2016/06/08 のログ
エレイ > 乱暴に振り回されるゾンビの腕を、男はするすると躱しながらすれ違って通り過ぎる。
すれ違いざま、先に来た1体の顔面に、次の1体の土手っ腹にそれぞれ1発ずつ、片手で拳打をごく軽く叩き込む。
見るものがいたなら、拳がインパクトした箇所で山吹色の光が小さく弾けたのが見えたかもしれない。

ともかく、それでゾンビは2体とも硬直し動かなくなった。
男は穢れを払うようにピッ、と殴った方の手の手首を軽くスナップさせると、背後のゾンビに一瞥もくれず、再び歩き出す。

同時に、ゾンビはザザ…と灰になって崩れて地面に落ちた。

エレイ > 「……うぅーむ、ココはアンデッド系ばっかりか?」

その後も展開はわりと似たようなものだった。
次々と地面から湧いてくるゾンビ、あるいはスケルトンといったアンデッドモンスターを、
ぺしぺしと適当に殴っては灰に還してゆく。
時々、この場所で果てた冒険者の成れの果てか、
武器や鎧を装備した、多少動きの良いアンデッドも現れたりしたが、男の前では同じである。

これはあんまり期待できないかなあ、とか考えはじめつつも、兎に角奥までは行ってみようと、男は只管に進んでいって。

エレイ > 「……む?」

そうして突き進んでいくと、少し開けた場所に出た。
真正面には、明らかに知恵のある何者かによって作られた、四角く切り取られた入り口が見える。
近づいて覗き込んでみれば、地下へと続く階段が見えた。
顎に手を当て、軽く思案。

「ほむ……まああとにかく入ってみるべきなのは確定的に明らか」

それから、躊躇なく足を踏み出し、スタスタと階段を降りて地下へと向かってゆく。

はてさて、男がこの後地下で何を見つけてどうしたのか──それはまた別の話。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエレイさんが去りました。