2016/11/22 のログ
■リムル > (かさり、かさかさ・・・と、草を踏みしめる音が耳に届く。ぴくぴく、とそのエルフ特有の長耳を揺らし、その音の方向、距離を測る。それがわかれば、次は目だ。その方向に視界を定め、その鷹の如き目で獲物を捕らえる。)
――いた。
(今日の獲物は野鹿・・・鹿肉なんて、結構久々であるが・・・悪くないだろう。例え、市井に混じり、人と共に生きていたとしても元はエルフ。自然と、森と共に生きてきた種族。森と同化し、気配を殺すのは造作もない。そろり、そろり・・・と射程圏内まで近づいたならば ちきり、 と刀の鍔に手をかけて、大地を蹴った。その瞬間、鹿も狩人の存在に気づいたようであるが)
――遅いわ。
(鹿が踵を返す前にその体をエルフの鋭利な刃が突き刺した。そのままその儚い命をたやすく奪い・・・哀れな群れからはぐれた鹿はエルフの晩御飯となった。 ――ふぅ・・・、と一息ついた後。)
・・・誰か、いるの?
(自分の感覚に引っかかる、人の気配。その気配の主に、体を動かさぬまま問いを投げて)
■ノイア > (流石に森の民)
普段隠蔽魔術で済ませてしまうことが多いためそれ抜きに気配を消すのには少し苦手意識がある。
見事に気配を消しているなぁと感心していると声をかけられた。
さすがに無言というわけにもいかないので小さく返す。
相手はエルフ、この程度でも聞こえるだろうと。
「…危害を加えるつもりはない」
動物に察知されないように最低限かけていた隠蔽魔術を解除していく。
旅先では相手の素性より今信用できるか否かが問われることが多いと長い放浪生活で知っていたためだ。
それと同時にこの暗闇で獲物を捌くのがとても面倒なことも。
「…民間人?いや、素性は聞かない
魔物やクマが寄ってくる前にそれを処理してしまったほうがいい」
言葉を連ねていく。彼女にしては珍しく親切のつもりである。
「すぐそこに洞窟がある。近くに川もあるからそこに向かうことを推奨する」
そしてついてこいと言わんばかりにさっさと踵を返し歩き始めた。
■リムル > (靄がかかっていた彼女の姿が晴れていく。何かしらの魔術を使っているのを感じ取れはしたが其れが何か、までははっきりとはわからなかった。自分の扱う魔術とは多少、系統が違う故に。けれど、一度認識してしまえばうっすらとわかってくる。そこにあるものを隠す魔術・・・隠蔽系、ステルス系の魔術か。)
・・・言われなくても、わかってるわ。
(獲物を抱えた状態でクマを、更には魔物を相手するのはできればご勘弁願いたい。それを退けるだけの力はある、という自負はあるものの・・・厄介なことには代わりはないからだ。)
・・・。
(寝床は確保していたので、獲物はそこで捌こうと思っていたのだけれど・・・水場は把握していなかったので、水場があるならばそれの位置も把握しておくのは良いだろう。それに・・・折角の出会いだ。少しくらい、話してみるのもいいだろう。刀の先に きゅっ と獲物を縛り付け、担ぐようにしながら彼女の後を追って)
■ノイア > (近くに4足型の魔物が3、4……鹿が群れから離れているのは追われて居たから、か。無駄足ご愁傷様)
幸いこの程度なら目を瞑っていても鼻歌交じりで消し飛ばせる。
