2015/12/14 のログ
■魔王アスタルテ > (アスタルテの興味は賊に微塵もなく、
この付近にいる盟友たる魔王に向けられている。
その魔王の魔力を持つ狼がこの場に二匹現れる)
『お、狼だ!!?』
『さっきの悲鳴は、こいつらの仕業か……?』
『慌てるな……。俺達はこれだけ人数がいるんだ、落ちついてやれば狼なんぞ殺せる』
(賊達は剣や槍、弓などをそれぞれ構える。
この賊達、三下のわりには意外にそこそこレベルが高いのか、中には魔術師も混ざっていた。
だが抵抗も虚しく、狼二匹に次々と噛み砕いていく)
『ひいいいいい!!!』
『か、かなわねぇ……! 退け!!』
『ちくしょおおお!!』
(血飛沫が舞い、紅で森を染めていく。
阿鼻叫喚とする賊。彼等にとっては地獄絵図にも映る事だろう)
「あははー♪ 君達はそんなに暴れたかったんだね~♪」
(賊達が次々に狼に噛み殺される光景を見て、アスタルテは愉快気に笑う。
同時に、彼等の餌をわざわざ奪わなくてよかったと、内心思うのであった。まあ、アスタルテは元々賊なんぞに関心はなかったので、サタンの眷属たる狼が現れなければ彼等は生きて帰れていた事だろう。
やがて、賊達数十名が全員、サタンの眷属たる狼の牙の餌食となるだろうか。
血だらけになった森。周囲には、賊の死体が散乱しているだろう。
アスタルテは二匹の狼に近づき、にこりと無邪気な笑みを浮かべる。
そして狼の一匹に優しく頭に手をのせようとする。
大人しくしているならば、そのまま頭を撫でる事だろう)
「久しぶりだね~。サタンは元気にしてるかな?
あははー♪ この近くにいるんだから、会いにいけばいっか~。
それにしても、毛がもふもふしてて気持ちがいいね」
(そのまま二匹の狼と共に、サタンのもとに向かう事になるだろうか)
■魔王サタン > 恐らく先ほど仕留めた賊の本隊だろうか。
奇襲による一撃からも立ち直ろうとする辺り、戦い慣れした連中なのかも知れないが、ただの野生狼と彼らは違う。
彼らの主が治める領地にて、彼らよりも年上な狼らに習い、学び、身につけた狩猟者としての能力。
相手の獲物を見極め、怯えや狼狽といった感情を読み取り、魔力の流れを感じ取り、そしてまるで番のように二匹は連携を取り狩りを行う彼らを、侮った時点で賊の彼らに待ち受けるのは、餌としての末路だけであった。
薄暗い森に広がる血飛沫と肉片散らばる地獄絵図。
狩りを終えた彼らは、爪牙と纏う毛に付着した血肉を振り払い、大木の傍より歩み寄ってくる少女へと、自らも歩み寄り、少女の前尻尾を下ろしお座りのまま、口端より舌先を覗かせて、向けられる無邪気な笑みへと、クゥーンと甘啼きしながら頭を撫でる掌を心地良さそうに受け容れ。
彼らの主の存在を察知していたらしい少女が紡ぐ言葉には、ワフッと一吼えで応え、彼らの主の下へと少女が歩みを進め始めれば、まるで子犬のように頭を擦り寄らせ、じゃれつきながら、主の下へと戻ってくるだろう。
どうやら彼らはこの小柄な魔王の事が大好きなようであった。
そして、眷属達が狩猟を終えて帰って来る気配ともう一つ、昔馴染みのように知っている強大な魔力の気配を感じ取れば、男の紅の双瞳は、その気配の先へと向いて、半分が灰と還った細葉巻を口許より離し、指先に火を灯し全てを灰に返した。
「――…随分と懐かしい…そう、本当に。
……久しぶりだな……アスタルテ。」
旧い懐かしい友との再会に、普段堅物なこの男にしては
珍しいほどに、その表情は双眸は緩く目尻を細め
口許は緩く弧を描き口角を微かに持ち上げて浮かべる笑み。
