2019/09/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > ふんす、ふんす、ふんす。
ずずり、ずずり、と車輪のついたリヤカーを引く修道女が一人、街道を進む。
確かに荷物の回収が仕事だとは言いましたし、それを理解して受けました。
ちょっと大きいかもと言われましたけど、力には自信がありますし、戦闘も無いようですから大丈夫だと過信していたのはあります。
だからって丸太を人にひかせるのはどうかと思うんですよね。
馬か私は。
「ふぃー………」
さらさらと流れる小川の傍まできて、ぜー、ぜー、と膝に手をついて。
ちょっと顔でも洗おう、と川へと赴き………おや、と人影を認めて。
「釣れますかー?」
なーんて、お気楽に声をかけてみましょう。
金色の髪をまっすぐに伸ばした修道服の女。運動をしてきたのか、頬まで真っ赤で、汗がたっぷりと流れて落ちる。
■ブレイド > 釣り糸をたれてしばらく。
眠気も襲ってきそうなその時に、背後から変な音。
荒い息遣い…と、なにかを引きずる…いや、車輪の音なのであろうが…
「ん?」
何の音だろうと思いはするものの、振り向きはせず釣りを続行していたのだが
ややすれば声がかかる。
聞き覚えのあるお気楽なシスターの声だ。
「つれねーなぁ…って…」
声のする方へと視線を移せば。
なんだあれ。
顔を真っ赤にして汗を流したシスターの後ろに見える
丸太を積んだリアカー。
「……馬かよ」
率直に言った。
■シスター・マルレーン > 「違いますよ!?」
いやいやいや、と首を横に振った。
自分でも思っていた分、二倍くらい振っておく。
「あれはお仕事、お仕事です。こう、試練的なあれです。
もっともっと力をつけなさいということです、多分。」
指を立てながらははは、と笑う。そして遠い目をした。
「どっちかといえば農耕とかもしますから、牛ですかね………
あれですね、川に入って上流から魚を追い立てましょうかね………」
フフフ、と笑うシスター。
■ブレイド > 「相変わらず自分をごまかすのが得意だな。
人にやらせる仕事じゃねーぞ?馬はないとしてもせめてロバくらいよこすもんだ
こんなんはよ…」
めちゃくちゃ首を思いっきり振っているし
試練的な云々とも言っているが、おそらくそれは彼女自身も思ってもいないことだろう。
丸太を積んだリヤカーを人に引かせるなど
ケチってるか嫌がらせかでしか無い。自発的な好意ではなく仕事だというならなおさらに。
「牛」
思わず胸元を見てしまう。
なるほどと少し納得仕掛けたが、すぐに顔をあげ
「網でもはってりゃそれもいいけどよ、釣り竿一本じゃむしろ逃げられて終わりだ」
苦笑しつつもやめだやめだと釣り糸を再度引き、荷物の側に竿を投げる。
■シスター・マルレーン > 「いやー、そうだとは思うんですけど、これが案外引けちゃうんですよね。
あはは、今回はそのぉ、なんとかなります!って自分で言っちゃったんで………」
いやがらせではなくて、自分のせいらしい。ポンコツシスターであった。
あはは、と笑いながら汗をぐい、っと拭いて。
「……いやー、暑すぎるんですよね、この服。
ちょっと水浴びに。」
なんて、胸を見られていることに気が付かないまま、スカートをよいしょ、とめくりあげて太腿の部分で結んで、足から川へと踏み入れる。
「牛とか本当に言われそうで……」
とほほ、と笑いながらも、いまだに暑いのか、手でぱたぱたと仰ぎ。
■ブレイド > 「自分で言ったならしかたねーな…っていうか引けちゃうとかじゃねぇだろ。
つか、ベールもとっちまえよ。顔とか汗だくだぜ?」
言った配位がその後前言撤回しないあたりがポンコツだ。
汗を拭う姿はおおよそシスターの仕草とはおもえない。
それこそ、農家の娘のほうが性に合ってそうだ。
「水浴びはいいけどよ…って…あー…」
太ももギリギリまで晒して川に足を踏み出すシスター。
相変わらず警戒心がないというかなんというか。
襲われてもいなせるという自信の現れだろうが…
「牛ならまだいいんじゃねぇの?
