2023/01/08 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にステイラさんが現れました。
■ステイラ >
ルンルンと、鼻歌交じりに喜びヶ原の街道を行く一つの小柄な姿があった。
もこもことした生地で出来た服を着たその子供は、頭から飛び出た二つの三角形をした獣耳を動かしながら、ご機嫌そうに歩いている。
街中であればそれだけでも目を付けられてしまう容姿であるが、幸いにも人通りはそう多くはない。
時折、馬車や行商人、冒険者が行き来する程度だ。
そうした時にだけ、軽く精霊の加護で姿を誤魔化せばいいだろう。
少年は、そんな風に考えながら道を歩く。
なんとも暢気で平和そうな顔だが、その年齢を考えればそれも仕方のない事かもしれない。
可愛らしい彼はまだまだその容姿で性別が分からない程度には幼いのだ。
だが故にこそ、たった一人でそんな幼い子供が街を出て旅をしているという姿は異様でもあった。
待道とはいえ決して安全な訳ではないこの場所では、あまりにも無防備過ぎるのだから。
■ステイラ >
「うにゃ?……もうこんなじかん…」
だが少年は、自分がどれだけ危険な事をしているのか分かっていなかった。
ただ、空を見上げ太陽の位置を確認してみれば、もうすぐ日が落ち始める頃合だと分かる。
少し急ぎ足になりつつ、少年はその足を更に早めた。
今はまだ明るいけれど、夜になるとこれから向かう森の中はとても危険になるからだ。
さしもの子供も、それくらいの事は知っている。
だから、そろそろ朝まで過ごす場所を確保しなければならない。
身を隠すだけならば精霊の加護もあるけれど、雨風や御飯までは精霊たちもどうにかしてはくれないのだから。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタマモさんが現れました。
■タマモ > くぁ…と、大きな欠伸と共に、ぐーっと伸び。
街道を歩く少女、その様子は、まさに暇だと言わんばかりのものだった。
今日の目的は、道に沿って、ひたすら歩く、ただそれだけ。
ひたすらに、ただひたすらに、道に沿って。
分かれ道があったら、唐傘を立てて倒し、行く先を決める、そんな感じ。
そんな事を続けていたら、街道に入り、こんな場所まで歩いてきてしまった訳だ。
正直、そろそろ止めるべきじゃないか…そうは思っていたりはする。
だが、そんな折、ぴくん、と耳が揺れた。
遠目に見える街道の先、そこに、何かを見付けたからだ。
「お…?」
となれば、そこに行くのは当然の事。
足取りは変わらないが、先に見える、その何かまで向かう事だろう。
■ステイラ >
そうして少女が見つけたであろうものは、速足で街道を行く幼い子供の姿だ。
もこもこふわふわの服を着たその子は、一見すると普通の女の子のようにも見える。
その小さな体躯や、頭に付いた獣のような耳にや白い尻尾に目を瞑ればの話ではあるが。
そんな子供の方はといえば、まだ見られている事には気が付いていない様子で、そのまま道を進んでいる。
そして、暫く進んだ後、不意に立ち止まり、キョロキョロと辺りの様子を窺い始めた。
「……ふにゃ、このあたりにあったはず…。」
恐らくはそれは、一夜を明かせるような場所を探しているのだろう。
まだ目的の場所は見つけ切れていない様子であったが。
■タマモ > 小柄な相手だ、とは思っていたが、予想以上に小柄だった。
それが、素直な感想である。
格好から見て…少女?幼女?判断が難しい。
そんな事よりも、もっと他に、思う事があるだろう?
そう思うものだが、そう考えないのが己である。
誰か居た、それが何者であろうとも、後考える事はどんな相手かと言う好奇心だ。
「………?」
どうやら、相手はまだ、気付いてないらしい。
それを知れば、自然と、その歩みは忍ぶようなものとなる。
都合良く、前で足を止めたのを見れば。
二人の距離は、ゆっくりと、しかし確実に縮む事だろう。
何か探しているように見えるが、まぁ、それは置いておき。
気付かれる事なく、近くにまでの到達が叶うなら。
その背後へと回り込み、その背後から、視線を追って何を探しているのか、確かめてみようと。
■ステイラ >
子供の背後にゆっくりと、着実に忍び寄る影。
そんなことに露ほどに気が付く事も無く、目の前の子は無防備にきょろきょろと周囲を見て回る。
時折、耳が可愛らしくもひょこんと揺れて、その尾は機嫌良さげに左右に振られていた。
そんな風に周囲を警戒した様子もなく、何かを見つけたようで、嬉しそうな表情。
「あった…♪」
視線の先にあるものは、道の外れの木箱に布を敷いただけの簡易的な寝床らしきもの。
恐らくは、彼自身がこの通りを一度通った際に自身で用意をしたものだろう。
背後に誰かが迫ってきていることに気が付く事も無く、とてとてと子供はそこへと歩んでいく。