2022/09/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にソティさんが現れました。
ソティ > 月明かりに照らされる街道。
向かう先は王都の方角か、虫の音が響く静かな道を少女は歩む。
月は真上からもう少し傾いた辺り。
この街道の利用者の大半は街道の脇に逸れ、休むに丁度良い場所でも見付けて眠りに付いている頃だろう。

そんな時間なのにこうして歩んでいられるのは、少女が夜行性であるから。
…という訳ではない。
睡眠を取る必要の無い存在だからだ。

ソティ > 「……?」

フワリと微風に白銀の髪とドレスが靡く。
そっと左手を髪に添えて乱れるのを抑えながら、視線が少しだけ周りへと向けられた。
何かを感じ取った…そんな気がしたのだ。
右手で剣をしっかりと抱き締め、少しだけ足を止める。

ただ、その動きは確信を抱く玄人のそれではなくて。
何と無く感じたから確かめてみた、そんな感じなのが分かるだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にリクさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からリクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にガレアさんが現れました。
ガレア > ランタンを腰につけた騎士服を着込んだ男たちが三人、街道を歩く。
三角の形で陣形をくんでいる男たちは、他愛もない話をしながら彼女の方へ、歩いて行く。

今日は、街道の見回りの任務を受けていた。
本来であれば、衛兵の仕事なのだけれどたまに騎士にも回ってくる。
早く終わらせて帰ろう 帰ったら酒奢ってくださいよ そう言われているのは一番前の男。

リーダー格であろう男が一番前に立ち、使い古されていると一目でわかりそうな長剣を
ランタンを吊り下げている反対側の腰に佩いている。
その長剣は、しっかりと手入れもされて。

彼女が隠れるのであれば、そのまま通り過ぎようとするが、すこしでも視線を感じれば立ち止まるだろう。
彼女が、そのまま向かってきてくれたのなら、話を止め、楽しげな表情を消し、ランタンを手に持ち、それを掲げて左右に振るだろう。

ソティ > それはすぐに目に入った、ランタンの光。
どうやら気になったのはその光だったようだ。

だが、だからとそれを気にする理由にはならない。
ここは街道、誰しもが目的に向かい行き交う場所。
誰かがここを通ったとして、何を疑う必要があるのか。
自分だって、その内の一人でもあるのだから。

そうした理由もあってか、少女が歩みを止める事はない。
目的の王都の方角へと向かい歩き続けるのだ。

ガレア > 歩いていれば見えるのは、人影であった。
夜に一人で歩いているのは冒険者か同業か、商人か
色々考えられるものの、とりあえずは挨拶としてランタンを左右に振り。

「やぁ、そこの人。いい月ですねぇ」

とりあえずは声をかけ近づいていけば、見えてくるのは右手に剣を抱えた少女。
この時間に一人、少女が剣を抱えて王都に向かっている。
魔物も出るので自衛用として持っていると言われればそれまでだが
小さい少女であることが気になってしまった。

三人で囲んでも威圧感を与えるだけであろうから、後ろの二人を先に行かせ
自分は彼女の歩みを妨げぬようにしながら、身体を反転させ横を歩こうと動く。
ランタンを腰に戻し、そして口を開こう。

「お嬢さん。剣を抱えてるが冒険者かな。それだったら仕事帰りかい?」

自分より小さく見える彼女に警戒心を植え付けないように柔らかな声色で
表情さえも柔らかいものへと変えた。

「すこし心配になって声をかけさせてもらったんだが、お邪魔だったかい?」

ソティ > 挨拶に揺れるランタン。
少女がそちらへと目を向けたのは、それを挨拶として理解したからではなくて。
実は何の為に揺らしているのかは理解していなかった。
それでも、今度は声掛けでの挨拶が向けられれば。

