2023/01/09 のログ
タマモ > 背後に回れば、その頭の上に揺れるものが視線に入る。
はた、と気付いたそれに顔を寄せ、ちゃんと見れば。
それが本物の耳であると、すぐに分かる。
獣人か、ミレー族とやらか、そんな二択が浮かぶのは、そうした存在に出会っているからで。

そんな事をしていれば、お探しものが見付かったらしい。
声を漏らす…とりあえず、今は幼女としておこうか…その反応に、視線を向ければ。
そこにあるのは…寝床?っぽいもの。
それを見付け、そちらへと向かう、その背後に付いていき。
寝床の側へと着いた、そのタイミングに合わせ。

「わっ!」

と、声を上げ、ぽんっと両肩を軽く叩き、驚かすのだった。

ステイラ >  
「ふにゃぁああああ!!?」

突然の大声に、思わず両手を上げて飛び跳ねる小さな子。
振り返りながら、わたわたしつつ、その視界に入ったのは当然、彼にとっては見知らぬ人物。

「にゃ、にゃぁああっ!だ、だれぇえ!?」

咄嗟に今更ながらに頭を隠しながら、叫ぶように問うてくる姿は年相応の幼子らしい。
寝床のことなどすっかり忘れてしまっているようで、狐のような尾とあまり馴染みのない衣装の相手を、怖々と見ている。
その怯えた様子とは裏腹に、その視線にはどこか好奇心も交じっていたが。

タマモ > 驚かせてみれば、見事な程の、驚きっぷり。
目の前で、両手を上げて飛び跳ねる幼子の姿に。

「あぁ、そう、それじゃ。
妾が求めるのは、そうした反応なのじゃ!
良い、とても良いぞ?」

あっはっはっ、と笑いながら、頭を隠し振り返る、幼子を見詰め。
満足そうな笑顔を浮かべ、そう伝えるのだ。

「おっと、誰かにまず名を問うならば?
自身から名乗るのが、礼儀ではないじゃろうか?」

いきなり驚かしておいて、礼儀を語るなと言われそうだが。
怯えと…不思議と混じる、好奇の視線を受けながら。
ひらひらと、挨拶代わりにか手を振りながら、そう問い返すのだ。
ただ怯えるだけでない、そんな幼子の様子にまた、己もより興味を抱き。

ステイラ >  
「にゃにゃ…っ!たしかに?
ボクはステイラ…だけど…おねーさんは?」

その言葉に、ふむと一つ考え、名乗りを上げる。
言われて見ればその通りだと、そう納得してしまうあたり、なんとも純粋無垢である。
ともあれ、マジマジと相手の様子を伺いながら、こてりと首を傾げながら問い返す。

そこにあるのは警戒の色、というよりも好奇心の色。その容姿と雰囲気から危ない相手ではない、とそう判断したのだろう。
なによりひらひらとあいさつ代わりに手を振るような仕草を見せるものだから、尚更に警戒が薄くなったのだ。
それが幸か不幸か、どう転んだものかは分かったものではないのだけれど。

タマモ > 「………」

あぁ、こんなに素直に返されるとは…
とか、心の中で呟きつつ、少々思いに浸った後。

「ふむ、ステイラか…?…まぁ、良いか。
妾の名はタマモ、覚えておくも忘れるも、お主次第じゃろう」

己もまた名乗る…前に、幼子の言葉に、雰囲気に、かくん?と軽く首を傾げるも、返しておき。
様子を伺う幼子、その視線を重ねるように見詰める。
意外な程に、あっさりと薄れる警戒の色、強まる好奇の気配。
自然と、頭の中に色々と浮かべてしまうのだが、それは後としておいて。

「して、ステイラ?
こんな場所に、こんなものがあるんじゃが、ここには何かあるんじゃろうかのぅ?」

警戒が失せる幼子…まぁ、警戒の色が残っていようと、行動は変わらないのだが。
そんな幼子に、するりと流れるような動きで、歩み寄れば。
その手を肩に回し、添える事が出来れば、その体を抱き寄せようとしながら。
目の前にある、寝床らしいものを、視線で示し、そう続けて問うてみた。

ステイラ >  
「タマモさん……って、ふにゃ…っ!え、えっと…」

幼子を抱き寄せようとすればあっさりと小さな身体は抱き寄せられる。
子供特有の体温に、ふわふわもふもふとした触り心地。
そうやって抱き寄せられた子供の方はといえば、急な出来ごとに少し慌てるものの。
相手が自分を害するような相手でないと今は思っているのだろう。
ちょっとだけ、ドギマギしながらも、抵抗する事無く抱かれたままに言葉を続ける。

「ちょっとまえにつかった、ボクの寝床だにゃ。
もう日もしずみそうだから、ここで休んでいこうと思って……。」

そうして続けられた返答は、特に何の変哲もないありのままの事実。
特にここに何かを隠しているわけでもない。
しいて言えば、軽い魔物避けの加護があたりにかかっているくらいである。

タマモ > 「うむ、よろしくのぅ?」

抱き寄せるのも、簡単なものだった。
小柄な体、その感触を楽しむように、抱き寄せたまま。
そんな幼子の様子に、楽しそうな笑みを浮かべつつ、唇を頭の上で揺れた耳に寄せ。

「寝床か…しかし、ここに一人寝るには、ちと寒くないか?
大きさ的には、ちょうど良さそう、ではあるが…」

木箱に布だけだ、普通に考えて、そう思うのは当然の事だろう。
そうした、当然とも思えるような、問い掛けをしているのだが。
その問い掛けは、幼子の耳元で、吐息の掛かるようにされるもの。
そんな行為での反応、それも楽しむものなのだが、そんな考えに到るものではないだろう。

