2016/12/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアキさんが現れました。
アキ > 鬱蒼と茂る森の中。足場も悪い獣道の一つを進んでいた、小柄な人影。
この地方では珍しい異国の衣服に身を包み、迷う素振りを見せずに歩いていたが、大きな木の下で足を止め、その大木を見上げる。

「……さっきも見た気がする?」

不思議そうな表情で、小首を傾げながら零された言葉。
結局は、迷子の旅人。
その木の周囲が少し開けていたので、この場所で休息にしようと近づく。
材料は無数にあったので乾いた小枝を集めると、地面を軽く掘り、土を剝き出しに。
その周囲を小石で歪な円形に並べ、集めた小枝を並べた後、火打石で火を熾し、小さな焚き火を作った。
焚き火の明かりが、深夜の森の闇を照らし周囲を明るくする。

「……人里って遠いんだ……」

迷子の原因が方向音痴の自分所為だと気が付かず、困った表情で呟きながら、大木と焚き火の間、枯草の絨毯の上に腰を下ろすと胡坐で座る。

アキ > 何時になったら人里に着けるか、心配しても仕方ないと、微苦笑を浮かべると小さな竹筒を取り出す。
零さないよう栓を外すと、飲み口を小さな唇に近づけ、中の水を一口、喉を潤す為に飲んだ。
焚き火の音を聞くように、瞳は閉じるが、周囲に気を配るのは忘れない。
常在戦場は、侍の習慣。屍山血河の道を進むこそが本望なのだが、生憎と現状は、只の迷子。

「……ふぅ……今宵も野宿かな?」

竹の水筒に栓をし、元の場所に戻すと、小さく笑みを浮かべる。
天の星に見られながらの野宿も悪くないと考えていたが、鬱蒼と茂る森の木々に邪魔され、生憎とその星空を見ることは出来なかった。
今は瞳を閉じているので、その事実に気が付くのは、もう暫く先の話。