2020/04/28 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を凝らすための手段に他ならなかった。

「――――よし。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にオブシダンさんが現れました。
オブシダン > 月明かりが薄ぼんやりと雲に隠れた夜半。
それに照らし出される街道沿いに、大きな木があった。
王都からどこかへ者、王都へ向かう者。
どちらにとっても目印となり、休憩所代わりに使われることもある木だ。
年月を重ねて朽ちかけているその幹に、漆黒の蝶はとまっていた。

複雑な紋様を描く漆黒の翅。
一度、二度、と僅かに動く度、ふわりふわりと黒紫の燐光が散る。
淡い月明かりに浮かび上がって、風に乗って散っていく。
見るものを幻に誘い込む。触れるものを夢に引き摺り込む。
知性あるもの、欲望あるものを蝕む幻燈。
仄かに、それを散らしながら――その蝶は大きな木をひと時の宿としていた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレフェーリアさんが現れました。
レフェーリア > 「ふぅ……」
道中存在している巨大な木に身体を預けて一息着いている女性が一人。
雨風を完全に凌げるとは言えないだろうが、ほんの一時を休むだけならばこれだけで十分ではあるだろう。
月に照らされた中ではその漆黒に染め上げられた身体は見え辛く、
何気なく見上げた時に漸く彼女は周辺に胡乱に漂う魔力の気配と、辺りを羽ばたく煌びやかな羽の存在に気が付いてしまった。
「……あ、あぁ…な、に……?」
星が落ちて来たかの様な煌めきを感じながら、これはきっといけないものだ、と直感で理解する。
それでも僅かな判断力が鈍るのと合わせて、彼女の趣向が敢えて逃げない、とまで結論に至るまま、気付けば瞼に酷い重たさを覚える。
果たして何が待ち受けているのかを、全て受け入れたがっている様に無防備な彼女は眠りへと堕ちていく――

オブシダン > 密やかに咲く花弁が散るように降り注いでいく燐光。
木の下で憩う女の身体へと触れていく。
淡雪のように、触れれば消え、消えてはまた降っていくそれ。

やがて眠りへと誘うのにそう時間は必要ないだろう。
そっと、舞い降りる蝶が、その髪の毛に翅を休める。
その頃には彼女の意識は幻夢の中へと沈んでいて―――。