ちなみに、何かしらの力、それ自体は感じるが。
それがどんな力を持つのか、までは分からない。

ステイラ >  
「にゃぅ…っ!?」

鋭敏な耳元に寄せられた唇に、わざとらしくも吹きかけられる彼女の吐息。
ぞくりとする感覚に思わず声を漏らし、耳を庇うように身をよじる。
だが、逃れられない程度に抑え込まれており、逃げられるはずもなく。
なんとなく、悪戯されている感じにちょっとだけ頬を膨らませながらも答えていく。

「ねるだけなら、ちょっとがまんすればいいし。一晩くらいならへいきだにゃ。」

雨が降れば木箱の中にひっそり身を潜ませればいい。
……と、なんともまた、サバイバル染みていると言うべきか、考え無しとも言えるか。
ともあれ、その程度の事なら我慢できる、と答える辺り、少し強がりなのかもしれない。

タマモ > 「…おや、どうかしたかのぅ?」

掛かる吐息に、耳を庇い、頬を膨らませる幼子。
そんな反応を見せれば、満足気に頷きながらも。
すっとぼけたような、そんな言葉を向け。

「いやいやいや、そうした油断は、風邪の元じゃぞ?
天候の変化でも、どうにかなるような、洞穴とか、樹の洞とか。
そうしたものの方が、良いと思うがなぁ」

ぱたぱた手を振って伝える言葉、さすがに、あの箱を見たら心配になるのは仕方ない。
強風とかでも、吹っ飛びそうな感じだし。
そもそも、この季節の寒気なんて、防げる訳がない。
なので、それよりもマシな、そんな意見を述べてから。

「まぁ、そろそろ日も落ちるか…
そこらの者に問えば、ちょうど良い場所くらい、すぐ見付かるじゃろう。
良かったら、ステイラもどうじゃ?
こんな場所で、せっかくこうして会えたのも、何かの縁、と言うものじゃろうし?」

そんな問いを、幼子へと向けるのだ。
まぁ、断られても、連れて行く気は満々な訳なのは。
抱いた肩で、幼子の体をこちらへと向けて。
ずぃっと鼻先が触れる程に、顔を寄せながら問う、その行動が現わしているのだが。

ステイラ >  
「にゃ、にゃんでもない…!」

強がるように、或いは誤魔化すようにそう告げて。
抱かれたままの相手に向き直りながらも、顔を逸らす。
その表情はどこか恥ずかしそうに、頬を少しだけ染めて。

「うにゃ……他の場所はちょっととおいし、あぶないから。」

とはいえ、続けて言われた言葉はその通り故にどうにも返される語気は弱い。
強風でもあれば飛ばされてしまいそうだし、そうでなくとも大雨だったら木箱程度で雨が凌げるはずもない。
この季節の夜、凍えてしまいそうなほどに寒いのは尤もで。

だからこそ、問われた言葉、その提案はとても魅力的に幼子には映る。
鼻先が触れそうなほどに顔を寄せられて問われると、これまたドキリとしてはしまうが。

「……で、も…えっと、場所探し、てつだってくれる、の?」

それは渡りに船な話であって、断る理由もなければむしろ嬉しい申し出である。
ただやはりというかなんというか、見知らぬ相手への警戒心はまだあるようで。
おどおどとした様子で見上げつつ問い掛けてはいたのだが。

タマモ > いやはや、こうした恥ずかしがり屋な幼子は、面白い。
性別もあっての事だが、今だそれには気付かぬまま。
そんな反応に、ご満悦である。
そうかそうか、とまた頷き返す。

と、返って来る幼子の言葉に、軽く思案する仕草。
遠いのは、まぁ、どうにかなるのだが…確かに、こんな幼子では危ないか。
…今まさに、別の意味でも危ない訳だが、それは気にするな。

そして、話を進めて行けば、己の言葉に傾いてきた様子。
よし、と心の中で拳を握る。

「手伝う、と言うか、ついでじゃよ、ついで。
それに、あれじゃ、一人よりも二人の方が、良いじゃろう?
本当に嫌ならば、言うてくれれば良い」

幼子への、そんな言葉と共に、見上げる幼子を、ひょいっと抱き上げようとする。
もちろん、お姫様抱っこだ…何がもちろんなのかは、あれだが。
その反応から、強く断るような雰囲気は無いだろう、とは予想はするも、さてはて。
大丈夫そうならば、幼子を抱き上げたまま、もう少し奥へと向かおうとするのだ。

ステイラ >  
「んーと……」

抱き上げられそうになる中、少し考える素振りを見せる幼子。
そうしてる間にも、抱えられそうになった幼子なのだが。

「にゃ……!ちょ、ちょっとまって……っ!!」

その抱かれ方に気付いた途端、慌てるようにして声を上げる。
が、時は既に遅し。抱き上げられた幼子の姿は、その小さな体躯を、腕の中に収めてしまえそうな程に小さく。
恥ずかしげに慌ててはいるものの、強く断るという様子でもなし。
そのままあっさりと抱き抱えられたままに、彼は奥へと連れていかれる。

これからどうなってしまうのか、自らに危険が迫っていることなど露ほどにも思わず。
今はただ、親切な人のお節介に、感謝をするばかりであった。
まぁ、そんな風に考えつつも、抱き抱えられてる幼子の顔は真っ赤なのだが。

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