2023/01/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 首のない馬が 駆けていく。

それはまるで髑髏の騎士や首無し兵が乗りこなす為にあるかのような妖馬 怪馬の類
首の根に近い部分で綺麗に切断された部位には銅板の蓋が嵌め込まれている。
しかし蹄が力強く 体に浮き上がる肉の逞しい凹凸 蠢き
どんな顔立ちだったのかと思わせるような体だった。

首から下だけしか見えなくても、そこがたまらない造形で包まれていたなら
女も馬も変わらない視線を向けられる。
逆にそうだからこそ、より一層、その妖しさを醸し出す。


跨るメイラは、鎧姿ではない
しかし愛馬足る首無しの胴体には槍を備えており、腰には直剣類に見える副武装まで備えている。
表情は穏やかなもの 白い吐息 冷たい空気の中 鼻や頬が赤くなることがないのは
巡る血の熱さが勝るのか 少なくとも人よりは強いことに違いない。


「偶には遠乗りも悪くありませんわね。
 戦場以外で風を感じるようなこと、最近はありませんでしたもの。」


顔にまた、いくつか新しい傷跡を造る女の表情
メイラは、最近アスピダではなくタナール方面に顔を出すことが多くなったせいか
傷跡がまた増えては埋まり、増えては埋まりを繰り返している。
愛馬と気まぐれで出かけた街道だったものの、愛馬に一番適したものを手に備えこうして早歩き程度の速度
カポカコと蹄の音 石床を叩く革靴の踵の音色と同じくらいには好ましい。


「狼程度なら、貴方にも寄ってこないでしょうしね。」


生き物でも人間でもないものがうろついている
馬という肉の塊とは野生の中で生きる狼ら動物には認識できず、近づくことはないだろう
久しぶりのデートに、無き場所からブルルと声が聞こえる。
その首筋を撫でながら、王都周辺の街道で小話でもはずもうか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。