獲物を奪われたとはいえ格上の相手に喧嘩を売るほど気合のある魔物でもないし、
このエルフもそれなりの手練れのようだから苦戦はしないだろう。
エルフはエルフでこの場でこちらに攻撃してくる可能性がないでもないが、その場合は高い確率で見られる事自体がまずいような犯罪者だろう。
自己紹介代わりに攻撃してくるような馬鹿の制圧は慣れている。
それに旅先というのはたとえ犯罪者とでも火を囲めるものだ。
素性さえ知らなければ、自身に危害さえ加えられなければ短い間なら共に過ごせる。
それが彼女が放浪の末に学んだことの一つだった。
背後に続く足音についてきていることを確認する。
なら私のすることは先導だけだ。
森の民なのだから躓いたりはしないだろう。
万が一面倒なことになる前にと少し足を速め、何もなければ水場へとたどり着くだろう。
■リムル > (彼女の感覚に魔物が引っ掛かった頃、エルフの長耳もぴくぴくっ、と反応する。言葉にこそしないものの、エルフの方も魔なる者、魔物の存在に気づいてはいるようだ。その証拠か、その瞳は魔物の気配を感じ取れる方向へ向いていて。しかし、エルフも無駄な殺生はしないタイプだ。今回の獲物はこの鹿一匹で充分であり、これ以上は捕らえても皮でも剥いで売りに出すくらいしか出来ないのだし、今宵はこの子一匹で満足するとしよう。
エルフは基本的に温厚なタイプである。初対面でいきなり襲いかかる趣味はないし、襲う際は最初から獲物、と見定めていた場合のみだ。相手が賞金をかけられた賞金首や今宵のこの鹿のように獲物、として最初からそのつもりでなければ、出会い頭に襲うことはそうそうない。)
・・・へぇ。
(水場に辿り着けば、感心するような声をぽつりと零す。その川辺に座り込み、じぃっ、と見つめ・・・手を水にかざし、その安全が確認できれば、そのまま水に手を浸し、ちろり、とその水を舐めてみよう。――飲める水だ。そう確信すれば、鞄の中に入れていた水筒の中身でも交換しておこうか。)
■ノイア > エルフは温厚で鋭敏な種族らしいとよく耳にする。
あまり研究の進んでいる種族でもなく、外交的な種族でもないかもしれない。
少なくとも魔物の存在には気が付いていることにほっと一つ息を吐く。
これなら無駄に争ったりはしないで済みそう。
獲物を横取りに来たハンターと思われることも無きにしも非ずなのだから。
水筒の中身を入れ替えたりと作業を始めた相手を視界の端で確認すると立ち枯れた木を細切れにし火をつける。
この季節水場での作業は冷える。
明かりと熱があった方が楽だろう。
何より自分が暖かいのが好きだ。
火を起こして改めて相手を認識する。
似たような髪の色、無表情気味の表情、小柄な体躯…
「…えぇー…」
思わず口の端から言葉が漏れた。
よくもまぁ偶然が重なってこんなによく似た二人がこの場所に集ったものだと少しあきれていた。
■リムル > (エルフといっても千差万別だ。温厚で保守的なものもいれば、自由奔放で過激なものもいる。このエルフは・・・温厚で、自由奔放、という面が強いようであるが。
また、彼女の事をハンターだ、と思うことはあまりないだろう。このエルフは森に慣れていて、夜目が利くものの、既に夜も深い時間だ。こんな時間に狩りをする者なんてそうそういない。)
・・・?どうか、したの?
