2020/02/04 のログ
■ヴェルソート > (そのまま、街道の向こうへと姿を消していく…。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からヴェルソートさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 夜の街道の端に、派手な衣服を着た男がじっと立っている。
男は、冒険者として、この街道の警備を任されている。
何でも、この辺に不審な影を見たという目撃情報が多発しているようで、その調査の依頼が冒険者ギルド経由で来たのだ。
夜に、長時間、しかも一人から二人延々立つ仕事というだけあって、報酬が高かったのが、男が仕事を受けるに至った理由だが、
「さっむいなー……」
闘牛士服はそれなりに温かいとはいえ、夜は冷える。
眠気は睡眠時間を調整しているから無いのが救いだが、明かりは手元のカンテラの明かりだけで、夜の闇が壁の様にすら感じるし、時々肉食動物の声が聞こえたりもする。
勿論、それに恐怖などしないが、しかし寂しさというか、虚しさのようなものは感じる。
「……俺、一体何やってるんだろ」
いや、金は手に入るのだから無益ではないのだが。
何だかんだ寂しがりやのケがある男は、早速帰りたくなっていた。
しかし、まだ夜は始まったばかりなのである――こんな寂しい夜ならば、さっさと終わって欲しいところだが。
■クレス・ローベルク > ふと、思い立ち呪文を唱えてみる。
呪文と言っても、大層なものではなく、指先に小さな火を灯す程度の呪文だが。
元々、男は魔法を使えない――だが、魔法は色々便利なので、覚えられるなら覚えようと思っていたのだ。
「《小さな炎》」
呟くような声の呪文は、しかし薔薇の花びらを一枚生み出すだけに留まった。
花びらは地面に落ちた後、何やら虫の足の様な物が生えて何処かに行ってしまった。
「……いや、何でこうなるんだろうな」
どうにも、自分が呪文を使うと、おかしな事ばかり起こる。
その癖、マジックアイテムや魔動機などは正常に動かせるのだから、なおのことだ。
逆に、魔法そのものを破壊する事へはかなりの適正があったようで、それが邪魔眼という魔法封じに使われもするのだが。
「……」
もう一回やるのも何だか馬鹿らしくて、再び夜の闇を監視することにする男であった。
■クレス・ローベルク > ガリガリと頭を掻く。
夜はまだ長い。時計を見ると、今ようやく夜の12時を回った所だ。
いつまでも立っているのも何なので、取り敢えず座っておく。
「そもそも、夜に不審な影ってのが漠然過ぎるんだよなあ」
目撃証言は多くとも、それはそれぞれ別の影だったのではという疑問もある。
これが人型なら盗賊なり、或いはゴブリンやら何やらを想定できるし、四つ足であるならば動物だろうと辺りを付けられるのに。
依頼主は国という事だったが、まさかその辺考えるの面倒になって投げたのではあるまいなとすら思ってしまう。
「夜明けまでだから最低後5時間はあるぞ。嫌だなあ」