2022/12/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都から離れる事、半日。近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。
「――――よし。次の奴、こっちに来い。」
でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクフィナさんが現れました。
■クフィナ > 日も暮れ始めた時間帯の王都へと続く街道。
その途中にある乗合馬車の停留駅に到着するも少し間に合わずに街道を進んでいく馬車が見える。
声を上げて呼び止めようとするも聞こえないのか止まるつもりはないのか馬車は行ってしまって。
「失敗した……まさか間に合わないなんて…」
街道を進んでいく馬車を眺めながら呟けば大きく息を吐いて肩を落とす。
大した荷物はないのだが楽をして帰ろうという予定は見事にご破算。
これ以降は馬車も来ないので乗るならば翌朝まで待つしかなく、今日中に戻りたいのであれば歩くしかない。
そのどちらにするにも微妙な時間なのでどうしようかと考え。
「万が一にかけてみるのもありかも」
もしかすれば乗合ではないだろうが馬車が通るかもしれない。
荷馬車でも何でも通れば乗せて貰おう、そう決めては停留所内の椅子に腰を掛けて完全にくつろいだ姿勢で街道を眺める。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアルグレーネさんが現れました。
■アルグレーネ > 任務により王都の外に出ていての帰り道。
結構遅くなってしまったものの、職務上騎兵に属するため普通に乗馬しているから王都に戻ること自体は問題ない。
とはいえ、あまり遅くならない方が良いのは当然のこと。
全速ではないものの、ある程度の速度で馬を走らせていた。
「……あら?」
そうしていれば、馬車の停留所に腰かけている人影を発見する。
この時間では乗合馬車はもうないはず。
そう考えると、野宿か夜を徹して王都に向かうかの二択を強いられることになるだろう。
冒険者パーティだとしたら何とかなるかとスルーする所だが、遠目に見ても1人だけ。それに恐らく女性と見える。
故に、馬の速度を落として行って、停留所の前で馬を止めた。
「どうしたの?馬車に乗り遅れたのかしら?」
馬上から失礼、と一声をかけた上で、そんな問いを向けた。
■クフィナ > 普段は乗合馬車に乗り遅れたとしても馬車の一台は通るのだが今日に限っては通ることはなく。
このまま待つか歩くか、そろそろ決断をしなければという時間に差し迫り。
しかし中々に決めれずにいれば蹄のなる音に気が付く。
もしかしてと視線を向けるも馬車ではなく馬が走っているのが見え。
残念と思い通り過ぎるまで見ていようと思えば段々と馬の速度が遅くなるのに気が付き。
それを不思議そうに見ていれば今自分がいる停留所の前で止まって。
「そんな所ですよ。あと少しで間に合わなかったんですね」
止まった馬を見上げ、乗っていたのが女性という事に驚きを見せ。
彼女の問いかけにはその通りと少し情けなさそうな笑みを見せて頷き。
「騎士様は王都への帰りです?」
それ以外にはないのだが一応の確認と問い返し、その時の視線はしっかりと上から下と見ていて。
■アルグレーネ > 期待させてダメ、だとがっかりさせるだろうから、遠目からある程度観察していた。
けれど、念のためクフィナの体格にさっと目をやる。
そして二人乗りしても問題ない相手と確信を持った。
「あぁ……それは災難だったわね。
最終の馬車はある程度待ってくれるとは聞いていたけれど、
それもきっと御者によるのだろうし。」
言葉から予測通りだったとは言え、そのがっかりな状況には女騎士も苦笑しか浮かばずに。
「ええ、王都方面……だけど、少し郊外の師団本部まで。
なので、直接王都に乗り付けるわけではないけれど、ここから歩くにせよ、野宿するにせよ、どちらよりもマシだとは思うけど。
……乗ってく?」
向けられた問いにそのように返事を返してから、口元笑みに変えて左手を差し出しつつ問い返した。
■クフィナ > 見上げれば馬上とはいえ自分よりも背が高いのは判り。
そしてスタイルも大体とはいえ判れば悪い癖が出そうになるのを耐える。
親切で声をかけてくれたのだからと。
「何時もなら間に合ってるんですよ。けど今日は少し遅かったみたいで。
呼んでも止まってくれなかったんですよね……」
二重でついてないですと困った笑みを浮かべ。
彼女の苦笑を見ればから笑いを零してしまって。
「やっぱり王都行きですか。
郊外の師団本部というと……第4?今からだとどっちにするか悩んでたところでして。
良いのですか?でしたらご厚意に甘えますね」