そして、先ほどまで煙草を咥えていた片手はゆるりと持ち上げ掌を見せての挨拶のように。
懐かしい同僚であり盟友である少女へとそれらを向けていた。
■魔王アスタルテ > 「良い子良い子~♪
きゃはっ♪ 可愛い♪」
(二匹に平等に頭を撫でたり、じゃれついたりしながらサタンのもとに向かう。
その光景は、少女が子犬を可愛がっているかの如き。
そして久しき盟友が目に映る距離まで来ると、子供らしき無垢な笑顔で手を振りながら駆け寄るのだった)
「やっほ~、サタン♪
おひさ~♪
こんな森の中で奇遇だねー。
元気してた?」
(そしてサタンの前に立ち止まると、彼との再開を大いにに喜びつつも、ちょっぴり嫌な顔をする幼女な魔王。
その原因は、サタンが今吸っている煙草だった。
この魔王、外見が幼女だからか、幼女らしくお酒や煙草は苦手である)
「その、ごめんねー、サタン。
あたしが煙草苦手な事は知ってるよね?」
(そう言って、子供っぽく無邪気ににこりと笑う)
「サタンもお散歩?
この辺り、良い感じに暗い雰囲気出てるもんね。
いっそ、周辺の賊がびっくりしちゃうようなダンジョンを作成しちゃうのもありだね」
(アスタルテは、二匹の狼の頭や背中を撫でてじゃれていた。
舐められれば、喜ぶだろう)
■魔王サタン > 子犬のように見える彼らだがその存在は狼。
されど、少女の持つ高い王としての質と向けられる純粋な優しさに惹かれ、その目を大きく見開き遊びたいと訴えじゃれつき甘え、少女が駆け出せばその動きに合わせ彼らもまた駆けて、自らの主の前へと駆け寄る事となった。
「あぁ、体調に問題は無い。
アスタルテこそ、息災であったか?」
駆け寄ってくる盟友との邂逅と交わす言葉へと応えを紡ぐ。
しかし、男の手前にてその表情に僅かな翳りの色が浮かぶのを察すれば、ふと先ほどまで吸っていた煙草の件を思い出し。
「――…すまん。
彼らの遊びの間、暇潰しだったのでな。」
ヘビースモーカーではないが、暇を潰すのには丁度良いと
味わっている煙草を少女が苦手なのは無論知っていた。
故にあっさりと謝辞を述べて、己の身と衣服に纏わりついた香りを、僅かに纏う魔力を増大させて波動を生み出し、その余波で煙も香りも霧散させ。
「散歩、というよりも彼らのストレス発散だな。
若い連中故か、どうにも遊びたがってうるさいのでなぁ…。」
少女によって撫でられて擽ったそうな二匹を双瞳は眺め、はぁ、と溜息混じりに言葉を紡ぐ。
「作るのは別に止めはしないが、そうなるとうちの連中の遊び場が減ってしまうな。」
先ほどの惨状を遊びと評してしまう男であったが、自らの領地と同じように深い森と、そこに住まう今回のような賊の連中が、少女の作る魔境によって居なくなると、ガス抜きが聊か面倒になると、二匹へと向けた双眸はそのままに再度溜息を零した。
頭や背中を撫でられて嬉しそうに甘える二匹は、撫でる掌へと舌先を伸ばし、ペロペロとその指先を擽るように舐めてじゃれついた。
もうその様はどう見ても子犬でしかない。
■魔王アスタルテ > 「あははー♪ あたしはいつでも元気だよ~」
(その笑顔からも、健康である事がうかがえるだろう。
アスタルテはいつでも元気だよー)
「まあ、煙草は大人の嗜みの一つだもんね。
あたしこそ、邪魔しちゃってごめんね。
それにしても、眷属達のお遊びに付きあったりで、サタンってけっこー面倒見がいいよね。
こんなにも可愛らしい狼ちゃん達だから、そうなっちゃうのも分かるけどねー」
(じゃれあっている狼の頬と自身の頬をスリスリさせる。
