2021/01/23 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に覚竜王さんが現れました。
覚竜王 > 街道には薄く霧が漂っている。
街道のすぐ傍らに小川が流れ、そこから漂い来る霧である。
その霧の中を、一人ゆく旅人の姿があった。

霧中を進む人影は、薄緑色の異国情緒豊かな衣服に微細な霧の湿り気を纏わせたまま、のんびりとその街道に歩を進めていた。

風こそないが、底冷えのする空気である。その中を人影は、物珍しそうに景色を楽しみ、やけに呑気に歩を進めているのであった。
すらりとした長身。薄緑色のその衣には、銀糸で精緻な刺繍が施されている。

見る者が見れば、それは遥か東方の世界で神として祀られる竜を象ったものと見てとれよう。
どうやらこの旅人は、遥か東方からこの国へとやってきたものであるらしい。
腰には瓢箪と呼ばれる植物の実を乾燥させ、当方で水筒として用いられる物がぶら下げられ。
釣り竿らしき物を片手にし、それを右肩に担ぐようにしつつ、旅人は時折腰の瓢箪から何かを口にしているのだった。

そうしてこの旅人は、寒さに人が早足で行き過ぎるような霧の街道を、さも呑気そうにゆるりと歩を進めている…。

覚竜王 > 街道に流れ漂い出す川霧は、濃さを増してゆくようである。
しっかりと整えられた街道に歩を踏み出している限り、道から外れるということはなかろう。が、万一街道を外れなどしたら、野山や森に漂う濃い霧に、迷ったとしておかしくない。
それは、決して油断してはならぬような道行きであった。

で、あれど。
旅人の様子に変わりはない。

見慣れぬ異国風の衣の裾に霧を吸わせ、その裾を雅に翻して歩を進める。
もし、旅人の傍らに誰かがいれば、彼が口許へと運ぶ瓢箪から、ふくいくとした酒の薫りが霧の中へと時折漂い流れているのがわかるだろう。

瓢を傾け酒を楽しみ、旅人はゆく。
底冷えのする寒さの中、行く手を阻む霧の中、やけに長閑なその歩調は変わらぬままに…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」から覚竜王さんが去りました。