2021/09/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にルーミスさんが現れました。
ルーミス > 街道沿いの草地に、ぼんやりと佇む小さな野営のテント。
中では一人の錬金術師が、本日採取した材料を元手にどんな薬を作ろうかと思案しているところだった。
ランタンの仄かな灯りを元に、下に広げた大きめの紙に絵やら字やらを書いていく。
いつも通り薄着ではあるが、熱中してきたのか次第に暑くなり始めて。

「……はぁ」

息を吸おうとテントの入り口をめくり、外に顔だけ出す。
すると、街道を歩く一人の影と、ゆらゆら揺れる灯りが見えた。

旅人だろうか。
幾ら街道とはいえ、夜一人で歩くのは少々危なくはないだろうか、とその影を見ながら自分のことは棚に上げて思う。

「………なぁ、あんた。もしかしてそのまま王都まで歩いていくつもり?」

放っておけば良いものの、つい声をかけてしまう。
昔と異なりすっかりお人よしめいた自分に妙な気を覚えつつ、テントから首だけ出して答えを待つ。

クフィナ > 王都に戻れば先ずは歩いた疲れを癒すために宿で数日過ごそう。
その時にパーティーを組んでいる仲間を見つけていれば一緒にも悪くはない。
そんな事を考えて少々周囲への注意が散漫となりながらも歩き。
街道沿いの草地に小さな野営テントの存在にも気が付かないまま通り過ぎようとしてしまう。
しかしそれも声を掛けられれば足を止めて。

「…え?そのつもりですけど。そんなところにテントがあったんだ」

声がした方へと視線を巡らせるとあんな所にとテントとそこから顔を出す人影に気が付き。
そちらへと灯りを向け、相手の姿、声で女性と判りはするがその姿を確かめようとする。

ルーミス > 注意散漫になっているのか、ぼんやりと歩いていた人影が此方を向く。
流石に手元の小さな灯りだけではどんな様相かわかりはしないが、女性のようだ。

「ふーん。随分とまぁ、足一つで頑張るんだな」

大したもんだ、と感心するのも束の間、灯りを向けられる。
少々気が強そうではあるが、整った顔立ちが照らされるだろう。

「ちょっとね。王都の店で使う材料を取りに来たんだ。
明日の朝には帰る予定だったんだけど……」

ちら、と中を一度見る。散らかってはいるが、二人入れなくもない大きさだ。

「泊まっていくかい?女二人くらいならまぁ、どうにかなるだろうさ」

クフィナ > 「本当は乗合馬車で帰るつもりだったんですよね。
けど見事に乗り遅れちゃって。
急ぎって訳でもないんだけど何となく?」

実の所、どれぐらいでたどり着けるかを考えていない行き当たり合ったりだと少しだけ恥ずかしそうに笑い。
向けた明かりの先に整った顔立ち、気が強そうに見える顔が浮かび上がり。

「冒険者に頼むんじゃなくて自分で?
そっちの方が頑張ってない?」

何の材料なのかは判らないが自分で取りに行く方が頑張っていると思い。
泊まるかという誘いの言葉に少し考える仕草を見せて。

「…折角ですしお邪魔しますね。野営する方がいいかなって考えていたので助かりますよ」

どうせ野営をするなら一人より誰かと一緒の方がいい、そう考えて笑顔を見せてお願いしますと告げ。
街道からそれてテントへと近づいて行く。

ルーミス > 「ふーん。ドジなことしたもんだなぁ」

初対面にも関わらず、言葉に遠慮が無い。
向けられる灯り、少し眩しそうに瞳を細めた。

「冒険者やらに頼んじまうと違うもん持ってきたりするからさ。
やっぱ自分の目で確かめた方が確実なんだよ」

肩を竦める。実際よくあることだ。彼らの腕を信用していないわけではないが…
そしてお誘いの言葉に乗っかる彼女を、テントの中に招き入れようと入り口を広げた。

「ま、旅は道連れってな。…変に散らかってるけど、あまり気にしないでくれ」

テントの中は、ランタンの明りと材料が入っているためか結構膨らんでいる大きめの荷物入れ。
そして下に広げられた大きめの紙がある。

クフィナ > 「あはは、返す言葉もないですよ、ほんと」

本当にその通りなので笑うしかできず。
眩しそうにしている事に気が付けば灯りを小さくしていき。

「それは災難というかなんというか…ワタシはそんな事はないから任せてくれて大丈夫。
自分の目でって言うと薬品の材料だったり?」

依頼の出し方なのか受けた冒険者のドジなのかは判らないがそれはついていないと同情し。
さりげなく自分を売り込みながら入り口を広げられたテントにお邪魔しますと入り込み。

