2022/09/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアルマさんが現れました。
■アルマ > 「……週末野宿は避けられそうかな?」
本日のクエストは初心者向けのクエストだった。
メグメール自然地帯にある森への入り込み薬草を採取するという、誰しもが通る初心者向けのクエストである。
それを何故初心者から辛うじて脱した自分が受けたのか、ざっくりと言えば週末の生活費が苦しかったのと、ソロで受けられるクエストが不幸にもそれしかなかったからだった。
正直言えば無名遺跡で一攫千金を狙うのもアリだったのだが、どうにも自分の能力的に狭いところでの戦闘は難有り、かといって野生の魔物を狩って素材を採取となると、今度は戦闘できても剥ぎ取るのに手間取ってしまう――…刃物使うの苦手だし。
なので、仕方ない本当に仕方なく薬草の採取。
アルバイトでも使っている丈夫なポーチには解毒から傷薬から諸々の薬草を詰め込んで、それを冒険者ギルドに提出する予定で、まさにその帰り道が今であった。
辺りは真っ暗闇。
ある能力のおかげで光源もないのに迷いもせずに街道を歩いてるので、極稀に本当に極稀に歩いている同業者から奇異の眼差しを受けていて、思わずそれには苦笑いと眉間に皺を寄せて無視するしかない。
スタスタスタと自然と歩く速度を上げながら王都に向けてただ歩く。
咥えている煙草に似た紙薬の青い炎が歩く度に揺れるので、傍目から見れば小さな鬼火が闇の中を飛んでいるようにも見えるかもしれない。
――…帰路である。
小さな鬼火に見える青い炎の向う先は王都。
何事もなく無事に辿り着ける…筈である。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアルマさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にトーベさんが現れました。
■トーベ > 「ふっ……! ふっ……! ふっ……! ふっ……!」
ダッ、ダッ、ダッ、ダッ。
荒い呼吸音に同調して、街道の白砂を踏む力強い足音が駆け抜けていく。白昼の喜びヶ原。
トーベは只今、王都と神聖都市を結ぶ街道の間にある宿場町に向けて荷物を配達中。
普段は王都内やそのごく近辺の荷物しか扱わない短距離飛脚便なのだが、今日は都合よく同じ宿場町に向けて複数の小包依頼が舞い込んだ。
そのため、久々にこうして街道を駆けている。長くまっすぐな道のりを全力疾走するのは、楽しい。
――しかし。彼女の全力疾走は常人のそれとはかけ離れている。
速度は道の状況によって変わるものの、平均して時速40km、まっすぐ平坦で他に通行人がいなければ時速60kmに達することすらある。
平均的な成人男性の全速力を常に超えた速度で、何時間と走っていられるのだ。
これはトーベの天恵の力によるものである。
「ふっ……! ふっ……! ふっ……! ふっ……!」
呼吸はなおも荒いものの、リズムが乱されることはない。顔にも疲労や苦痛は見られず、むしろその表情には充実感が満ちている。
狭苦しい王都内ではこうも思いっきり走り込むことは難しかった。トーベは走るのが大好きなのだ。
健康的に日焼けした長い手足が馬のそれのごとくに躍動し、無数の汗のしずくが散る。
馬車便でも片道8時間はかかるであろう旅程。
しかし俊足のトーベにかかれば、往復してもまだ日の暮れないころに王都に帰り着くであろう。
■トーベ > 王都を出てしばらくは開けた平原の中を走っている幹線道路。
だがやがて、目の前に雑木林が見えてくる。街道はその木々の中に突っ込み、ゆるくカーブを描く。
旅慣れた者であれば、こういう場所に差し掛かる際には警戒心を改める。
荷馬車であれば馬の速度を落とし、護衛がいるなら武器の準備をするよう促す。そういう場所。
開けた道からいきなり見通しの利かない道に入る時が、長旅において最も危険な瞬間といえるのだ。
そういう地勢は、旅人を狙う野盗や暗殺者、あるいは捕食者にとって格好の待ち伏せポイントだからだ。
