2020/03/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > のどかなお昼下がり。
春鳥の姿もちらほらと、青い空を背景に飛んでいく。
褐色肌の冒険者は栗毛の馬に乗り、ゆったりとした常歩で街道を進んでいた。その表情は晴れやか。ひと仕事終えたとこなのだ。
「ゾス村の急患にお医者様を連れて行ってくれっていう依頼、無事に終わって良かったよ。
あとは依頼主のサインを持って王都に戻るだけ!
お天気も良いし、馬に乗るのも久しぶりだし。
お散歩しながら帰ろっと」
ギルドで借りた早馬の栗毛の背を撫でながら、今朝方受けた依頼を思い出す。
薬と医者を乗せた馬を駆って王都からゾス村へ一直線に向かうだけのクエストだ。幸いなことに件の病人の処置は間に合い、病状も快方に向かっているようだ。そのまま経過を診る医者を村に残し、自分は1人お散歩状態。
「きれいな川があるね。
この子に水を飲ませよう。
――よしよしっ!いい子いい子!ほら、少し休憩していくよー?」
見えてきた清い流れに近づけると、馬から降りて。
手綱を軽く引くと水場へと誘い。
水を飲み始めた馬を微笑ましげに見ながら
自分は近くにある緑の下生えに腰を下ろして寛いでいる。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアシュトンさんが現れました。
■アシュトン > (徐々に春の訪れを感じさせるうららかな日差しの元
どんぶらこ、どんぶらこ
小鳥はさえずり、緑の草木は揺れて
どんぶらこ、どんぶらこ
澄んだ川には、小魚の影もちらほら見えるそんな最中
どんぶらこ、どんぶらこ
――何事だろうか。
上流からゆっくりと、漂い近づいてくる黒い物体。どうやら水面に浮かんでいるようで。
ゴツン、コツンとたまに岩にぶつかっては向きを変えつつも。どうやらそれは人の形をしているらしく。
ただ、ドンブラドンブラと流れに任せる様は、どうやら気を失っているらしい。なんか白目剥いてる。仰向けなのがせめてもの救いだろうか。
君はこの不審物を助けてもいいし、そのまま見なかった事にしてスルーしてもいい……あ、ちょっと沈み始めた。
ぶくぶくと、口元の辺りから微かに気泡が上がり、水面で弾ける)
■タピオカ > 「王都に戻ったら……。
うん、旅の準備をして。古くなった肌着を新調して、武器を研ぎ直してもらって、新しいかばんとカンテラを買ってー。
今度は西回りの航路も使ってダイラスに行ってみようかなー……」
新緑の匂いがかすかに漂う柔らかい緑の草に両膝を伸ばして。これからの事を思い描いてご機嫌な顔つき。
が、
「……なんか浮いてる、流れてる……。
見なかった、……事に……」
(にこやかな表情が一瞬固まったのは、明らかにご遺体だとかお陀仏様だとか土左衛門だとかそういう感じだったから。
頬から汗を一筋滴らせつつ巧みに視線を青空へ向けようとし)
「……ってこらああああ!
アシュトン!アシュトンでしょう!?
久しぶり!?どうして川に流されてるの!?
なんでそんなのどかな背景をしょって水没しようとしてるの!?
待って!ちょっと待って!
川底にある喜びの野に逝っちゃう前にちょっと僕とお話しようよ!?」
(やがて鬼たちの島に仲間達と共に切り込みに向かう狂戦士じみた童謡じみた登場に各種つっこみを全力でぶっ放しながら、水面へ消えゆく知己の彼へ呼びかける。慌てて立ち上がると、背嚢に閉まってある冒険者ツールから長い荒縄取り出して。輪をつくってぶん投げるとお尋ね者を捕えるカウボーイよろしく、彼の身体をひっかけて救出しようと)
■アシュトン > (返事はない、ただの屍の様だ。
いや、生きている。呼吸を証にする気泡が出ている。
もっとも、沈む直前とあれば風前の灯にも等しい訳であるが。
あいるびーばっくも出来そうにもない状況から、救出に訪れたのは藁ではなく荒縄だった。
引っかかった瞬間「ぐえっ」とかうめき声が聞こえたかもしれないが、気にしてはいけない。
彼女がロープを持つ手を支点にして、スイーッと岸辺へと体が流されていって。
…………暫く、動きがなかったが)
「キノコ―――――――ッ!!!」
ガバリと上半身を持ち上げると同時。それはもう、周囲一帯轟きまくる程。
余程恐怖体験をしたのか、やや蒼白な顔を片手でおさえると、肩で大きく呼吸を繰り返し。
やがてそれも正気を取り戻してゆくにつれて、大きく唾を一度呑みこんだ)
「夢だったか……いや、現実か。あぶねぇ、割と本気で死ぬところだった。
まさかマタンゴの大軍が一斉に地面から……」
(脳裏に焼き付いていたのは、ニョキニョキと地面から生えてくる巨大キノコと。視界を遮る程に舞い散る胞子。
マタンゴ、一般的には巨大なキノコの魔物だろうか。
性質や習性はキノコよろしく種類によって様々だが、どうやら遭遇したのは強力な睡眠効果をもったヤツだったらしい。
気を失ってフルボッコされるその直前に、どうにか川に転落して事なきを得た――事なきというのも違う気がするが。そんな記憶が残っている。
まぁ、なんとかこの先生きのこれたので、良しとしよう。
と……)
「やぁ…………久しぶり、元気してたか?」
(ニッコリとも表現できる微妙な顔つきで。
恐らく救出してくれたであろう人物を見かければ、片手を上げて気の抜けた挨拶をするのだった)
■タピオカ > (川の流れに沿ってどこまでも旅してしまいそうな大柄な身体を荒縄一本で引っ張ると、水流と彼の体重が重なってキリキリと素手に縄が食い込む。綱引きの要領で重心を後ろにかけつつ歯をくいしばれば、そう広くはない川幅にも助けられてどうにか岸辺へ留める事ができた。慌てて駆けつけると剥いた白目の様子を見て両膝をつき)
「大変……!意識無いみたい……!