それこそ鬼とか化け物扱いよりはよ」
少しばかり移動して、木陰を空け、座る場所を作っておく。
■シスター・マルレーン > 「確かに。……いや、もうここなら安全だと思いますし、チェイン外しますね。」
なんて、よっこいしょ、とベールごと修道服を脱ぎ始める。
その下には、がっちりとチェインを着込んでいるわけで。
この状態でリヤカーを引いているあたり、戦士顔負けのパワー。
「………あー…………身体が軽い。」
薄手の白い衣服一枚の恰好で、あー、と思わず声をあげる農家の村娘。
いや、シスター。
「化け物扱いは本当に勘弁してほしいんですよね………
時々、まだ招待状来るんですけど。」
闘技場から呼ばれること幾度。もう行かない、と毎回思っているから自分から向かうことはおそらくないけれど。
■ブレイド > 服は着ているものの、躊躇なく脱ぎだすあたり
信用されてるんだかなんなんだか。
それはそれとして、こちらは人里が近いということで
逆にフードを取るわけにもいかない。
熱がこもって結構な暑さだ。
「チェインって…んなもん着込んで引いてたのかよ。
牛でもカワイイくらいだな、それじゃーよ」
戦士と言えど、フル装備で丸太を引きずっていくなど簡単にできることじゃない。
とはいえ、薄手の服で川と戯れる姿は
年頃のかわいらしい村娘だ。解せぬ。
「結構人気あったもんな。おもに、やられたあとのお楽しみ的な意味で。
そういう意味じゃ、オレは観客の期待に応えなかった悪役(ヒール)ってことになるかもしれねーな」
ケラケラわらいつつ、足で水を跳ね上げて。
■シスター・マルレーン > 「そりゃまあ、そうですよ。
丸太だと分かってりゃ別ですけど、荷物を持ち帰る、って依頼ですからね。
賊の可能性も考えてましたから。 流石に何にもいませんでしたけど。
だーかーら、牛だとか言わないでくださいってば。
まったくもう。」
不満げにしながらも、川の中に踏み入れていれば明るい笑顔で。
「あはは、まあ、負けたらそうなる可能性高いですもんね。
ま、そうですね? 聖職者と戦ったわけですからそりゃあ?」
なんて、フォローをせずにウィンク一つ。 喧嘩殺法で仕留めようとしてきたことは棚に上げて。
水をかけられれば、ひゃん、なんて声をあげてしまって。
■ブレイド > 「たしかに…でもこりゃ荷物ってレベルじゃねぇな。
ヒデェ詐欺にあったもんだ。
つか、賊が来たらきたで、丸太でボッコボコにしちまいそうだけどな」
冗談めかしてはいるものの、半ば彼女ならばそう出来るだろうしするだろうという
妙に確信めいたものがあった。
喧嘩殺法上等な彼女がそのように戦ったとしても何の違和感もない。
「わりーわりー。
見た目は牛に比べりゃいくらか美少女…いや美女…?どうだろうな。
つか、よくよく見りゃぁ子供っぽく見えるんだなぁ…」
意外と童顔なシスターの顔をまじまじと見つめ、少し視線を落とす。
その顔と不釣り合いなボリューム…なるほど、闘技場でも人気が出るわけだ。
「戦い方事態はアンタのほうがヒールっぽかったけどな」
おもいのほか可愛い声を上げたシスターにパシャパシャと足をばたつかせる。
■シスター・マルレーン > 「まあ、何とかはしますけどね。何とかは。
詐欺………うーん、確かに詐欺だったのかもしれませんね。もしかしたら。
でも、本当に陥れるなら、ここに来るまでで待ち伏せがあったはずですからね。」
悪意に触れることが当たり前になっている女は、苦笑を一つ浮かべて。
「ちょっと、そこはちゃんと言ってくださいよ!?
なあんでそこを濁すんですかね。」
不満げに言いながら………珍しく視線を感じたのか、胸をちょっと腕で抱えるように隠して、頬を染める。
「……あー、そういうこと言うなら、ここで続きでもしましょうか?