白昼堂々そういった連中が悪事を働く可能性は極めて低いが、ゼロではない。油断した者から餌食となる。
まあ、そういった不逞の輩がいなかったとしても。
木陰からいきなり野の獣や人間が現れて衝突、ということもあり得る。そっちの方がはるかに確率は高い。
そんな理由から、やはり多くの旅人は雑木林を目の前にして行軍速度を落とし、警戒心を強める。
かもしれない運転、大事。
「ふっ……! ふっ……! ふっ……! ふっ……!」
――だが。トーベは速度を落とさない。
開けた平原を往く時と同じ速度で雑木林へと突っ込んでいく。
その理由は……急ぎの旅ゆえか、ペースを乱したくないゆえか、あるいはあらゆる危険を回避・踏破する自信があるゆえか。
もしかしたら、何も考えてないだけかもしれないけれど。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にリンさんが現れました。
■リン > 雑木林の木陰。
旅の途中、樹に背を預けて座って休眠していた少し背丈の低いバイオリン弾きの少年がいた。
このあたりは賊や危険な野獣の気配もないので、少し休むことにしていたのだ。
藍色の髪を手ぐしで整え、眠たげな目をこすり、荷物を背負って、道のほうへと足を踏み出し……
「うわ!?」
正面方向からアスリートよろしく疾走してくる、立派な体つきの少女の姿が目に飛び込んでくる。
この体格差と速度ではどう考えても自分が一方的に大変なことになる。
慌てて回避行動を取ろうとするが──
■トーベ > トーベは典型的な「だろう運転」気質。
とりあえず好きなように走って、何かアクシデントが起こったらその瞬間に対応すればいい、と考えるのだ。
その「対応」に失敗したときは……失敗? 失敗した記憶はない。忘れた。だから学ばない。
さて、アクシデントまでマイナス1.0秒。
ゆるくカーブする林間の道を、やや体を内に傾けながら疾走するトーベ。
その眼前、ふらふらと木陰から歩み出てくる小柄な人影が。
「ひゃ!?」
甲高い悲鳴が雑木林にこだまする。アドレナリンが過剰分泌され、その瞬間からトーベの体感時間が鈍化する。
――しかし、それでも間に合わない。眼の前の少年がどういう回避行動を取るか予想できない。
下手に避けて通り過ぎようとすれば軌道がカチ合い、正面衝突である。
トーベの速度と質量からいって、双方の大怪我は避けられないだろう。
「………ッ!」
だんっ!
衝突までに残された最後の1歩で、強烈に道を踏みしめる。局所的な地震が起こり、周囲1mの砂利が一斉に飛び跳ねる。
トーベはその踏み込みで身体をカーブの外に大きく跳ね除けた。これで少年との正面衝突はほぼ避けられるだろう。
代わりにトーベは大きく体勢と軌道を崩してしまうが。
「ひゃわわわっ!? っ……んが!」
長身少女の身体が道を転げ、そして道端の木の幹に激突する。したたかに頭をうち、マヌケな悲鳴が上がる。
細長い脚を大きく開いた体勢で、そのまま木に背を預けるようにぐったりとしてしまう。
死んだわけではないし大怪我も負ってはいないが、マンガであれば頭の周りに鳥でも飛んでそうな失神っぷりだ。
■リン > リンのほうはそんなに瞬発力が高い方でもないし俊敏さに自信もない。街道側と木立側、どちらに避けようか迷って結局どちらにも逃げられなかった。
あわやぶつかる! と覚悟しかけた瞬間、地面を踏みしめる振動が走ったかと思えば、気がつけば彼女の姿はなく──なりはせず、すごい音を立てて樹に激突するのが見えた。
「た……助かった?」
舞い散る砂煙に、自分がどのようなものと激突しかかっていたのかを遅れて悟り、ちょっと身体が震えた。
「だ、大丈夫……じゃないよねえ……」
こっちは幸いちょっと砂利が当たったぐらいで済んでいるが、向こうはややもすれば後遺症が残りそうな衝突の仕方である。
一人で退散するのもなんかなあとなったので、近づいて様子を見る。
すぐに目覚めたりしないなら、グルグル目になっていそうな彼女の頬に手を伸ばしてペチペチ叩いたりするだろう。
■トーベ > 「はひ………はひ………はひ………っ……」
