2017/03/28 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道沿いの森」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 月明かりに照らされる森は、生い茂った木々の枝葉に光を遮られ、地表まで届く光は限られていた。
暗い森の中を、腰からカンテラをぶら下げたまま、小銃を握りしめて枯れ葉を踏みしめる。
さりさりと足音が響き、場所とは裏腹な可愛らしい戦闘衣で進む姿は、通りからもカンテラの明かりもあって異様に見える筈。
眉をひそめ、不安げな表情を浮かべながら辺りを見渡すと、立ち止まり、吸い込んだ息で胸を少し膨らませた。

「ミーシャさーんっ! どこですかーっ!?」

こんな遅くに森にいるのは、立ち寄った村で住人に泣きつかれたからだ。
娘が森から帰らない、迷子になったに違いないと。
その言葉が本当かどうか確かめるべきだったかもしれない、けれど本当だとしたら…早く助けてあげたい。
任せてくださいと二つ返事で受けてしまい、日付も変わりそうな時刻が迫っても、声が返ってくることはない。
僅かに反響する声だけが虚しく響き、ゆっくりと口が閉ざされる中、脱力したように肩を落とす。

「……駄目です、眠ってるとか、疲れてるとか、気絶してるとか…あるかもしれません」

脳裏によぎる悪い予感、周りにだれもいないのもあって、不安に揺れる金の瞳が僅かに潤む。
大丈夫と己に言い聞かせるようにブンブンと頭を振ってい否定すれば、周囲の草木の青臭い香りとは別に、甘い果実のような香りを僅かに緩い三つ編みから広がらせる。
眼鏡を上へずらし、目元を裾で軽く拭うと、大丈夫と呟きながら、何時もの真面目そうな顔立ちに戻っていく。

「どこですかーっ、親御さん心配してますよーっ」

木々の合間を明かりと共にゆっくりと通り抜けながら、高い少女の声が迷子を呼びかけ、音色が響き渡る。

レナーテ > こうして深夜の森に、呼びかけ続ける声が響いたそうだ…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道沿いの森」からレナーテさんが去りました。