「……そう…いい、月」

挨拶というよりも、それを示す意味で向けられたのだと思ったらしく。
ゆっくりと顔を上に、空に輝く月を見上げた後。
顔を声の主へと戻してから、そう答えた。

相手はこちらを確かめるように見ているようだが。
逆にこちらは相手に対して無関心な様子が伺えるだろう。
当然ではあるのだが、彼の気を遣った行為にも気付いてはいないようである。

「…冒険者……は、違う…旅人…
今は…王都…だっけ、あっちに、向かってるの」

少し考えるような素振りを見せてから、向けられた質問の答えをポツリポツリと一つずつ律儀に答え。
向かう先に関しては、街道の向かう先…王都の方角を指差した。

「…心配……そう、心配…大丈夫」

向けられる言葉を聞いて、理解して、それから答えを考えて答えている。
その為にどうしても返答までに間が空いてしまうのだが、相手がそれをどう受け止めるのか。
少なくとも、少女は表情をあまり変えてはいないから、そこから読み取るのは難しいかもしれない。

ガレア > 「今日はなかなかに良い月が出てますよ」

ゆっくりと、顔を上げ月を見上げる彼女が月に照らされ幻想的で
一つの絵画として高値で取引されるであろう光景に見惚れてしまうけど
職務中に何をしているのかと鼻を掻いた。

此方に無関心な様子も理解が出来るので気にはせず、少女の横をのんびりと歩く。
考える素振りを見せてからゆっくりと答えてくれる言葉を耳に収めながら
王都の方角を指さしたのを目に収めたのなら彼女の指先を目で追う。

「旅人さんか。いきなり声をかけて悪かった。
 じゃあ、君は強いだろうけど、一緒に行ってもいいかな。
 俺も君の向かう方向、王都に用ができたんだ」

本当は見回りを続けるべきなのだろうが、少女を放っておくわけにもいかず
柔らかな笑みを浮かべて歩く彼女についていこう。
こんなに可愛い容姿であるし、襲われてもたまらない。

「……ん、そっか、邪魔じゃなければいいんだけど。
 ははは、心配しなくてもいいということだったら悪いね」

彼女の変わらない表情にゆっくりとした返答は特に気を悪くするものでもない。
マイペースな人なのだろうと結論付け、月明かりの下、ランタンを下げて歩こう。
ランタンの光に照らされる彼女の横顔を見るが、表情が余り変わらない。
神秘的、その言葉がしっくりと来て、その横顔を盗み見ながら足を少女の歩幅に合わせて動かす。

「名前、聞いてもいいかな。
 ああっと、俺はガレア。これでも騎士をやらせてもらってる」

ソティ > 「……うん、そう」

きっと今日は雲一つ無いから良く見える、それが良い月という事なんだろう。
それならば同意出来るのだと頷くのだが。
そんな考えを巡らせているのだと、彼からすればそんな考えは大した事でもないのかもしれないか。

「…? …どうして、悪いのか…良く、分からないけど…
私は……使う人は、強くなるけど…私は…あまり、強く無い…
一緒に…? ……一緒なら、行けば良い…それだけ、じゃないかな…?」

所々で主語が抜け、少しばかり理解し難い物言いだが。
理由は何であれ、向かう先が同じならば別に行っても良いのではないかという事で。
そして、彼から心配無用だったらいいという事なのだと伝えられても、今一ピンとこない感じに首を傾げる。

先を見易いようにか、ランタンを下げて歩き始めるのを横目で一瞥するも。
それ以上は特に気にする様子も無く前を見て歩いて行く。
少し思い出せば気付く事なのだが、少女はここまで来るのに灯りも何も持っていなかった。
実際には暗闇も見通す瞳を持っているのだ。
彼はやはり気を遣って歩む速度を落としているのだが、それも気付く様子はきっと感じられないのだろう。