脳震盪を起こし、まさしくグルグル目になっている長身少女。瞼は開いてるが、リンが顔を持ち上げてもそちらを見る様子はない。
ただ荒い呼吸だけを繰り返し、全身からは滝のように汗をたらしている。湯気が立ちそうなほど。
しかし、リンがほっぺをペチペチと叩くなら、ほどなくして少女は気付く。
「………っ、は!? あっ、き、キミは…………えと………大丈夫だったッスか!?」
お馬鹿な分だけ石頭。少なくとも頭を打ったことによる影響はなさそう。すぐに明瞭な意識を取り戻す。
そして最初に出る言葉は、自分を心配してくれている様子の少年のほうを気遣う言葉だ。
この少年との衝突を回避しようとして転んだ、という現状はしっかり把握している様子。
そして少年への質問の答えを待つよりも先に、少女は肩に下げたボディバッグに注意を向ける。
「! そうだ荷物荷物……荷物は大丈夫ッスかね!? ……あ、大丈夫か。封書ばっかりだし。
………ッ、痛っ………!」
バッグの中身を確認し、安堵の様子を見せるも束の間、少女の顔が苦痛に歪む。先程踏み込んだ方の脚がびくりと震える。
足先と踵にずきりとした痛みを感じた。だが、それを噛み殺すように再び苦々しい笑みを作って。
「………ごめんなさいッス。危うく大事故に巻き込みそうになっちゃって。大丈夫だったッスか?」
申し訳無さそうな声色を作り、軽く頭を垂れながら。改めて、少年を気遣う言葉をかける。
■リン > 「あ、大丈夫そう……」
はっきりと受け答えする様子に安堵する。これで障害が残ってたらさすがに寝覚めが悪い。
通りすがりの旅人のリンだ、と簡潔に自己紹介をする。
「大丈夫大丈夫。こっちが原因みたいなところあるし……
それよりそっちこそ怪我してるんじゃない?」
自分が一方的に怪我をしているんだったらゴネて何かむしり取ってやろうぐらいの悪どさはあったが、その逆である現状でそれをやる胆力はリンにはない。
「よ、よかったら看るよ……」
といって、相手が痛めていそうなほうの脚を包むブーツに手を伸ばし、紐を緩めて脱がそうとする。
これは別に純粋な善意や罪滅ぼしだけではない。では残りは何かというと、
(……すごい汗だな……スタイルいいし……)
少女の芳しい香りを、もうちょっと近くで味わっていたいな……という下心である。
■トーベ > 「大丈夫? ならよかったッス! びっくりさせちゃったなら謝るッスよ。
あ、ボクはトーベ。王都の『マレゾン・スウィフト・デリバリー』のトーベ。以後よろしくッス!」
ふらりと道の真ん中に出てきた方にも非はあるのだろうが、そこを責める素振りもまったくない。
かと言って徹底した平謝りの態度でもなく、軽いノリでの受け答え。そういう性分。
「………ん。もしかするとケガしてるかも? 脚先が痛むし。くじいただけかもしれないッスけどね。
リン君、見てくれるッスか? 走るの止めたら疲れがどっと来て、脚こわばってきてて……自分じゃよく見れなさそう」
リンが脚を診ようと申し出れば、トーベは遠慮なくその好意にあやかる。
疲労感でこわばる右脚を持ち上げ、リンの懐に差し出す。
日に焼けたその脚はサラブレッドのように細いながらも、極めて高い筋肉密度を外観・感触から感じさせるだろう。
くるぶしまでを覆うブーツの紐を解き、汗でぐっしょり濡れた靴下まで脱がせば、少女の裸足が木漏れ日に曝け出される。
当然靴の中までは日焼けしておらず、眩しいまでの白の柔肌が薄い汗の膜をまとってつやめく。
見る限り、外傷や腫れなどは見られず、爪も割れていない。
積極的に触診するなら、足首を曲げたときに若干苦痛を訴える程度。軽い捻挫である。
「………はふー。疲れがどっと来てるッス。これはしばらく休憩モード……」
乙女の生足を初対面の少年に委ねていることに羞恥など感じている様子はない。
全身に走る疲労感からぐったりしつつ、顔にはリラックスした柔和な笑みを浮かべている。
■リン > 「なるほどぉ。配達人だったのか……」
急いでいたこと、荷物を心配していたのはそれだったのか、と納得し。
それなら脚はなおさら大事にしなくちゃ、とブーツを脱がしていく。