「こうして泊めて貰えるだけで感謝ですって。それにそんな事もないですよ。
ワタシは王都で冒険者をやってるクフィナ、今日はお世話になるね」

テントの中で膨らんだ大き目の荷物入れに広げられた紙が目につき。
散らかいるとは思えずに首を振り、あまり場所を取らないようにと座り、大きめの紙に目を向けて。

ルーミス > 灯りを小さくされれば、ありがと、と軽い礼を返して。

「そ、薬の材料かな。私、一応錬金術で仕事してっからさ」

依頼の出し方については間違っていない筈だ。
例えばヒーラーなどに頼めばまた結果は違ったかもしれないが…
頼む相手を間違えたのかもしれない。

「冒険者か。私はルーミス。一応王都で店やってるから、
暇があれば覗いてみてよ」

大きめの紙には、薬の精製法について何やら文字がざっと書かれている。
所々に簡素な絵も描かれているが。
彼女の傍らに腰を下ろしながら、その視線に気づいた。

「興味ある? …つってもまた書きかけだけどね」

クフィナ > 「薬はチャレンジしてみたんだけど駄目だったのよ。
ワタシは冒険者と魔術の品の製造かな」

冒険者がメインで気が向けば魔道具を作っていると告げ。
おそらくは受けた冒険者は区別がつかなかったのだろうと肩を竦めて。

「ルーミスね、お店まで持ってるなんてすごい。
今度覗かせて貰うから」

目を向けた大きな紙に書き込まれた文字を眺め。
所々の絵を見て薬の精製法なのかと文字を追ってしまい、隣に彼女が腰を下ろすと我に返り。

「似たような事やってるからね。完成したのを見るのは不味いし書きかけでよかったかも」

それでワタシが作ると駄目でしょ、と笑って見せて。

ルーミス > 「魔術の品か。…となると、他の冒険者より目は確かってことだよな」

此方もたまに魔術の品を作ったりはするが、あくまでメインは薬。
よろしく、と自己紹介し合った後、店に来てくれると聞けば嬉しそうにはにかむ。

「何だって売ってるよ。冒険に役立つものを始め、普段から使えるものもね」

使い道は幅広い。王都の一般の客だって多いのだと得意気に笑ってみせて。

「そう?別に大したもんじゃないけどな。
よくある薬に、ちょっとした工夫を加えてもう少し便利にしたものを作ろうと思ってさ」

かなりざっくりとした説明だが。
それはさておき、広げていると少々邪魔なので大きな紙は折り畳み、荷物の方に放り投げておく。

クフィナ > 「変なのは作れないから。
だからどうしても目利きになっていくの」

製薬にも少し手を出してみるのもいいかもしれない。
なのでまずはお店にお邪魔をしてみようと決めて。

「そうなの、だったらなおの事覗きに行かないと」

冒険で使えるものやそれ以外と聞くと隠れた名店発見かと。
そうなら馬車に乗り遅れた事がいい出会いになったと笑って。

「薬に工夫なんだし十分大したものよ」

ざっくりとした説明に何度か頷き。
紙が折りたたまれ退けられると胡坐をかくように足を組み、楽しそうに笑っては彼女を眺めて。

ルーミス > 「それはいい。…じゃ、これから薬の材料を集めてきてほしい時はクフィナにお願いしようかな」

いい所で知己を得られた。
彼女の目利きがどれくらいかはわからないが、自信ありげに言うくらいだから中々のものなのだろう。
お店への来訪はいつでも歓迎であると笑って。

「いい客になってくれるなら歓迎さ。回復薬から増強薬。
それに変わり種だと媚薬とかも売り出してるかな」

冗談めかしているが、案外求める客は多い。王都だからこそなのかもしれないが。
此方も足を崩し、眺められれば眺め返す。

「それにしても…随分な軽装だな。それで大丈夫なのか?」

クフィナ > 「任せて。これでも採取は得意の一つだから」

薬品は自分では作らないが採取はよく行うので問題はないと考え。
何時でも任せてと胸を張って告げることが出来。
お店へは仕事を抜きにしても行ってみようと決めて。

「ワタシも仕事を回してもらえるなら大助かり。どっちも冒険者には必要ね。
媚薬?あれもあって困らないし行った時には買わせてもらうね」

媚薬と聞くと目を輝かせ、買える店をまた一つ知れたという顔になり。

「これとこれ。ワタシが作った魔導具ですけど収納が出来るんですよ。
こんな感じで…だから軽装で問題ないんですよね」

腰の大きな宝石のようなものが付いたアクセサリーに触れると空の瓶を一つ取り出して見せ。
作った作品でこれがあればと説明し、気まぐれで売ったりしているとつげて。

そうして眠くなるまで色々な話をしていき、夜を過ごす事となって…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からクフィナさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルーミスさんが去りました。