(鈴のような声が森に静かに響く。きゅっ、と水筒の蓋を締めて、相手の方へ向き直れば不思議そうに首をかしげるだろう。
彼女の顔を見るとなぜだか親近感を覚えるものの・・・それが自分と似通った顔をしているせいだ、とは認識出来ないだろう。
自分の姿をそうまじまじと見ることはなかなかなのだから。王都に出たばかりの頃は鏡に写った自分に対して あなた、私に何か・・・? なんて、真面目な顔で問いただした程である。
彼女の呆けた顔とは対照的に、エルフは こてん と、不思議そうに首を傾げていて)
■ノイア > 元々何か会話するような目的があって声をかけたわけではない。
先ほどの場所では交戦する可能性があると伝えることだけが目的で深い意味などなかった。
それ以外の理由といえば単純に旅先では旅人同士で集まって夜を過ごす事が多かった経験からただ声をかけただけ。
しかしたまに出会う旅商人のように口が達者で人を楽しませることに長けているわけでもなく、
ただぼんやりと火を眺めながら投げかけられた言葉に応えるくらいしかできない。
「……別に何も」
だからそんな無愛想な答えをただ静かに返してしまう。
こんな時に人付き合いの得意だった悪友がいたらもう少し親しげに振舞えるのだろうかと少し思ってしまう。
本人には口が裂けても言わないけれど。
似ている事に何かの意味を求めてしまうのは…私だけか。
そう考えてただ火を繋ぐ。
内心は結構慌てているのだけれどどうにも良い話題が思いつかないのだから仕方ない。
■リムル > (彼女と同じように、エルフも口が上手い訳ではない。口数は少ない方であるし、コミュニケーションに憧れこそあれ、得手な訳では決してない。 ――故に、口下手二人が揃った空間は、静かに、ゆったりと過ぎていく・・・。)
――。
(折角火を焚いてくれたのだから、ここで肉を捌いてしまおうか。しゅるり、と縛っていた鹿を解き、懐から肉を裁く用の小刀を取り出し、慣れた手つきで肉を解体していこうか。とりあえず、大きめの葉っぱを見繕い、水で綺麗に洗浄した後・・・その片方をす、と彼女に差し出し)
・・・食べる?
(とりあえず、食欲でコミュニケーションをはかった。そんな口下手なエルフは物で釣ることを選んだのだが・・・果たして。もしも、上手く連れたのならば くすり、と満更でもなさそうな笑みを浮かべて・・・少しだけ、話しくらいは出来たかもしれない。そして、宴もたけなわ、肉もなくなってしまえば)
じゃあ・・・また機会があればどこかで会いましょう。
(なんて、ひらり、と手を振って自分の寝床へと戻っていくだろう。名前も名乗らず消えることとなったが・・・名前が分からずとも思い出でわかる、なんていうのも面白いかもしれない・・・。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリムルさんが去りました。
■ノイア > 「…ん」
またの機会にという言葉に静かに頷き見送る。
名前は聞かない。知らない二人なら平和に過ごせる。
そうしてまたいくつも防御網を敷いて眠りにつくだろう。
今日出会った不思議な人物に思いをはせながら…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からノイアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に《鋳薔薇卿》さんが現れました。
■《鋳薔薇卿》 > 街道から離れていくと、野獣や魔物が闊歩する自然地帯が広がっている。
そこは冒険者や狩人たちにとっては日々の仕事場だろう。
あるいは、戦士や魔術師などは、特訓の場所になるのか。
そのいずれでもない、明らかにその場にそぐわないものがあった。
花瓶に入った、黒い薔薇である。
いや、よくみるとただ地面に置かれているのではない。草の蔓を編んだ椅子に鎮座しており、大木の切り株を円卓代わりに囲んだ真向いには樫の若木が見える。
両者は風もないのにざわ、ざわと揺れた。
■《鋳薔薇卿》 > 「──では、わが旧き兄弟は、各地に散ったものの死滅したわけではないのだな」
低い、男の声がする。どうやらそれは、薔薇の方から聞こえてくるらしい。
対する樫の若木は、言葉が発せられるたびに、小さく揺れた。
「わかっている。もうしばし待て。
上手くいったら、また昔のようにやろうではないか」
ざわ、とまだ未熟な枝を揺らしてお辞儀をするように体を傾けると、
若木は地面からスッポリと根っこを引き抜き、脚のように動かして離れていく。
北へ向かうそれを見送るように、黒薔薇は左右に揺れていた。
■《鋳薔薇卿》 > 「“蠢く昏き森”──久しく聞かなかったが、あれらの中ではまだ、我はそう呼ばれておるのか。
やれやれ、期待されておるな、これは」
ぐぐ、と緑の椅子が縦に伸びるように形を変えると、それは四つん這いになったグリーンマンであった。
花瓶をおちないように背に載せて、切り株の元を離れる。