2016/02/19 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアンリさんが現れました。
アンリ > 「ふん………、この私に手を出そうとはいい度胸ね、低級妖魔風情が。」

自分の顔を掌で隠し、親指と人指し指の間から相手を片目で見据える、カリスマティックなポーズを決めながら周囲を取り囲む小鬼を見やる、魔法使いが一人。
やけに豪勢なマントを翻し、やけにトンデモな魔力をその身体から放つ女は、今日も元気に名乗りから入っていた。

「本来ならば声も聞けぬ私と相対できた……、その身に余る幸運と不幸に埋もれて、その身を朽ち果てさせぇぇええっ!!?」

かっこいい台詞を言っている最中に斬りかかられて、仰け反ってそれを回避。
中々のバランス感覚で転ばぬままに、切りかかってきた相手をきっ、と睨む。

「今めっちゃいいところだったでしょーよ! いいとこ! いいとこ!!」

ぷんすか。杖で地面をがっつんがっつん殴りながら怒る魔法使い。

アンリ > 「ほんっとにもう! いい加減にしなさいよ…!?」

ぷんすこ。
夕暮れ時にこんな場所を一人で歩いていては、当然囲まれるというものだが、全く怯える気配はない。
むしろ、お魚咥えた野良猫をおいかけているかのような日常的な感覚のままで、ぷんすこしている。

「まあ、………争いは同じレベルでしか起きないというし。
私のレベルまでお前らが達していな」

ごっ。

喋っている途中で後ろから殴られる系魔法使い。

アンリ > 「何してくれてんのよ……!」

みしり、と小鬼の頭を掴んで持ち上げる。めりめりと音を立てるかのように指が食い込んで、じたばたと小鬼が暴れてキーキーと声をたてる。
棍棒での一撃は、何か太い樹の幹を叩いたかのように弾かれて。
振り向きざまに魔法使いは、腕力に物を言わせて掴みかかってきたのだ。

「気が変わった。全員………ぶっ飛ばす。
かかってきなさい!」

腕力に任せて小鬼を他の小鬼に投げつけ、びしっ、と中指を立てる魔法使い。

なんか相手を馬鹿にする意味だって教えてもらった。
従者に話したら絶対にやるなと怒られた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「────おいィ……」

威勢よく声を上げている魔法使い?らしき女から、やや離れた場所で。
その光景を眺め、呆れたような声を漏らしているのは冒険者風情の金髪の男だった。

偶然に近くを散策していた所、異様に膨大な魔力を感じたので興味本位で足を向けてみた…のだが。
到着した頃には、女と小鬼がコントめいたなんかを繰り広げていた。
どういうことなんだ…となんとも言えない気分になりながら、こうして今に至っている。

「……魔法使いかと思ったら物理使いだったという顔になる。ってゆーか、どうしようかなコレ……」

いろいろとツッコミどころが多すぎて軽く混乱しつつ、こんな場面に居合わせた自分はどうするべきか、としゃがみ込みながら悩み始める。
おそらくあの様子では別に助太刀も必要あるまい。
容姿とかは好みだけどなかなか残念な感じだし、場合によっては黙って回れ右して帰るべきかな…とか考えだす始末である。

アンリ > 荒れ地の中央で乱戦が巻き起こる。
頭の上に凄く分かりやすい怒筋を浮かべた青い髪の女が、とっても魔法使いな杖を左右に振り回して物理で薙ぎ払い、背後から組み付かれれば投げ飛ばし、前から組み付かれればその身体をリフトアップした上で集団に投げつける。
一人無双乱舞。なんてこった、この女、ゲージが何時までたっても減らない!

