2019/06/22 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > まだ日の高い街道。
河原のそば、乗合馬車の停留所も近く、小さな待合室が併設されている。
小さな屋根とせり出した簡易的な椅子しかないがそれでも足を休めるには十分。
馬車に乗る用事はない。ここから王都まではさほど遠くない。
だが、ちょっと休憩に使わせてもらうくらいはいいだろう。

「ふー、やれやれ…」

かたかたと馬車のゆく音。それを引く蹄の音。
流れる川のせせらぎに耳を傾けつつもベンチに横になり目を閉じる。

ブレイド > 依頼の帰り…というか、依頼とはなばかり。
農作業の手伝いの帰り。
報酬はちょっとした小遣いと、なんかトマトとか。
なんでギルドでもらった仕事にこんなのが混じっていたかはしらない。
しかし農作業など久々であり、割と体が悲鳴を上げている。

「だー…あー……」

だが、なんか、純粋に感謝されるというのも珍しく
悪い気はしなかった。
疲れそのものは心地良いものとはいかなかったが。
だからこそ、ここで休憩…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にセーデさんが現れました。
セーデ > 街道を行き交う人々や馬車。王都の方へ、あるいは王都の方から。
日没までまだ時間はあり、馬も人もその足取りは緩やかなものだろう。
だがそんな中に1つだけ、異常な速度で駆ける影あり。

「……ほっ! ほっ! ほっ! ほっ!」

リズミカルに息をつぎながら、妙齢の女性が王都側から街道を全力疾走してくる。そして小屋の前を通り過ぎた。
異様なのはその速度。時速40kmは出ているだろうか。飛脚でさえもその速度で走り続けることはできない。
装いは全身をぴっちりと覆う薄緑色のタイツに、丈夫なブーツ、そして背に背負う大きな荷物。
アスリートなのか旅人なのかすら判然としない装備である。
そんな女がトップスピードで小屋の前を駆け抜ける様は、まるで緑と茶の色を帯びた突風のごとし。

………通り過ぎて十数秒後。
その、駆け抜けたはずの女性が、息を切らせながら小走りで小屋の方へと戻ってくる。
ベンチで寝ている少年は目を閉じているだろうか?

「……………………………」

肩を揺らし呼吸を整えながら、タイツ姿の女性はベンチに横たわる少年をまじまじと見下ろす。
その顔に妖しげな笑みを浮かべて。お宝を見つけた冒険者のような表情。

ブレイド > 王都からかけて来る謎の影。
目を開いていれば…いや、起きていればその異様な姿は嫌でも目に止まっただろう。
見たところで絶句以外できるものでもないのだが。

だが、目を閉じ横になってた。
そして、結構な疲れもあったし、その謎の影が通るまでは穏やかな音と空気に支配されていた。
つまりは、眠っていた。

まさか、自分が見下されているとも知らずに。

セーデ > 小屋でベンチに横たわっている少年は、セーデが近づいても無反応。
眠っているのか、それとも寝たフリなのか。まぁ、どちらでもよかろう。
……ちろり。少年を見下ろしながら、セーデは舌なめずりをする。あまりよろしくない考え事をしているようだ。

「……………………失礼」

鳥のさえずりにも負けるような抑えた小声でそう断りつつ、セーデもベンチに腰を降ろす。
横たわる先客の邪魔にならないように、端っこに。ブレイドが寝そべっている頭のすぐ傍に、大きなお尻を降ろす。
ただでさえ蒸しつつある時候だが、先程まで全力疾走していた女性が小屋に入ったことで、明確に湿度が上がる。

そのまま、セーデはブレイドに声をかけることなく、横目にてその寝姿を見下ろし続ける。
ブレイドと同じく休憩目的でこの小屋に止まった、とも見えるだろう。実際は違うんだけど。
腰を降ろしてしばらく経っても、セーデは未だ息が上がったままで、荒い呼吸を続けている。

「……………ふっ………ん………」

いやらしい笑みを浮かべたまま、そっと腰をかがめ、ブレイドの顔に己の顔を近づけてみる。
熱く湿った吐息が吹きかかり、髪からは汗も垂れるかもしれない。大変に鬱陶しい仕草。
さすがにここまで間近に顔を寄せれば起きるだろうか?

ブレイド > 「ん、んん……」

眠りに落ちてあまり時間は経っていない。
だが、気配と熱量の変化に少し眉を寄せ、もぞりと寝返りをうつ。
まさか見られているとは思ってもいないために
少し寝苦しくなった待合室で意識を取り戻していくのだが…

「ん、え?」

何だこの状況。
女性?
いや、なんで?
何故こんなに近い?
さっきまで待合室には一人だったし、周りはまだ明るい。
そんなに時間も経ってないはずなのに…なんだこの状況。

「え…あ…あー……だれ…?」

そう声をだすのがやっとだった。

セーデ > 「あら、起こしちゃった? ふふふ………」

意識を取り戻したブレイドの頭上にて、ブレイドの見知らぬ女性が異様に近い距離感のまま見下ろしている。
戸惑いを隠せない反応をうけて、セーデはにっこりと目を細め、その距離感のままで微笑みをつくる。