「…ガレア…そう…騎士の、ガレア…覚えた…
……私…私は、ソティ…」

ただ、少なくとも声を掛ければ、その言葉には反応をして律儀に返答をする。
無関心っぽいだけであり、本当に何事にも無関心であるのではないという事だけは分かるだろう。

こうして、彼がどこまで自分からの言葉を引き出せるかは分からないが。
そうした調子で街道を二人、王都へと向かい歩んで行くのであった。

ガレア > ランタンはなくてもいいかもしれない月明かり
道を照らすその光をランタンが邪魔しているのではとも思うが
念のため点けておこう。自分が転けでもしたら恥ずかしい。

「んー……そっか、じゃあちょうどよかった。
 はっはっは、それもそうだ。優しい君に感謝だ」

使う人は強くなる。けれど自分は強くはない。
少女は人間ではないのかもしれない、思考を巡らせたが
首を傾げている少女が害のあるものにも思えないので、そのままだ。

そういえば、少女は明かりの類を持っていなかったと思い出す
月の光に目がなれているのかと、そっとランタンを持ち上げ
火を消し月に照らされた道を歩む。

マイペースに感じてしまうその様子に一人、喉を震わせ笑い。

「ソティ、か。王都まではまだすこし距離がある。
 喋りながらでも歩こうか」

本当に無関心であれば返答もしないだろう。
気の長い方である此方はゆっくりと返事をする彼女と
ゆっくりとだが、会話をしながら王都へと向かって歩いて行こう。

何かあった時用に、と騎士隊舎の場所を書いた紙も渡してもみたが
それをどうするかは、彼女の気持ちのまま――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からソティさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からガレアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゲネロムさんが現れました。
ゲネロム > 太陽は少々元気ない本日の空は曇天。
街道に緩く吹く風は未だ生ぬるさを帯び、暑さの名残を感じさせている。

冒険者や旅人が行き交う街道。
その街道の途中にあり道の脇に転がる大岩。
其処には顔をすっぽりとフードで覆い隠した小柄な人影が道脇に鎮座している大岩の傍で何かをしている。

「……一本、二本……三本………。」

本日持ち出した昨晩打った鋼鉄製のナイフ。
持ち出した本数を数えながら無造作に目の前に転がし、同じ素材……鋼鉄に「物々交換」とド汚い字で刻んだ長方形のプレートを地面につきたて、大欠伸を零す。

本日の品は鞘には収めておらず敷物が引いてるわけでもなく無造作に置いた無骨なデザインのナイフが三点、兄弟が作ったシンプルな細工の無い銀のバングルが一点、ミスリルの首輪が一点、と並べかたも無造作なら並んでいる品も統一性が全く無い――後は商品ではないが購入者向けの研ぎ石ひとつ。

後はもう誰かが通り縋るか客が来るか可愛い尻を揺らした雌が通るかまで昼寝をしよう、牙が鋭く生え並ぶ口を大きくあけて、先程よりも大きく欠伸を零すと両手を自分の後頭部に添えて大岩に寄りかかるのだった。

ゲネロム > 曇天ではあるが時折雲の隙間から射し込む陽光が眩しく、片手でフードを深く被りなおすが、今度は生温かい風が暑苦しくさえ感じ始め、結局昼寝をする事すら出来ずに身体を起こすことになる。

「……仕方ネェナァ………。」

一人愚痴を零し、首を左右に捻ってゴキゴキと骨を鳴らした後に売り物にした外套の内側から獣皮でつくった水筒を引っ張り出すと、もう片手を伸ばして砥石を掴み自分の方に寄せ、水筒の蓋を口に咥えて引張りぬくと、中身の水を砥石に少量かける。

やる事がない、のでナイフを研ぐことにした。
――…ふとこれもまた物々交換で行えばそれなりにいけるんでは?など、考えるが、それも客が来てからだ。

作品の販売、刃物研ぎ、幾らか物々交換で何か仕入れないと集落に戻った際にどやされそうなので、何とかならないかと、少々短絡的な思考は苛々を始めた。

だからと言って解決するわけでもないし、お客が来るわけでもない。

街道に黙々と刃物を研ぐ音が聞えてくるのはその後直ぐであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からゲネロムさんが去りました。