最後の小鬼の首をがっしと掴んで持ち上げて、ボールを遠くに投げるかのごときフォームからの地面への叩きつけで、ビシッ、と締め。

ぜーぜー、はーはー、自慢のマントもボロボロになりながら勝利を納めると、どんなもんよ! とばかりに拳を突き上げてドヤ顔をして………見られていることに気がついた。



「………圧倒的な魔力の差も分からぬ哀れな生き物よ、命だけは取らないでおいてやりましょう。
これからは、私の姿を見たら住む場所を変えなさい。 それが貴方の生きる、ただ一つの道。」

片手で自分の顔を覆うカリスマティックなポーズと、なんか深そうな言葉を漏らす。
……ちら、と見て。

ドヤ顔をした。

エレイ > 目前で繰り広げられる乱戦をしゃがんで頬杖突きながら、能面の如き無表情で見守る。
組み付かれてもあっさりぶん投げるパワフルな姿に、おー、とか小さく声を漏らしつつ。

(──うん、強い。物理が。ってゆーかもうアレ杖じゃなくて鈍器になっている不具合)

殴打武器として使われている哀れな魔法使い的な杖に謎の同情を覚えたり。
そうしているうちに決着がついたらしく、マントをボロボロにしながらもガッツポーズをとっている女に再び意識をやる。

再びのカリスマ的ポーズとともに放たれた台詞には、もはやツッコむ気も起きずに無反応を決め込むことにしたが、視線をちらりと向けられたことでどうやら向こうもこちらに気付いていることを悟った。
ドヤ顔の女と、視線が合う。
自分も割と他人の前でドヤ顔を晒す方ではあるが、その時の相手はこんな気分なのだろうか。
なんて頭の片隅で考えながら、すっくと立ち上がると、

「………。さすが魔法使いは格が違ったな。見事な戦いぶりだと感心するがどこもおかしくはない」

と、ニヤリと笑いながら褒め称えた。
魔法使いの要素とか外見以外の何処にもなかったけど、もう考えないことにして。

アンリ > 「………フッ、どうやら分かる人には分かってしまうようね。」

相手の言葉に、こちらも落ち着いた声を返す。
正対していたので、一旦後ろを向いて。そこからばさり、っとマントを翻して正対し直す。

マントを翻す仕草に拘りのある魔法使い。

「……それでも、少し拘り過ぎて不覚を取ったところを見せてしまったわね。
見苦しい戦いだったわ。」

………ふ、っと僅かに微笑みながら、しこたま殴られたはずの頭を僅かに横に振る。

「……でもやっぱり、格の違い? 感じちゃう?
やっぱり見てて分かっちゃった? まあ、隠しててもわかっちゃうのよね、うんうん。」

えへへー、と嬉しそうに笑いながらくるくると回る魔法使い。
クールっぽいカリスマティックな素振りは長く続かないらしい。

エレイ > もはやある程度彼女の人となりというか、こだわりめいたものが概ね理解できてしまった男はわざわざ背を向けてまでマントを翻してみせる彼女の挙動にも笑みを崩さない。
……ただちょっと、視線は生暖かったかもしれないが、彼女が気づくかどうか。

「ハハハ……雑魚ども相手とはいえちょっと僅かに遊びすぎだったのではないか? まあ見てて面白かったからいいんだけどよ」

実際ちょっとあの乱闘は面白かった。コメディ的な意味で。

「……そうだな醸し出す魔力がオーラとなって見えそうになってる。すごいなーあこがれちゃうなー」

目の前で嬉しそうにしながら回り始める彼女を見て、『あ、この娘絶対ちょろい』とか確信しつつ、賞賛の言葉を並べ続ける。
ただ魔力がすごいと思ったのは事実だ。さっきの戦闘に一切関係無かったのが残念なところではあるが。

「…で、よければ一級魔法使いサンのお名前でも教えてほしいところなのだが。ちなみに俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというのだが呼ぶ時は気軽にさん付けで良い」

それから、彼女の名を問いつつ自己紹介もする。
何故かドヤ顔で。
多分先ほどの彼女に勝るとも劣らないぐらいのドヤ顔である。

アンリ > 「何、ちょっと遊んであげただけよ。
本気を出すまでもない。」

さっきまで全力ドロップキックとか、魔法使いの杖でのホームランとかやっていたわけだが、遊んでいたらしい。
しこたま棍棒で殴られていたが、遊んでいたらしい。

「え、ホント!?」

魔力が見える、と言った途端、目をは、っと見開いてあわあわと慌てて、しゃなり、と身なりを整えて息を落ち着ける。
するとみるみる魔力は引っ込んで、そこらにいる一般人レベルにまで。
どうやら、そこら辺は自由自在らしく。

