2019/02/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジードさんが現れました。
■ジード > まれびとの道と呼ばれる街道に差し掛かって少しの場所。
如何にも怪しげな風体の旅人が大きなカバンを片手に街道を歩いていた。
時折カラン、と硬質な物が触れあうような音が手にしたカバンから誰もいない街道に響いていく。
「参った。思った以上に時間がかかる。
いい素材は手に入ったけど俺の体力と足じゃ割に合わないかもな」
ゾスの村から山賊街道へ、山中へ分け入っての薬の材料探しの帰り道。
出たのは昼過ぎで、探していた時間も大したものではない。
だが旅慣れてるとは言い難い身の上には思った以上にキツい行程だった。
音を響かせることを気にした様子もなくまだ見えぬ王都の方を見る。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 街道近く、鬱蒼とした森林から、すこし弾むような足取りで出て来る人影がひとつ。
「唉…すっきりしたァ」
細い目を更に細めて呟いて、薄くて赤い唇は三日月型を形作った。それから一瞬立ち止まるとぐるぐると片方ずつ、腕を回して、仰け反って、腰を捻って、ふーっと息を吐いてまた、軽い足取りで街道の方へと。
そうして街道のごく近くまで来て、何だか足取りの重い怪しげな人影に気付く。段々と足取りがゆっくりになる…向かう方向が一緒だから、声を掛けてみようかどうか…すごく迷いながら、ごく普通に歩いて男の背後から歩みを進めていく。
■ジード > どうしたものかと考えはしながらも、のんびりとした足取りの旅路。
そのさなか、ふと聞こえたのは自分以外の足音だ。
後ろから聞こえるそれに振り返ってみると見知らぬ女性の姿が見て取れる。
この国ではあまり見かけない、かと言ってそこまで縁遠いものでもない飾り気におやと声が自然と上がり。
「やあ、こんばんは。こんな時間にまさか人に会うとはね、
なにか急ぎの旅の最仲かい?それとも時間を忘れて取り残された口かな」
そう軽い調子で笑って告げながら、手を上げて挨拶をしてみせる。
相手が一人というのを見てとってもいるからか、気安いものだ。
■ホアジャオ > 振り返った相手にきょとんと立ち止まって、細い目を何度も瞬く。ちょっとだけ、先を越されたような気分になって後頭部をぽりぽり。
「晚上好…こんばんは。えッと、ちょいと森に隠し…用事があッて…」
怪しげな風体の割りに気安く挨拶をしてくる相手に少し戸惑ったように口ごもる。それから相手を上から下まで見ながら首を傾げて、訝しげに口を尖らせた。
「アンタこそ…何やってンの?」
王都に帰る所なんだろけど、と言葉を継ぎながら、じろじろと無遠慮に視線を投げている。
■ジード > 「森に?そりゃまた、獣が多いと聞いてるが大丈夫なところを見るに腕が立つのかね。
何といわれれば、そうだな。薬の材料を取りに行った帰り…なんだが。
残念ながらあんまり旅に慣れてるとはいい難くてね、もたもたしてたらこの時間さ」
護衛の一人でも雇えばよかったんだがな、と苦笑いしながら後頭を引っ掻いて言い返す。
風体としてはあまり宜しいとは言えない見た目ではあるが、
笑えばそれなりの愛嬌はある方だろう。口の達者さは流石に商人といった所ではあるのだろうが。
「ま、ここで出くわしたのもなにかの縁だろう。どうだい?
王都に行くなら一緒に行かないかい。何かに襲われたのを撃退してくれたらそれはそれで報酬を払うさ」
■ホアジャオ > 口の達者な様子に更に訝しげに口を尖らせる。こういうやつは油断しちゃいけない…とは思うものの、今の自分に何をか失うものがあるわけで無し。
気を取り直して表情を緩めて、男の言葉にまた目を瞬く。
「ホント?丁度小遣いが欲しかったところだから助かるよ」
現金にも弾むような足取りで男の隣に並ぶ。
「…ついでに荷物、持ったげよっか?」
相手がどうやら細っこい部類のようだと見て取ると、覗き込むようにして尋ねた。
■ジード > 「あくまで何かあったら、だよ」
小遣いはね、と笑い飛ばして見せながらも隣に並んだ相手の様子を上から下まで軽く眺め。
「その風体、シェンヤンの出かい?ちょっと前までこの国とはあまり良くない関係だったと聞いてるけど。
旅行か何かでこんな所に?」
明確な旅装という風には見えない相手の様子に不思議そうに問いかけながらも、
荷物のことを言われれば笑って首を横に振り。
「いや、お構いなく…というか薬瓶の類が入ってるからね。
あんまり人に触らせると危ないんだよ、だから多少重くても自分で持つさ。気遣いはありがたいけどね、
優しい娘と出くわせて運が良かったと思っておくさ」
軽い調子を崩さぬままに言葉を紡ぎながら改めて相手に向き直り、ニヤッと笑って右手を差し出してみせた。
「自己紹介がまだだったね。行商をしているジードというものだ、
王都までよろしく頼むよ。薬なら傷薬から夜のお供まで何でもござれ、
用意してみせるからどうぞご贔屓にね」
■ホアジャオ > 故郷の名前を出されるとうんと頷いた。王都との関係には首を傾げてヘエーエと声を漏らす。
「そォなの?アタシ田舎モンだからよく分かンないや…こっちに来たのは、ちょっと家出のついで」
言いながら、興味深々の様子で荷物をためつすがめつしている。そうして目の前に差し出された手にまたきょとんとして相手を見上げた。
「…アタシは『ホアジャオ』ってェの」
よろしく、と手を握り返して笑う。それからまた荷物に視線を投げて
「…打ち身とか、筋肉痛に効くやつってある?高い?」
■ジード > 「俺もそんなに詳しいわけじゃないんだけどね。やれ戦だなんだと、怖いもんだ」
あんまり俺の商売には直結しないし、とろくでもない事を付け加えながら喉を鳴らし。
「ん。よろしく頼むよ、ホアジャオか…やはりこっちではあまり聞かない響きだね。どういう意味なんだい?」
笑って問いかけながらも手を上下させればするりと指を引き抜き。
「ああ、大して高くもないけどなんでまたそんなものを?
