2020/03/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアルマさんが現れました。
■アルマ > もう月が夜空を照らすとか、星々が輝いてるとか、そんな悠長なことを言っている時間では無くなってしまっている。
――…何もかも薬草を採取している最中に出てきたアレが悪い。
アレ、始め遭遇したがアレは何だアレが噂のオークと言う奴がそれともオーガと言う奴か、錆びた巨大な斧を振り回し辺りに当り散らして唸り声をあげていた……アレは無理。
アレが背負っていた皮袋がモゾモゾ動いて呻き声が聞えていたが、アレは無理、無理無理……勝てるはずがない。
王都にちゃんと帰れたらギルドに報告して、討伐依頼をだすから許して欲しい、まだッ事前に準備ができて居ればチャンスはあったけども……あのエンカウントは。
「…………きっと家畜か何か、もしくは山で何か狩ったとかだよね?」
声色がブレる。
宵闇の中で顔が蒼白になる。
何かできたのではないか、何かやれたのでは?と公開ばかりが浮かんでは消え、浮かんでは消え。
そんな状態では足取りは重く、冒険者でよくありがちなことではあると自分に言い聞かせながら街道を王都に向って歩き続けるのであった。
■アルマ > あの遭遇。
数分前の出来事なのに未だに心臓が痛いほどに早鐘を打ち、喉がカラカラに渇き、耳鳴りさえも。
冒険者を目指している。
何度か王都を出て旅をしている。
死の危険は幾度もあった。
ー―…だがアレは格が違う。
ゴブリンやコボルトの類や野生の動物とは圧倒的に違う。
ショウカンマホウを使用する、という考えさえ起きず足は震え息を潜めるのがやっと、英雄なんて程遠い自分の行為は冒険者としての自信を削り、灯りも持たず街道を歩いて自分の存在を闇に溶け込ませて消えてしまいたいと思うほどだ。
上級……若しくは中級の冒険者でもいい。
顔見知りはいなかったか、あるいは誰か通りかかってくれれば、と思考はネガティブな方へと墜ちていくのを自覚しているが止まらない。
「駄目かなー……店長なら何とかなるかなー……。」
人気のない街道に小さな声で愚痴を零せば、直ぐに周囲の気配を探り、視線を彷徨わせ、先程のような脅威が近くにいないか探ってしまう。
■アルマ > 過剰な警戒のお陰というべきか、あるいは幸運だったか魔物にそれ以上遭遇する事は無く王都へ歩みを進め……る事はなかった。
足を止め。
左胸に掌を添えて。
大きく夜気と魔力を含んだ空気を肺に吸い込み。
――…少年は精霊を唄う。
勇ましく、美しく、死を運ぶ戦乙女の唄を。
辺りに集い始める赤い粒子は魔力のみならず、この地に死して伏せた冒険者の魂の片鱗。
右手を右腕を胸の高さに持ち上げる。
赤い粒子を指先へと集め、粒子は霧となり少年を包む。
そしてパリンとガラスが砕けるような音共に霧が爆ぜると、其処に居たのは白い少年ではなく、赤。
瞳は幽鬼が如く赤く輝き、白い布は赤く黒い甲冑へと変わり、それは相貌を残して小さな身体を包み込んでいる。
背には砕けた霧の粒子が残り翼を形成し、右手には同じ粒子がランスの形に凝固していた。
そして駆ける。
王都に背を向けて、恐怖に向けて死の香りに向けて。
短く白い髪が赤く黒く長く風になびくほどになると、数分後には剣戟の音が何処からとも無く鳴り響いて……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアルマさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「Zzzz……」
まだ日の高い時間帯。
街道脇の草原で、草に埋もれるようにして仰向けに寝そべっている金髪の男が一人。
両手を組んで枕にしながら、晴天の空の下でマヌケな寝顔を晒して絶賛爆睡中だった。
時々吹き抜けてさわさわと草を揺らす風に擽られたように、ムニャムニャと寝言めいた
声を漏らしたりしつつ。
なお男の寝るその近くでは、男が連れたものらしき、馬具を装備した平均的な印象の鹿毛の馬が一匹佇んでいる。
時折草を食んだり、ゆったりと歩いたりするものの男から大きく離れることなく一定の距離を保ち続けていて。
のんきに眠る男と合わせて、ごくごく平和な光景を形成していた。
とはいえ、男の姿が草に埋もれていることから、遠目から見れば馬が何故か単独で佇んでいるようにしか見えないかもしれないが。
■エレイ > やがて日も沈み始めた頃。男は馬に起こされ、大欠伸しながら鞍に跨り王都へと帰って行ったとか……
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエレイさんが去りました。