返された言葉に記憶を頼り、郊外は確かと…言葉にし。
そして乗っていくかと問われれば迷わずにお世話になりますと笑みと共に頷き。
差し出された手を取っては身軽な動きで彼女の後ろへと上がって。
■アルグレーネ > 「あら、詳しいのね。
ええ、第4師団……あ、でも騎兵騎士だと分かるか。」
師団を当ててきたクフィナに驚いたような表情を浮かべるものの、
騎兵師団と考えると可能性が高く、郊外に本部を設置しているという情報を組み合わせればわかるかもしれない、と思い直した。
「ええ、もちろん。……まぁ、二人乗りだから多少は速度を落とすけれど、
しっかりつかまってなさいね?腰の辺りにしっかりしがみついてもいいから。」
身軽に自分の後ろまで上がってきた身のこなしに、あまり心配はいらないかもしれないと思ったものの、
念のためにそんな言葉を向けた。
安全を確認してから、馬の腹を軽く蹴り、まずは並足、そして遅めの駆け足へと切り替えていく。
馬は揺れるものの、その揺れは一定で、バランスを取るのが上手ならば危なくならないだろう。
特に意識している様子も見られないので、元々馬を一定に走らせることがうまいのかもしれない。
そして、背後の至近から女騎士を観察したりしてみれば、
がっちりしているものの十分女性的な柔らかさを残している事が知れるだろう。
■クフィナ > 「王都に住んでれば知ってますよ」
郊外にある師団本部と聞けばそこかなという半ば勘。
それが当たったことに内心ほっとしてはそれを感じさせない笑みを見せ。
「送って貰える訳ですし文句はないですよ。
ワタシも身軽には自信はありますけど落ちるのは勘弁なので失礼して」
かけられた言葉に遠慮なくと腰に腕を回してしがみつき。
そうすれば背中に豊かな胸を押し付けるようになって。
そうして馬が走りだせば最初はゆっくり、それが段々と早くなっていくことに笑みを浮かべ。
馬に乗るという事は殆どないのだが一定の揺れに合わせて体を動かしてはバランスを取り。
一定の速度で走らせてくれることに感謝をして。
「本当、通りかかってくれて助かりましたよ。
騎士様には感謝しかないですね。ワタシはクフィナって言います」
抱きついて観察していき、抱きつく感触はしっかりとしているが柔らかさも感じ。
その感触につい手は撫でるように軽く動いてしまいながら、お礼と共に名前を名乗って。
■アルグレーネ > 「あはは、それが意外と知られてないのよ。
王都の人たちは第一師団のイメージが強いみたいでね。
だから少しびっくりしちゃった。」
笑みを返してくる様子に、その裏の感情は読み取れなかった。
そういう意味では事情通という認識になっていた。
しがみついてくるクフィナ。
身軽そうだったものの、きちんとしがみついてくる様子に好感を持つ。
当然のことではあるものの、人によっては自信過剰な反応をして痛い目を見る相手もそこそこいるものだったから。
「通りがかったのは本当に偶然だったんだけどね。
でも、女の子が一人で夜道を歩くのも大変だろうし、野宿になっても街道沿いとは言え何があるか分からないからね。
クフィナ、ね。……私は、アルグレーネよ。
……あはは、ちょっとくすぐったいけど、まぁ大丈夫。」
抱きつかれる感触と軽く撫でられたような感触に、少しだけくすぐったそうにしたものの、特に馬を動かす腕に影響はなさそうだった。
そして、名乗られた名前を受け取れば、自らも自分の名前を名乗った。
ある程度の速度は出ているのと、馬車を引いているわけでもないので
みるみるうちに王都の方へと進んでいく。
今、だいたい行程の半分くらいと言った所か。
■クフィナ > 「そんなもの?ワタシは騎士団と聞くと第7ってイメージですね。
第4は騎兵をよく見たりするので知ってるんですよ」
確かに第一師団は有名ではあるが、より話を聞くのは第7師団。
第四師団に関しては騎兵を見たり、時折に依頼で荷物を運んだりするので知っているという認識で。
身のこなしには自信はあるが、それとは別にやはり危険を減らすために抱きつくのは当然。
変なプライドで落ちてしまえば結果的に帰るのが遅くなってしまう、それに何より痛い思いもしたくなくて。
「その偶然に助けられてるワタシからすると感謝しかないですね。
きっと歩くより停留所で一夜を明かしてたかもしれないですよ。
アルグレーネね、いい名前。
やっぱり鍛えてるね、でもちゃんと柔らかいし」
くすぐったそうにする彼女、しかし止められなければ抱きついたまま邪魔にならない程度で感触を確かめるように撫で続け。
もし馬の動きに変わりがあればすぐにやめるようにはしつつ。
そして名前を聞けばいい名前だと笑みを浮かべて。
「やっぱり馬だと早いですね。大体半分程度…?」
歩いていればこの距離を歩くだけでももっと遅くなってしまう。