「ふん、いいわよ。 私はアンリ。 魔法使いとして従者と共に世界を旅しているわ。
従者は街で待ってるけど。」

ドヤ顔に何故かくっ、と負けた気がして。
負けじ、とさらり、と髪を靡かせる。


……靡かなかったので手で梳きながら、さらりとその青く長い髪を揺らして。
その髪の隙間から覗くドヤ顔。ドヤ顔テクニックをワンランク上げて行く。

エレイ > 「……? 魔力出してるとなんか不都合でもあるのかね?」

魔力について言及したら、慌ててそれを引っ込める様子にはて、と不思議そうに首を傾げ。

「アンリだな、ほう奇遇だなおもえも旅人であるか。俺は一人旅をし手なんだが最近はちょっと思う所あってこの王国に滞在し続けている系の話があるのだよ」

ドヤ顔のままそう語っていると、何やら髪をいじったりとかして対抗しだした彼女。
ドヤ顔同士で見つめ合う残念な感じの男女というシュールな光景を繰り広げつつ、フフ、と笑うと片手をすいと上げ、彼女の顔に近づけて。

「しかしまああの強さに加えてこうも美人でスタイルもいいとなれば皆から羨望の眼差しを向けられたりするのではないか?」

なんて言いながら、彼女の顔にかかる髪を指先でさらりと撫でる。
ついでにその指先で軽く頬を擽って、肌の感触を確かめて見たりして。

アンリ > 「圧倒的過ぎる力は、いらぬ争いを呼ぶのよ。
………って教えてもらったのよ。」

追い出されたとはいえ、腐っても元魔王である。
その魔力を出しきった経験は無く、出し方もよく分からない。
下手な魔物に負けることは全く無いが、つまるところ一番危険なのは「魔王を狩ろうとする」人間くらい、ということで。

「思うところ、ね? まあ、ここは争いが多い場所だから、面白い場所でもあるけれど。
一旗でも挙げるつもりだったり?」

なんて、肩を竦めて相手に言葉を投げつつも、目をぱちくりとさせる。
髪を撫でられ、頬を指で擽られれば、くすぐったそうにくすくすと笑って。

「そりゃあ、………そうなんじゃないかしら。
まあ、強くて格好良くて美人でスタイルがよくて強いもの。そりゃあね!」

褒められた。めっちゃ褒められた。

調子と図に乗って、むふーん、と満足気である。
髪の毛は旅の途中、争いの後だというのにさらさらと流れ落ち、肌は見た目通りに若い肌。

エレイ > 「ああ…まあそれは確かにな。強いのに謙虚さも持ち合わせてるとかますますあこがれちゃうなー」

彼女の返答にうむ、と重々しく頷いてから、また無駄に褒めそやす。
ただ実際、あれだけの魔力を持っていながらそんな忠告を素直に受け入れているあたりは男としては好感が持てる。
なんかしら色々あったんだろうなあ、とか推察しつつ。

「確かに争いも多いがまあ他にも面白いことは沢山あるべ。…んー、そんなご立派なことではないが…なんかがココなら見つかるかもしれないから、かのう?」

問いかけにふむぅ、と唸ってから、いささか曖昧な答えを返す。
実際、この王国にやってきたのはほとんど衝動的なものであり、明確な目的があったわけでもなかった。
ただ、言葉にならないその「何か」。それを探して男は旅をしているようなものであった。

「ワハハハ…俺様も結構アンリに興味系のものがむくむくと湧いてきたりしている感。しかしまああれだけ暴れたのに綺麗なモンだなと感心顔になる」

触れても擽ったがるだけで抵抗がないのをいいことに、もっと近づきながらさらさらの青髪を梳くように撫でつけたり、間近で調子に乗ってる顔を眺めたり。
ついでにもう片方の手を回し、軽く腰を抱き寄せてみようとして。