泳ぎも特異なんですよ?」
なんて強がるも、ばしゃばしゃと水しぶきを浴びて、ひゃわ、と声が出る。
水を被っても気にする様子はないからか、少しずつシャワーを浴びたように。
■ブレイド > 「ほんと、慣れってこえぇもんだなぁ。
たまには疑うなり、理不尽に怒るなりしたほうがいいんじゃねぇの?
アンタがいいやつってのはわかってるけどよ、そういう奴らにとっちゃ『都合の』が頭につくぜ?」
苦笑一つだけでなんとかなると言ってしまえる。
理不尽を物ともしない彼女の強さと精神性だろうが…
「いや、少女っていう歳でもねぇけど、顔見たら美女っつーには幼い感じで…
こういうときなんて言っていいかわかんねーししかたねーだろ」
まぁ、はっきりというのも照れくさいというのもある。
胸を隠し、頬を赤くする姿は間違いなく可愛らしいと言えるものだが。
「泳ぐには浅いだろうが。つか、いいのか?
白い布ってのは透けやすいんだぜ?」
ぱしゃぱしゃ水をかけ続けるが、薄着な彼女は気づいているのだろうか?
その事実に。
■シスター・マルレーン > 「ま、都合がいいのも仕方ないと思っていますよ。
ここの人にとっちゃ余所者ですからねぇ。 利用価値がある、と思ってる間は余計なことはしないでしょうし。」
明るい声で、変わらぬままにとても実利的な言葉を漏らす。
どこか、奥の方で冷めたところのある女。
「ちょっと。そこはちゃんと言葉にしてほしいものですけど。
牛とか鬼とかだけじゃないですか、具体的なの。」
視線を感じて赤くなっているからか、言葉はさほど強くないけれども。
ばちゃばちゃと遊んでいれば、は、っと気が付いて。
すっかり素肌は透けて、臍のラインから胸の肌色どころか、ちょっとばかりの桃色まではっきりと。
■ブレイド > 「違いはねぇけどな。都合がいいで定着しちまえば
要求に遠慮がなくなる。つけあがる。
よそもんだとか、いらねぇ負い目ってのがあるやつなんてのは、いいカモだろうよ」
声は明るいが、その内容は冷たいと言うか
どこか捨て鉢にすら思える。
毎度おせっかいがすぎるかもしれないが、心配だというのも確かで。
「…あー…あれだ。そんじゃ、えーっと
カワイイ、んじゃねーの?
大人のアンタにカワイイっていうのも失礼かもしんねーけどさ」
言葉は濁したものの、美女とか美少女とかそういう褒め言葉は用意していたのに
やけに食い下がる。
食い下がられてこの始末。少し頬を赤らめて。
「……あー…えっと……」
そして、それを言った矢先に目に入る透けた白の奥の肌色と桜色。
思わず見入ってしまうし、言葉も失ってしまう。
タイミングが悪いとはまさにこのことか。
■シスター・マルレーン > 「………それも含めての仕事ですからね。
まあ、仕方ない話です。 こればっかりは……。
あえて罠にはめるとかそういうのじゃなければ、受け入れるしかないですね。」
なんて、ちょっと変わらぬ、少し捨て鉢な言葉。
微笑と共にそんなことを言う女。
「……い、いいですよ、可愛いと言われるのはそれはそれで、まあ。
悪い気はしませんけどね。」
なんて、微笑むのだけれど。………透けてしまった身体を見られて、あ、あははは、ははは、と笑いがこぼれる。
「………鬼か化け物ですからね。どーせ。
そ、………そんなに見ないでくださいよ。」
頬を赤らめながら、まずは自虐から入って。
その上で………ちょっと本気で照れる。背中を向けて。
■ブレイド > 「ホント融通がきかねぇやつだなぁ。
心配のしがいがねぇってやつだ、まったく」
ため息一つ、肩も落とすが、彼女の頑固さは知っている。
今更自分がなにを言ったとしても変わるものではなかろう。
それはいいとして…
「えーと、キレイなんじゃねぇの?その、チョット見ちまったけど…
女としての魅力がねぇわけじゃねぇっつーか…
むしろ、魅力的っつーか…戦ってるときやらはそりゃすげぇとは思ったけど
こういうときはむしろかわいいもんだとか…」
背を向けた彼女には少し早口に。
こちらもこちらで照れ隠しの意味が強いが嘘はなにも言っていない。
恥じる姿をみれば余計に意識してしまう。
■シスター・マルレーン > 「あ、あーあーあーあー。
ちょっと聞こえないですね、その、恥ずかしいですから!」
顔を真っ赤にしながら、大きな声を出すシスター。
もー! もー! なんてぷりぷりと怒りながら。
「……ちょ、ちょっと、修道服とってくださいよ。
チェインはもういいですから。」
片手を差し伸べて、ほらほら、と。
どうやら、流石に正面を向けないらしい。後ろを半ば振り返りながら、お願いをする。
■ブレイド > 「な、なんだよ!ちゃんと言えって言ったくせに!!