息はして、……な、い……?
人工呼吸しなきゃ!喉の通り道を、開けて、と……!
――ふゎああああああああ!?」
(さっきぶくぶく口元から吹いてた気がするけど、なんかもう胸の動き止まってるように見えた。頭押さえて顎持ち上げ。必死の表情で唇を近づけようとし――急な蘇生に驚いてへんな声が出てしまった。キノコて)
「はあああっ!はあっはぁっ、……あぁぁあ、びっくりした……!
キノコ?マタンゴ?大軍?一斉に?死ぬとこ?
……あぁぁ……。アシュトン……。もうなんとなく事情察したよ……。
とりあえず……。……うん!久しぶり!」
(割と彼はこういう死線をいったりきたりして生活してる気がする。その割にはちゃんと生還してる気もする。
ひとまず言葉の端々から同業者として察して余りある様子に納得すれば、ぺたんとその場に腰下ろし。荒縄を回収しつつも、あげられた片手にぱん、とハイタッチで挨拶を交わす)
「この前はドラゴンのお肉ありがとね!……その後の、ホテルも……へへ。とっても楽しかった。
――それにしても惜しかったねー?もうちょっと気絶してたら、人工呼吸しようと僕がちゅっ、てしてあげられたのに?」
(縄をくるくる丸めてまとめながら、戯れめいた口調で)
■アシュトン > (言いたい事を一度吐き出し終えたのか、意識もはっきりとしてきたらしい。
最後の記憶では薄暗く湿った森の奥底にいたはずだから、随分と流されてきてしまったようだ。
ペチンと合わされた掌に此方からも応えると、ゆっくりと息を吐き出して)
「お恥ずかしながら、経緯としてはさっきの独り言の通りだ。
なんとか川に落ちて逃げたけど、胞子のせいで気を失ってご覧の有様さ
そいつは残念。もうちょい気を失ってれば、お姫様から目覚めのキスがもらえたのにな」
(ため息一つ交えて肩を竦めれば、水の滴がぼたぼたと落ちまくり。
濡れて張り付いた前髪を、手櫛で後ろへと掻き上げ。
残念だなー、なんて言葉に合わせて口の端が上がれば、喉元で小さな笑みが鳴っていた)
「一匹でも仕留めてれば、巨大キノコをご馳走できたんだけどな。ま、次に期待していてくれ。行きたくないけど、また行かないといけないんでな。準備しなおさないと。
まぁ奴らの胞子は相当ヤバイが、水に浸かって半分沈んだお陰で、殆ど流れたからもう大丈夫――……」
(眠気も特に無いし、他の異常も感じ取れない。
水に濡れて寒いが、暖をとりながら暫く大人しくしていれば回復する範疇だ。
なんて考えをまとめて口にだそうしたした直後、動きが一瞬と止まり。そして肩が小刻みに震えはじめた)
「くっ、まさかまだ奴らの毒胞子が体の中に残っている、だなんて……すまない、タピオカ。
一刻を争うんだ、協力してくれないかっ」
(何処か苦しげな言い様、だが。なんだか茶番の雰囲気も盛大に感じ取れる。
彼女の方へと、ズルッ、ズルッと地面を擦りながら近づけば。伸ばした片手、彼女の小さな肩をぐっと掴もうとする)
■タピオカ > 「まったく無茶して……!
ちょっとでもミスしてたら、今頃アシュトンはキノコ人間になっちゃってたかもしれないのに。
僕は神様信じてないけど、ひとまず感謝するよ。――神様、アシュトンが逃れるために川を引いてくれてありがとうございます」
(顛末を聞けば、だいたいと予想通り。彼の身のこなしが数歩でも遅れてたらファンガスになってしまったのかもと息を吐くと、うまい具合に逃れる道筋を水として作ってくれた自然の神に感謝し)
「あー……!それはそれで惜しかったなあ。
巨大キノコのソテーとか、……うん、美味しそう。期待してるけど、……うー。気をつけてね?何なら僕が一緒、に、
――って、えっ、えっ……?
わっ、ほんとに大丈夫?大丈夫なの?
うっ、うん協力するから!何でも言って!?」
(フライパンで香草添えて焼き上げた大きなキノコの傘にきつね色の焦げ目。内側に肉とか詰められていて……と想像すれば唇に指を触れてじゅるり。といっても相当危険そうなので同行してみようかと提案しかけたところで苦しみ始めた様子に、素で慌てた。肩掴まれる迫力に気圧されつつ、真剣な表情でコクコクと頷き)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からタピオカさんが去りました。