2016/12/17 のログ
■シチュー > ふふっ。そう。その調子だよ。もっと、お猿さんみたいに指を動かしてごらん。もっと強くね。ちゃんと見ててあげるから、しこしこ、しこしこしてごらん。
(包んだ腕の中で震える人形の小さな耳のさらに小さな耳朶を伸ばした舌先でちろりと舐めては、そのままの距離にて、言葉の吐息が吹きかかるようにしてささやきかける。服の中では、彼の胸の小粒を撫でる指の数が増えていく。2本、3本と増えた指先の腹で乳首を撫ぜ。喘ぐ彼の上擦った声が耳元に届けば、ニコニコと笑みかけ。彼の手の動きが早くなるタイミングで、不意に乳首を強く摘み上げた)
あは!びゅーびゅーよく出来ました!
(小人のように縮んだ彼が腕の中でぶるぶると震え吐精するのを、最後の白濁液が地面に落ちるまで見届ける。その間、ぎゅうと抱いたまま。やがてさらに呪いが働き、両腕の中をすっぽ抜けていく身体。声色も高く彼の親指サイズとなった頭を撫で撫でして笑った)
それじゃあ、ちゃんと反省した良い子のリンにご褒美あげよっかなー。
(調子に乗ってそう続けるが、さて、手のひら人形となった彼はどう答えるものか――)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からシチューさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に アリーさんが現れました。
■ アリー > むせかえりそうな血の匂い
ハチの巣の用に穴の開いたゴブリンの死骸が数体転がっている
頭に屋の突き刺さった死骸が複数
そして一体だけ、体中に切傷を作り致命傷であろう大穴が額に空いたゴブリンが倒れている
そんな凄惨な現場の隅に今、私は小さく膝を抱えて座り込んでいる
「なんで…何でこんなに弱いんだろ、私…」
ここ数日自分の弱さをこれでもかと自覚させられる事ばかりだった
夜の路地裏で何かに襲われ
自分より幼いと思っていた少女に覆らないであろう力の差を見せつけられた
自分だって冒険者だ、弱い訳がない…そう思っていた
■ アリー > ゴブリンのグループに仕掛ける前
弓で残り一匹にまで減らしたところまでは余裕だった
一応保険に、そう思ってナイフで相手にするのは一匹だけに絞った
その結果がこれ…体中が痛みあざもいくつかある
ゴブリンが持っていたのが棍棒ではなく剣だったら、そう考えると体が震える
「私…雑魚だったんだ……」
エルフの友達に貰った弓
これが無ければ逃げるだけしかできない雑魚
ただ武器の性能が良いだけ、それだけの事
一匹のゴブリンといい勝負をするぐらいしかできない……
「…ふふ…はは、は……」
顔を上げてられない
何が冒険者だ…静かに声を殺して涙を流す
情けない…悔しい…けれど仕事はやめれない…
できるのはこうして小さくなって震える事だけ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にシルヴィ・メディクスさんが現れました。
■シルヴィ・メディクス > 森の中を歩いている娘は、マスクに詰めた媚薬草以外のある意味嗅ぎ慣れた臭いを辿りながら歩いていた。
―――血臭。それも一つや二つのものではないもっと多くの何かが流す臭いを辿ることはそう難しいことではなく、
平地と違って歩きづらい荒れ道を、杖を突きながらぐんぐんと進んでいく。
「……」
やがて開けた場所に出れば、そこに転がるゴブリンの骸と、その中心に蹲る少女の姿が見えた。
声が聴こえることから、どうやら冒険者か傭兵かが魔物と戦ったのだと推測し、
同時に生きている様子にわけも知らず安堵の嘆息が漏れた。
そうなれば、嘴のような突起が出たマスクをつけ、ガウンを身に纏ってその手に杖とトランクを持つ異質な姿が相手にも見えるだろう。
「貴方、怪我をされておりますわね。お代を取らない医者は要り様ではございませんか?」
いい加減、自分の風体が異質だと理解してきた娘。