何かあったのかい」
おや、と声を上げて言いながら目をしばたたかせて問いかけ。
■ホアジャオ > ふゥん…と興味なさげな息を漏らして、問いかけに視線を男に戻した。
「名前?
…『胡椒』ッてわかる?あれの種類の一つだよ」
じつは小さい頃は大分自分の名前が嫌いだったのを思い出して、少しだけ不機嫌そうな顔になって足元に視線を放る。
それでも直ぐに気を取り直した様子で、再び男を見上げ
「えッと…アタシよく喧嘩すンだけど、そういうときとか…あと最近、馬鹿に重い武器を振り回したらちょッと身体いたくなっちまって……」
喋っているうちに、自分が余程の乱暴者なことが明らかになるのに気付いて、気まずげに視線を落とした。
■ジード > 「へえ。それはまた、面白い由来だな。
胡椒は香辛料としてはねえ高くてちょっと手が出にくいが」
薬の材料になったりするから困ったもんだが、と
顎に手を当てて言い返しながらも続いた言葉には軽く吹き出し。
「あっはっは、なるほど。そりゃまた大変だ?
そういうことなら何事も無く帰り着いたらお近づきの印にプレゼントするよ。
ま、女性は元気な方がいいさ。俺はそっちのほうが好みだしね」
笑い飛ばして見せながらカバンをぽんと叩いて請け負い。
■ホアジャオ > 男の言葉にそォなの?と見上げる。
「故郷の方じゃァ、結構似たようなやつも他に色々あッたけど…」
結構違うんだね、と零しながら後ろで手を組んで、何となく男との間にずずっと爪先で線を引く。
「……ばかにして…」
吹き出した様子の男に不機嫌そうに口を尖らせて軽くにらむ。
男が好きなのはきらきら、ふわふわの女の子に決まってる。
「ま、くれるってェならもらっとくケド…ホントに持たなくていい?」
男と鞄とを見比べるようにする。
■ジード > 「そういうもんだよ。国が変われば好まれる物も変わる。
良いとか悪いとかじゃなくてそういうものさ」
旅をしてるとそれをよく感じると笑っていいながらも、相手の仕草にキョトンとした表情を浮かべ。
「ん?バカになんかしてないさ。
俺はお淑やかなタイプよりもホアジョオみたいなタイプのほうが好きだね。
行動力がある女性ってのはそれだけ魅力的だって自覚はしたほうがいいぜ?」
ニンマリ笑って言い返しながらも相手の言葉にうなずき返し。
「ああ、大丈夫。それにこれくらいの重さは慣れてる――というか、
見た目通りの重さってわけでもなくてね。そういう魔法の道具なのさ。
それに、そこそこ程度には鍛えてあるからね」
これくらいでへばりはしないと軽い調子で言い返す。
■ホアジャオ > 諭されるような言葉にまたふぅん、と声を漏らして、爪先で今度は引いたばかりの線を消している。そうして下から睨むようにして
「軽口は好きじゃァないよ…
まァべつに、アタシはどうひっくり返したって乱暴者だから、男に好かれなくったってかまやしないケド」
最後にはけらっと笑って見せる。
魔法の道具、と聞くと瞳が俄然興味津々の光を宿して鞄へと張り付いた。手が、いかにも触りたそうにうずうずしている…
■ジード > 「じゃあ、軽口じゃない方向性で口説くのならいいかい?
