2019/06/18 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジナイアさんが現れました。
■ジナイア > 雲一つ見当たらない墨色の空に、真円の月が煌々と輝く夜。
昼間の初夏の陽気はすっかり成りを顰め、昼間であれば新緑が映える街道を渡る風は少し冷たいくらいだ。
その街道を、灯りを持たず、月光を頼りに進む人影がひとつ。
黒髪に赤銅色の肌の女が進む様は、月明りに照らされた中、歩く『影』そのもののよう。
その面を上げて天の月を仰げば、翠の双眸ばかりが闇に映える。
(…大丈夫そうだ)
出先で意外と手間取り、帰りが遅くなった。
宿を取ることも考えたが、長居したい場所ではなかったから少し、無理をして夜進むことを選んだ。
月夜になることは知っていた。
雲さえ出なければ、路を見失うこともなく王都へ辿り着くだろう…
そう、感じてしまえば通って行く風は歩く身体に心地よい。
足取りは、速足から少し、ゆるりとしたものに変わって行った。
■ジナイア > 街道の脇を囲む林の、くろぐろとした影に縁どられた空は紺青にも近い。
その濃い藍の空を、月光に負けじと星々がちらつく。
ぼんやりと空を眺めている暇は今は無いが
その内、その『ぼんやり』をするためだけに夜、繰り出してみても良いかもしれない…
そんなもの好きな事を考えながら、また視線を足元から少し、向かう先へと戻す。
辺りに満ちるのは、風が木を揺らす音と、夜鳥の声。
故郷ではあまり、感じられない空気だ…
先を見据える女の熟れた唇が、ほんの少し綻ぶ。
「良い季節だな…」
■ジナイア > 月光の中、街道を進む影。
果たして何事もなく、初夏の夜を十分に楽しみながら王都へと辿り着いたのだろう…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にカインさんが現れました。
■カイン > 「……ふぅ。やっと止んだか」
街道にポツンと佇む大きな岩陰から文句を言いながらも姿を現す男。
自分の身に纏う外套が湿り気を帯びているのを横目に、
げんなりした表情で街道を見渡せば生い茂る草木から水滴が滴っているのが遠目にもわかる。
数刻降り続いた雨がようやく止んだ直後の光景だ。
空を見上げると、先ほどの曇天が嘘のようにな蒼い晴れ間が覗き。
「これだから雨は嫌いだ、っと」
外套を取り外して絞るとボタボタ音を立てて水が落ちる様が見えて肩が揺れる。
「こりゃ落ち着けるところに行ったらほしたほうが良いな…。」
■カイン > 「…雲が出てきたか。のんびり一休みって訳にもいかんな」
空を見上げて遠くに大きな雲が現れたのを見て、
渋い顔になりながら外套を掴んでその場を後にしていく。
次の雨が来る前にと足早に家路を急ぐのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からカインさんが去りました。