アンリ > 「いいのよー、崇めても。
奉ってもいいのよー。えっへへ……」

どうよー、どうよ私ー。と言わんばかりの嬉しそうな顔で、褒められれば褒められるほどにテンションが上がっていく。

「ふぅん? 結構曖昧な理由でいるのね。
こんなに面白い場所、そうそう無いのは事実だけどさ。」

首を少しかしげて、相手の言葉に不思議そうに首をひねる。

争いが争いを産み、力が最も幅をきかせることができる場所。
強さがあればある程度の生活を送ることが出来、出自の問われぬ場所。

そんな場所で、己が魔界に戻る拠点を築き上げることが現時点での目標の彼女に取っては、ここは都合の良い場所である。

「ふっふん、そりゃー興味の一つや二つ、ないしは百くらいは持っちゃうわよね、わかるわかる。
でも私は高貴だから、あんまり触るのはふひゃんっ!?」

腰を抱き寄せられれば、びっくりして飛び跳ねて後ろに下がる魔法使い。
乙女だった。

「ちょ、ちょっと! いきなり手を回すとかびっくりするでしょーに!」

がんがん、と地面を杖で突いて、抗議の意を示す。

エレイ > テンション上昇中の彼女を微笑ましく眺める。
妹とか居たらこんなんかなー、とかどうでもいいことを考えつつ。

「実際冒険のし甲斐はあるしな。……そういうおもえはなんか明確な理由とかあるのか? いや言いたくなければ構わんが」

触れた時に、彼女がかなり強力な部類の魔族であることは把握した。
魔王の名ぐらいは名乗っても可笑しくはないレベルだ。
そんな彼女がこんなところで一人で遊んでいるのが不思議に思い、首かしげて問いかけてみる。

「──おっととすまにいあんまり魅力的な腰つきなのでついつい手がな。…ところでそれはいきなりじゃなかったら良いってことですかねぇ?」

腰に手を回せば跳ねて退がられ、その素っ頓狂な声とかオトメな反応にくっくと可笑しそうに笑いながら悪びれた風もなく口だけで謝罪。
それから彼女の言葉尻を取って悪戯っぽい笑みとともにそんな事をいうと、再びゆっくり歩み寄って離れた距離を詰めようと。

アンリ > 「ん? ……あー、そうね。
私のような圧倒的な力が紛れ込んでいても目立たないのは、戦場の近くしかないのよ。

……ってことだってさ。」

言えって言われた的な感じに言葉を返して、杖をくるくる手の中で回す。
カリスマティックな声を出すことにも飽きたのか、結局普段通りの口調で言葉を吐いて、肩をすくめる。
目立ちたくないらしい。一応。

「そういう意味じゃなーいっ!!」

がん、っと地面を杖で突いて、その杖を二人の間に置いてガード。

「ったく、魅力的なのはわかんなくもないけど、フツーいきなり触るぅ?」

ぷんすこ。
頬を膨らませて怒りながらも、激怒、という感じではない。
まあそれでも、ふしー、っと猫の威嚇のように怒っていた。

エレイ > 「言い訳がちょっと雑すぎやしませんかねぇ…まああとりあえず今は目立ちたくないってことだけは理解した感」

あからさまに言わされた感のある言葉に軽くツッコんでしまいつつ。
それ以上の込み入った事情は聞くまいと、大げさに肩をすくめてみせ。

「えー? 違うん?」

間を隔てるように杖を突き立てられると、足を止めながら不満気に唇を3の字に尖らせてブー垂れたり。

「ワハハハ……俺は好みの子を見るとガンガン行ってしまうほうだからよ、いきなりとかそういうタイミングは関係ないんですわ? お?」

猫の威嚇めいた怒り顔を眺めて楽しげな笑い声を上げながら、そんな事を抜かし。
歩み寄らない代わりに長い腕を杖を超えて彼女に伸ばし、ヨシヨシと宥めるようにその頭を撫で付けたりする。

