2020/07/18 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 草木も眠る夜に、ダイラスと王都を繋ぐ街道を歩く男。
周囲は平原であり、今の所何かの影はない。
だが、男は油断なく周囲を見渡し、何かがあれば直ぐに剣を抜く準備をしている。
とはいえ、その表情は怪訝というか、今一得心していない様な表情で。
「こんな街道に、本当に魔力の反応なんてあったのかな……」
今回の依頼は、具体的な脅威への対処というよりは、その存在を確かめるための予備的な依頼である。
曰く、たまたま此処を通った魔術師ギルドの魔術師が、強大な力を感じた、らしい。
何分咄嗟の事だったのと、乗合馬車なので止める訳にもいかなかったので、詳しいことは解っていないらしいが。
とにかく、その時間帯にもう一度街道をパトロールして、そんな魔力を発した何かの存在を、或いは不在を確認しろというのが依頼だ。
「まあ、街道を暫く歩くだけで金がもらえるって言うんだから、やりはするけどね……ふぁーぁ……」
とはいえ、今の所そんなものの影はない。
手元の時計のような魔導機械――曰く魔力計とかいう機器らしい――にも反応はない。
今の所、純粋な夜の散歩でしかないのだった。
■クレス・ローベルク > ――男はそのまま、街道を歩いていった
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にニコルさんが現れました。
■ニコル > 黄昏れ時。
辺りは夕焼けの橙色に包まれて、緑の森も街道の柵も、何もかも境界線や稜線が曖昧に見える。
両手に笹百合の花を抱えて街道を歩きつつ、視線は遠い街の灯と背後の森影とを交互に見遣る。
「街が見える距離とは謂え、少し遅くなっちゃったかしら」
独り言ちてみるも、その声に後悔や反省の色は無く。
ただ真っ直ぐ進めば間もなく都の外れへと到着する筈。
その証拠に、自分と同じく夜の帳が降りる前に都に入ろうと歩を早める人の姿をちらほら見かけるようになった。
ある程度慣れた道ではあるけれど、流石にすっかり夜となってしまえばこの辺りも安全とは言い切れないだろう。
とはいえ、足取りは特に急ぐ風でもなく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアルファさんが現れました。
■アルファ > 夏を迎えて生い茂る緑の草葉を茜色に萌やす中にて街に向けての帰路を歩んでいた。
時折通り過ぎる冒険者や乗り合い馬車以外は人気少なく閑散とした所。
それでも闇に生きる者にとっては恐れること無く緩慢な足取りで歩いていた。
街へと続く一本道への帰路に差し掛かるまでは。
「……」
自分の前を歩く旅人の姿に目を奪われた。
夕日に染まる長い髪と漆黒のドレスはとても目を引く。
それも日が沈みかける道のりを行く姿とも思えず。
軽々と跳躍してはその人の前に音もなく着地して。
「こんばんはご婦人。余計なお世話かもしれないがもうすぐ夜になるのにその軽装が心配になった。
どこに向かわれるのかな?」
■ニコル > 「―――……あら。」
不意に目の前に着地した存在に対し、特に目に見えて狼狽も驚愕もせず、口から出たのはやや感嘆する風にも聞こえる短い声だけ。
歩を止め、軽く目を眇めるようにしながら相手を見遣った後、口許だけに淡く笑みを浮かべた。
「ご親切にありがとう。王都へと戻るところよ。
慣れた道だし、もう街の灯も見えているし。
余程のことでもない限りはいつも通りの帰り道の筈よ」
うふふ、等と小さく笑い声を含ませて軽く首を傾ける。
相手の様子をそれとない視線で確認しつつに、今度は此方からも同じような問いを。
「そういう貴方こそ、どちらかへのご用事なのでは?
随分と身軽なご様子なので多少の道草をしても大丈夫ということなのかしら?」
■アルファ > 「おや、驚かないんだ。見た目と違って肝が座ってるねご婦人。」
微笑みを持って闖入者を歓待したことに気分良さそうに口元を緩める男は半妖。
夕日の逆光を受けて黒尽くめの体に影が差すけれども。瞳だけが薄紅の光が宿ったように輝いて見る
婦人の会話に楽しげに弧を描いて。
「王都か。まぁ当然だな。俺もそちらに向かうし。良ければご一緒しよう」
前に佇む体を翻して肩を並べて歩こうとしていた。
そんな時に問いかけられる言葉にかくりと小首を傾げて。
「俺も王都に帰るところだよ。ギルドの依頼報告をして後は宿に帰るだけ。
身軽そうに見えるけれど、一応武器は携帯している」
外套の留め金を外してひらりと前を開けば、外套の内には幾つものナイフがあり。
均整取れた体に張り付くようなシャツとズボンにはイヤリングのような金細工がつけられていた。
■ニコル > 「何か驚くようなことでもあったかしら?
それとも貴方、私を驚かそうと思っていらしたの?」
百合の花を軽く抱え直しながらに、幾分咎める風な口調となる。
その口調さえもがそう見せることが目的の演技めいたものでしかないのは、見て居ればすぐに気付くことだろう。
相手が隣へと並び同じ進行方向へと向かって歩を踏み出すのを見ると、一度だけ表情を見詰めた後に、止めていた足を再び動かした。
「所謂、お仕事帰り、ということかしら。
こんな広い場で目当てのものを見つけ出すのは大変そうねぇ」
人に紛れて生きる人ならざる身は此方も同じこと。
とはいえ人に紛れる暮らしも随分と長くなった所為で、自分の素性に初見で気付くような存在も多くはないだろう。
尤も人ではないというだけで、過剰な能力の持ち合わせがある訳でもないのだから、確かに庇護を受けるべき存在なのは確かかも知れないが。
「…お仕事帰りだというのに護衛めいたことをさせているようで申し訳ないわ。
何かの依頼が出来た時には、ギルド、とやらにお願いをするようにするわね」
■アルファ > 「ううん。驚くようなことはないし驚かせようとも思ってない。
こんな風ににこやかに話せるのが久しぶりなだけ」
夕陽が差し込む道を歩く。何かに出食わし襲われるようなことはないかもしれないが。
それでも彼女の横にはにこやかに語らう相手が出来た。
語られる言葉に嬉しそうに笑顔を見せて。
「今日は護衛の仕事だった。街道を往復すればいいだけだから楽だったよ。
それよりも、今こうして美人さんと一緒に歩けるのが楽しくて苦になんて思ってない。
仕事、もしあれば格安で引き受けるよ」
夕陽と同じ柔らかさに呟いた青年はあらためて彼女の見た目に目を向ける。
人為らざる者とは分からないが何か惹かれるものがあった。
「ところで貴女は何の用事で遠出を?
まるでダンスパーティーに参加するような格好に見えるよ」