やや遠い距離ではあるが、まるで近くで囁かれたように聞こえる声で少女へと語り掛ける。
自らマスクを外して、木々から覗く光でそのアッシュグレイの髪が風になびく様を照らされながら、相手へと素顔を見せていく。
■ アリー > 「…っ。」
奥の道から足音が聞こえる
血の匂いで他の魔物か獣が寄ってきたかもしれない
顔を上げて確認してみると…どうにも人のようだけれどかなり怪しい恰好の人物が
「……お医者様がなんでこんな場所に居るんですか?」
片膝を立てて動けるように体勢を変えつつ医者を名乗る女性を見つめる
まだ遠い筈なのによく声が通ってくる…本当に医者なのだろうか
医者だとしても何でこんな場所でしかもお金が要らないなんて言うのか
「結構です。それにそこからこっち…っ!」
立ち上がってナイフを向けようとしたけれど痛みのせいで取り落としてしまう
興奮も冷めて冷静な今になると痛みが段々と大きく響いてきた
こっちに来るなとも言い切れないまま慌ててナイフを拾おうと
■シルヴィ・メディクス > 「ワタクシは根無し草。家もなく、宿もなく、彷徨ううちに、血の臭いを嗅ぎ取ったのですわ」
疑心を抱いている少女が立ち上がろうとするのを見ながら、娘は周囲に視線を向けてから少女へと戻し。
急な動きを制することができず、無理をさせたことには短慮を憂うように視線を一時は外し。
距離は離れているが、声は間近に聴こえるのは変わらない。
「そうですの……ワタクシを追い払うのに、ナイフも弓も必要ありませんわよ」
少女の拒否には目を伏せて、どこか悲しげな風になる。
さらにナイフを向けようとすると、敵意はないというようにその場で立ち止まってトランクを置いて、両手を広げて見せる。
それでも相手がナイフを拾おうとするならば、黙ってその刃先を向けられるように動かずに、一度言葉を切って。
「けれど、魔物は別ですわ。その身体で森を抜けることは至難ではありませんこと?」
今しがた魔物を狩った相手は、不本意な戦いをしたのだろう。
少女がナイフの扱いよりも弓に長じているのは、周囲のゴブリンの骸の傷と取り落とす素振りで察することができた。
依然として自らは近づかないままに、娘は少女へと問いかけて。
■ アリー > 「血の匂い…余計に怪しいです」
血の匂いに誘われる医者なんて子供を怖がらせるような類の話だ
相手が荷物を置いて手を広げている…怪しいけれど一先ず危険ではないと判断
痛む体で何とかナイフを鞘にしまう
「……なら、治療をお願いします。でも変な事をしたら刺しますからね?」
脅しでも殺すと言い切れないのは無意識での事
人を正面から殺す覚悟と勇気はまだ備わってなんていない
ゆっくりと無手のまま女性に近づいていく
彼女の言う通りこのまま森を抜けて帰るのは難しい
せめて弓を引けるぐらいには体を癒さないと
「あと、変な魔法はやめてください。耳が変な感じです…」
ずっと囁かれている様で耳が変になりそうと睨む
音の魔法だと勝手に判断してそう告げるが…魔法かどうかすら分かっていない
超常の現象は全て魔法だと思っているだけの事
■シルヴィ・メディクス > 「そうでしょうか?傷病あるところに医者はいるものですわ」
怪しむ少女の言葉を飄々と受け止めながら嘯く娘。
ややあって相手がナイフを仕舞えば、一つため息を吐いて上げていた腕を降ろした。
一先ず警戒を解いてもらえたことに安堵する。
「ええ、わかりましたわ。見たところ殴打の傷のようですが、先ずは確かめさせていただきますわ…装備を寛がせていただいても?」
トランクを開ければ、そこにところ狭しと並んでいる器具の数々は異質に見えるかもしれず。
そこに並ぶ道具にはまだ手を伸ばさず、娘は少女の身体にある痣を見ていこうとする。
見てわかる痣には触れず、まだ内出血を起こしているかわかりづらいところだけ、撫でるように触れながら感触の違いと反応を見ていく。
