2015/11/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にイルミさんが現れました。
■イルミ > 「えっと……あ、あったあった。これと、これと……ふふっ、今日は大漁かも」
茂みを構成している低木がつけている小さな赤い木の実を、熟しているものを選んで一つ一つ摘み取っては手から下げた籠に入れていく。普段からこうして薬の材料を集めているのだが、今日に限ってはそうではなかった。前にこの木の実を使って作った薬が驚くほど美味しく、いい香りがしたので、いっそ薬ではなくジュースの材料にした方がいいかもしれない、と思っていて、
「……ジャムにするのもいいかな?パンに塗ったりとか、うん、ソースにしてもお肉に合って美味しいかも……あっ」
色々と考えながら別のポイントに移動しようと一歩踏み出すと、茂みの枝の一本がマントに引っ掛かって思い切りすっころんだ。反射的に守ったのは自分の体ではなく木の実と弁当の入った籠で、思い切り尻餅をつくことになってしまう。
■イルミ > 「いっ……!……たたた」
マントごしに尻をさすりながら、この程度で済んでよかった、とも思った。本当に痛いときはすぐには声が出なくなってしまうものだからだ。例えば本棚から分厚い辞典が降ってきて頭に直撃した時なんかは、あまりの痛さにその場にうずくまろうとして、飛び出ていた別の本に額を打ち付けてしまったり……。
「なんで痛いときにもっと痛いことを思い出そうとしてるんだろう……」
呆れたように呟きながら、自分のドジさ加減に溜め息をつく。ドジをした時は慌てて行動するとまたドジを重ねてしまう。幸い今は特に急いでいるわけでもないので、とりあえず尻の痛みが引くまでゆっくり座って休むことにした。