人の履くロングブーツや、びしょびしょの靴下を脱がすのは、結構なひと仕事。
リンの小さな手も当然、溌剌な少女の汗で浸されてしまう。
「……」
彼女の右足を抱きかかるような形で、軽く触れながら看る。
大した怪我ではなさそうだとリンにもわかる。
「ゆっくり休んでて……」
自慢なのだろう、みっちりと肉の詰まった触れ心地。
それでいて硬質にすぎない、若い女性らしいやわらく白い肌質。
時折退屈そうに、鼻先でくねる丸い指先。
そして芳醇な汗と少女の香り。
それらがすべて自分の腕の中にあることが、気分を狂わせる。
こんなものを、無自覚に見せつけてくるなんて。
「っ、はあ……」
気がつけば、リンは口を開き……汗に濡れた脛に、舌を這わせはじめていた。
■トーベ > 「そ、配達人。ボクは脚の速さだけが取り柄だからねー。まぁここで少し休んでも今日中に往復できるっしょ」
手ぬぐいで首筋や頬の汗を拭き拭き、バッグから水袋を取り出して少しずつ口に含みながら、リンの触診をうける。
まだまだ蒸し暑い時候。運動後の身体はなおも火照りが収まらず、汗は拭っても拭いきれない。
木陰ゆえに若干過ごしやすいものの、木陰ゆえに少女の全身から立ち上る湯気も目立つ。
青臭い雑草や樹木の香気に混じって、甘酸っぱいスポーツ少女のフェロモンが2人の間に立ち込める。
当然、その香りはたっぷり汗を吸ったブーツや靴下、そしてそれを脱いだばかりの足先にて最も濃くなる。
男子に触れられているにも関わらず脚に緊張感が見られないのは、そんな余裕もないほどの疲労感に苛まれているため。
むしろ触られるのがマッサージとなり、心地よさを感じる。
『揉んで』とお願いしたくなるところだが、さすがにそこまで強いるのは申し訳ないな、と思い始めていたところ……。
「………んひゃ!?」
ぬるり、と脛を這う湿った感触には、思わず愛らしい悲鳴を上げ、脚に緊張を走らせてしまう。
舌を跳ね除けるように筋肉が一瞬硬く張るものの、リンの腕の中から脚を引き抜くまでには至らない。
「……えっ? リン君、もしかしてボクの脚……舐めた? なんで? その、えと……汚くないッスか? 汗とかで……。
それとも何かのおまじない……?」
汗ばんだ少女の脚を舐めたい、という性癖があることなど露も知らなかったトーベ。
嫌悪感などはなく、少しのくすぐったさと大きな当惑から、目をまんまるにして少年を見つめる。
そして彼がそうするに至った動機を率直に聴く。なおも素足を少年に委ねつつ。
■リン > 泰然として休息しながら触診を受ける相手の姿に、まるで自分が従者になったような気分になる。
あたりの空気が、相手のフェロモンに支配されていることだってそう。
そんな中で足を突き出されていたら、舐めて、と言われているのだとも受け取ってしまう。
だからといって、急に脚を舐めるのが一般的に自然なことかというとまた別の話だ。
「えっ、別に汚くないし……じゃなくて……そ、そう。おまじない!
怪我が治りやすい、みたいな……」
相手の反応に、自分がやらかしてしまっていることに気づき、
しどろもどろに言い訳をする。
口や鼻孔に残る味が、ズボンの中のものを窮屈に持ち上がらせていた。
申し訳無さ、背徳感、そしてそれが助長する昂奮。
やめるべきなのだろうが、足がまだ腕の中にあるということは、許されているのかもしれないと思ってしまって。
「あ、えっと、その、そういうことだから。
その……もっと、舐めていい?」
何がそういうことなのだからなのかわからないが、上目遣いに許可を伺い……
そして返事が来るのを待たずに、今度はつま先を持ち上げて、指を口の中に含み、舌を這わせて吸おうとする。
体格差が体格差であるし、拒もうと思えばいくらでもそうできるだろう。
■トーベ > 「そ、そうなの? うーん、リン君が汚いと思わないならボクも全然気にしないッスけど……。
でも変なの。ママにしょっちゅう『足臭い!』って怒られるのにな……あはは……」
別に汚くない、という言葉にトーベはさらなる困惑から苦笑いを浮かべる。