「だれ? ふふっ、私はセーデ。エンチャンター。
 街道を走ってたら、かわいい男の子が落ちてるのを見つけちゃって、つい見とれちゃったの」

薄く紅の乗った唇を蠢かせ、ややおっとり気味の口調で自己紹介をする。
そして、少年の頭上に覆いかぶさるような体勢のまま、無遠慮にそっと手を彼の頬に触れようとする。
ムンムンと湿気を放つセーデの全身タイツは、手指の先までは覆っていない。

「公共の休憩所に寝そべるなんて、浮浪者みたいでみっともないと思うなぁ。
 キミは……うん、浮浪者ってわけじゃないんだろうけど」

スンスンとかすかに鼻をひくつかせ、少年の体臭を嗅ぐ仕草をする。
初対面のはずなのに馴れ馴れしい振る舞いといえよう。

ブレイド > 「お、おう…」

起こしたというかなんというか…こちらが起きても全く動じないあたり
むしろ起きることを想定していたような。
ぼやけてた意識が混乱したままに、同じように滲んでいた視界が鮮明になれば
女性の顔もはっきりと見えてくる。それにしたって近い。

「走ってって…こんな、なんで…え?」

可愛い男の子が落ちている?どこに?
自分がそれだとはまさか思い至らず、むしろこんな日が照っているというのに
街道を走っていたということを不思議に思ってしまう。
まだ混乱のさなかのためか、頬に触れようとする手をかわすこともできない。

「あー、えっと…ちょっと休憩のつもりで…わりぃ」

言ってることは最もなのだが…なんだか様子がおかしい。
彼女が匂いを嗅げば野良仕事をしてきたせいか、汗と土の匂いが少し混じっているのがわかる。

セーデ > 「んー…? 街道を走っちゃ悪い? ふふっ…。
 《この子》は全力で走るのが大好きだから、たまにこうして外を走らせてあげてるの。ついでに伝書の仕事もね」

少年の頬から手を外し、己のデコルテに指をそっと添えながら、ちょっぴり妙にも聞こえる言葉を紡ぐ。
若草色のタイツは女性の豊満な肉体を模るようにピッチリと張り付き、乳房の形までありありと浮かべている。

「休憩してたのね。うん、おやすみのとこを起こしちゃったのはゴメンね。
 でもぉ、キミがそうやって寝そべってると、後に来て休みたい人とか馬車を待つ人がベンチ使いづらいよね?
 わりぃ、って思ってるならいいけどね。ふふっ」

ブレイドからしてみればいきなり頭の傍に腰をおろしていた痴女である、様子がおかしいと思うのも仕方ない。
しかしそんな訝しむ雰囲気のブレイドをまったく気にしないように、セーデはマイペースに言葉を紡ぐ。

「ねぇ、キミ。休憩するなら、そこの小川まで行ってみない?
 こんなところでグテーッとしてるより、脚を冷やして汗を流したほうが、すぐ疲れが取れると思うけど?」

再び頬に指を這わせながら、セーデは笑顔をつくり、少年を水浴びに誘ってみる。

ブレイド > 「悪くねぇけど、暑くねーか?まだ日も高いしよ……
ん?この子……?」

熱を持った手が離れる。が、言っていることが少し妙だ。
『この子』?走っていたのは自分であろうに
まるで他人事…犬に散歩をさせている飼い主のような…などと思いはしたのだが
視線が手を追ってしまっていたために、その胸元も目に入ってしまって思わず視線をそらす。

「たしかにそうだな…悪かったよ
アンタも休憩しにきたのか?」

さっきは男の子が落ちていたなどと言っていたが…それは彼女なりの冗談だと受け止めたようだ。
ゆっくりと身を起こせば素直に頭を下げて。

「ん?ああ、そうだな…それがいいかも。
アンタの言うようにじゃまになっちまうとわりーからな。そうするよ…」

少しばかり負い目があるせいか、振れられることを嫌がる素振りは見せない。
彼女の提案には不自然な点が見られないことから快諾するようにうなずいて

セーデ > 「……うん、これ以上暑くなったらさすがに『走らせる』時間も選ぼうと思ってるけどね。
 でも、開けっ放しの小屋とはいえ、こんなとこで寝てるのもそれはそれで熱中症になっちゃうよ?
 ほらほら、川にいこう、行こう!」

自分の誘いに少年が肯定の意思を見せれば、セーデと名乗った女は楽しげな声とともに立ち上がる。
まるで付き合って数年のカップルめいた馴れ馴れしさでブレイドの手を掴み、引率しようとさえする。

さて、場所を移して、小屋の裏手を流れる小川へ。
さらさらと涼やかに流れる川は浅く、泳ぐには物足りないが涼を取ったり喉を潤すには具合が良い。
ブレイドに先立ってセーデは小走り気味に岸に近づくと、乱雑にブーツを脱ぎ捨て、水面に脚を踏み入れる。

「んぁっ………冷たい! 冷たいよ、ほら!」

黄色い声を奏でながらせせらぎを乱し、ブレイドに笑顔を向ける。
見た目の年齢でもブレイドより数年は上を行っているはずの妙齢の女性が、まるで少女のようにはしゃいでいる。
ぴっちりと肢体を覆うタイツの内側で、豊満な乳房が乱雑に揺れる。
その姿はブレイドにどう見えるだろう。