もふもふとした毛皮を堪能するよ~)
「若い子は、存分にお外で遊ばせるに限るねー。
あははー♪ 賊を噛み殺しているこの子達は、すっごく楽しそうだったよー。
若い連中と言えば、あたしの配下の魔族達もティルヒアの一件でどちらかの陣営に付いて存分に暴れている者もけっこーいたね。
もうティルヒアの都も王国軍に制圧され気味で、間もなく終戦を迎える時期だから、配下達には撤収命令を出しているんだけどね」
(サタンは王国陣営に賭けており、アスタルテはティルヒア陣営に賭けている。
まあ、もうどちらが勝つかは決定しているようなものだ)
「あー、そうだよね。
この子達の遊び場を奪っちゃだめだよね。
それじゃあ、ここでのダンジョン作りはやめておくよー。
この子達が羽を伸ばせる遊び場は大事だもんね」
(先程の惨状を遊びと評すのはアスタルテも同じ。
溜息を吐くサタンに、アスタルテは優しく述べる。
サタンもこの子達も凄く大事だし、元よりダンジョンを作った結果同胞たる魔族が困るんなら、アスタルテにしてみれば本末転倒である)
「あはっ♪ あははー♪
もぉ~、くすぐったいよ~♪」
(掌を擽るように舐められ狼とじゃれつく魔王。
その様子は子犬と遊ぶ幼女そのものだった。
狼ちゃん達はとっても良い子で、ほんとに愛らしいよ~♪
アスタルテは狼二匹を仰向けに寝かせて、お腹を擽りにかかる)
「こしょこしょ~♪
おかえしだよ~」
■魔王サタン > 「そうか。まぁ、ならば良いのだ。
笑っているアスタルテを見ていると我も和む。」
明るい声と笑顔を浮かべる少女の姿を見るのは
どうやらこの男にとっても好む所であった様子。
同僚、盟友、そうした関係も勿論あるが
小柄な少女の明るい所作を見ていると、堅物な男手すら
ほっと和むらしい。
「いや、嗜みではあるが
苦手な者の前ならば控えるの嗜む者の義務だ。
あぁ、彼らもゆくゆくは我の軍勢として働いてもらわねばならぬしな。
それに、我に忠義尽くす我の眷属達だ。
その忠義には主としてしかと報いてやらねば、彼らとの信頼など築く事できまいさ。」
柔らかな黒毛が少女の頬を擽り、彼らもまた少女との触れ合いを嬉しそうに尻尾をぶんぶん左右振り喜びを示す。
「ほう……我はどうにも此度の動乱には出遅れたのでな。
この辺はどうも、アスタルテほど手腕良くは行かぬ。
我も真面目に王の責務はしているつもりだが、やはりお前にはまだ及ばぬなぁ…。
まぁ、本来ならかの都で彼らの気が済むまで遊ばせるかとは考えたのだが……。
例の加護の存在もあるしな…。」
幾分か大罪の王達は皆個性が強いが、少女の王としての手腕、指導力は男にとっても見習うべき箇所であり、やはり今回の動乱にも介入をしていたその手腕を男は自らと比べ、やはり高く評価していた。
賭けの結果はほぼ見えてはいるが、ティルヒア陣営がどういう末路を辿るかも所詮は娯楽の一つでしかない。
まぁ、賭けには恐らく勝つだろうという一点においては安堵しているのだが。
「すまぬな。
まぁでも、そうした優しさあるアスタルテだからこそ、彼らは懐くのだろうな。」
この森が残される事についての感謝を述べ、ふと同胞思いな王の見せる優しき王だからこそ、少女が率いる四天王は勿論、軍勢も少女へと絶対の忠誠を誓うのだろうと、自らの眷属の懐き具合を見て思う。
既にこの幼き姿の魔王に完全に懐き、遊びたがる二匹は
少女の求めるとおり、森の中仰向けに寝転がり腹部を晒して
擽る手の動きに身をくねらせて心地良さそうに、擽ったそうに身悶え触れ合いを楽しんでいる。
