2022/12/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にロイスさんが現れました。
ロイス > 昼の街道を、男が一人歩いていた。
両手に、石灰に似た粉末の入った袋を抱えて、時折それを道に撒く。
袋はかなり重そうだったが、男は特に不満をいう事もなく、少しずつ、少しずつ、袋の中身を撒いていた。

「ふう……まだ半分も行ってないや」

まれびとの道は、マグメール王国全体から見ても、特に通行料の多い道だろう。
王都に行く、もしくは王都から出る為には、この道をほぼ確実に利用するのだから。
それゆえに、国はこの街道の維持に気を遣っており、彼が行っているのも、そういう仕事の一つだった。

「モンスターの忌避剤、か……。気休め程度だって渡してくれた兵士さんは言ってたけれど」

だが、少しでも一日のモンスターの襲撃回数が減れば、それは全体としては大きな成果となる、とも言っていた。
国民の保護というよりは、少しでも街道に出るモンスターを減らすことで、物流を止めないようにする――つまりは経済に類する施策、だとか。

何となく言っている事は解るが、しかしかといって、この仕事が人を守ることに変わりはない。

「とはいえ、こりゃ重いな」

まだまだ、先は長い。
道の終着点である山賊街道の先端に辿り着くころには、恐らく夜になりそうだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からロイスさんが去りました。