なんせ初めてのことだから。脚に顔を寄せられるのも、あまつさえ舌を這わせられるのも。当惑しかない。
かといって全く不快ではない。リン当人からやってきたことだし、彼が汚くないというのなら何も問題はないのだろうし。
敵意も下心も全く見られない彼が『怪我を早く治すため』と言うのであれば、従うのが賢明であろうというもの。
……下心は満々のようだけど、それを見抜くほどにトーベは世慣れていない。
「ん、いいッスよ。おまじない、リン君にお任せするッス……。
………ん、ふ。……や、さすがにそこは、くすぐったい……ッス……♪」
そんなリンが足指を口に含もうとするのも拒まないが、いざそうされると、未知のこそばゆさに思わず脚を揺すってしまう。
舌が指の間に這入ってくると、ぎゅ、と反射的に指に力を込めて舌を挟んでしまう。すぐに脱力するが。
トーベの足裏はヤスリがけでもしたかのようにすべやかで、角質の白味が一切見られない。
成長期の乳房のごとくに、プニプニとした柔らかさとその下の骨の硬さを共存させている。短く爪の切られた指先も同様。
そして当然、汗が最も濃く溜まっているのも足指あたり。ツンとした酸っぱさと男心をくすぐる香りが蟠っている。
誰にも触れさせたことのない場所に少年の舌が這う感触に、さすがのトーベも色っぽい声を奏でてしまう。
そんな風に献身的に少女の脚を愛撫するリンを、トーベはまじまじと眺めていたが。
そうすればやがて、リンの股間で膨らむ突起物にも気付く。
「り、リン君……その。えと……ズボンのところの、膨らみ……大丈夫ッスか……?
たしかその……男の子が興奮すると、そこ、膨らむ……って聞いたことあるッスけど……」
若干物怖じしつつも、トーベは率直にその膨らみについて指摘し、問いかける。
頬が少し赤らむ。トーベの性知識は年相応程度だが、王都の『平均的』少年少女よりは遅咲きといえよう。
■リン > 「あ、ありがとう……」
許可を得られて小さく頷くリンの目つきはすでにどこかとろんとしている。
無垢に笑う少女の脚を舐める背徳感と、青くも瑞々しい味わいに、脳が麻薬のように溶かされていた。
生暖かく濡れたリンの小さな舌が、指を根本までくるむように愛撫する。
指の奥、汚れてえぐみのある箇所を掘り出すように、舌を這わせる。
傷つけないよう、唇や歯で甘く食めば、ただ柔らかいだけではない、骨と爪の硬さも伝わってくる。
舌が指に挟まれてしまえば、びく、と身体を震わせる。
一本一本の付け根まで逃さず丹念に、少女の汗を、じゅるじゅると、下品な音を立てて自身の唾液と置き換えていく。
腿や脛も腕で支え、柔らかい手付きで指を沈め、揉み、撫でる。
「っ……あ、大丈夫っ……」
唾液の糸を残して、ひととき指から口を離す。熱い吐息が、濡れた足裏をくすぐる。
そもそも、足を勝手に舐めて勃起しているというのは、大丈夫とかそういう話ではないのだが。
相手の無知に甘やかされて、変態欲求はエスカレートする。
「あ、そのっ……ふ、踏んでもらえれば、収まる、かもっ」
ちら、ともう片方の脚に期待するように視線をくれてしまう。
本当に本気で踏み潰されても、文句は言えない。
■トーベ > 「えっ、ありがとう……って。こっちが脚をマッサージしてもらってるのに、どうしてお礼言われるんスか?
リン君って変な子ッスね……ふふ♪ ………ん、ぅ………そこ、気持ちいい、ッス……」
……などと素直にリンを不思議ちゃん呼ばわりするトーベ。
だが、いよいよ右脚を『貪る』口遣いに熱が入っていくのを見れば、彼が礼を述べた理由も徐々に腑に落ちていく。
彼はそういう性格、いや性癖なのだと。好きで自分の脚を舐め、味わっているのだと。
それはそれで変な気持ちになる。嫌ではない、もっとされたい、させたい。だけど続ける事にほんの少し忌避感がチクリと伴う。
その気持ちは『性的興奮』と呼ぶべきものだが、初心なトーベにはまだその自覚がない。
しかし身体は足先から伝わる感触に否応なく反応し、雌の芯は徐々に潤いを帯び始め、疲れとは別の汗が珠を作り始める。
「……踏めば、収まる? ボクの足で? ……ええと、身体の中に引っ込める感じッスかね?