遊びたい盛りの若い狼は、寝転がりから一点して身を起こせば、幼い少女の身体へと抱きつくようにして、押し倒してしまえば、舌先はペロペロと少女の顔を舐めて、ブンブンと嬉しさを示すように尻尾を振り乱すだろう。
そんな一時の魔王との触れ合いを、男は何処か保護者のような面持ちで眺め、満足するまでじゃれあいを見届けるのだった――
■魔王アスタルテ > 「あたしで和んでくれるのは、とっても嬉しいよ~」
(そう言って、アスタルテはにこりと無垢に笑う)
「やっぱりサタンは、紳士だね。
この子達が立派に育っていくのが、楽しみだよー。
そうだね。
君主は、眷属や配下の忠義に報いなければいけない。
それが“王”たる資格を持つ者の義務だね」
(それはサタンと同じくする“王”の言葉だった。
その言葉は狼とじゃれ合う小さな少女からは想像できない、魔王たるカリスマを帯びたものにも感じられるだろう。
その“王”たる志しを根強く有するサタンには、アスタルテも敬意を称していた)
「そっかぁ。
まあ、あたし達には直接関係ない戦乱だもんね。
王の責務で忙しいところもあるだろうし、
少々出遅れちゃうのは、仕方がない所はあると思うよ。
あたしはまあ、前もってティルヒア陣営に配下を送りこんで情報を先に手に入れたりもしていたからね。
サタンのその“王”たる者としての強い志は、あたしも敬意を称しているよ。
暴れたい者は、縛ったりせずに暴れさせる。
加護や戦場での不測の事態に関しては、あたし達魔族の上層部がちゃんと対処していけばいいからね。
遊びたがっている魔族が安心して存分に遊べるように、あたし達がしっかり支援していければいいよね」
(その言葉もまた、“王”たる者としてのものだった。
実際、神龍が現れるなどの不測とも呼べる事態はいくつか起こり、その対処を行っていた。
アスタルテは一時期、オリアーブに赴く魔族達の支援や救出などに追われていた。
オリアーブにおいても、アスタルテは自身が抱く使命『魔族や魔物を束ね、導く』事を全うしたと言える。
賭けは、まあ負けちゃうけど)
「あたしこそ変な提案してごめんね。
これから育っていくこの子達の遊び場は、大切にしなきゃだもんね。
そんな大切な場所を魔王として潰しちゃうわけにはいかないよー。
あははー♪
この子達が懐いてくれるのは、すっごく嬉しいよ~。」
(感謝をのべるサタンに対し、アスタルテはダンジョンを作ろうなんて提案した事を反省していた。
最もダンジョンを作るには本当に適しているかの調査を行うが、もし実行していれば、危うくこの子達の遊び場を取り上げちゃうところだった。
そして、自身の眷属の遊び場の事ちゃんと考える名君サタンにはやはり感心するのであった)
「あはっ♪ あははー♪
もぉ~君達は可愛いなぁ~♪」
(狼達のお腹を擽り、心地よさそうに身をくねらせる様子を見てアスタルテは楽しむ。
今度は反撃だ、と言わんばかりに狼は身を起こし、そしてアスタルテに抱きつきにかかる。
狼に押し倒されたアスタルテは満面の笑みで顔をペロペロ舐めていた)
「そんなに舐めちゃくすぐったいよ~♪ あはは~♪」
(それからしばらく、アスタルテと狼二匹はじゃれ合う事になる。
サタンは結構長い時間、その様子を見届ける事になるだろう)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/鬱蒼とした森」から魔王アスタルテさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/鬱蒼とした森」から魔王サタンさんが去りました。