アンリ > 「違うってば! ……ほら、魔力だけじゃなくて高貴さも溢れてるでしょ。
だから、そういうのはこう………順番って感じよね。」

ぶーたれたのに、ふん、っと鼻を鳴らして髪をさらりと靡かせる。

「………むぅう、………私は関係あるし。
ま、好みって言われて悪い気はしないけどね。
……慣れてるけどね。」

ふっふん、と、頭を撫でられて機嫌が元に戻る。
更に褒められて、へそを曲げることもなく機嫌を直してしまって。

「実際、こんなところを当てもなくフラフラ歩いてると危ないんじゃない?
私は遺跡帰りだけどさ。」

杖をひょい、と肩に担いで、不思議そうに首を傾げる。

エレイ > 「順番ねえ…何か段階的な目的なのか。まあアレだ、なんか困ったことがあったら俺様が協力しないでもないからよ、お前気軽に頼っていいぞ」

などと笑顔でのたまう。
仮にも元魔王を相手に、その強さを認識しつつも何処までも男は気軽だった。

「まああ驚かせてしまったことは俺も申し訳ないと思っているが特に悪気系のものは抱いてないので許してくれると嬉しいです」

あっさり機嫌を直した彼女に、やっぱちょろいなあ、なんて微笑ましくなりながら頭を撫で続ける。
その間にする、とさり気なく杖の脇を通り抜けて間近まで近づくが、今度はいきなり手を回すことはしなかった。

「ン? 確かに多少モンスター系の奴とは何度か遭遇したが雑魚ばっかりなので何の問題もないべ。俺も自慢じゃないがそこそこ強いのでな」

問いかけにきょとんと眉を持ち上げてから、ドヤ顔しつつそんな答えを返す。
ここから少し離れた場所には、男が倒した魔物の残骸がいくつか残っているだろう。
中には結構な大物もいたりしたが、まあそれは別の話である。

「…んで、アンリはこれからどうすんべ? 俺はただの運動兼散策でこれといった目的とかはないので暇なのだが、行くとことかあるならついていきたいなーとか思っちゃったりするのだが」

アンリ > 「ふぅん……… まあ、頼るまでもなく私は自分の力でなんとかなっちゃうし?」

ふっふん、と相変わらず100%ドヤ顔で述べて、ぐ、っと拳を握る。
確かにこの強さであれば、多少のことで困ることはあるまい。
根本の目的について伏せている以上、それ以外で困ってることは………そんなに無さそうだった。
頭の上にお花が咲いている系魔法使い。

「……まー、いーけど。
そんなに怒ってばっかりいても面白く無いしね。

ふぅん、まあ、こんなとこふらふらしてるのに弱いわけもないか。」

横に来ても、ちゃんと礼儀正しくしていれば怒ることはなかった。
瞬間湯沸器っぽいのにおっとり系でもあった。

「んー? ほら、さっきも言った通り、遺跡探索の帰り道ではあるから、こっからーって言うと街に帰るくらい?
今回の遺跡は外れだったしさ。」

なんて言えば、両手を開いて、収穫なし、を仕草で表す。

エレイ > 「ハハハ。その意見は『確かにな』と認めてはいるが、世の中ってのはいかんせん力でもどうにかできないことが稀によくあるからな。ま、今のところ困ったことがないならそれはそれで良し」