全然構わないッスけど……その、ヘタこいてもあまり怒らないでほしいッスよ?」
リンがトーベの左脚に視線を向けるのを見て、彼がしてほしいことを概ね察する。
疲労から立ち直りつつある無傷の左脚を寄せてブーツと靴下を解き、右同様に裸足となる。
しっとり潤いをまとった足先をそっと伸ばすと、リンの股間に服の上から恐る恐る触れた。
まずは突起の先端を足指の腹で覆うように。そのままぐい、と徐々に圧をかけてみる。
布地越しでも、トーベの足裏の柔らかさと暖かさ、そして煮詰まった汗の湿り気が伝わることだろう。
「わ、固い……。えと、リン君……これでいい…スか?」
右足を貪る少年の顔と、足蹴にされる股間とを交互に見つつ、トーベは恐る恐る問う。
■リン > 「…………っ」
変な子と呼ばれるのも。気持ちよいと言われるのも。
自分の行いがただの自己満足でとどまらないと許されているようで、心地よい気分になる。
相手が、何かに目覚めかけていることに気づく余裕は、リンにはまだない。
「んっ。ああ……っ」
股間を包む重さと熱さ、そして湿り気に、思わずのけぞって声を上げる。
布越しでも、まるで極上の性器に包まれているかのように、錯覚してしまう。
先端が指に押さえつけられ、急所を捕捉されることに、ぞくぞくと背筋があわだつ。
収まるどころか、かえって足裏で強く主張し、跳ね返ってくるのを感じるだろう。
硬さと熱さを孕む弾力が、指を押し返す。
「……っ。いいっ。もっと……動かして……っ」
嬉しくなって、足の裏に口づけ、舌を這わせしゃぶる。
自分でも腰を揺らしながら、そう懇願する。
■トーベ > 何もかもが未知の感触。
生まれてこの方、マグメールの地面しか踏みしめたことのない少女の足裏が今、初対面の少年を踏みしめている。
片方は口に、片方は男性器に。硬かったり柔らかかったり、湿っていたり脈打っていたり。
気持ちいいと気持ち悪いが共存しつつも、間違いなくクセになってしまう感触である。
リンが汗まみれの足をくまなく味わおうと貪りついているが、その気持ちがトーベにも徐々に理解できつつある。
――ボクも、この少年を心ゆくまで味わってみたい。脚で。
「……ふふ。なんスか、今の声? ……そうでした、思い出したッス。男の子のそれ、気持ちよくなりきると収まるって。
いまので気持ちよかったんスか? なら……よかった。続けてみるッスよ」
リンが奏でた嬌声に、トーベはいよいよ明確な恍惚を覚えた。トーベもまた目覚めかけている。
続けてみる、と宣いながらリンに向けた笑顔は、今まで通りの柔和さの中にわずかに嗜虐の光が宿っていた。
そのまま、ペニスの硬さに従うように親指と人差し指を割り開き、指の側面でくにくにと挟む圧をかけながら下におろしていく。
竿の下端までねっとりと這い下ろし、睾丸の柔らかさを指先に感じればしばしそれを弄ぶようにつつき回して。
そして今度は足の五指でぎゅっと竿を握り、それを蠢かせながらまた上へと這い登らせていく。
「……ふーっ……ふーっ……んっ、ぅ…♥ ……はふっ」
少年の舌で右足を愛されながら、少年の恥部を左足で愛して。
さすがのトーベも強い性的興奮を抑えきれず、無口になりつつも呼吸は荒い。発汗もどんどん多く、濃くなっていく。
■リン > 「……っ、う、うん」
少女の言葉に、指を頬張ったまま頷く。
先程までと違い、自分たちのやっていることを理解し、それでもなおどこか楽しそうな様子に、別種の興奮が滲み出す。
少女を利用して欲望を満たしているだけではなく、
自分もまた、少女に利用されている。
ごっこ遊びがごっこでなくなりかけるときの、破滅的な快楽だった。
「ん、あ、あーっ、そこはあっ」
肉茎に伝わってくるのは生娘とは思えない手管、いや足管。
昨日まで性も知らなかったはずの少女の足に、並の手淫とは比べることもできない快感に導かれていく。
一気に快楽に導かれるのではなく、竿を上から下へ下から上へと、丹念に舐めるように。
官能の鍵盤を叩かれて、ひゃ、と甘い声が出てしまう。