そういうとこだぞ!
かわいいかわいいかわいいかわいい!」
見てしまったのはあれだが、怒られるのは理不尽だ。
そして、このシスターとは違い
自分は理不尽には抵抗するタチで…
「ったく…わーったよ、ほら」
修道服を手にとって、ふわりと放る。
流石に隠したがってる彼女によって手渡すのもよろしくないと思ったわけなのだが…
ふわりと風を受けた布。放り投げたところでうまく飛ぶはずもなく…
■シスター・マルレーン > 「やーめーてくださいよ!?
なんですか、私にケンカ売ってるんですか! いいですよお相手しましょう。
最近殺人技が2種類増えましたからね!!」
顔を真っ赤にしながら、抵抗に対して更に理不尽に怒る女。ぷんすか、程度だけれども。
「………っと、ととと、ちょっとちょっ……っ!」
ふわりと浮いた修道服。ひらりとその手から外れれば。
それを慌てて取ろうとして足をもつれさせて、ばっしゃーん、っと川に倒れ込む女。
「………ちょ、っと、これは流石に、帰るの、キツくないですかね………。」
すっかり全身濡れてしまえば、薄手の衣服では何もかも透けてしまう。
あ、あははは、なんて苦笑いをしながら顔を上げて、遠い目をする。
■ブレイド > 「喧嘩うってねーし、かわいいっていってんだろ!
つか、また増えたのかよ!こえぇな…」
鍛錬を怠らないとかそういうレベルではない気がする。
というか、自分で殺人技とかいい出したぞこのシスター。
「…あー、えーっと……いまのは流石に、わりぃ…」
川にころんだマルレーン。
こちらも立ち上がりバツの悪い表情を浮かべつつ
歩み寄れば…
見ていいのか悪いのか。
白い服の至るところに肌色が見える。
「…焚き火、おこしとく…」
起き上がるために手をかそう…とは思ったのだが、この状態で起き上がった彼女を見てしまえば
こちらも色々とよろしくない。
体が反応してしまう。それを見られたとき、おそらく自分はこの世に居られないだろう。
■シスター・マルレーン > 「……まー、これはあれですね、もう水浴びしろってことですね。」
ころころと笑いながら、身体を起こす。
気にしなくてもいいですよ、なんて言葉をかけながら、少し困った顔をして……修道服をするりと体に巻き付ける。
出来損ないのタオルのようにしたまま、よいしょ、っと焚火の周りに腰を下ろし、近くにまでやってくる。
露出は増えてしまったけれど、湯浴み中だと思えばこんなものだ。
「……涼しいもんですね、この恰好は。」
なんて、まだ少し濡れたまま、に、と歯を見せて笑って見せ。
怒ってもいないし、腐ってもいない。
それを行動で示して。
■ブレイド > 「水浴びって、いいけどよ。その間に休憩用にテントでもはっとくか?