この後王都に戻ったら一緒に食事か、あるいはその先でもってね」
睨まれてもどこ吹く風と言った様子で笑って見せれば一礼し、
そのまま右手を差し出してみせる。先程の握手を求めるそれとは違う、
手を下から差し出す格好で、だが。
「駄目だよ、このカバンは見た目以上に大量のものを格納できるけど、
衝撃にはそれほど強くないんだ。中でいろいろひっくり返したら大事だからね」
だがそう釘を差すのも忘れない。
■ホアジャオ > 差し出された手を反射的にぱし、と握ってしまう。そうしてしまってから何となくバツの悪い顔をして手を放そうとした。
「ごはん奢ってもらうのは助かるケド…
……えー、けち」
駄目と言われると、やりたくなってしまうのが人の常。
「乱暴にはしないから…ちょッとだけ。持ってみるだけ…」
とそおっと手を伸ばす。
■ジード > 「おや、これはオーケーってことかな?」
反射的な行動だろう事は見てわかる。
一瞬驚いた表情を浮かべた後に、その手を軽く引き寄せて肩を抱いてのけようとする辺り手癖は良くないようだ。
話そうとする手をこちらからもしっかり握り返して見せる。
「……全く。本当に乱暴にしたら駄目だよ?」
少し考える仕草をした後、根負けしたようにそう言って片手で何やらまじないをカバンに施してみせる。
若干面倒そうな顔をしたのは、どう転んでも後始末が面倒そうな証拠であるのだが。
はい、と握った手とは反対側の手にカバンを渡し。
■ホアジャオ > 「ごはん奢ってくれンでしょ?」
きょとんと瞬いて、最早自分の都合の良いところしか聞いていない。
それよりも、許可が出た鞄の方が気になって仕方がない。
渡してもらうと細い目を目いっぱい丸くして、へえーとかほぉーとか言いながらひょいと持ち上げたり下げたり。
一応気を使っているようで、鞄が左右に揺れたりはしなかった。
「ホントに軽―…ねェこれ、武器とかにも使えたりすンの?後で重さを戻したりとか…」
数度そうした後、鞄をありがと、と返しながら細い目の黒い瞳がきらきらとして男を見た。
■ジード > 「ゴハンもだけどね、全く…」
困ったなと微妙そうな顔で言いながら肩をすくめて言い返す。
相手がある程度カバンを丁重に扱ってくれてるのを見れば、
一旦ホッとしながらもカバンを受け取り。
「これは中の空間をいじってる魔法の品だから、そういうのは無理じゃないか。
重たい物を持ち歩くくらいはできるだろうけど…そういうのをしたいのなら軽量化の魔法かな?
一時的に掛けるのはそんなに難しくないはずだが、魔化…魔法の武器として使うならかなり高額になるだろうなあ」
そういう類の付与魔術師がいるという話は聞いたことがあるがあいにくと伝手はない。はて、と声を上げて顎に手を当て
■ホアジャオ > 「啊…やッぱ都合よくは行かないねえ…」
心底残念そうにため息を付く。自分は魔法の武器がほしいわけではない。あくまで喧嘩の現場に持っていくまでの間、軽ければいいのだ…
「軽いと早いけど打撃も軽くなっちまうし…難しいなァ…」
どいつもこいつも拳だけでやりあってくれればいいのに、と零してから、はたと男を見た
「…そういやアンタは喧嘩したり……はしないよねェ…」
真剣に伝手を考えてくれている様子の男に対して、誰かれ構わず喧嘩を吹っ掛ける癖を発揮している…
■ジード > 「ま、そういうものさ世の中ね。
軽くした上で衝撃を強くする武器なんてもあるそうだけど、
どれだけの金が必要になるやら」
それもまた相手の求めているものとは違うだろうとは思いながら肩をすくめ。
「別にしてもいいけど、俺がやり合うなら薬を使っての戦いになるよ。
はっきり言って殴り合いは得意じゃないんで得意な所で戦うさ」
それこそ毒や魔法を駆使して戦うしか手がない。
肩をすくめて言いながら諸手を挙げて見せる。
■ホアジャオ > 「そりゃァ便利そうだけど…つまんなさそう」
相手にするなら不足はないケド、と付け足して、溜息をつくと気を取り直したように背筋を伸ばした。
「あはは、ごめんごめん。冗談だよ…
いこっか?」
屈託なく笑って、軽い足取りで2,3歩進んで振り返った。
「途中で音を上げたくなったら、いつでも鞄持ったげるから」
遠慮しなくッていいよ、と更に微笑った。
■ジード > 「つまんないっていう所が、凄いと思うよ」
らくできるに越したことはないだろうにと肩をすくめて返し。
「あいはい、それじゃあ仰せのままに。
…大丈夫だって」
そこまでヤワに見えるかなと困ったようにハイ言い返しながら、
二人で連れ立ってその場を後にしていくのだった。
■ホアジャオ > 相手の言葉にけらっと笑って、男の数歩先を撥ねる様に歩いていく。
ここまでやかましいのが連れであれば、途中襲われることもなく、無事王都まで辿り着いたであろう…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジードさんが去りました。