睾丸に指先が何度も沈めば、呼吸が乱れ、息が詰まる。
弄ぶような刺激に、射精には至らず、雄突起は痛いほどに膨れて、切なく張り詰めていく。
「うぅ……トーベのっ、あひ、すきぃ……っ、
トーベぇ……っ」
足裏、指の付け根に鼻を埋めたかと思えば、
今度は指を何本も、まとめて咥えこんで、じゅううじゅうと、吸う。
味わうというよりは、脚の持ち主に、甘えるように。
■トーベ > リンに言われたとおりに、とトーベは意識していた。だがリンから言われたのは「もっと動かして」という言葉のみ。
小柄な少年の愛らしいペニスをズボン越しに弄ぶ足つきは多種多様で、手を用いた愛撫にも劣らない器用さ。
生来の運動神経もあるだろうが、確実にトーベの雌が花開きつつある証左でもあるかもしれない。
リンの愛らしい嬌声に絆されて、本能が左足の指を淫らに蠢かせる。
「ふうっ……♥ ふうっ……♥ ぼ、ボクの足、好き? 嬉しいッス……♥
自慢の足ッスからね……。ボクも、足でリン君に変な声出させるの、楽しいッス……♥」
足裏をむぎゅっと押し付けたり。四指で竿を捕らえたまま先端を親指でくりくり捏ね回したり。
器用に腹の側まで足を回してカリ首をこりこり弾いたり。睾丸をまるごと足裏で包んで揉んでみたり。
さまざまな足遣いでリンの急所を弄び、つど反応を伺う。
その仕草は楽器の調律にも似ていようか。トーベは楽器なんて使ったことないけれど。
「………っ、く♥ ん、あ、あうっ……! リン、くん、そ、それ、っああ……♥」
おしゃぶりのように右足の指がきつく吸い立てられると、再びトーベの脚がびくりと震え、明確に色を帯びた嬌声が漏れる。
小さな少年の口腔の中で、すべやかで短い指たちが乱雑に跳ね、踊る。足先で軽い絶頂を経験したのだ。
乙女の股間ではいよいよ湿り気がスリット奥から滲み出てスパッツを濡らしている。
ズボンにまではまだ浸透してないが、汗とは違った雌の匂いに気づけるかもしれない。
そして、そんな情熱的なリンの足フェラに応えるかのように。トーベの左足も本能的に「終わらせ」にかかる。
布越しにペニス全体をぎゅーっと握りこむと、足指を蠕動させながら強く上下にゆすり始めた。
先端が布に擦れることもいとわず。カリ首から裏筋まで柔らかい足裏の肉をまとわりつかせ、責める。
今までの恐る恐るのアプローチから一転、かなり乱暴な足コキとなるだろうが、リンは耐えられるかどうか。
■リン > 「っ、すき、すき」
幼児が覚えたての言葉を口にするように何度も繰り返す。
口の中の足の味と、股座を愛する足の重み。
その二つに、震えて息を吐き、裏返った声を上げ、瞳をうるませる。
こね回され揉まれて、ズボンの布地を熱い先走りが濡らし、少女の汗と混じっていく。
「っ、あああっ、あっ、~~~~」
そして、暴れる指に、雄茎と口腔を同時に蹂躙される。
咥えた足指が口の中を撫で、深く入り込むのを、好きにさせる。
痛みすらある摩擦は、しかしかえって快楽となり。
足裏に踏み潰されたまま、熱く、自分のものを弾けさせてしまう。
いくらかは布地から染み出して、少女の足裏にも付着するだろう。
■トーベ > 「あっ♥ ……あ、は♥ ………リン、くん……♥」
足先で感じた淡い絶頂の余韻に浸りながら、わずか遅れて到来したリンの絶頂を両足を通じて堪能する。
右足の先は暖かくぬめった舌や歯の感触、ふるえを味わいながら。
そして左足の先でも、感極まった嬌声に同調して脈打つ肉棒、何らかの液体を吹き湿っていく感触をたしかに感じて。
ズボンの布地に収まりきらないほどの白濁が滲み出てくるなら、その時になってさすがにトーベも少したじろぐ。
「………あ、あわわ。やばいッス。リン君のズボン、湿らせちゃったッスね……。
えっとこれ何でしたっけ? えーと……名前は忘れたけど……子供を作る時に必要な……まあ名前はどうでもいっか?」
リンの股間の脈動が収まるまで指の蠕動を続けた後、そっと両足を彼から離す。
そして木の幹に預けていた身体を起こし、少年の股間に顔を寄せる。