軽装の防具ならば、その後ろも守り切れてはいないかもしれないと思うが、刺されたくはないので断りを入れて。
「……魔法?ああ、ワタクシ治療のために風の魔術をかじりましたの、まだ慣れていないのですわ」
そして睨みながらの少女の言葉に、娘はきょとんとした表情になる。
やがてそれが、自分の声のことだと遅れて理解すると、苦笑しながら答えていき。
相手の傷の見分が終われば、取り出すのは瓶に詰められた透明の液体と、清潔な布切れなど。
■ アリー > 「お医者様は街に居るものだよ…」
そして沢山お金を取って怪我や病気を治す
少なくそもそれが普通の筈
「棍棒の傷と爪で少し…うん、分かった」
無い出血を起こした場所に触れられると思わず表情が歪む
それにトランクの中身はこれでもかと色んな器具が詰まっていてかなり…恐い
けれど治療の為と言われた通りに装備を外していく
「そうなんだ…慣れてないなら仕方ないよね」
まだ魔法に慣れていないのなら仕方ないと声については納得する
取り出される液体と布には警戒はない
消毒をしないと傷が悪化する、これぐらいは自分だって知っている事
「私の名前はアリー、よろしくお願いします……本当に治療費は要らないの?
街に戻って沢山払えなんていやだよ?」
■シルヴィ・メディクス > 「ワタクシはそういう医者ではないというだけですわ。痣が浮かぶのは、開いていない傷がある証左ですわ」
普通と違うことに関しては疑いようもなく、しかし娘は気にした風もなしに答え。
痣を触れられて表情を歪める様に、おおよその位置を検討をつけていく。
装備を外すことで、おおよそ全身の傷を見分し終わった娘は先ずは痣から施術することに決めた。
「ええ、近い内に慣れるようにしておきますわね」
そう娘は答えながら、声が変わっていることには少々の危機感を覚える。
そんな危惧も手つきには影響を与えず、先ずは薄く布に伸ばした精製アルコールを痣の上から少しずつ塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返していく。
周囲の空気を操りつつ気化を速めて患部を冷やしていこうとする。
「ワタクシはシルヴィ・メディクスと申しますわ。ええもちろん、たとえ餓える方であろうと富める方であろうとお代はいただきませんの」
未だ代金に警戒する節を見せる少女には、娘はニコリと笑いながら答える。
そして、テキパキと冷やした患部に薬草を混ぜた獣油の軟膏を塗り、その上から包帯を被せるように少し巻いていく。
「殴打の傷はしばらく冷やしておくことが肝要ですわ。傷が開いていないので、冷えた川の水でも結構ですわ」
そう端的な応急処置を伝えつつ、今度は魔物の爪によってつけられた傷の深さを見ていこうとする。
■ アリー > 「珍しいお医者様なんだね。開いてない…傷?」
開いてない傷と言うのはよく分からないが彼女が変わっていると言うのは分かった
声の事についてはそこまで重要な事ではないと思っているので聞き流す
「ひんやりして気持ちぃ…よろしくシルヴィ、疑っちゃってごめんね」
きちんとした処置にすっかり気を許し最初の態度を謝罪する
シルヴィの施術のおかげで痛みもだいぶましになった
「冷やすと良いのね。後でそうしとく、ありがとう」
笑みを浮かべ包帯を眺める
こんなにきちんと施術して道具まで使って…
後でお礼位は渡しておこう
ゴブリンの爪で裂かれた傷は腕に少し深く走っている
相手も死に物狂いだったのだから当然だろう
躱せなかった自分が未熟とも言うけれど
■シルヴィ・メディクス > 「ワタクシにとっては、この医者の道しか知りませんわ。血は外に流れるだけでなく、傍目普通に見えて傷ついていることもあるのですわ」
変わり者の言えども、娘にとっては覚えてこそいないが唯一の医者の道だった。
傷の説明をしつつ、次の施術に取り掛かるためにトランクからまた道具を取り出し始め。
「いえ、風体の怪しさは承知していますわ、これがワタクシの流派では正装ですの」
