2017/01/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にケラノスさんが現れました。
ケラノス > 「まれびとの道」と呼ばれる王都へと続く街道。そこから少しでも外れれば、鬱蒼とした森を始めとした自然地帯。
その森の中を一人、身の丈を越える大剣を担いだ男が一人…気だるそうな足取りで歩いている。

「……やべぇ、近道しようと思ったら完全に迷ったなこりゃ…。」

予定ならば、今夜にはもうとっくに王都に到着している筈だった。
矢張り、慣れない近道…ショートカットをするものではないと今更に痛感する。
かといって、来た道を引き返そうにもどちらから来たのかもうろ覚えだ。
元々、この地域の地理に聡いという訳ではないので、つまりただの自殺行為だった訳だが。

ケラノス > 歩きながら懐からこの辺りの地理が描かれた地図を取り出す。
かといって、現在地がそもそも分からないのでは然程の意味を持たないが。

「…街道から外れてこう、下ったから、このまま南に進めば…いや、そもそも南はどっちだよ」

辺りを見渡しても、鬱蒼とした森の木々ばかり。時折、森の獣か魔物の声が聞こえる。
ウンザリしたような面持ちで地図を懐へと仕舞い込む。結局歩き続けるしかない。

「……まぁ、最悪はここで野宿していくしかねーか…やれやれ。
本当なら今頃は王都の宿でまともなベッドだったかもしれねーのによ…」

愚痴を零しても仕方が無いとはいえ。最近野宿続きでまともな寝床が恋しい。

ケラノス > 「…こういう時、魔術がロクに使えねーのが情けねぇったらありゃしねぇ」

男は高位の魔族だが、何故か魔術というものをロクに扱う事が出来ない。
魔力はある。あるが、それを発現させるプロセスがまるで壊れているかのよう。
魔道具…マジックアイテムを使えば間接的に魔術は扱えるが、不便な事に変わりは無い。
そして、残念な事に今現在はその手の道具の持ち合わせも無いのだ。

「……面倒だな。もう野宿にすっかね」

気だるげな歩みをゆっくりと止めて。丁度、傍にあった比較的大きな木へと方向転換。
辿り着けば、大木の根元辺りに担いでいた大剣とそれにぶら下げていたズダ袋を下ろす。
自身はその傍に腰を下ろし、疲れたように宙を仰ぐ。…木々が邪魔で星空さえロクに見えやしない。

「…あーー美味いモン食いてぇ…酒も飲みてぇ…あと女も抱きてぇ…」

ただでさえ覇気に乏しいオッドアイが更に死んだような顔つきで呟く。

ケラノス > 「……いや、そもそも金がもう尽きそうだったな…何か日雇いの仕事でも探すか?」

宿に一泊する程度の金はギリギリある…が、それ以上の金が無い事に気付く。
かといって、己に出来る仕事など力仕事やら用心棒やら…割と限られてくるが。

「……冒険者のギルドにでも登録すっかなぁ…あーでも、何か面倒そうだな…」

煩雑な手続きなどは色々と苦手だ。それに、魔族のボロが出ないとも限らない。
完全に覇気が失せている視線を鬱蒼とした木々に向けながら考える。

…考えてもしょうがない、という結論に落ち着いてしまう訳だが。

ケラノス > 「……眠……まー細かい事は明日考えるとすっか…寝るに限る」

欠伸を盛大に一つ噛み殺しながら、そのまま眼を閉じて直ぐに寝入ってしまう。
幸いかどうなのか、寝込みを魔物や野盗などに襲われる、なんて事も無く。
そのまま朝方まで爆睡しまくる男だった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からケラノスさんが去りました。