流石に一緒に水浴びってわけにもいかねぇしな」
彼女は気にするなと笑うが、流石にそうもいかない。
気遣いつつも、側に腰を下ろす彼女の方に視線をチラチラと。
こちらの意識してしまう気持ちを理解できてないあたり困ったものだ。
それでいて無邪気に笑うもんだから
ずるいというかなんというか。
「せめて見えないようにしてくれよな。
オレだって男だしよ」
なんとなしに言っておく。
毎度会うたびに思うのだが、このシスターはそのことを忘れてるんじゃないかと思う。
「あーあと…出発するときは声かけてくれよ。せっかくだし、オレも手伝う」
■シスター・マルレーン > 「………見えるよーにしたのは誰なんですかねー。」
なんて言いながら、くすくすと笑う。
分かっているようで分かっていない。
明るく話題にしてしまいつつも、ほんのちょびっと頬は赤い。
「見えないようにっても………。」
修道服を軽く巻いただけの、本当に軽く隠しただけの恰好だ。
下着ははっきり見えてしまうし、大事なところだけを隠したようなそれ。
太腿も、さっき捲りあげた時よりも際どくなっている気がする。
「………手伝う……いやいや、ありゃホントに重いですから。
それより、今日見たことを忘れてくれる方がありがたいですかね?」
なーんて、ぺろ、と舌を出して悪戯に笑って見せて。
■ブレイド > 「わ、わざとじゃねーし!!
それに、その下に何もつけてねーとかおもいもしてないっつーか…」
といって、ハッとする。
つまりは、透けた部分をしっかりと見ていたということがバレてしまうわけで。
彼女と同じように頬を紅潮させてしまう。
友人としての彼女の女性としての部分を直視してしまったようで
気まずいような恥ずかしいような、気分が高揚してくるような。
「……ずっと背中向けてるってわけにもいかねーだろ
ってか…あー、くそ…」
普段の姿も相まって、今の扇情的な姿は余計に意識してしまうもので。
「あー…それは無理だと思うから…手伝う方でたのむ。
っつか、二人でやりゃ少しは楽になるだろ。
それともなにか?一人で運べとも言われたのか?」
忘れるのは無理だ。流石に。
女性になれた頃合いではあるが、こういう間柄の女性にふとしたことから意識させられて
それを忘れることが出来るほど無関心であれるわけもない。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にオルティニアさんが現れました。
■オルティニア > ぢ~~わぢ~~~わとがなりたてるセミ達の大合唱の中、かっぽかっぽと緩い馬足を響かせて、炎天下の街道を南下する一騎の白馬。
ペガサスもかくやという純白の毛並みに、凛々しく品の良さような顔立ちの細身馬に跨るのは
「あ゛ぁづぅい゛ぃぃいぃいい~~~…」
だらけきった声音を漏らしながらチュニックの襟元をばさばさ仰いで風を送るエルフ娘だった。
子供めいた背丈の低さも、夜会巻きにした長髪の暗い色彩も、そして何より豊満極まる乳肉のボリュームも、まるで妖精らしからぬその姿。
エルフの象徴たる笹葉状の長耳がうだるような熱気に負けてへにょんと垂れ下がっているのも情けない。
とは言え、眉根を顰めたうんざり顔でさえ可憐さを損なわぬ顔立ちは、噂に名高いエルフの美貌をしっかりと体現していた。
「だぁぁぁ~~~、一体全体何なのよぉこのくそ暑さはぁああっ。夏ももう終わってんだから、暑さもセミもいい加減死に絶えなさいよぉっ! 大体、綺麗な小川とか透き通った湖とかを用意してないのは手抜きもいいとこでしょぉ! 清楚なエルフ様の水浴び姿とか世界の至宝だってのに、下賤なニンゲンは街道一つとっても分かってないんだから、まったくもぉ」
小さな白手でぺちぺちと愛馬の首筋に八つ当たりしする言葉も、傲慢に人族を見下したエルフらしい代物。
しかし、若草色のチュニックの腋下や乳下にじっとりと色濃く広がる汗染みだとか、大股開きで白馬に跨る下肢の付け根に覗く純白にほんのりと琥珀の色彩を付着させている生々しさは、全く持ってエルフっぽくない。ぶっちゃけちょっと匂いそう。実際、残暑も強烈な中での旅路もそろそろ一週間になろうかという今現在、流石のエルフ様と言えども熟成された匂いが自覚出来るレベルになっていた。