すでに最初の警戒は解れている相手には、少し目を逸らしながら最初に外したマスクをそそくさとトランクに仕舞い込んで。
少なくとも娘が一切手を抜かない施術は、放っておくよりははるかにましに感じることだろう。
「ええ、湿らせた布もいいですわよ。…一つお聞きしたいのですが、アリーは誰かとは組むことはありませんの?冒険者が協働することは珍しくないと聞いておりますわ」
相手の身体に走る大きな傷を見れば、娘は少しだけ唇を強く結ぶと、取り出すのは小さな薬缶と火口の道具。
それを火にかけながら、清めた水で湿らせた布で血を拭きとっていく。
その間、これだけの傷を負うに至った経緯、ここにいることについて、娘は少女に問いかけてみる。
一人で為さねばならないことであったのか、疑問が湧いたからで。
■ アリー > 「へぇ、誰かを治すのが好きなの?」
医者の道しか知らない、他にいこうと思わないならそういう事かと首傾げ
目に見えない傷は面倒で厄介…関節を捻るとずっと痛いから嫌い
「それでちゃんとした格好なんだ…すごい流派だね」
特にあのマスク
鳥の化け物のマスクの様で薄気味悪い
そんな格好しない方が絶対に良いと思うのだがきちんと理由が有るのなら仕方ない
「湿らせた布ね…えっと、私ってその…他の人達みたいに強くないから…
それに1人じゃないと勝手に逃げられないでしょ?」
よく言えば斥候、悪く言えば寄生
周囲の警戒なんて熟練の冒険者なら自分でできる
戦闘も弓でこそこそしなくたって正面から戦える人ばかり
魔法はまともに使えず取柄と言えば逃げ足だけ
いざと言う時仲間を見捨てる覚悟も持てないのだから最初から一人の方が身軽だから
結局のところこんな弱虫と組みたい人は居ないのだ
最後の一言だけが自分の口からは言えなかった
■シルヴィ・メディクス > 「……そうとも言いますわね。ただこの世に溢れる傷病が憎いとも言えるのかもしれませんわ」
首を傾げる相手には、少し間の空いた答えを返す。
医者としての本分とは別に、魔族の徒としての本分もある。
しかし警戒を解いている相手から精気を吸うことができずにいるのは、どちらの本分なのか。
結論は出ず、はっきりとした答えも返せなかった。
「ええ、恐ろしき病に立ち向かう医者の姿、らしいですわ。この傷は縫いますわね…痛むけれど痕は残しませんわ」
伝聞の通りにしか答えられないのは、娘自身もこの恰好がよくわかっていないからで。
マスクの中に詰めているものが知られては、心を砕いて和らいだ警戒が別方向と言えど高まってしまうかもしれないと心配していた。
湯が沸けば、針を浸してから、ピンセットで取り出して糸を通していき、深い傷を見ながらニコリと笑う。
「そう思うのであれば、これだけ傷を負う前に逃げた方が良かったと思いますの…医者のお節介かもしれませんけど」
どこか歯切れの悪い答えに、娘は少女の傷を縫いながらそう零す。
傷を縫い終わると、そちらにも獣脂の軟膏を塗り、傷の上から布を当てて包帯を少しきつめに巻いた。
■ アリー > 「傷病が憎い…うん。分かった」
そこまでいうのならきっと何かあったのだろう
だから深くは聞かない、そう自分の事も納得させる
「こんな姿で治療されるの怖いなぁ…分かった、ちょっと待ってね」
縫うのはかなり痛いらしいので一応準備を
シルヴィの物ほどではないけれど綺麗な布を丸めて嚙んでおく
酒場で聞いた方法をそのまままねて
「いっ……うん、いつもはそうしてたんだけどね…」
痛みに耐えながらぽつぽつ漏らす
施術が終われば噛んでいた布をまた終い包帯を見やる
改めて見るとかなりの怪我を負っていたのがよく分かる
「ありがとうシルヴィ、嘘みたいに楽になった
お金は要らないって言ってたけど…何かお礼させて♪」
痛みも治まり気分も多少晴れたおかげでいつもの調子が出てきた
自分祖新設に治療してくれたシルヴィに何かお礼はできないかと尋ねる
