2023/04/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシルスフィーネさんが現れました。
■シルスフィーネ > 穏やかな昼下がりの街道筋を馬車がのんびりと進む。
それは王都と地方都市とを定期的に行き来する乗合馬車だった。
乗っている客の数は、そう多くはないものの、閑古鳥というわけでもない。
便利さと値段の安さに、少し懐に余裕のある者ならよく利用する交通手段だった。
ただお値段並みの簡単な幌が付いただけの車体は、比較的整備された道であってもガタゴトと大きく揺れてしまうのが難点で。
御者から西の山のほうに行くともっと道が悪くなると聞かされると、ぞっとしてしまう。
「これなら歩いたほうがマシだったかもしれませんね……」
ちょっとした依頼で遠出をすることになった少女は、小さく溜息を吐いてゆっくりと流れる景色を眺めていて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にリュークさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からリュークさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からシルスフィーネさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にカジャさんが現れました。
■カジャ > メグメール街道の地面を這い進むのは黒い染み。
街道の真ん中で蠢くそれは一見して何かの影に見えるが決して影などではない、その黒い影に見える何かは街道に滅多に姿を見せる事がない危険な魔物である。
夜の帳が下りて闇が支配する街道。
その姿を肉眼で確認するのは難しいだろう。
手に持った明かりで照らそうとすれば辛うじて黒い何かが明かりを弾いてぬらりと輝くのが見えるが。
――…カジャ。
呪詛の塊であり一説に寄れば邪なる神の眷属や肉片とも言われる魔物だ。
今宵は移動するに都合の良い、蛸と呼ばれる水棲生物の姿を真似て、行き先当て所なく彷徨い這いずっている。
その這いずるに使う八本の脚すべては微細なヘビの鱗に包まれ、その微細な鱗は黒曜石を思わせる黒く艶やかな輝きを宿し、時折夜空から降り注ぐ月明かりを弾く。
――成長と生存そして繁栄。
それを叶える為の獲物を探して今宵も蠢き続ける。
■カジャ > 長い八本の手足を伸ばせば大きさは人の大人ほどもあり、胴体だけで人の子供に匹敵する胴体。
そこから伸びる長く太いその手足を使い地面をずり這えば、その這い進む軌跡に黒く粘る液体の染みが残る。
足取りは重々しく一歩一歩前へ前へ。
ずりと音がして、ねちゃりと音が追い、黒い染みが残る。
動きはあくまでも緩慢であるが、それは視覚をつかさどり同時に能力の要である赤い単眼に獲物が映っていないからだ。
当然ながら獲物を前にすれば、その俊敏さを嫌と言う程味わう事となるだろう、
しかし今は獲物を探す事に魔物は意識を傾けている為に非常に鈍重な印象を与える動きで、街道を這いずり進んでいるのであった。
暫く獲物にありついていないのか、獲物を探しギョロギョロと辺りを見渡す単眼は既に幾筋も血走っていて、その姿、その動きは一層異様なものとなっていた。