彼がおちんちんから出したモノへの興味と、それによりズボンを湿らせてしまったことの申し訳無さから、ちょっぴり苦々しい顔。
「……ん、なんか変な匂い……。
っと、申し訳ないッス。旅の途中なのにズボン汚させちゃって。拭くものあるッスか? ないならボクの手ぬぐい貸すけど」
匂いを嗅げるほどに少年の股間に顔を寄せ、率直な感想を述べて。
そして改めてリンの顔を間近で見据え、申し訳無さそうに首を傾げながら謝罪する。
「とりあえず、リン君の『おまじない』のおかげで、右足の痛みはもう消えたッスよ。また走れそうッス。
リン君も……そこ……落ち着いた?」
■リン > 「っ……ふぅぅ……」
同じように余韻にしびれていたが、興味津々とばかりに股座に顔を近づけられるとうひぃと声が出てしまう。
無知な子に欲望をぶつけてしまったこと、そして途中からは半ば弄ばれていたことに
射精まもないというのに、改めて興奮が募ってしまった。
「気にしなくていいよ……替え、あるし……
落ち着いたよ。ありがとう」
トーベの申し出を、弱々しく辞する。
落ち着いていないと言ったらもっとしてくれるのだろうかと思いかけたが、そこまで浅ましくはなれなかった。
「……良くなったんなら、いつまでも引き止めちゃうのも悪いし。
けど、よかったらまた会ったときにでも……
“おまじない”、させて……」
ズボンが湿った情けない状態で、顔を赤らめ、間近の少女から視線をそらして、そんなことを口にする。
■トーベ > 「そう? まあ替えがあるのなら……。
……ふふ、よかったッス♪ リン君が気持ちよくなってくれて。ボクも今の『おまじない』楽しかったッスよ。
また会う時に備えてボクも『おまじない』練習しとこっかな? ……わ、この白いやつ、とろとろでプニプニしてる♪」
リンが申し出を固辞するなら、トーベは再び木に背を預け座り直す。
左足に付着していた精液に気づき、つまみとって指先でひとしきり弄ぶ。さすがにそれを口に運んだりはしないが。
彼の言う通り、今はアクシデントが原因となった小休憩。リンの旅程は知らないが、トーベは仕事中であり先を急ぐ必要がある。
濃い雄臭を放つ白濁を躊躇なく手拭いで拭うと、脱ぎっぱなしの靴下を手に取り履こうとして……。
「……ん。汗でぐっしょりな上に冷えちゃってるッスね。履きたくないな……。
まあボクもキミと同じでちゃんと替えは持ってるし。これはここに捨てて行くッス」
たっぷり汗を含んだ靴下を手近な雑草の上に捨てると、バッグの中から替えの靴下を取り出す。
リンの目の前で無造作に脚を開きつつ、靴下とブーツを元通りに履き直し、立ち上がる。
リンの『おまじない』の甲斐もあるが、生来の高い持久力もあり、完全に体調は元に戻っている。
「……さ、出発ッスよ!
リン君、またね! 何か運んでほしい物があったらいつでも『マレゾン・スウィフト・デリバリー』に来るッスよ!」
街道に出て一度振り返り、手を振ると。そのまま西の方へと駆け出していく。
走り出しこそ常人のスプリントと同様だが、ぐんぐん速度が上がり、歩幅も数メートル単位で伸びていって……。
……すぐに、彼方へと消えていった。
■リン > 「ああ~」
眼の前で繰り広げられるよく知らないで精液を弄ぶ様子に下卑た欲望とモラルが少しの間せめぎあった。
「うん。またね……」
別にこんな変態のことなど明日にでも忘れてしまっていいのだが。
温かい言葉に、リンも自然と笑顔になって、手を振って見送る。
そして……その姿が見えなくなったあと、視線が落ちた先は、無造作に捨てられた、汗で濡れたままの靴下。
おそるおそる、それを指でつまみ上げて……顔の前に持っていく。
冷えつつあるそれは、先程まで嗅いでいたそれよりもさらに、“悪臭”という向きが強くなったものだったが……
「…………」
リンがちゃんと着替えるのは、もう少しあとになりそうだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からトーベさんが去りました。