■シルヴィ・メディクス > 「憎悪で曇ってなお腕に自信はありますの、その点は安心していただいていいですわね」
深くは聞こうとしない少女の気遣いに、娘は少し胸を張って冗談めかしていう。
「きっと病魔をも脅したかったのかもしれませんわね、患者ごと」
そう冗談めかして娘は言いながら、相手が痛みの堪える姿勢になるまで待っていく。
なるたけ早く、テキパキと行うことが患者の痛苦を和らげる術と心得ている娘は、手際よく縫合を進める。
「常ならぬことがあるからこそ、冒険者の人々は手を組まれるのだと思いますわ。これでよし、傷が見えなくなれば、糸は抜いて結構ですわ。片端を切って、もう片方からゆっくり抜いてくださいな」
縫合の痛みのせいか、ぽつりと漏らした少女の弱音の交じる声色に、娘は呟くように言う。
そこそこ大きい傷であったが、慣れた手つきで縫い終わると、娘は抜糸の術を伝えながら道具一式を仕舞い込んでいく。
「お礼、ですの?それでは……それでは、町までご一緒してくださいませんこと?見ての通り、ワタクシ戦いに長じてはおりませんの」
お礼と言われれば、少し困惑したような表情になって思案顔になる。
治療は終わり、あとは精気をもらうだけ。しかしもし、それが彼女の体力を多く奪い、衰弱をもたらしたら?この森を抜けるための治療の意味は?
そんな疑問が浮かんだ末に、しばらくして娘はトランクからマスクを取り出しながらそう答えた。
安全な場所で精気を取る方がいい、そう自分に言い聞かせるようにして。
■ アリー > 「そこは信用してるわ、だってシルヴィの施術上手だもの♪」
痛みも引いて言う事なし
とても目が曇っているとは思えない
「病気が驚いたり…するかもね、あの格好だと」
そんな冗談みたいなこともあり得るかもしれない
傷がふさがれば意図は抜いて良いらしい、その時を楽しみにしておこう
「それだけ?そんな事で良ければ喜んで。1人護衛するぐらいはできるから安心してね♪」
弓も引けるし大丈夫
それにシルヴィなら自分の言う事もちゃんと聞いてくれるだろう
できるだけ安全なルートを素早く、護衛はしっかりとして見せる
「またそれ被るんだ…まぁ魔物だって引いてくれるかもね」
正装とやらに戻ったシルヴィを見て苦笑する
そうして町に向かって歩き出す
シルヴィが何を考えているのか、そんな事は予想もしないまま
■シルヴィ・メディクス > 「ふふ、もっと褒めていいのですわよ」
自信ありげに胸を張りながら、会心の笑みを浮かべる娘は、素直で純粋な喜びを体現していた。
医術を褒められることは、他の何かと比べても気持ちのよいもので。
「そこまでして病魔と闘う覚悟なのですわ……こほん、実をいうと、ワタクシもそこまで詳しくありませんの」
流石に吹聴が過ぎたと思い、途中で咳払いしながら正直なことを漏らす娘。
深い傷ではあったものの、化膿することはないから治りも早いはずである。
「それだけなんて、立派な冒険者の依頼ですわよ?ええ、アリーには期待しておりますわ」
そう相手に提示した対価に娘は微笑みながら握手を求めるように手を差し出していく。
少女の内に秘めた心の全てを伺い知ることは娘にもできないが、内なる痛みに近づけたかとふと思って。
「これがないと落ち着きませんの」
取り出したマスクに苦笑する少女に、被りながら娘はきっぱりと言い切る。
精気を欲することで身体は火照り、それを求めたくなる。
この疼きは、マスクに詰めた媚薬草のせい、そう娘は自らに言い聞かせる。
少女の後ろからついていき、街に向かう間の野営や、街の宿など精気を吸う機会は何度もあったが、
そこで娘が如何にしたかは、当人たちのみの知るところとなるだろう……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から アリーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からシルヴィ・メディクスさんが去りました。