見える景色にあと半分ぐらいかなと思えば早く帰れそうなことに嬉しそうにして。
■アルグレーネ > 「ええ、そんなものよ。まぁ、大体が市民は自分たちに迷惑かけられるってイメージ……おっと。」
口を滑らせた、というような止め方をしたものの、明らかに自分から口にしたのには気が付けるかもしれない。
「へぇ、第7のイメージが強いのね。でも、それはそれでわかるかも。
あそこもだいぶ精強だものね。それに、マグメールの大事な備えを担っているし。」
騎士団同士でも仲の良し悪しがある事も透けてしまうだろう。
第4師団からの視点では、第7師団には友好的、第1師団は悪印象と言った所か。
「それなら偶然でも見つけてよかったわ。
運が悪ければロクな事にならないもの。
あはは、ありがとう。名前を褒められるのは嬉しいわ。
……そりゃぁ、ね。組織戦が多い師団ではあるけれど、
個人戦闘能力が足りなければ組織戦にも付いていけないし。」
確かめるように撫で続けられても騎馬のコントロールには大して影響はなかっただろう。
そのため、十分に撫でまわすことはできたかもしれない。
「そうね、大体半分程度……クフィナはバランス感覚に自信があるって言っていたけど、
いうだけあって流石ね。乗せてるって感覚がほとんどないから思った以上に早く着きそう。」
騎馬をコントロールしている女騎士にしてみれば、クフィナの身のこなしも驚くべきものだった。
実際に一人で乗っているのとあまり変わらない感覚で乗れている。
荷重は二人分なので、馬にはあまり無理はさせていなかったが、
それでも想定よりははるかに速い。感服した様子は素直に口にした。
■クフィナ > 口を滑らせたように聞こえるが明らかに自分から口にした言葉には何も返さずに笑みを浮かべるだけ。
王都に住んでいればやはり口にされたような事はよくあるのは知っているが、まさか騎士である彼女の口からの言葉に驚きを感じはしたが。
「魔族との小競り合いがあればあそこってイメージですね。
多分、他もそんな感じですよ、きっと」
騎士団同士での仲の話は酒場の酔っ払い、おそらくは非番の騎士の愚痴である程度は聞けることもあり。
その時の話を思い出すとどっちに好印象なのかは直ぐに分かり。
「本当に見つけて貰えてよかったですよ。
可愛い女の子を食べるのはいいけど、夜盗に襲われるのは勘弁ですし。
意外ですね、ワタシは良い名前だって本当に思いますよ。
真面目なんですね、何気に真面目な騎士様に会ったのって初めてもしれないです」
鍛えられている理由を聞けば思わず感心して。
どうにも騎士に対する印象はあまりよくないものが多く、それだけに彼女の言葉は衝撃的に聞こえ。
その鍛えられた感触、馬の操舵に問題がない様子に存分に撫でまわして。
「これでも冒険者で斥候をやってるんですよ。
アルグレーネの馬の扱いがうまいからもありますね」
あなたのコントロールがうまいからですよと返し。
一定の速度と揺れならばそれに動きを合わせるのは簡単な事。
馬は弾めば体を合わせて跳ねさせ、落ちないようにとしっかりと抱きついては楽しそうにしていて。
■アルグレーネ > 敢えての言葉に特に反応が返ってこなければ、クフィナが信頼に足る相手である事は知れると感じた。
信用がどうかはまた別問題だが、そこはそれ。
「そうね。ちなみに、第7師団から急報が届いた場合の対応は機動力があるからウチ。
そういう意味でも仲がいいのはあるのかも。」
ちょっとした裏話を交えつつも、その辺りはちょっと考えれば思いつく範囲なので別に機密でも何でもない。
歩兵隊より騎兵隊の方がはるかに機動力に優れているのだから、今のように。
「野盗やゴブリンの類は流石に、ねぇ……って、食べる?」
クフィナと普通に会話をしている中で、ちょっと予測外の言葉を耳にした。
食べるとはどういう意味だろうと少し考えたが思いつかずに。
とはいえ、敢えて質問するのも違う気がする。
「真面目、かぁ……私はこうあるのが普通だと思っているのだけれど。
でも、真面目と言われるのは誉め言葉と受け取っておくわね。」
多少の考え方の相違はその組織にいるのかどうかという部分もある。
それに、真面目を悪い意味でとらえるのは流石にうがちすぎだろう、と。
「あぁ、なるほど。斥候なら頷けるわ。
……ふふっ、ありがとう。」
返しの言葉には嬉しくもなる。
騎馬騎士が馬の扱いを褒められるのはとても嬉しい事だから。
「さて、そろそろだけれど……予定よりだいぶ早いから、このまま王都の門まで送りましょうか?」
師団本部へ向かうのと、王都の門へ向かうのと、丁度分かれ道が近づいてきた。
とはいえ、王都に常住しているわけではないので、この時間で王都の門を通れるかどうかは女騎士は知らない。
だからこそ、どうしようか、と問いかけた。