2017/01/26 のログ
ハルクラム > 改めて近づくとその巨体はハルクラムにとって恐ろしく思うだろうが、彼女は身長なぞの違いは気にしていない。
それよりも彼の発した言葉にひっかかるところがあった。

「うん…えぇ…生身の人間…そっちはそう…。なんでそんな説明がいるの?」

そして彼女には追撃やら、襲いかかるつもりはさらさらない。例え淫魔だといっても今は満腹なので襲う理由もなく。
ただ普通の人間とは分かったのだが気になるのは片手に掴んでいる剣。その剣から魔力が感じられるのである。
もしやすると、よくある話で武器が意思を持っていて、使用者に話しかけてくるのならと。
ちなみに彼女が持っている弓は意思を持っていないのだがより相応の魔力はあるのだ。
読心術の応用で、彼が持つ剣に念を向けてみた。

ノーガルト > 「……魔族だろう、お前。」

(頭をさするのをためると、ノーガルトは軽く頭を振った。
敵意のない魔族なんて、聞いたためしはないが人間だって様なように。
魔族にも、変わり者はいるというところだろう。

襲ってくるそぶりがないならば、こっちも敵対する意味はない。
ただ、何かしらの攻撃を仕掛けてくるならば容赦はしないつもりだった。
魔族はこんな容姿でも、底知れぬ戦闘力を秘めているのだから。)

『……………。』

(ただし、ダインに送られた念はまるで、漆黒に飲み込まれたかのように掻き消えるだろう。
彼は持ち手を選ぶ剣、たとえ魔族であっても波長が合わなけ江rば、声さえ聞くことはできないのだから。)

ハルクラム > どうも魔族であることが分かられたのだが、あちらの方に歯向かう姿勢は感じられないので、ハルクラムは警戒を解いて、

「全く…まだ若い剣士なのかなぁ。あたいは正直に言うともう八十年程は生きてるんだけど…
 えっとねぇ、こういうワーウルフを探していたんだけど、君じゃなかったの、ごめんねぇ」

魔族にも変わり者はいる、特にハルクラムの種名、【ノディア】は、人間の護り手ともいえる存在だろう。その目的は子孫作り
の遺伝子を守るためともいう。基本人間との殺生はしないのである。
容姿に関しては100歳生きれば15歳といった具合だろうか。戦闘力は申し分なく高い。

「でも、あたいがどこで魔族と気づいたのか知らないけど、よく背を向けて逃げなかったの、本能的に獣だったら逃げるモノは
追うからねえ。あたいは獣じゃないけど…」

但し肝心の彼女が気になっている剣の正体は見破れない。彼女の念力でも剣は何の心も開いてくれなかったようだ。

(…何かあるとは思ったけど…、まあよくできた素晴らしい剣で纏めにしますの)

ノーガルト > 「そうか、悪いな…。昔から年上に対する礼儀というものがなくてな。孤児院のシスターにも、よく叱られたよ。」

(軽く、両手を上にあげて苦笑する。
魔族であるから、年上だというのはどことなく予想はしていたが…少し予想していたものよりも上だった。
せいぜい50台あたりかと思っていたのだが、まだまだ認識が足りないらしい。

彼女の探しているもの、ワーウルフ。
月が出ている間はオオカミとなり、人を襲うという魔物の一種。
それと間違えられていたらしい。)

「なに、ちょっとした手品というやつだ。…あと、背中を向けて逃げるのは、俺の主義に反するんでな。」

(多少ならばやり合うつもりだった、というのは言わないでおいた。
さすがに喧嘩を吹っかけてくる様子のない相手に向かって、喧嘩を吹っかけるような性格はしていない。
もっと好戦的な相手だったら、其れこそ剣を抜いたであろうが。)

ハルクラム > 「まぁ、あたいが年上には見えないだろうから悪く思わなくていいの。
 あたいはこの幼さがちょっとコンプレックスではあるけど…」

心が大人の割に幼い体をしているため、彼女の勤めている娼館では子供を受け付けない人に避けられているのがある。
本気になればそんな否定嗜好くらい捻じ曲げるのだがそんな事をすると母に怒られるらしい。

「手品…ねぇ…、まあいいですの。うーん、ちょっと張り合いたかった感じはするけど、あたいは乱暴する魔族じゃないから、
ごめんねぇー。あ、もしあたいとやりたいならぜひともあたいの娼館にどうぞ、もし、溜まってたらね…」

と色っぽく伝えて、そして名前はハルクラムだからね、と告げる。

「もちろん武闘の手合わせも歓迎ですの、会ったらよろしくねぇー
 さて…そろそろ月が隠れちゃう…早く探しておかないと…」

とはいっても手がかりはないので、闇雲に探すのもよくないと思ったハルクラム。
地図を両手で持ちつつ、彼の言う言葉に耳を傾ける。

ノーガルト > 「…魔族でもそういうものはあるのか……。」

(そう聞いてみると、魔族とは言え人間と大差ないような気がする。
万物の生きとし生けるもの、すべては考え方が少し違うだけ。
種族間の違いは、実はそれほどないというシスターの言葉が、妙に説得力を帯びる。)

「たまって……ああ、いやいや。すまん…俺には婚約者がいるんでな。」

(もし、女にうつつを抜かしてしまったなどということがあったら、罪悪感で押しつぶされそうになる。
今は、たとえ娼婦といえども女に手を出すことは、絶対にあってはならないのだ。
少し色っぽく伝えてくれたことには申し訳ないが、おそらく性的な付き合いは断るだろう。
それに…残念だがノーガルトは子供体系は趣味ではないのだ。
話をするだけならば、問題はないのだが。)

「俺の名はノーガルトだ。武芸の手合わせならばそのうち頼むかもしれんな…。そっちも、がんばれよ。」

(このあたりにいるとなれば、あまり長居はしたくないところだ。
ワーウルフはその強靭な肉体と、圧倒的な力を誇る。
出会ってしまって、目をつけられでもしたら家族にも被害が及ぶかもしれない。

地図を持つハルクラムをしり目に――――ダインが、ささやいた。)

『聞き耳を立てている、俺には話しかけるな。』

ハルクラム > 「ええ、あたいも…護るべき愛人のため…将来のねぇ…」

それとなく切なそうな口調で呟いた。

「んー、こっちの丘かなぁ、いってみるの。じゃあ、またねぇー、くれぐれも魔物には気をつけてねぇー
 頭上にぼかんとくらわないようにねぇ」

少し躾けるような言い方で、ハルクラムは依頼の為、改めて気を引き締めて、彼を後にして。

ノーガルト > 「………。」

(ハルクラムの気配が遠のいていく。
魔族でもいいやつはいる、本当にこの国は面白いことばかりだった。)

「……あ、しまった!」
『…次に会ったときにしておけ、ノル。』

(彼女ならば、有意義な情報をもっていたかもしれないのに、聞きそびれてしまった。
まあ、いる場所はわかっていることだし、いずれまた会うこともあるだろう。
その時に、5つの影の剣のことを聞けばいい。

ノーガルトも、王都に向かって歩き出した。
頭からボカンと一撃食らわないように、少しだけ注意しながら。)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からノーガルトさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からハルクラムさんが去りました。