘があり、また倒木や腐れた草も更なりと言った様子を示すが、
そこはそれ、村娘でもないのだから滑る事無く、脚を取られる事も無く走り切り無事に森の入口へと到着しよう。

「……うむ、気付かれずに済んだと見える……にしてもダリル殿は中々の健脚よな。
私より重装備だと云うのに……流石に男子と言ったものか。……それともその帷子は実は軽かったりするのだろうか?」

息を切らせながらも無事を喜び、傍らの青年を讃えて不躾に肩を叩こう。ついでに鎧の金属部分にも触れて興味深げだ。

ダリル > 「…すまない、そのな…こうやって女性と話すことがあまりなくて気が利くことを言うのが苦手なんだよ」

苦笑交じりに突っ込まれることについポロリとそんな事を口にして。
あれに襲われればこの平原では逃げきれないとともかく駆ける。

「俺もあそこまでの大物は見たのは初めてだ。
名前通りに何でもああなったら王国はあの連中に滅ぼされる、たまたまだと信じたい」

雨上がりで足元の良くない草原、泥濘や倒木、腐れた草などがあるが金属の具足で踏み付け走る。
時折に脚を取られそうにはなるが転ぶこともなく森の入り口につき気を背にいて身を隠し。

「気付かれていたら今頃は後ろから体当たりを食らってバラバラだったな…。それなりには鍛えているからな、このぐらいの距離なら何とかと言った処だよ。
これが商売道具だから、この姿で走れないと流石にな…。興味があるなら触ってもいいが」

荒い息を整えながら魔猪が来ない事に安堵して、傍らの女性の無事もあり方の力を抜く。
肩を叩かれ金属部分に触れられると冷たい金属の肌触りを感じさせ、それが見た目通りに重い事を感じさせるはずで。

レタチテ > 「……ふむ。いやそこで"なんだ女だったのか"等と言わないだけ良いと思うぞ。」

逃走劇の末に泡の様に零れた言葉に緩く相好を崩し、
何気なく金属鎧に触れていた手が血塗れと気付き慌てて引っ込め、着物の袖で鎧の汚れを拭い去る。
質感は重厚で、近距離戦闘に適した防具であると云う事と、この誠実な青年が見目よりも逞しい事が窺い知れた。

「ダリル殿も見た事が無いとなれば何某かの突然変異か、はたまた妖術の類により生まれた産物か……
案外街に戻れば討伐依頼など出ているやもしれぬ。いやはや退屈しない事だ。」

木の根元に腰を下ろし、暫し言葉は無く呼吸を整え──それで、思い出したかのように声を上げた。

「……あ、いかん。懸命に走った所為か街までの道がとんと判らん。水場は諦めるにしても日が落ちきる前に
せめて街道には出ないと不味い……。」

……ちら、とダリル殿を一瞥する私の青い瞳が、目は口ほどに物を言う。とばかりに訴える。
道、判る?と

ダリル > 「流石にそこまではいわないよ。男性と女性を間違うほど目を病んではいないつもりだ。
汚れたのは気にしなくて良い、さっきの雨で流れるまでは返り血で汚れたいたんだ」

想定外の逃走劇に疲れたというように肩を落とし、
鎧に触れていた手が急に離れたと思えば裾で拭う姿に気にしなくて良いと首を振る。
重装備と言える姿で走り荒くなっていた息も少し休めば落ち着きを取り戻し。

「ああいうのがゴロゴロ居ないだけで普通にいるのかもしれないな。突然変異あたりだとありがたい、普通にいるのならこの辺りは危険すぎる事になる。
寧ろ持ち込めば少しの情報量と依頼の優先受諾権が貰えそうだ」

木の根元に腰を下ろす女性が休めるようにとあの魔猪が来ないかと注意をしながら様子を伺い。

「それなら大丈夫だ。この辺りは半ば庭のようなものだから道なら案内できる。
ただ問題は……」

一瞥するレタチテに視線を向け、わかるというように頷きはするのだが直ぐに視線を平原にとむけ。
暗にあの魔猪がいる方向が街道だと示すように。