2019/09/16 のログ
ジナイア > 歌というのは不思議なものだ。
時に、その内容が見る景色に彩りを添えて、はたまた逆に、見る景色がその歌に意味を添える。

今宵、女の場合は後者だったようだ。
さして面白くも無い筈の歌を口ずさむその唇は、いつしか笑みに近い形に変わる。

「♪――…
 ああ、懐かしいな…」

ひと節、歌い終えてまた天を見上げる。
空の瞬きを横切って行く夜鳥が、一瞬、女の頭上にも影を落として森のほうへと駆けていく。
それに気を取られて小さな水溜りに踏み込むが、視線を落としても苦笑を零すだけで歩みは止めない。

王都に辿りつくのは恐らく早朝になるだろう。
この空模様なら、暁に染まっていくまでのその様を存分に堪能できるはずだ。
頼まれたモノを届けるのはまた夜が巡ってきてからになろうが、まあ、文句は無い筈だ。
それに、その場で学者に捕まって細かな質問攻めにされることからも逃れられるだろうし…

ざあ、と

遠くの森を揺らし、一際強い風が女の黒髪を散らしていき、思考を隅に追いやる。

ヒトの喧噪からは程遠い、勿体ないほどの、静かな夜。

兎に角も今、感じている事だけを考えて
月光に照らされる路を、王都へと。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「───Zzzz……」

昼下がりの時間帯の、街道脇の広い草原。
風にさわさわと揺らめく背の高い緑草に埋もれるようにして、ウエストバッグを枕に仰向けに寝そべり寝息を立てている金髪の男が一人。

呑気そうな寝顔を青空の下にさらし、何やらいい夢でも見ているのか時折ウヘヘ……などと
笑い声めいた寝言なども聞こえてくる。

そんな男から少し離れた場所には、馬具を装備した平均的な印象の鹿毛の馬が一匹。
男の連れであるらしく、その場から大きく離れようとはせずに男から一定の距離を保った範囲に居て、
時折ゆったりと歩いて移動したり、ちらっと男の方を伺ってはモソモソと草を食む、という行動を繰り返していた。

エレイ > ──やがて夕暮れ時ごろに馬に起こされ、半分寝たまま馬に乗って帰っていったらしい……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエレイさんが去りました。