彼女の頭上にお花を幻視しながら、それでも笑いつつ一応忠告だけはしておく。
無駄に親身である。

「そうそう怒り顔もキュートだったが笑ってたほうがもっと可愛いしな。
しかしアレだ、その様子だとアンリは男との経験とかはあんまない感じですかな?」

側に立ちながら猫にするように頬を指先で撫でながら、にへらと笑って。
それから悪戯っぽくそんな事を問いかけたり。

「そうか…ならその帰りについていく以外ないだろうな。ついでにせっかくだから街でなんかメシでもおごってやろう」

返答にふうむ、と顎に手を当て唸ってから、笑顔でそんな提案を。

アンリ > 「力で足りない分は、高貴さと可愛さで何とかするし?」

ぺろ、と舌を出して片目を閉じ、くすくすと笑う。
元魔王は今日もイケイケであった。全く動揺する気配も見せぬ鉄壁の揺るがぬ自信。

「……ぇー、っと、何言ってんのよ! っていうか何聞こうとしてるのよ!
撫でるなっ!」

むきゃー! とやっぱり怒った。
失礼な質問には怒るのであった。顔を赤くして怒るのであった。

「ん? ……ちっちっち。 高貴な私は誰かの施しを受けることはしないのよ。
他人に貸しは作っても、借りは作らない性質でね。」

指を横に振って、ぱちーん、とウィンクと共にそんなことを言う。
あくまでも人と魔族。その境界線は彼女の中で、曖昧なようではっきりとしている。

魔族は契約を大切にする。
利益を基本とした協定が、如何に重要か………彼女は脳天気なようで、そういった教育はちゃんと受けていた。
頭が悪そうで悪くはない少し悪い元魔王だった。
故に、そんな返事を返す。

「食事を一緒にしてあげてもいーけど、勝手な行動は無し。
これでいーなら、ね。」

ところどころ残念ではあれど、話しぶりも態度も、堂々たる姿。

エレイ > 「さいですか。まああそれならこれ以上は何も言わにいが」

彼女の悪戯っぽい表情に、眉下げて仕方なさ気な笑みを浮かべ、大きく肩をすくめてみせる。

「ウヒャヒャヒャ……そんな態度を取っていては言わなくても雄弁に語っているのと同じなんだが?」

赤い顔でまた怒り始めた彼女に、両手を挙げてのけぞりながらも愉快げな笑い声をあげつつさらにからかってみたりする。

「────ほう。そんな施しとか小難しく考えるような話でもないのだが…まああそういうことなら了解した俺もどちかというと対等な関係のほうが好きだからな」

頭にお花な彼女が見せる意外な一面に、少し驚いたように眉を持ち上げ。
それから彼女の意を汲むとして笑顔で頷いた。

「じゃあとりあえずこれから友達(フレ)の第一歩として、一緒にメシ食おうぜ。割り勘でな」

などと、勝手に友達認定しながらポンと促すように肩を叩くと、町の方に向かって緩やかに歩き出す。

アンリ > 「っさい! そういう失礼な口を聞くんじゃないのっ!
ったくもー、絶対答えたりしないんだから。」

腕を組んで、ぷい、っと横を向いてしまいつつも、一緒に歩き始めるとしよう。

「ダメなのよね、そゆの。誰かに借りを作ってると、気持ち悪くて仕方がないのよ。
そーゆー性質なんでしょーね。」

これも一つのノブレス・オブリージュ。
彼女自身は認識していないほどに無意識レベルで流れる、根底の感覚。
認識ができていないのだから、曖昧模糊なぼんやりとしたものではあれど。

「んじゃ、行きますか。
……友達、ねぇ。 妙な奴。」

悪魔が肩を竦めて、首をひねりながら………街に向かって歩き始めて。
相手が何を言おうと、そんなに咎めたりせずに受け入れる。

失礼だと彼女の感じる、乙女回路を刺激しないレベルのものであれば。

エレイ > 「あもりカリカリするなよそんなんじゃすぐにはげる」

そっぽ向いた横顔を楽しげに覗き込みながら、それでも並んで歩き始めた彼女と歩調を合わせ、のんびりと荒野を歩き出す。

「口だけじゃなく精神も見事な高貴さだと感心するがどこもおかしくはないな。
ただまあ、もうちょっと僅かに緩く考えてもいいとは思うがな」

男も一応は王族であるので、そういった感覚は理解できる。
ただ、親の教育のためか、それとも旅の経験からか。
妙に考えが柔軟というか、緩すぎるほどに緩かった。

「失敬な……よく言われるけど」

妙な奴扱いされてまたブー垂れつつ。
そうして適当に談笑しながら、街へと共に向かっていく。

道中ではたぶんまた、軽く失礼な事をぬかしては怒らせたり、褒めて宥めすかしたりして。
街で食事を済ませて別れるまで、楽しく(?)一緒の時間を過ごしたようで──。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアンリさんが去りました。
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