2017/01/23 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にジェイコブさんが現れました。
ジェイコブ > (野原に適当に拾った石で囲った薪に火をつけて、即席の野営準備を整えた大男は、その場で片膝をついて腰を下ろしながら太い薪に乗せた小鍋が煮え立つのを待っていた。
目的地である遠くに見える森は、鬱蒼と並ぶ木々が、満月の光に照らされても暗い影を根元へと落としていて、その先がようとして見えない。
時折周囲に目を向けながら、手元の鍋に目を落とす大男は任務を思い出して頭を掻いた。)

「森に潜む賊、か…」

(今回随伴する者もなく一人で出向いた理由は、その任務にあった。
騎士の身分を隠し、一介の冒険者のフリをして賊たちを刺激しないように調査を進めるというものは危険度も高い。
他に自分もという騎士たちの意見を跳ねのけて一人でやってきた大男は、夜のうちに森に入るのは危険と考えて、見晴らしのいい野原で野営することに決めた。
そうしてちょっとした準備の後に今に至り、大男は弱い火で中々煮え立たない鍋を目を皿のようにして見つめていた。)

ジェイコブ > 「そうだ、どうせ匂いが強いアレは森には持ち込めん、ここで使ってしまおう」

(火で少しずつ熱されていくが相変わらず煮えない鍋を尻目に、大男は短剣で持ち込んでいる塩漬け肉とドライフルーツを適当に切り分けていく。
そして、ふと味気ない塩漬け肉とドライフルーツの塩茹でに辟易した大男は、あるものを探そうとあらかたの装備を入れた荷物をごそごそと探していく。
そして念を入れて袋に詰められていたチーズを砕いて粉状にしたものを取り出した。)

「…お、おぉ…ん、よしよし」

(一連の作業の間にも煮え立たない小鍋に、ついには焦れて、大男は暖を取るためにとっておいた薪まで乱暴に追加していく。
ややあって勢いを増す火が小鍋を舐めるように包み込んで手が出せなくなってしまうが、薪が爆ぜる音に交じって水が煮え立ち始める音が聴こえてくると大男は満足気で。
適当に切り分けた塩漬け肉とドライフルーツをぽいぽいと小鍋に放りこんでいき、干した香草も一緒に煮ていく。
そしていい具合に塩抜きがされた肉が原型を取り戻してくると、塩漬け煮汁に粉末にしたチーズと小麦粉を溶いていき、小鍋に戻す。
やがて芳しいシチューの匂いが漂ってくると、空いた腹が殊更意識してしまうが煮込み終えるまで大男は我慢して。)