2019/03/17 のログ
イーシャ > 「そういえばそうだった。
あんときは都合よく馬車があったけど」

こちらを見る彼女の表情が和らぎ、微笑みのものとなれば青年も緩やかな表情を浮かべて、尻尾をゆらゆらと上機嫌に揺らそう。
彼女と初めて出会ったときも、確かに似たような状況だったが、生憎今回は洒落たものはない。

「んー、そんなとこ…風呂入りたいね
ジーナも…王都にでも戻るところ?」

それなりに服が汚れているところから、正しい意味での汚れ仕事でもしてきたのか。
一応親密な彼女にあまり近づこうとしないのはエチケット。
また彼女もどこかに向かう途中か、少々困っていた風にも見受けられたが。

ジナイア > 『都合よく』の言葉に確かに、と苦笑めいたものを漏らす。
揺れる彼の尻尾をつい目で追ってしまってから、言葉に視線を彼の瞳へと戻す。

「風呂か…同感だな。
ああ、私も帰るところだ…色々あって、服が湿ってしまってね」

ため息交じりに視線を落とし、マントを少し広げて見せれば、その下で白いシャツが少し、貼りつくようになっているのが見えるだろう。

「こちらの今の季節は、昼と夜で差が大きくて困るな…
イーシャも帰る所なのか?」

マントを再度掻き合わせると、フードの奥から緑の双眸を向ける。

イーシャ > 「旅人も冒険者も、抱える悩みは一緒だね」

尻尾につられて動く彼女の緑の瞳に微笑みつつ、彼女のマントの中をちらりちらり。
汚れや汗に苦慮するのは、旅人も冒険者も等しいもの。
とはいえ、シャツが張り付いてボディラインをわずかでも浮き上がらせているのを見ると、なかなかにそそられる。

「あぁ、ジーナの国じゃ季節感とかあんまりなさそうだね
うん、帰る前に温泉行こうかと思ってて、このあたりでもちょいちょい秘湯があったりするからさ…
ジーナもどお?」

フードの中の彼女の顔を覗き込むかのように首を傾げつつ、せっかくなのでその秘湯へ案内しようかと提案を。

ジナイア > 実は汗ではなく、川に落ちた結果なのだが……敢えてそうとは訂正せず、曖昧な笑みを返す。
『温泉がある』と言われると、軽くアーモンド形の眼を見開いた。

「……そう、なのか」

実は興味は人一倍あったのだが、大衆浴場に一人で足を向けるのは気が引け、王都の温泉施設にも行ったことが無い…
逡巡する瞳を下に彷徨わせると、覗き込んできた彼と視線がぶつかった。

「…そう、だな。……行ってみようか」

迷った光と漂わせながら瞬きすると、知った顔が一緒なら、と次にはうっすらと微笑んだ。

イーシャ > 「なかなか、興味深そうだね
じゃあ、案内するよ」

温泉と聞いて興味深そうにするあたり、入ったことがないのだろう。
彼女の控えめな性格を考えればあり得そうではあった。
だがそんな聡明な彼女が川に落ちるとか、想像できるはずがなかった。

「ちょっと道を外れることになるけど、付いてきてね」

ともかく、彼女が受け入れてくれたのであれば、早速案内をしていく。
王都まで向かう街道の途中、横道とは名ばかりのさながら獣道を突き進み、知る人ぞ知る秘湯へ向かうことになる。

ジナイア > 『興味深そうだ』と看破されればまた苦笑を漏らす。
どうにも、彼には読まれ易いらしい…

「ああ、頼むよ」

先を歩く彼に付いていく。獣道を進む、その足取りは軽く…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からイーシャさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にカインさんが現れました。
カイン > 「……ふぅ。やっと止んだか」

街道にポツンと佇む大きな岩陰から文句を言いながらも姿を現す男。
自分の身に纏う外套が湿り気を帯びているのを横目に、
げんなりした表情で街道を見渡せば生い茂る草木から水滴が滴っているのが遠目にもわかる。
数刻降り続いた雨がようやく止んだ直後の光景だ。
空を見上げると、先ほどの曇天が嘘のようにな蒼い晴れ間が覗き。

「これだから雨は嫌いだ、っと」

外套を取り外して絞るとボタボタ音を立てて水が落ちる様が見えて肩が揺れる。

「こりゃ落ち着けるところに行ったらほしたほうが良いな…。」

カイン > 「この寒さに加えての雨ってのは勘弁してほしいもんだ。春も近いってのに今ひとつ温度が上がらんな」

困ったもんだと漏らしながら外套をバッサバッサと音を立てて振るい、
それを岩の上に剣を置いて引っ掻けることで固定してから軽く広げて干しながらも、
日当たりがあまり良くない場所だけにそれ程の効果は望めそうにない。
中途半端に太陽を覆い隠した雲を恨めし気に眺めながら首を鳴らし。

「この調子じゃもう一雨しばらくしたら来そうだな。それまでには町に辿り着きたいが…。歩くしかないか」

そのまま視線を道の左右にやってみるが全く物のない平原である。
人影はおろか動物の影すら見つからず苦い笑みが浮かぶ。

カイン > 「…雲が出てきたか。のんびり一休みって訳にもいかんな」

空を見上げて遠くに大きな雲が現れたのを見て、
渋い顔になりながら外套を掴んでその場を後にしていく。
次の雨が来る前にと足早に家路を急ぐのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からカインさんが去りました。